ヤンゴンからバガンへ JJ Express VIPバスで

いよいよ二泊したヤンゴンから夜行バスでバガンへと向かう。

バガンはヤンゴンから北に約600km離れており、飛行機・列車・バスのいずれかで移動することになる。
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今回は夜までヤンゴンで目いっぱい観光を楽しんでから移動できる夜行バスでバガンを目指すことにした。寝てる間に移動できて、翌朝も朝一からバガン観光に時間を充てられるし。

利用するバス会社はJJ Expressことjoyous Joueney Bus。他に大小無数のバス会社がヤンゴン⇒バガンのドル箱路線に参入しているようだが、座席配列が1-2でゆったりとした座席スペースがウリのVIPバスを持ち、更にはオンラインで事前決済と座席の事前指定が簡単に出来るJJ Expressを選択した。一人旅なら是が非でも1人席を事前に確保したいですからね。

事前予約は非常に簡単。とりあえずJJ Expressのホームページにアクセス。



トップページで出発地・目的地・出発日等を選択し、Searchボタンをクリック。


その後、バスの便を選択してBook nowをクリック。空席状況もリアルタイムで表示されるし分かり易い。


あとは座席を指定して決済へ。自分の場合は出発1か月前に予約をしたが、33席のうち2席のみが予約されているという状況だった。夜行バスは旅人の利用が多いので、事前予約よりも出発前ギリギリになってバスターミナルや旅行会社でチケットを買うといった人の方が多いのであろう。


サービスチャージとしてUS$0.76が加算され、最終決済額はUS$19.76となった。決済後は登録したメールアドレスにバウチャーが送られてくるので、プリントアウトして出発当日にバスターミナルにあるJJ Expressのオフィスで見せるだけ。至極簡単な手続きだ。

アウンミンガラーバスセンター(Aung Mingalar Highway Bus Station)

ということでヤンゴンを離れ、世界最大規模の仏教遺跡群が遺るバガンの町へと移動する。

JR東海バスや下呂温泉直行バスが停車するアウンミンガラーバスセンターへ。ヤンゴン以北のバガンやマンダレー、ピイなどへ発着するバスはアウミンガラーハイウエイバスステーション(Aung Mingalar Highway Bus Station)が拠点となる。


ヤンゴンの市街地から北に約20キロと空港より更に北に位置していて、タクシーで行くと片道8,000-10,000チャット程度の運賃がかかる。朝夕を中心にひどい渋滞地獄に巻き込まれる可能性もあるので時間に余裕をもって市街地を出られた方が良いでしょう。

ひだり みぎ

JJ Expressのオフィスでバウチャーを見せチェックインをしてもらい、あとはバスの出発時間まで適当にぶらぶら過ごすことに。

ひだり みぎ
Elite Express, Famous Traveller Express, Shwe Mandalar Bus, Khine Mandalay Expressといったバス会社のオフィスだけでなく、飲食店やつまみ等を調達できる商店も並んでいるので出発前に腹ごしらえすることができる。

JJ Express Bus

ひだり みぎ
事前の情報通り座席配列は1-2。座席指定時はガラガラだったけど、実際はほぼ満席。やはり予約なしで当日になってウォークインで乗車券を買う人が多いのだろう。


足元は窮屈だけど我慢できないこともない。

ひだり みぎ
座席にはコンセントも付いてるし、出発前には水、おしぼり、スナックパック、ブランケット等を頂けたりと、思いの他サービスも充実してる。

出発も定刻通り。道中は真っ暗なので車窓の景色を眺めるといった楽しみ方が出来ないので体力回復の為に眠りにつきたかったのだが、冷房が効きすぎていて中々眠れない。熱帯の国では冷やせるだけ冷やすのがおもてなしとでも考えているのだろうか…前方のモニターには18℃と表示されていた。荷物を預ける前に衣類を取り出しておいた方が良いでしょう。



