秘密の小部屋でエロスの祭典 ナポリ国立考古学博物館

ポンペイからナポリへと戻り、ナポリ国立考古学博物館へと直行します。

ポンペイのインフォメーションセンターで地図をくれた学芸員さん曰く、行かなかったら死ぬまで後悔することになるくらいの博物館だそう。それこそツバの飛沫がビチャビチャと飛んでくるくらいの勢いの力説っぷりで、訪問するよう勧められました。

古代ギリシャならアテネの考古学博物館だし、古代エジプトならカイロの考古学博物館、そしてポンペイに関しては間違いなくナポリの考古学博物館以上のものはない。Must-see、Must-seeなんだ!と何度も吠えるように断言してましたからね。

時間的に閉館まで間に合うか微妙なラインでしたが、キリの良いところでポンペイ観光を切り上げ博物館へと移動することにしました。

いかにも犯罪行為の温床といったアウトローなベスビオ周遊鉄道に乗ってナポリへ。駅名もミステリ駅とか、なんだか事件に巻き込まれる気しかしませんねw

実際、事件こそ起きなかったものの、激混みの中で流しのミュージシャンがガンガンに演奏したりと陽気なカオスといった雰囲気。揺れも大きい、人は多い、照明は暗い、音楽は煩いしで、かなーり乗り心地の悪い鉄道でした。

ナポリに着いてからは博物館に直行し、クローズ40分前に滑り込みセーフ。あまりガツガツ働かない印象のイタリアの公務員ですが、19:30まで営業してくれてるのはありがたい。

博物館のオープンは1816年。ナポリ公国王が代々受け継いできた膨大な数の財宝、美術品、芸術品のコレクションを展示する目的で開業したそうです。

特にファルネーゼ家の大理石彫刻、ポンペイで出土した壁画やモザイクアート関連では他の追随を許さない国宝レベルの展示品が並んでいて、普通に見学しようとすると半日はかかるくらいの規模感でしょうか。

彫刻エリア

1階のフロアに並ぶ神々や英雄を題材とした古代彫刻の数々は質量ともに圧巻。
ポーズや場面設定に特徴的なものが多く、ユーモアあり、エロスありと、古代の芸術家独特の感性や世界観を心ゆくまで味わうことができます。

神々しい系、美しい系、凛々しい系など数多くの英雄や神々が並ぶ中、やっぱり主役はこの人。
もうこれ以上ないっていうくらいムキムキの脳筋アタッカーが高さ317cmのサイズで迫ってきます。このオーラ、この風格、この体躯。これこそが神話界最強、男の中の男、天下無双の英雄ヘラクレスです。

ヘラクレスがマスキュリンサイドの代表格なら、フェミニンサイドの代表はこの人ヴィーナス。
つやめかしく、滑らに、奥深く。あらゆる時代のあらゆる文化の美を一身に凝縮したかのような圧倒的な美。ここでは後ろ姿に自信ありとばかりに衣を大胆にたくし上げ見事な美尻を見せつけていて、ついつい石だと分かっていてもお尻にかぶりつきたくなってしまいます。

ポンペイのフレスコ画・モザイク画

1階に並んだ彫刻群を抜け2階に上がると、火山灰の下から甦った2000年前の芸術作品が待っています。
ってか、ポンペイで見たモザイク画ってレプリカだったんですね。流石に2000年前の国宝級の芸術作品を野晒しにしておけないということで、主だった作品はこちらの考古学博物館に運ばれてきたそうです。やっとポンペイの学芸員がこの博物館をゴリ押ししていた意味が分かりましたw

