バガンからPyi Taw Aye社のバスでマンダレーへ

ここ二日間でバガンの町を十二分に楽しみ満足したので、この日は09:00発のバスで次なる目的地であるマンダレーへと移動することに。

バガン⇒マンダレーへの交通手段


バガンからマンダレーまでは直線距離で160km程で、バス以外に鉄道・フェリー・飛行機でも移動可能となっている。
鉄道:所要時間が8時間と遅い。
フェリー:所要11時間と遅い&川の水量が少ない乾季は欠航リスクが高い
飛行機:遅延が怖い&マンダレー空港が市街地から30Km以上離れている

それぞれ一長一短だけど、ざっと調べた感じだと消去法でバスが良さげという結論に。所要時間5時間で、運賃も9,000チャット(≒720円)と安く、更にはバガンの宿でのピックアップ&マンダレーの宿にドロップオフというドアトゥドアサービスになっているんだと。事前にバスチケットの購入もできるmyanmarbusticket.comで確認したところによると、05:00発~20:30まで一日17便もあるので、乗りっぱぐれる心配もなさそうだし。

バガンからマンダレーのバスの時刻表

参考までに、この日のバスの時刻表は下記の通り。シーズンや曜日によっても運行スケジュールが変動するかと思うので、移動する日が決まったらmyanmarbusticket.comで最新のスケジュールをご確認頂ければと。

05:00発10:00着 OK BUS, US$8.6
05:30発10:30着 Moe Thout Tun, US$8.6
07:00発12:00着 Moe Thout Tun, US$8.6
08:00発14:00着 Aye Chan Maung, US$7.3
08:30発13:30着 OK BUS, US$8.6
09:00発14:00着 Moe Thout Tun, US$8.6
09:00発15:00着 Pyi Taw Aye, US$8.2
12:00発17:00着 Moe Thout Tun, US$8.6
12:00発18:00着 Pyi Taw Aye, US$8.2
13:00発18:00着 OK BUS, US$8.6
14:00発19:00着 Moe Thout Tun, US$8.6
14:30発20:30着 OK BUS, US$8.6
14:30発20:30着 Pyi Taw Aye, US$8.2
16:00発21:00着 OK BUS, US$8.6
17:00発22:00着 Moe Thout Tun, US$8.6
17:00発23:00着 Pyi Taw Aye, US$8.2
20:30発01:30着 Moe Thout Tun, US$8.6

PYI TAW AYEのバスでバガンからマンダレーへ

ということで宿泊先ホテルでバスを予約してもらったところ、大手のバス会社ではなくPYI TAW AYEという名前からしてローカル感丸出しのバス会社運航便しか取り扱っていないとのことだった。問題ないとは思うけど…

Pyi Taw Aye運航便でもバガンでのピックアップサービスとマンダレーでのドロップオフサービスはあるみたいなので、ホテルのフロントスタッフを信じてPyi Taw Ayeでお願いすることに。

バスの出発は09:00で、08:30にバスターミナル行きのピックアップタクシーがロイヤルホテルまで迎えに来てくれる。

しかしまぁこれが…乗り合いバン的なのを予想していたのだが、まさかの軽トラ。まさかこれでマンダレーまで行かないっすよねw

ひだり みぎ
隣の人のバックパックが邪魔で足の置き場もないような狭い車内というか荷台の上で揺られること15分、バガンのバスターミナルに到着した。

ひだり みぎ
ここから韓国が世界に誇る現代社製ミニバスでゆっくり5-6時間かけてマンダレーまで。道路の舗装状態の劣悪さも重なりピックアップの荷台よりは乗り心地マシかな程度の代物だけど、マンダレーでも宿泊先にドロップオフしてくれることを考えれば文句は言えんか。なんたって運賃700円なわけですから。

シートの配列は1-2で、ソロ観光客には自動的に後方シングル席があてがわれているようだった。前方席は途中で乗車降車する客専用でリザーブされているのかな。

ひだり みぎ
バガンを発った時には車内ガラガラでイケるやんコレ!と余裕すら感じたものだが、沿線の村落に住まう方々を次々にピックアップしていって気づけば補助席まで全埋まりで窮屈極まりなし。観光客専用のバガン直行バスじゃないようで、そこらへんで乗せたり降ろしたりを繰り返すのでとにかく遅い。