途中、ネピドーのサービスエリア的なところで30分のトイレ休憩を挟むのだが、バスの中での待機は許されず、真夜中にもかかわらず強制的に下車をさせられる。時間は22:30で、まだまだ深夜帯ではなかったので飲食店や露店も賑わっていた。

ひだり みぎ
ひだり みぎ
こんな夜間に油ギッシュなミャンマー料理はちょっと…と思ったら果物も売ってて助かった。アウンミンガラーバスセンターの飲食施設よりは全体的に衛生的かな。30分しかないので急いで食べることになるけれど。

30分の休憩を終え、乗客全員が揃ったことを確認してからバスは再出発。これで眠ってしまえば目が覚めた頃にはバガンに着いている…そう思い深い睡眠状態に入った矢先の02:30、メイッティーラにて本日二度目のトイレ休憩でまたしても強制下車プレー、真夜中に外へと放り出されることに。

この二度目のトイレ休憩後は寒さと激しい揺れと闘いながらひたすら眠り続け、朝の5時15分、当初の予定より45分程早くバガンのバスターミナル(Bagan Shwe Pyi Highway Bus Terminal)に到着した。
ひだり みぎ
案の定、バスを降りるなりバスの乗客とタクシー運転手との激しいせめぎあいが…


3,000チャットでニャウンウーまで送ってくれるというバイタクで移動。


途中、山小屋みたいなチェックポイントで25,000チャット(≒2,000円)の入域料を支払って憧れのバガンへ!二泊しかないんで、初日から電動バイクを借りてガンガン遺跡を攻めますよ!

【バガン入域料】
バガン周辺に無数に散らばる寺院やパゴダに入り放題のフリーパスで、一回の支払いで3日間有効。
参考情報:バガン入域料、一回支払いあたりの有効期限が5日かんから3日間へ短縮へ

【JJ Express ヤンゴン⇒バガン】
運賃:US$19
20:00 ヤンゴン発
22:30 ネピドーにて30分の休憩
02:30 メイッティーラにて10分の休憩
05:00~06:00 バガン着

パゴダ天国のヤンゴンを満喫 チャウッターヂー・パヤーとメーラム・パヤー

シャン料理の名店 Shan Yoe Yar(シャンヨーヤー)での夕食を済ませ、バガン行きバスの発車時間までの暇を潰すためにやってきたのはこちら。

チャウッターヂー・パヤー(Chauck Htat Gyee Paya)

ひだり みぎ
入り口からセクシーな御体とご尊顔がはみ出ちゃってますねw


どどぉーん!という効果音が今にも聞こえてきそうなこちらのパゴダは、全長70m・高さ17mの涅槃像がセクシーに横たわるチャウッターヂー・パヤー。ヤンゴン市街地のシャングリラからタクシーで15分かけてやってきました。

ひだり みぎ
舞台裏で出番待ちしているかのような佇まいの巨大涅槃像は、目鼻立ちはっきりで優美で妖艶な表情。ワキの処理もばっちり。東南アジアの金ピカ仏には耐性がついたが、こういう美白仏はあまり見たことが無く、ただただその美しさに感嘆するばかりである。

見る角度によっては優しく微笑んでるようにも見えたり、悩まし気な表情にも見えてきたり…。どの角度から見ても絵になる素晴らしい被写体だ。

黄金に輝くワットポーの釈迦涅槃仏とは異なり、美白の肌に真っ赤なルージュと涼しげなブルーのアイシャドウ、そして長い付け睫と、妙に化粧めいた仏様。仏である以上は男性でおられるのであろうが、このお姿は性別なんか完全に超越しておられるというか…ちょっと美輪明宏っぽいw


ネイルもばっちりで、桜色のマニキュアが塗られている。ガラスモザイクで飾られた袈裟もお洒落だし、間違いなく世界一美意識の高い仏像と言えるでしょう。ここまでとことん美を追求した仏像は他には例がないと思う。

ひだり みぎ
なんとペディキュアまでもばっちりで、お足元も抜かりなし!