作品のテーマはギリシャ神話に因んだものが多め。これは当時のポンペイの有力者の間でギリシャ文化に精通した教養人アピールをするのが流行っていたからだとか。

いずれの作品も2000年前に描かれたままの鮮明さが保たれていて、活き活きとしたギリシャの神々の様子や寓話の中身などがハッキリと見て取れます。

メメント・モリ

革なめし工房の食卓の天板には、メメント・モリ(死を想え)のモザイク画が設置されていました。食事の度にドクロとご対面とはなかなかシュールな内装コンセプトですが、現代にもスカル柄が好きな人ってたまーにいますからね…というわけではなく、このドクロには古代の死生観に基づく深イイ哲学的理由があったそうです。

メメント・モリは「今は勝ってても明日は死ぬかもしれない。死を想って気を引き締めていけ。」という意味でローマ軍が使い始めた警句ですが、いつしか「どうせ皆いつか死ぬんだから、飲んで食べて今日という日を楽しく生きようぜ!」という楽天的な解釈に変わっていったとか。こんなん食卓にあったら絶対にダイエットできないやつですね。

アレクサンドロス大王 イッソスの戦い

ポンペイから出土したモザイク画を数多く抱えるナポリ考古学博物館でも、最も有名で価値のあるものとされているのが、ポンペイの大富豪・ファウノの家で見つかったイッソスの戦いのモザイク画。
アレクサンドロス大王がペルシャのダレイオス3世を蹴散らす場面が2.72 x 5.13mという壮大なスケールで描かれています。

入り乱れる兵士と躍動感あふれる馬が臨場感たっぷりに描かれたこの超大作、凄いのは作画のスケールだけじゃありません。なんとモザイク画に使われている石片のサイズは僅か数mm四方で、使われている石片の数は約100万個。色のついたこれらの細かな細かな石片が無数に組み合わされていくことで、絵画のように細密で精巧な構図が作られているのです。

愛馬ブケパラスの上で勝利を確信し、目を大きく見開き敵将を討ちにかかる若きアレクサンドロス。それに対して予想外の展開に動揺し、戦車を牽く馬たちの向きを変え退却姿勢に入ろうとする中年の将ダレイオス3世。

数に勝るペルシア兵に対して勇猛果敢に攻め入るアレクサンドロス大王と真っ先に逃走態勢に入ろうとするダレイオスの指揮官としての資質の差のようなものが絶妙に表現されているし、旭日昇天のマケドニアと落日の老大国ペルシアの覇権交代の様が見事に描き切られています。

モザイク画の最高傑作と言われるのもこの超大作を拝むだけでもここに来る甲斐があるかと思います。

秘密の小部屋

2階の一角には秘密の小部屋なる展示コーナーがあり、風俗関係のコレクションが並べられていました。キリスト教布教以前の世界のものということでかなりキワドイ展示物ばかりなので、エロ系が無理な方はこちらでブラウザバックをお願いしますw

白鳥を掴んだ男が興奮し過ぎてギンギンに。きわどいというか、完全にアウトですねこれはw

男の視線の先に何があるのか分かりませんが、腰蓑を貫いてきましたねw 完敗です。というか勝ち目ありませんw

見てるこっちまで興奮してくるレベルw

もはや相手が人間ですらない。男自身もヤギと人間のハーフで、こう見えてパーンという神様らしい。

壺やお皿といった家財道具にも、隙あらば春画。

可愛らしいミニチュア像と見せかけて、チ〇コだけジャイアント。

コケティッシュだけどあの部分だけリアル。これでお香でも焚いていたのであろうか。まぁ豊さや強さの象徴みたいなもので、縁起物ですからね。

ド真ん中へのド直球。言わずもがな、考古学的に価値のある芸術品です。

息子との添い寝w

ヘラクルスのような屈強な男たちの激しすぎる絡み合い。

最後は多種多様なチ〇コ画像でお目汚ししてしまいましたが、古代の庶民生活を今日に伝える貴重な出土品なのでご容赦くださいw チ〇ココレクションが謎に充実しすぎてて、地下のエジプトコレクションを見学する時間がなくなっちゃったのはここだけの秘密ですw

ナポリ考古学博物館公式サイト (mann-napoli.it/en/)

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