これがバガン郊外を抜けたあたりから一転して猛スピードに。舗装状態が悪いので上下の揺れが激しいし、前方に遅い車が走っていると、右に左にと車道をはみ出して追い抜こうとするので左右にも大きく揺さぶられる。乗客を乗せたり降ろしたりして生じた時間のロスを取り戻さんとしてるのか、とにもかくにも凄まじい爆走ぶりである。

ひだり みぎ
川を渡り、砂漠の中を突き進み…牧歌的な景色の中を走っていると知らない間に眠ってしまい、皆ごそごそと降車するのに気づいて目が覚めた。

ひだり みぎ
10:30。窓の外に目をやると、停車スポットに着くなり商品満載の籠を頭の上に載せたまま歩くバランス感覚優れた物売りの方々に完全包囲されていて、自分がミャンマーにいることに気が付く。


頭に物資を載せたまま、手を使わずにハンズフリーですたすたと歩いていますからね。これは曲芸と言っても良いでしょう。

ひだり みぎ
11:50、ローカルレストランでのランチタイム休憩を経てマンダレー市街地へ。

マンダレー市街地に入ると、南から北へとバガン市街地を北上しながら乗客を一人一人降ろしていく。自分は比較的早めに降ろして頂くことができ、バガンをでてちょうど5時間が経過した14:00にのEmperor Hotelへと到着した。

いやー良いね、このドアトゥドアサービスは。

ちょっとスピード出し過ぎだし揺れに揺れて恐怖感を覚える時もあるけれど、バガン⇔マンダレー間の移動はバスがお勧め。


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バガンビューイングタワーから眺めるサンセット

バガンでの最終日は、バガン遺跡地区の東の外れに建つバガンタワーことバガンビューイングタワーまでサンセットを見にいくことに。

バガンタワーは、観光の目玉にと2005年にオープンした高さ61mの展望台。評判はすこぶる悪いようだが果たして…
ひだり みぎ
宿泊先のニャウンウーから南へ約6キロ。日が暮れなずむ中、寒さに身を震わせながら電動バイクを走らせる。

遺跡群の外れの外れに一際高い灯台のような構造物を発見。こいつがマンダレー王宮のタワーをモデルに建てられたというバガンタワーになる。


景観を損ねているかと言えば確かにそうかもしれないが、一応メインどころの遺跡から離れてますからね。それはそれで「立地が糞!」という悪評に繋がっているようではあるが、着工にあたってメインどころの遺跡群の景観を損ねぬようとの立地上の配慮もあったのだと思われる。

入場料はUS$5。以前は10USドルだったらしいけど、さすがに高すぎたのか閑古鳥が鳴くばかりだったようで、一気に半値まで落としたそうw

建物に入ってからは11階の展望レストランまでエレベーターで直行。その後、レストランから螺旋階段で上まで上がり、窓無しのオープンスペースで360度のパノラマ風景が楽しめる展望台へ。人気ない人気ないと言われ続けてきたバガンタワーであるが、この日は100人弱はいるのではないかという観光客で狭い展望台が賑わっていた。

ひだり みぎ
素晴らしい見晴らしで、広範囲に渡って様々な形のパゴダが点在するバガン平原ならではの光景はただただ圧巻。周りの皆さんもこの幻想的な光景に胸を打たれ、太陽が大地へと吸い込まれる姿を固唾を飲むように見守っている。


13世紀にモンゴル帝国の第5代皇帝フビライハーンの侵攻を許し、数多くの寺院やパゴダが破壊されたという。人里離れた場所にある遺跡群の多くは侵攻を受けた当時のままの姿で残されており、色あせた赤レンガのパゴダがなんともいえぬ郷愁を漂わせている。



大地全体が赤く染めあげられたあと、茂みに佇むパゴダが徐々に暗闇に包まれていく。


ひだり みぎ
外に出てみると、夕焼けの中で遺跡群が霧に包まれていた。まるで仏の声が聞こえてきそうな神秘的な光景だ。






アンコールワットやボロブドゥールでのサンセットも良かったけど、バガンは圧倒的に観光客が少なく、遺跡の中の夕焼けを独り占めできますからね…。

これがバガンの美しいサンセットも見納めで、明日はバスでマンダレーへと移動する。

【バガンビューイングタワー(Bagan Viewing Tower)】

営業時間:06:00-20:00
入場料:US$5


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バガンのニャウンウー村(Nyaung-oo)でのメシのサケ