ひだり みぎ
足の裏には人間の煩悩の数である108の数の仏教宇宙観図が描かれているのだが、ワットポーの涅槃像は足の裏がまっ平らの偏平足なのに対し、こちらチャウッターヂー・パヤーの美しき寝釈迦様の足の裏は優美な曲がり具合を示して実に人間らしく美しい。指と踵の丸みなんか、押すとぷにぷにしそうなくらいリアルさだ。

大きく美しい涅槃像へ祈りを捧げた後は、バガンへのバスが出発するアウンミンガラーバスターミナルへの道中にあるメーラム・パヤーというパゴダにも寄っていくことに。何せ20:00の出発時間までもう暫く時間がありますからね。

【チャウッターヂー・パヤー(Chauck Htat Gyee Paya)】

アクセス:ダウンタウンからタクシー(運賃は3,000チャット前後)もしくはスーレーパヤーから219番のバス

メーラムパヤー(Mai La Mu Paya)


ダウンタウンから北に10km程、ヤンゴン国際空港の手前に位置するパゴダになる。16時過ぎに向かったところ、運転手曰く退勤時間に重なったとのことで渋滞にはまり、チャウッターヂー・パヤーからタクシーで40分程かかってしまった。


一応ガッツリしたパゴダもあるけれど、メーラム・パヤーには仏教説話のストーリーを再現したような仏像が多く並んでいて、さながら仏教のテーマパークといった具合のパゴダらしい。とりあえずメーラム・パヤー見学後にバースターミナルに行くので、タクシーの運転手には駐車場で待ってもらうことにして一人で参拝することに。


もうね、入って直ぐ目の前に現れる前屈するガリガリの男を見て察しましたよ。ここは面白系パゴダなんだろうなと。

ひだり みぎ
ひだり みぎ
なんだろうこの溢れ出るコメディ感。園内にはすごくゴキゲンそうな表情の像が立ち並ぶ。タクシーの運転手は外国人をここに連れてくるのは初めてと戸惑っていたが、日本人にはお勧めできるB級スポットですよ!とお伝えしておきましたw

ひだり みぎ
ひだり みぎ
一々表情だったり服装が無駄にリアルなんですよねw


唐突に現れる大口を開けたワニ。


ワニの側腹部が開いていて体内に侵入可能、刳り抜かれた体内のスペースは博物館として利用しているようだ。なんたるセンスw。


ひだり みぎ

ワニの体内にも仏説のシーンを開設した絵画やジオラマが並ぶ。仏教に造詣の深いというか敬虔な仏教徒の現地ピーポーな皆様ならこれら展示物をみて「ああ、あれね!あのシーンね!名場面がよく再現されている!」となるところなんだろうが、仏教徒でもなければ仏教に関して全くの門外漢の自分が見てもサッパリ珍紛漢紛。が、ワニの体外に出る時に職員に止められ「どうだった?(楽しかったでしょ!!勉強になったでしょ!))」と目をギラギラに輝かせながらとりあえず満面の笑み+両手サムズアップで回答しておいた。やっぱ現地の人の感覚的に仏教徒でもない外国人が一人ふらふらとやってくるような場所じゃないので、ガチ仏教徒の同志にでも見られたのかな。

ダウンタウンからのアクセスは良いとは言えん。空港やアウンミンガラーバスセンターの方面にあるので、ヤンゴンに入る日かヤンゴンに出る日に訪問すると時間の節約になる。
【メーラム・パヤー(Mai La Mu Paya)】



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ヤンゴン市内のシャン料理の名店 Shan Yoe Yar(シャンヨーヤー)

ヤンゴンでの最後の晩餐は、宿泊先のシャングリラホテル直結のショッピングモールに入るシャン料理の名店“Shan Yoe Yar シャンヨーヤー”で摂ることに。

多民族国家であるミャンマーには民族ならではの郷土料理も多数存在するのだが、今回頂くシャン料理は、ミャンマー東部にあるシャン州山間部の盆地に多く住むシャン族の民族料理。中国雲南省・ラオス・タイとも国境を接しており、ミャンマー要素は比較的薄い料理のようだ。

