ワット・ヤイ・チャイモンコンからアユタヤ市内へ戻る途中、遥か彼方まで真っすぐと伸びる鉄道のレールを発見。南の国際都市バンコクと北部最大の都市チェンマイの751.42kmを最短11時間で結ぶタイ国有鉄道のクルンテープ=チエンマイ線(本線)の線路であろう。バンコク~チェンマイの寝台列車での旅とかロマンに溢れすぎていて、想像しただけで気分がウキウキしてくる。
地図を見るとアユタヤの鉄道駅はすぐ近くのようなので、ちょっと寄り道することに。
こじんまりとしながらも旅情溢れる駅舎。駅前にはレンタサイクル屋があるしバイタク運ちゃんもうろついているので、バンコクから鉄道で来ても不便はしないだろう。
単式ホーム及び島式ホーム2面の複合型ホーム3面4線をもつ地上駅だ。
南線はバンコク行き、北線は最遠で北に650Kmの位置にあるタイ北部最大の都市・チェンマイまで走ります。流石は世界遺産都市アユタヤの鉄道駅なので、これだけ小規模な駅ではあるが一応は一等駅であり、特急の停車駅でもあるらしい。
北行きと南行きそれぞれの時刻表。クリックすると拡大できます。これを見たらバンコク行きは22:55アユタヤ発が最終便のようだ。バンコク駅からの距離は71.08km、特急で約1時間半、普通列車で約2時間で結んでいる。普通列車利用の場合の運賃は、3等車で15バーツ(約45円)、2等車で35バーツ(約105円)、1等車で66バーツ(約200円)、特急列車利用の場合は指定席で315バーツ(約945円)で、昼食のサービスが付くそうだ。因みにバンコク-チェンマイ間の756Kmの基本料金は最安値の3等で121バーツ(約360円)、1等でも593バーツ(約1800円)、これに列車の種別やエアコン有無、寝台有無などで費用が追加されていく。例えば急行なら+80バーツ、エアコン付き2等寝台の上段なら+220~250バーツといった具合である。利用する列車や車両の種別や等級によって料金が細かく異なる料金体系となっているようなので、タイ語の出来ない外国人にとっては辛いところだ。
◎1等:エアコン付2人用個室で、夜は上下の2段ベッドになる。
◎2等:一部寝台、一部座席タイプ。座席は片側2人がけ、エアコン付きかファンのみの2種類ある。寝台のベッドは進行方向建て並びで上下2段。
◎3等:2~3人がけ、クッション無しの木製シート。
合計4路線でタイ全土を網羅している。
◎北線:バンコク~チェンマイまで。所要11~13時間。
◎南線:マレー半島を南下してタイ南部最大の都市ハートヤイにいき、そこから南東方面のスンガイコーロク行き(15~22時間)と南方面のパタンプサール行き(17時間)に分岐。
◎東線:バンコク~カンボジア国境のアランヤプラテートまで。所要5時間30分。
◎東北線:バンコクからナコーンラーチャシーマーまでいき、そこからラオス国境のノンカイ行き(11時間)とウボンラーチャタニー行き(8~12時間前後)に分岐。
上手い具合に鉄道を乗りこなせれば国境を越える旅も楽しめる。例えば、バンコクから14:45発のバタワース行きSP EXP35に乗ると翌日正午に到着、20:55発翌06:45着のクアラルンプール行きの列車に乗ることができる。あるいは、バタワースで一泊すれば翌朝7時発の列車に乗りば21:40にはシンガポールに到着することもできる。嗚呼、自分にもっと時間があれば…
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