この日は滞在先のニャウンウー(Nyaung-oo)の町をぶらぶらと。

長距離バスターミナルと空港のあるニャウンウーはバガンの玄関口であり、同時にバガン最大の観光拠点。安宿~中級宿・旅行会社・レンタルバイク屋・両替屋・ランドリーショップが集まっていて、観光客の姿も多く見かけるエリアである。

といってもこんな感じの田舎町で、ローカル風情もたっぷりですけどね。街角ではミャンマー版日焼けクリームこと“タナカ”を顔に塗りたくった女性や、男衆を荷台にぎゅうぎゅうに詰め込んで走るトラックなんかも見かけることができる。

熱気球のツアー会社 Balloons Over Bagan

バガンに於ける熱気球ツアーのパイオニア・Balloons Over Baganのオフィスもある。

同社のウェブサイトでは満席とのことで予約できず、最後の悪あがきで直前のキャンセルを狙ってオフィスまで特攻したけど、残念ながらやっぱり席は空いておらず…。バルーンツアーに参加できなかったのは今回のミャンマー旅行で唯一の心残り。

【Balloons Over Bagan Bagan Sales Office】

公式サイト:https://www.balloonsoverbagan.com/
住所: Near Hotel Zfreeti, Thi Ri Pyitsaya Block No.5, Nyaung U
電話: +95 (0) 6 1246 0713, +95 (0) 9 448 045 716
営業時間:09:00-20:00

ひだり みぎ
ひだり みぎ
食事処も充実。ローカルレストランから中華・イタリアン・インディアン・タイと各国料理屋が目抜き通りのThi Ri Pyitsaya 5 Street近辺に揃っている。

Leo Restaurant

夕陽ウォッチングに備えてミャンマー料理屋のLeo Restaurantで早めの晩御飯をとることに。

ミャンマーらしい緑色がお洒落な建物に、オープンエアで開放的な店内。お姉っぽいスタッフがすっごいアテンティブで、「美味しい?ムフフ」「熱すぎない?ムフフ」「辛すぎない?ムフフ」などなど色々と気にかけてくれた。

ひだり みぎ

ラープとトムカーガイという店員お勧めの料理にフレッシュジュース二杯で560円。店の前をバイクが走ると砂塵が舞ってくるのだけはツラかったが、料理もジュースも安いし美味いしで大満足。なぜだかライスをサービスしてもらっちゃったし。

Larb Moo 2,000チャット
Tom Kha Gai 2,000チャット
Honey Melon Juice 1,500チャット
Papaya Juice 1,500チャット
合計 7,000チャット(≒560円)

ラープもトムカーガイもタイやラオスってイメージだったけど、ミャンマーでも食べれるのな。店員に丸投げでオーダーしちゃったけど、ラオスカチン州のチキンカレー(4,300チャット)やシャン州のライスヌードル(2,500チャット)といった変わり種メニューもあったので、ミャンマーならではの料理をオーダーすれば良かったかと今になって軽く後悔。

【Leo Restaurant】

住所:Thi Ri Pyitsaya 4 Street, Nyaung U, Bagan, Myanmar
営業時間:10:00-22:00

バー@HTI Bar and Restaurant

Leo Restaurantの近くに西洋風のバーがあったので、夜のニャウンウーも攻めてみることに。


ひだり みぎ
ひだり みぎ
ホテルから1キロほど歩いてやってきた夜のニャウンウー繁華街。観光拠点の町とはいえ、インドネシアのボロブドゥールやカンボジアのシェムリアップなんかと比べると、それはそれは小さく静かな繁華街である。


ひだり みぎ
緑いっぱい蚊いっぱいの開放的雰囲気なHTI Bar and Restaurantに到着。バガンにしては大きく50人程を収容できる規模のバーで、22:00前には白人客6-7組ほどで賑わいを見せていた。


三時間前にLeo Restaurantで早めのディナーを済ませたばかりというのに食欲全開!あれは遅めのランチだったということにして改めてディナーを頂くことに。


オリジナルゴールデンデイズのレシピと全くもって違うけど、ミャンマーウィスキーベースのBurmese Golden Daysもこれはこれで美味い。さっきのモヒートもだけど、カクテルが一杯1,500チャット~3,000チャット(120円~240円)と安くてついつい飲み過ぎてしまい、耳の周りを飛び交う無数の蚊が気にならないくらいに酔いが回ってきた。

バーガーは美味しくなかったけど、純粋に飲んで楽しむ場所としてならお勧めできる。日本の缶ジュースの価格でカクテルが飲めるんですから!