脂っこい料理が基本のミャンマー料理にあって、山岳地方で生まれたシャン料理は油控え目で、ハーブや野菜を多用するなどヘルシー志向。高菜や豆腐、味噌など日本でも馴染み深い発酵食品が味わえることもあり、和食にも通ずるエスニック料理的な物らしい。

結論から申し上げると、油ギッシュなミャンマー料理で常に食傷気味だったミャンマー滞在期間中で、一番自分の口と胃に合った料理だったかと思う。

ヤンゴンの一等地中の一等地に建つスーレースクエアの二階にある。シャン族の伝統的家屋風の外観でいかにもお高そうな雰囲気をプンプンと漂させていてちょっと尻込み。


店頭の看板に案内されているセットメニューが手頃だったので安心して入店することにw。お昼のサービスランチ的な内容なのかな。

ひだり みぎ
ダークブラウンの木の空間が広がり落ち着く雰囲気の店内。民族衣装を身に纏った陽気な店員さんも色の黒く細面のミャンマー人と違い、色白丸顔でシャン族風。

経営者は日本にも滞在経験のあるシャン族の御方らしく、welocome!と言って笑顔で差し出されたのはまさかの日本語メニュー。「カィエンディータゥン 2,500 KS ナッツを炭火で焼き、すり潰す。ご飯のお供にもおつまみにも」といった解説がメニューの写真と合わせて載っているので、シャン料理のことを全く知らなくても安心してオーダーできる。
ひだり みぎ
「ギンナンとアスパラガスの炒め物」「豆腐サラダ」「納豆チャーハン」「イカと納豆の揚げ物 」などなど、確かにカレーごり押しのミャンマー料理とは毛色の違うメニューが並ぶ。一品料理が多いので大人数でちょいちょいつつきたい系レストランかな。

今回は一人でのボッチ飯だったので、やはりここはセットメニューをオーダーすることに。
Set Menu (A)
– Spicy Fried Shredded Pork
– Steamed Sticky Rice
– Pounded Eggplant
– Today’s Salad
– Meatball Soup
– Peanut
– Coffee
これだけ色々揃って9,000チャット(≒720円)は日本人感覚的にはお得感あるな。これでも現地相場からはかけ離れた高級料理になるんだろうけど。

ひだり みぎ
適当にオススメセットメニュー頼んだら続々と小料理が運ばれてきて、何からどう手をつけていけば分からない状態になったw でも、いずれの料理も確かに日本人の口に良く合うさっぱりマイルドな味付けで、今まで食べてきた“ミャンマー料理”の中では一番じゃないかなと思えるくらい。ペースト状にすりおろされた茄子なんて和食料理屋で出てきても違和感ない一品だったし。


ただ、調子のって注文した“シャン酒”がちょっとねw まんま白酒で、アルコール度数50度超だってさ。これは完全に宴会向け。

所感

ハーブや発酵食品を使ったヘルシーなメニューから、ガッツリ食べたい肉系海鮮系メニューまで揃っているし、一品あたりのお値段も大変手頃。日々脂っこいミャンマー料理ばかりで食傷気味…というそこのあなた、日本円で1,000円そこらで腹いっぱい食べれるシャン料理は如何でございますでしょうか…

【Shan Yoe Yar(シャンヨーヤー)】

ホームページ:https://ja-jp.facebook.com/ShanYoeYar/
住所:Sule Square, Sule Pagoda Road
電話:+95 9 250 566 695


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16円の一日乗車券!ヤンゴン中央駅から環状線に乗ってみる

