ナっ信仰の総本山・ポッパ山 バガンからの日帰りツアー

バガンでの2日目は、ナッ信仰の総本山・ポッパ山へと足を運んでみることに。

ナッ信仰のチープな神様が満載のポッパ山は、ナッ信仰の総本山であると同時にバガンを代表する有名な観光地で、ほぼデイリーでバガンからのポッパ山日帰りツアーが催行されている。

ポッパ山ツアー


料金:10,000チャット(≒800円)
所要時間:4時間
往復の移動が合計3時間で、ポッパ山での自由行動時間が1時間。料金も手頃だし、半日でサクッと終わるので短期滞在系の旅行者にも人気なのだろう。この日もサンライズを見終えた後の9時に出発し、13時半にはバガンに戻ってくることができた。丸一日をバガンの遺跡巡りに充てるのも良いけれど、「サンライズ」⇒「ポッパ山」⇒「遺跡巡り」⇒「サンセット」といった感じでポッパ山を日程に組み込むのも面白いと思う。


当日は参加者が多かったようで、お出迎えはまさかの新富観光社所有の大型バスw


私が乗車した後も何箇所かの安宿でツアー参加者を順々にピックアップ。ほぼほぼ満席になるまで乗客を詰め終えたところでポッパ山へと向かってスピードを上げる。

ヤシ酒の製造現場見学ツアー

バガンを発ち50分程すると、道中の農村地帯にぽつりと建つ東屋の前で降ろされた。
ひだり みぎ
シュロの木の樹液でヤシ酒やヤシ砂糖を作る家内工業の作業場らしく、挽き臼の中に原料となるヤシの花を投入し、それを牛に回転させることで生まれる圧力で樹液を抽出するという原始的な工程を見せられた。ヤシの木の花芽には天然の麹菌があるそうで、この樹液を放っておけば勝手に発酵してアルコールになるんだと。ということでお一口いかが?とばかりに手作りヤシ酒の試飲タイムく。安いツアーにありがちな土産物屋見学だったんだな。


ちょっとヤシ酒を買って飲んでしまい、連日の観光で蓄積された疲れもあってバスに戻ってからは爆睡。気付いたらポッパ山の麓に広がる村落へと着いていた。1時間後にこの場所に戻ってきて下さい、じゃ、エンジョイ!って完全に放置プレー。

ナッ寺院

ひだり みぎ
ひだり みぎ
幾つかの商店やレストラン、土産物屋があるくらいの小さな集落だが、ここがナッ信仰の聖地だということは直ぐに分かった。


ひだり みぎ
ミャンマー達磨こと赤い精霊のピッタインダウンの数々。数珠になったり器になったり木彫りの柱になったりと、愛嬌のある彼女の姿を至る所に目にすることができる。

ポッパ山


寺院の一番奥までお邪魔させて頂くと、遠くに見える不自然に切り立った岩山の天辺に日光を受けギラギラと黄金に耀く寺院を発見。この不思議な岩峰こそが精霊ナッ信仰の総本山で、その名をタウン・カラッ(Taung Kalat)と言うらしい。


寄生火山の岩頸だろうが、過去の噴火でポッパ山の山頂が吹っ飛んでここに落ちてきたと言われるくらい、なだらかな斜面の山に忽然と巨大な岩峰が切り立っている。標高は737メートルで、麓から頂上まで777段の階段が続いているそうだ。

ひだり みぎ

まさに天空の寺院といったタウンカラッを目指していざハイキング。

ひだり みぎ
階段脇には土産屋が続くが、店員は居眠りをしたり、ハンモックに揺られながらスマホでドラマを見ていたりと、商売っ気は無い。

また、ナッ信仰の総本山だけあって、人間臭さをたたえたマネキンのような37体のナッ神も居並んでいる。

ひだり みぎ
石原軍団みたいなのがいたり、ピーコにしか似合わないショッキングピンクの服を着てにやける茶目っ気たっぷりの女神がいたり、眼鏡をかけ神妙な面持ちの学者風の男がいたり…世俗的なごちゃごちゃ感がミャンマーらしい。

みぎ
こちらの故安岡力也氏似の迫力ある聖人様はポッパ山の祠で修行を積んだ実在の大僧正で、名を「ボー・ミン・ガウン(Bo Min Gaung)」と言う。生前は煙草や酒が好きだったそうで、お酒やタバコを供えると願いごとが叶うらしいw こんな煩悩まみれの聖人はじめてお会いするw

仁義なき戦いみたいな任侠映画に出演してても違和感ない風貌で、若かりし頃はきっとかなり無茶されていたのだろうが…そんな彼が今では国を代表する聖人というのだからミャンマーは奥が深い。

指は詰められていなかったが、風貌は完全にその筋の人ですよね。…足を斜に組み、信者が捻り込んだ札束を握りしめ眼光鋭く正面を見据える姿を眺め拝んでいると、今でも「金や!この世は金や!」って天の声が聞こえてきそう。

ひだり みぎ
こんな面白神様が祀られた参道のハイキングを楽しんでいたのだが、素足でのハイキングを強いられる第二ステージに突入。ここから一気に階段の勾配が厳しくなってくるのと同時にドネーション大好き清掃おじさんの出現頻度が高まってきて、かなり頻繁にドネーションドネーションと声をかけられるように。第二ステージに入る前にウエットティッシュでも買って細かいお札を用意しておいた方が良いでしょう。

ひだり みぎ
どうしてこんなにも沢山のドネーションおじさんが湧き出てくるのか、その1番の理由は参道にのさばる猿。参道で飲食品を参拝客に販売⇒猿が参拝客から食べ物飲み物を強奪⇒食い散らかした挙句に粗相⇒ドネーションおじさんが清掃⇒客にドネーションを募るという聖地を舞台とした猿とドネーションおじさんによる完全無欠のマッチポンプ商法。観光客の食べ物をかっさらうことで生きるサル、そしてそのサルの糞尿を掃除することで生計を立てるドネーションおじさん、そういう自然界のエコシステムが出来上がっているのである。

ひだり みぎ
裸足で登る階段には猿の食べかすが散乱していたり、鳥のフンやジュースがぶちまけられていたりと、ドネーションおじさんの活躍むなしく衛生的に劣悪な状態の階段が続く。靴下もだめで、足の裏に傷があったら破傷風になるんじゃないかと思い冷や冷やしながらも階段を上がりきった勇者のみが黄金のパゴダが輝く山頂の聖地へと辿り着ける。



裸足で猿のふん尿を踏みしめながら汗をかきかき山頂へ。土着信仰の聖地らしく鐘を突く音や太鼓を叩く音なんかも至る所から風に乗って聞こえてきたりして神秘的。吹き付ける風も心地よいし、いつまでもここにいたいと思わせてくれる居心地の良さである。

ひだり みぎ

ひだり みぎ
ひだり みぎ
ひだり みぎ
エキセントリックな電装仏陀や“その筋の人”風の迫力ある聖人像まで、大勢の神様によるお出迎えを受け、山頂に至るまでの苦労が一気に報われる。

妙に俗っぽいお茶目な神様たち、麓から眺めるタウンカラッの威厳ある姿、頂上から見えるどこまでも続く緑の森林…ミャンマーの大地の豊かさ、文化的な豊かさを味わえるナイスなツアーでした。


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