飲んだ後の帰りの足は馬車w

【HTI Bar】

住所:ThirRi Pyitsaya 5 Street, Nyaung U, Bagan, Myanmar
営業時間:09:30-22:30


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ナっ信仰の総本山・ポッパ山 バガンからの日帰りツアー

バガンでの2日目は、ナッ信仰の総本山・ポッパ山へと足を運んでみることに。

ナッ信仰のチープな神様が満載のポッパ山は、ナッ信仰の総本山であると同時にバガンを代表する有名な観光地で、ほぼデイリーでバガンからのポッパ山日帰りツアーが催行されている。

ポッパ山ツアー


料金:10,000チャット(≒800円)
所要時間:4時間
往復の移動が合計3時間で、ポッパ山での自由行動時間が1時間。料金も手頃だし、半日でサクッと終わるので短期滞在系の旅行者にも人気なのだろう。この日もサンライズを見終えた後の9時に出発し、13時半にはバガンに戻ってくることができた。丸一日をバガンの遺跡巡りに充てるのも良いけれど、「サンライズ」⇒「ポッパ山」⇒「遺跡巡り」⇒「サンセット」といった感じでポッパ山を日程に組み込むのも面白いと思う。


当日は参加者が多かったようで、お出迎えはまさかの新富観光社所有の大型バスw


私が乗車した後も何箇所かの安宿でツアー参加者を順々にピックアップ。ほぼほぼ満席になるまで乗客を詰め終えたところでポッパ山へと向かってスピードを上げる。

ヤシ酒の製造現場見学ツアー

バガンを発ち50分程すると、道中の農村地帯にぽつりと建つ東屋の前で降ろされた。
ひだり みぎ
シュロの木の樹液でヤシ酒やヤシ砂糖を作る家内工業の作業場らしく、挽き臼の中に原料となるヤシの花を投入し、それを牛に回転させることで生まれる圧力で樹液を抽出するという原始的な工程を見せられた。ヤシの木の花芽には天然の麹菌があるそうで、この樹液を放っておけば勝手に発酵してアルコールになるんだと。ということでお一口いかが?とばかりに手作りヤシ酒の試飲タイムく。安いツアーにありがちな土産物屋見学だったんだな。


ちょっとヤシ酒を買って飲んでしまい、連日の観光で蓄積された疲れもあってバスに戻ってからは爆睡。気付いたらポッパ山の麓に広がる村落へと着いていた。1時間後にこの場所に戻ってきて下さい、じゃ、エンジョイ!って完全に放置プレー。

ナッ寺院

ひだり みぎ
ひだり みぎ
幾つかの商店やレストラン、土産物屋があるくらいの小さな集落だが、ここがナッ信仰の聖地だということは直ぐに分かった。


ひだり みぎ
ミャンマー達磨こと赤い精霊のピッタインダウンの数々。数珠になったり器になったり木彫りの柱になったりと、愛嬌のある彼女の姿を至る所に目にすることができる。

ポッパ山


寺院の一番奥までお邪魔させて頂くと、遠くに見える不自然に切り立った岩山の天辺に日光を受けギラギラと黄金に耀く寺院を発見。この不思議な岩峰こそが精霊ナッ信仰の総本山で、その名をタウン・カラッ(Taung Kalat)と言うらしい。


寄生火山の岩頸だろうが、過去の噴火でポッパ山の山頂が吹っ飛んでここに落ちてきたと言われるくらい、なだらかな斜面の山に忽然と巨大な岩峰が切り立っている。標高は737メートルで、麓から頂上まで777段の階段が続いているそうだ。