18:00のホテルチェックアウトまで時間があったので、ホテルから徒歩圏内にあるミャンマー最大の鉄道駅・ヤンゴン中央駅に行ってヤンゴン環状線に乗ってみることに。

38の駅を各駅で停車しながら3時間かかりで広いヤンゴン市内を一周するヤンゴン環状線。

一周の全長は山手線の約1.5倍の45.9km。
全29駅、全長34.5kmを1時間で周回する山手線と比べるとのんびりちびちびと走るようだ。

シャングリラホテルから駅へと向かう道中、スーレーパゴタ通りの陸橋からヤンゴン中央駅駅舎と哀愁漂わすレトロな列車が見えてきた。
ミャンマー中央駅は、ミャンマー北部・内陸部・シャン高地・沿岸部の地域を網羅する総延長6,100kmのミャンマー鉄道網の玄関口。ミャンマー風の駅舎は階段式屋根が仏塔を想起させるユニークな設計だが、これは、戦後の1954年に完成したものだそうだ。中央駅というのに周囲には緑が溢れており、駅舎はまるで秘境の中の遺跡のよう。
ひだり みぎ
因みにヤンゴンはミャンマーにおける第一の都市であるが、架線が無く電車は走っておらず、ヤンゴンを走る鉄道はすべて気動車となっている。それも、現役で活躍するのは、定年退職後にアジアに移住し活躍する日本人シニアの皆様よろしく、JRや日本の民鉄・私鉄などで使い込まれて引退した中古車両。日本で現役を退いた後にやってきて、海を越えたミャンマーの地で大活躍しているそうだ。

2000年代以降には、日本で不要となった中古車両が数多く譲渡されている。名古屋鉄道・伊勢鉄道・のと鉄道・天竜浜名湖鉄道・三陸鉄道・甘木鉄道・真岡鐵道・平成筑豊鉄道・北海道ちほく高原鉄道・松浦鉄道・樽見鉄道・いすみ鉄道・井原鉄道・北海道旅客鉄道(JR北海道)・東日本旅客鉄道(JR東日本)・東海旅客鉄道(JR東海)・西日本旅客鉄道(JR西日本)・四国旅客鉄道(JR四国)から譲渡された気動車のほかに、日本貨物鉄道(JR貨物)・北海道旅客鉄道(JR北海道)から譲渡されたディーゼル機関車、北海道旅客鉄道(JR北海道)から譲渡された客車、広島電鉄から路面電車が導入されている。

wikipediaから引用。
この日はどの車体が出てくるか、ヤンゴン環状線ガチャが楽しみである。

ひだり みぎ
陸橋を渡り終えて駅前へと差し掛かると、駅前が青空食堂で賑わっていた。極めて賑やかな駅前、良いじゃないっすかミャンマーらしくてw


青空食堂には胃もたれ間違いなしのミャンマー料理の数々が並ぶ。


駅前の繁華街を抜けると、いよいよ遺跡風のヤンゴン中央駅が姿を現した。4つの尖塔をもつ3階建ての立派な造りの駅舎だが、現役の駅舎というよりは歴史的遺構といった感じの廃れぶりである。



4面7線のホームを有するミャンマー最大の駅になるが、その雰囲気は、どちらかと言えばうらびれた田舎町の地方駅といった感じ。築60年以上たっても全くといっていいほど改修・修繕の手が入っていないようで老朽化も著しいし、切符の販売も改札ももちろん手作業。


こちらは長距離路線用の販売窓口になるのかな。マンダレー行き・パコックー行き・ピイ行き・ダウェイ港行きの時刻表が掲示されていた。因みにヤンゴン⇒マンダレーの所要時間は約15時間だが、この区間に投入される電気式気動車を丸紅主導のプロジェクトチームが受注して、所要時間も短縮されることになるらしい。鉄道譲渡も慈善事業じゃなく、しっかりと実利あるビジネスに繋げているようだ。


そんなこんなで駅ならではの旅情を味わっていると、突如として背後から「写真撮ってくださいおじさん」現る。撮影後に見せたら納得の出来だったようで、握手を求められたうえで満足そうにプラットホームへと消え去っていった。これはなんだったのだろうか…

