ラジャ・プスタカ博物館にワヤン・オラン劇

スリウェダリ公園内にあるラジャ・プスタカ博物館。1890年に開館したインドネシア最古の博物館らしい。

古いだけで何の取柄もなさそうな博物館ではあるが、博物館フェチの自分としてはどうしても旅程から外せない。ということで、ホテルから歩いてスリウェダリ公園へと向かう。

ひだり みぎ
ホテルからスリウェダリ公園は目抜き通りのジャラン・スラメッ・リヤディを西に一直線。古都だからなのか、道中、遺跡風廃墟やら石碑やらが普通に道脇に放置されてたりする。


15分ほど歩くと、要塞のように頑丈そうな石壁に覆われた一角が見えてきた。地図によるとこの塀の中がスリウェダリ公園となっているが…

ひだり みぎ
しかも壁面に設けられた仏龕には古めかしい上半身裸の英雄像(?)が鎮座しているし。これが古都の雰囲気というものなのか。


あった。ラジャ・プスタカ博物館。ファサード正面のカーラが思いっきり睨みをきかせてる。

カーラ、遠目で見たら迫力ある表情で睨んでるかと思ったら、思いっきり目をひん剝いて笑ってるw

当時この建物はオランダ人所有の邸宅だったが、王家所有の博物館にする為に王族によって買い取られたんだそうだ。

野外にはジャワやバリ島から収集されたヒンドゥー教の神々などの石像品が放置展示されている。

パールヴァティーの石材彫刻。ヒンドゥー教の女神の一柱で、最高神シヴァの神妃。


ガネーシャ。埃まみれゴミまみれの神々の姿を見ると泣けてくる。

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館内に入ると、正面に控えておられるススフナン王家の御意見番さんと対峙する。そこは建物を買い取って博物館を開いた王様の像を置いたれよと思いたいところだが、ともかくこの博物館にはカスナナン王家の文化的・歴史的に貴重なコレクションが納められているようだ。

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ガムラン一式にジャワの伝統芸能の1つ・影絵芝居の影絵人形。

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ジョグジャとソロの王宮文化に因んだ伝統的な柄のバティックが洋服の青山バリにポーズをキメたマネキンを使ってディスプレイされている。貴重な物らしいのに手入れもされず、貴重物につき接触禁止と書かれてても簡単に触れられるように展示されているのもインドネシアらしいっちゃらしい。

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チーク材で作られたイモギリ陵墓の模型。ソロとジョグジャの4つの王家は共通の祖先を持ちつつ本家末家論争を繰り広げているが、最後は一緒に仲良く眠るんですね。実際にイモギリを訪問してもイマイチ全容が掴めなかったが、今回模型を見てなんだかスッキリした。

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聖剣クリスとその鞘のコレクション。ぐにゃぐにゃした方は突き刺されたらいかにも痛そう。


船の先っちょにくっつける魔よけラジャマラ、中国の獅子舞に出てくる小道具みたい。
他にもかび臭い歴史書や王族の家具・調度品等の大物が埃を被ったままの姿で展示されていて、コンパクトながら見応えのある博物館である。


博物館の裏手には観光案内所があり、陽気なオッサンが親身になって相談を受け付けてくれる。因みに、彼からの情報を頼りにして訪問したレンタバイク屋は既にバイクのレンタル業から撤退してました…

【ラジャ・プスタカ博物館】
開館時間: 火~木・土日:08:30-14:30
金:08:30-11:30
入場料:5,000ルピア

ラジャ・プスタカ博物館のあるスリウェダリ公園は複合レジャー施設みたいになっていて、博物館以外にも遊園地があったり映画館があったりと見どころ沢山。その中でも観光案内所のオッサン一押しなのが、公園の大ホールで上演される伝統芸能のワヤン・オラン。オランとはオランウータンのオランと同じで人という意味を持つことから、お面や木偶ではなく、人が演じる舞台となっている。歌舞伎劇みたいなものであろう。

火曜から土曜の20:00-22:00に上演されていて、入場料はなんと3,000ルピア!ジョグジャのラーマーヤナ舞踊の100分の1で伝統芸能を鑑賞することができるのは旅行者には有り難い話。

是非いい席で観劇しようと開場前からスタンバイし、カウンターが開くと同時に3,000ルピアを支払って最前列に陣取った。

席は自由席。オペラのように楽団が舞台前の低いところで生演奏し、それに合わせ舞台の上で劇が行われる。台詞はジャワ語なのか、インドネシア語の字幕が舞台脇左手に設置されている。舞台の背景画が銭湯の富士山よりも安っぽい…


役者は自分のセリフがない時には衣装の具合を調整してみたり、無駄に上体を揺すってみたり、あるいはアクセサリーをいじくってみたりと落ち着かないし、踊りの動きはそろっていない。こうも地方都市にある場末のストリップ劇場的な、どうしようもないやるせなさに会場全体を支配してる。

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開演から5分くらい経っただろうか。急に場面が目まぐるしく変わり、地元の人達、大ウケ。どうやらドリフターズばりのドタバタ喜劇のようではあるが、疲れもあったので、ゆっくりと会場を後にすることに。大した時間つぶしにすらならなかったどころか、期待に胸ふくらませながらまとわりつく蚊を追い払っていた待ち時間の方が長かったのが悲しいところ。



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