ひだり みぎ

まさに天空の寺院といったタウンカラッを目指していざハイキング。

ひだり みぎ
階段脇には土産屋が続くが、店員は居眠りをしたり、ハンモックに揺られながらスマホでドラマを見ていたりと、商売っ気は無い。

また、ナッ信仰の総本山だけあって、人間臭さをたたえたマネキンのような37体のナッ神も居並んでいる。

ひだり みぎ
石原軍団みたいなのがいたり、ピーコにしか似合わないショッキングピンクの服を着てにやける茶目っ気たっぷりの女神がいたり、眼鏡をかけ神妙な面持ちの学者風の男がいたり…世俗的なごちゃごちゃ感がミャンマーらしい。

みぎ
こちらの故安岡力也氏似の迫力ある聖人様はポッパ山の祠で修行を積んだ実在の大僧正で、名を「ボー・ミン・ガウン(Bo Min Gaung)」と言う。生前は煙草や酒が好きだったそうで、お酒やタバコを供えると願いごとが叶うらしいw こんな煩悩まみれの聖人はじめてお会いするw

仁義なき戦いみたいな任侠映画に出演してても違和感ない風貌で、若かりし頃はきっとかなり無茶されていたのだろうが…そんな彼が今では国を代表する聖人というのだからミャンマーは奥が深い。

指は詰められていなかったが、風貌は完全にその筋の人ですよね。…足を斜に組み、信者が捻り込んだ札束を握りしめ眼光鋭く正面を見据える姿を眺め拝んでいると、今でも「金や!この世は金や!」って天の声が聞こえてきそう。

ひだり みぎ
こんな面白神様が祀られた参道のハイキングを楽しんでいたのだが、素足でのハイキングを強いられる第二ステージに突入。ここから一気に階段の勾配が厳しくなってくるのと同時にドネーション大好き清掃おじさんの出現頻度が高まってきて、かなり頻繁にドネーションドネーションと声をかけられるように。第二ステージに入る前にウエットティッシュでも買って細かいお札を用意しておいた方が良いでしょう。

ひだり みぎ
どうしてこんなにも沢山のドネーションおじさんが湧き出てくるのか、その1番の理由は参道にのさばる猿。参道で飲食品を参拝客に販売⇒猿が参拝客から食べ物飲み物を強奪⇒食い散らかした挙句に粗相⇒ドネーションおじさんが清掃⇒客にドネーションを募るという聖地を舞台とした猿とドネーションおじさんによる完全無欠のマッチポンプ商法。観光客の食べ物をかっさらうことで生きるサル、そしてそのサルの糞尿を掃除することで生計を立てるドネーションおじさん、そういう自然界のエコシステムが出来上がっているのである。

ひだり みぎ
裸足で登る階段には猿の食べかすが散乱していたり、鳥のフンやジュースがぶちまけられていたりと、ドネーションおじさんの活躍むなしく衛生的に劣悪な状態の階段が続く。靴下もだめで、足の裏に傷があったら破傷風になるんじゃないかと思い冷や冷やしながらも階段を上がりきった勇者のみが黄金のパゴダが輝く山頂の聖地へと辿り着ける。



裸足で猿のふん尿を踏みしめながら汗をかきかき山頂へ。土着信仰の聖地らしく鐘を突く音や太鼓を叩く音なんかも至る所から風に乗って聞こえてきたりして神秘的。吹き付ける風も心地よいし、いつまでもここにいたいと思わせてくれる居心地の良さである。

ひだり みぎ

ひだり みぎ
ひだり みぎ
ひだり みぎ
エキセントリックな電装仏陀や“その筋の人”風の迫力ある聖人像まで、大勢の神様によるお出迎えを受け、山頂に至るまでの苦労が一気に報われる。

妙に俗っぽいお茶目な神様たち、麓から眺めるタウンカラッの威厳ある姿、頂上から見えるどこまでも続く緑の森林…ミャンマーの大地の豊かさ、文化的な豊かさを味わえるナイスなツアーでした。


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バガンの朝日 ブルディ(Buledi)が人気スポットらしい

バガンでの2日目は、朝6時前から朝日を拝みに行くことに。

ひだり みぎ

真っ黒から紫紺へ、そして地平線から徐々に赤みが差してきて、栄枯盛衰の歴史を秘め佇むバガンの遺跡群が、ゆっくりゆっくりと霞と後光に包まれていく。眼前に広がるのは、ただそれだけ。こんな光景を前に何故だか物悲しい気持ちになってくるのは、自分が持つミャンマーのイメージによるものだろうか。どうしてもミャンマーといえば「軍事政権による鎖国的経済体制」「最貧国、アジア最後のフロンティア」「ロヒンギャと人権問題」「インパール作戦」「ビルマの竪琴」「麻薬・覚醒剤の密造地帯」「永井健司氏と反政府デモ」といったネガティブなイメージばかりを抱いてしまうからか。