謎のおじさんの出現に戸惑いつつも、私も写真撮ってくださいおじさんに着いてホームへと入ってみることに。

ひだり みぎ
充電スタンドやら雑誌やらが置かれたホームでは多くの乗客がグダグダと昼下がりのひと時を過ごしていて、スローライフを満喫される皆様のご様子にヤンゴンの日常を垣間見ることができる。



環状線は階段を6・7番ホームからの発車とのことで、ホームに入って左手突き当りの階段から繋がる歩道橋を渡る。


昼下がりの気怠さに支配され、まるで時が止まったかのようなヤンゴン中央駅。この廃れた感じがほんと堪らない。


乗車券はホームのキオスク的な建物で購入。From Yangon to Yangonで、運賃200チャット(≒16円)。16円ですよ、16円。日本のように改札システムは無く、この紙切れさえあれば一日フリーで乗り降り可能ということで、16円の一日乗車券。

ひだり みぎ
乗車するのは7番ホームで出発待ちの13:05ヤンゴン中央駅発JR久留里線w。電車とホームの段差がくっそ高くて飛び乗るような形で乗車することになるのだが、ここで手を差し伸べてくる少年に要注意。助けてあげたことに対する対価とばかりに水を滅茶苦茶な高値で売りつけてきますw しかも、ボージョーアウンサンマーケットの物売りのように、購入を渋ると付いてくるから始末が悪い。仕方なく水を買って追い払いました。


中はほぼほぼ満席で、扇風機が生ぬるい風を掻き回すだけで蒸し風呂のように熱い。車体にドアが無いので走り出したら風が吹いてマシになるかとは思うが、この中で3時間はだいぶ厳しそうだ。

ひだり みぎ
ひだり みぎ
まごうことなき本物のキハ38系w まさか遠くミャンマーの地で久留里線に乗ることになろうとは。

興味津々に車体を観察していると、久留里線は発車のベルもなく都心から郊外に向けてゆっくりと走り出した。無論、行先は木更津駅ではない。
ひだり みぎ
ただでさえ人口密度の高い車内だったが、停車する度に物売りの人達が次々と乗り込んで来て、込み合った車内の車両と車両を梯子して商売を始めるではないか。バナナ・リンゴ・パイナップルといったフルーツからカチワリ(?)やミネラルウォーターといったドリンク系、うずらの卵やもち米菓子といった軽食系、更には仏具や伝統メディスンといった雑多な日用品まで…車内は一気にディープな市民生活の場へと変化する。


かなり年季の入った線路を時速20キロ程度でゆっくりゆっくりと歩を確かめるように走る循環線は、各駅で大量の人を拾いながらのどかなヤンゴン郊外へと走っていく。もちろんドアは開いたまま。というかドア自体が無い。

ヤンゴン中央駅を出るとすぐ、景色は郊外のそれに。道中、線路脇で隣の線路に腰かけて話し込む若者や洗濯物を日干しする老婦、ゴミ山の脇で何食わぬ顔で飯を作る半裸のおじさんなどを次々と横切っていき、沿線で力強く生きる庶民生活が垣間見えて思わずほっこりするような光景がひたすら続く。

ひだり みぎ


ひだり みぎ
長閑な車窓の風景を楽しんでいたのだが、あまりの暑さと車内の人口密度の高さに根負けして20分程走ったところで途中下車。ここがどこだかも分からないので、タクシーを拾ってシャングリラホテルまで戻ることに。

所感

お決まりの観光地巡りだけではなく、お手軽にもっと現地の人の目線でその国を感じてみたい!そんな方にお勧めなヤンゴン環状線。通勤通学する労働者や学生たち、果物や日用品を抱え込み社内販売に勤しむ売り子さん、座席にあぐらをかいておしゃべりを楽しむおじちゃんおばちゃんたち…。地元の人たちと一緒にゆったりと列車に揺られていれば、ヤンゴン市民の何気な~い日常が垣間見えてきます。