ひだり みぎ
ひだり みぎ
知らず知らずのうちにネガティブなイメージを刷り込まれてきたミャンマー。ナショナリズムの台頭が変な方向に向かってる気がしないでもないけれど、このバガンの地は平和そのもの。寒さに震えながら拝む美しくも哀しげなサンライズは生涯忘れ得ぬ思い出となった。

シュエサンドーパゴダ(Shwesandaw Pagoda)

ここからは更なるサンライズスポットを求めてバイクを走らせる。バガンの遺跡群のなかに登楼可能で上部から朝日や夕日を眺めることができる仏塔があり、その代表格としてバガン随一の見晴らしを誇るシュエサンドーパゴダ(Shwesandaw Pagoda)なる仏塔が存在するらしい。


1057年、アノーヤター王がモン族の国タトゥンを征服した直後に建てたとされるシュエサンドーパゴダ。5層にもなる大きなパゴダが大地に根付くように立っていて、ピラミッド状になったパゴダの中心線には再上部へと続く階段が設けられている。なるほど、これは天辺付近からの見晴らしはさぞ素晴らしいものであろう。って…残念ながら登頂禁止の看板が大々的に掲示されていた。これはシュエサンドーパヤーに限った話ではなく、地震や大雨といった天災や、2017年にアメリカ人観光客が仏塔から落下し死亡した事件による影響により、登頂が禁じられる仏塔が増えてきているのだと。

*禁止されたかと思えば解禁され…といった行ったり来たりの状況がここ何年も続いているようであるが、当局による最新の発表だと、2018年9月から登頂可能な仏塔が増えるだろうとのこと。


ただ、方針ブレッブレのミャンマー当局のことなので、どうなるかは神のみぞ知るといった感じであろう。それこそ年に何度も解禁!禁止!と方針が捻じ曲がる国なので、バガンへ行かれる方は各々最新の情報を確認の上で行動されることをお勧めする。

ブレディパゴダ(Bule Thi Pagoda)

自分の場合は運良く宿泊先から程近いニャウンウーのブレディパゴダ(Bule Thi Pagoda)という仏塔に登ることができた(2018年2月の情報)。
ひだり みぎ
さして高いパゴダではないが、それでもにょきにょきと仏塔が聳え立つバガン平野を一望できる。ネット状ではブレディパゴダが穴場的存在かのうように紹介もされているけれど、既にブレディの存在は広く知れ渡ってしまったのだろう。自分が着いた時には既に白人観光客の先客数十人が塔に上って朝日が昇るのを凍えながら待っていた。



絶景を前にして、言葉を発さずとも自然と生まれる連帯感。目の前に広がる幻想的景色に、他の旅行者みな一様に息をのむ。

ひだり みぎ
空を真っ赤に染め上げながらゆっくりと昇る太陽も、ゆらゆらと空に浮かぶ熱気球のシルエットも全てが神秘的。


こうして夜が明けていき、サンライズの感動の余韻に浸りながら、一人、また一人とパゴダを降りていく。こんな感動的で非現実的な朝だというのに、「新しい朝が来た、希望の朝だ」とあまりに現実的なラジオ体操の歌が脳内に再生されてしまうあたり自分はすっごい日本人。


また、仏塔の足元でワンダラー!ツーダラー!チャイニーズマネーオーケー!と声を張り上げる物売りにより、神秘的別世界から現実へと引き戻される。パゴダの階段は完全に包囲されていて、降りた瞬間に集中砲撃をくらうこと間違いなしだ。



案の定、物売りの方々に囲まれ掴まされたのが用途不明の小さな木箱。小銭入れにもジュエリーボックスとしてのプレゼントにもならない中途半端な収納性。魔除けの箱とでも信じて暫く机に置いておくことにする。


下界へと流れ降りてくる気球を眺めてるだけでも神秘的な気持ちにさせてくれるバガンもう最高。

【ブレティパゴダ(Bule Thi Pagoda)】



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