【ヤンゴン中央駅】

循環線の1周の所要時間:3時間
運賃:200チャット(≒16円)
便数:1日の本数は15本ほど。始発は6時台から終電は17時台。



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ヤンゴンが誇るB級テーマパーク ミャンマー民俗村

ミャンマー2日目は、約135もの少数民族が暮らすミャンマーの“ミャンマー民族村”なるテーマパークに行ってみることに。

情報が少なくよう分からんが、いわゆる“多民族国家ミャンマーの縮図”的な野外博物館なんだろうな。もう少し時間があれば山岳地帯にある少数民族の村への民泊といったこともしてみたかったのだが、如何せん休みが1週間しか取れなかったもんで。代わりといってはなんだけど、国内の主要民族の生活様式に関する展示品や家屋が並ぶというミャンマー民俗村で楽しんでこようではないかと思いまして。いわゆる妥協、プランBなんだけど。

まぁここも微妙に遠いっちゃ遠いんですけどね。ヤンゴン中心部からタクシーで30分弱、運賃はスーレーパゴダ近くで適当に流しで走ってたタクシーを捕まえて7,000チャットだった。

着いたぞ降りろ!と言って降ろされたのがこちら。エントランスからしてチープさ満点な感じで驚いたが、しっかりと入場料は徴収される。ミャンマー人が500チャットで外国人が3,000チャット(≒240円)。公園と思えば高いけど、テーマパークと思えばまぁ割安かなと思える値段。皆さんワクワクドキドキの遠足気分で来ているのか、ミャンマー人の若者たちが次々とハイテンションで入っていくんだからある程度の人気スポットなのだろう。


ひだり みぎ
シャン族やモン族といった主要民族の伝統家屋やら民芸品がてんこ盛りとなった内部は大変広く、徒歩じゃ厳しそうなのでオンボロチャリを借りて走破することに。


レンタル料は1時間500チャット。デポジットとして1,000キャットを前払いし、2時間以上レンタルすれば返却時に追加料金を払うことになるし、1時間以内であれば500チャットが返ってくるという仕組みらしい。


ひだり みぎ
取りあえず民俗村の中心に建つシンボル的な塔に上ってパーク内を俯瞰。木々に覆われているのでどこからどこまでが民俗村なのか測り知れないが、とりあえずくっそ巨大そうということだけは分かる。流石ミャンマーの縮図。

とりあえず森の中に突っ込んでみると、シャン州のインレー湖や、カチン州にある標高5,881メートル東南アジア最高峰・カカボラジ山、モン州のゴールデンロックといったミャンマーを代表する観光地のコピーもあったりするみたいで、園内は意外といかした雰囲気になっている。そこらじゅうでカップルが人目を憚らずイチャイチャしてましたしね、実際。
ひだり みぎ

民俗村が言うところの“マングローブの森”の中をボロカスチャリでヒャッホーと疾走し、各見所を周っていく。

金玉ことモン州のゴールデンロック

本物の金玉はヤンゴンからも日帰りで行けないことはないモン州の微妙な場所にあるのだが、これ、何が凄いって、山頂の岩の上にゴールデンロックが乗っていて、落ちそうで落ちないらしいですわ。風が吹くだけで落ちそう、でも落ちそうで落ちない岩。そんなモン州の観光名所がここヤンゴンの民俗村でも再現されている。


あった。ミャンマーが誇る観光名所“今にもずり落ちそうで落ちない不思議な金の岩”のレプリカ。これ、なんで落ちないんだと思います?ボルトでガッチガチに固定されてるとか?否!岩の先端の仏塔に納められた仏陀の頭髪が内部で絶妙のバランスを取ってるからずり落ちそうでずり落ちないんだと。金玉による重力の否定、これぞ神秘の金玉パワーである。

タイタニック

更にチャリのペダルを漕いでいくと、バゴー川の畔に出た。
ひだり みぎ

目の前に唐突に現れた総トン数500キロ程度の打ち捨てられたオンボロ船舶、その先端にタイタニック風の記念写真用顔出し看板が設置されてて盛大にワロタ。

いよいよB級テーマパーク感全開となってきたミャンマー民俗村だが、他にも沢山のチープでミステリアスなオブジェが園内の至る所に散りばめられていて来園客を楽しませてくれている。

ここからは各主要民族の伝統家屋巡り。

チン族の伝統家屋

金玉やらチンやらの言葉が続き大変申し訳ないが、人口約200万人のチン族は主にミャンマー西北部のチン州を中心に居んでいる。バングラデシュ・インドとの国境に面した山岳地帯にありミャンマーの秘境とも呼ばれるチン州は、大きな街でも1500mから1800mほどの尾根の上にある。標高1,863メートルの州都ハッカでは氷点下になることもあり、住居はミャンマーで多くみられる高床式ではないようだ。
ひだり みぎ

飾られたシカやイノシシなどの骨が生々しいのだが、チン族は狩猟民族ということを表わす展示品なのだろうか。


浮き織りのロンジーがお洒落なチン族のお姉さん。家屋の中ではそれぞれの民族の暮らしが再現されているだけでなく、各部族出身者までいらっしゃってまさに家に招かれたかのよう。時間帯によっては各民族衣装の着付けサービスなんかもあったりするらしい。

ビルマ族の伝統家屋

続いてやってきたのはミャンマーのマジョリティで総人口の7割超を占めるビルマ族の家屋。
ひだり みぎ

家屋の中に邪魔したら中で人が普通に飯食いながら談笑してるしw

ひだり みぎ
ひだり みぎ

ビルマ族の大凡9割が上座部仏教を信仰するようで、庭には小さなストゥーパも。

モン族の伝統家屋

高床式&萱葺屋根で渋味のある家屋が自慢のモン族。
ひだり みぎ

ひだり みぎ
モン族の家では釜土が置かれているようだ。民族によって暮らしている場所が平野部だったり山岳部だったり異なるし、暮らし方も様々。

ラカイン族

ラカイン族はミャンマー北西部アラカン州からバングラデシュ南東部一帯に紀元前から王国を築いてきた古い歴史を持つ民族。ロヒンギャ問題で最近になって度々耳にする民族でもある。
ひだり みぎ


ラカイン族の仏壇はもちろん派手なLEDライト付き。ド派手に装飾しないと有難味が感じられませんからね!

カヤー族の伝統家屋

人口約30万人のカヤー族は、主に東部ミャンマーのカヤー州に居住する。カヤー州はタイと国境を接するビルマで最も小さい州だが、タングステン・スズ・チーク材などの天然資源が豊富で豊かな州らしい。ここも民族独立問題なんかでよく聞く名前である。


中央の棟下部分に囲炉裏が二つ横並びに設けられている。

シャン族の伝統家屋

人口350万人以上と推定されるシャン族は、ミャンマー北部のシャン高原からインドシナ半島北部、中国南部の山地にかけて居住する。

やはり高床式住居になっていて、床下は畜舎として利用されることが多いようだ。

こんなところかな。最後にパーク内で見た愛しのB級オブジェも貼っておこうw
ひだり みぎ
ひだり みぎ

ミッキーミニーはアウトだよねw

どうでしょう、ミャンマー民俗村。くっそ広いので園内全体をカバーしようと思ったら2-3時間はかかるし、ヤンゴン市内との往復で1時間。このB級テーマパークに合計3-4時間かける価値はありますかね。うーん、どうでしょう(長嶋茂雄風)

【ミャンマー民俗村(Myanmar Races Village)】

入園料:3,000チャット
開園時間:07:00-17:30
閉園日:無休(4月の水かけまつり期間中4日間のみ休み)



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