バガンの朝日 ブルディ(Buledi)が人気スポットらしい

バガンでの2日目は、朝6時前から朝日を拝みに行くことに。

ひだり みぎ

真っ黒から紫紺へ、そして地平線から徐々に赤みが差してきて、栄枯盛衰の歴史を秘め佇むバガンの遺跡群が、ゆっくりゆっくりと霞と後光に包まれていく。眼前に広がるのは、ただそれだけ。こんな光景を前に何故だか物悲しい気持ちになってくるのは、自分が持つミャンマーのイメージによるものだろうか。どうしてもミャンマーといえば「軍事政権による鎖国的経済体制」「最貧国、アジア最後のフロンティア」「ロヒンギャと人権問題」「インパール作戦」「ビルマの竪琴」「麻薬・覚醒剤の密造地帯」「永井健司氏と反政府デモ」といったネガティブなイメージばかりを抱いてしまうからか。


ひだり みぎ
ひだり みぎ
知らず知らずのうちにネガティブなイメージを刷り込まれてきたミャンマー。ナショナリズムの台頭が変な方向に向かってる気がしないでもないけれど、このバガンの地は平和そのもの。寒さに震えながら拝む美しくも哀しげなサンライズは生涯忘れ得ぬ思い出となった。

シュエサンドーパゴダ(Shwesandaw Pagoda)

ここからは更なるサンライズスポットを求めてバイクを走らせる。バガンの遺跡群のなかに登楼可能で上部から朝日や夕日を眺めることができる仏塔があり、その代表格としてバガン随一の見晴らしを誇るシュエサンドーパゴダ(Shwesandaw Pagoda)なる仏塔が存在するらしい。


1057年、アノーヤター王がモン族の国タトゥンを征服した直後に建てたとされるシュエサンドーパゴダ。5層にもなる大きなパゴダが大地に根付くように立っていて、ピラミッド状になったパゴダの中心線には再上部へと続く階段が設けられている。なるほど、これは天辺付近からの見晴らしはさぞ素晴らしいものであろう。って…残念ながら登頂禁止の看板が大々的に掲示されていた。これはシュエサンドーパヤーに限った話ではなく、地震や大雨といった天災や、2017年にアメリカ人観光客が仏塔から落下し死亡した事件による影響により、登頂が禁じられる仏塔が増えてきているのだと。

*禁止されたかと思えば解禁され…といった行ったり来たりの状況がここ何年も続いているようであるが、当局による最新の発表だと、2018年9月から登頂可能な仏塔が増えるだろうとのこと。


ただ、方針ブレッブレのミャンマー当局のことなので、どうなるかは神のみぞ知るといった感じであろう。それこそ年に何度も解禁!禁止!と方針が捻じ曲がる国なので、バガンへ行かれる方は各々最新の情報を確認の上で行動されることをお勧めする。

ブレディパゴダ(Bule Thi Pagoda)

自分の場合は運良く宿泊先から程近いニャウンウーのブレディパゴダ(Bule Thi Pagoda)という仏塔に登ることができた(2018年2月の情報)。
ひだり みぎ
さして高いパゴダではないが、それでもにょきにょきと仏塔が聳え立つバガン平野を一望できる。ネット状ではブレディパゴダが穴場的存在かのうように紹介もされているけれど、既にブレディの存在は広く知れ渡ってしまったのだろう。自分が着いた時には既に白人観光客の先客数十人が塔に上って朝日が昇るのを凍えながら待っていた。



絶景を前にして、言葉を発さずとも自然と生まれる連帯感。目の前に広がる幻想的景色に、他の旅行者みな一様に息をのむ。

ひだり みぎ
空を真っ赤に染め上げながらゆっくりと昇る太陽も、ゆらゆらと空に浮かぶ熱気球のシルエットも全てが神秘的。


こうして夜が明けていき、サンライズの感動の余韻に浸りながら、一人、また一人とパゴダを降りていく。こんな感動的で非現実的な朝だというのに、「新しい朝が来た、希望の朝だ」とあまりに現実的なラジオ体操の歌が脳内に再生されてしまうあたり自分はすっごい日本人。


また、仏塔の足元でワンダラー!ツーダラー!チャイニーズマネーオーケー!と声を張り上げる物売りにより、神秘的別世界から現実へと引き戻される。パゴダの階段は完全に包囲されていて、降りた瞬間に集中砲撃をくらうこと間違いなしだ。



案の定、物売りの方々に囲まれ掴まされたのが用途不明の小さな木箱。小銭入れにもジュエリーボックスとしてのプレゼントにもならない中途半端な収納性。魔除けの箱とでも信じて暫く机に置いておくことにする。


下界へと流れ降りてくる気球を眺めてるだけでも神秘的な気持ちにさせてくれるバガンもう最高。

【ブレティパゴダ(Bule Thi Pagoda)】



Booking.com

報告する

関連記事一覧

コメント

  1. ポンズ ポンズ

    Takeshi様

    幾つものコメントを頂いていたにもかかわらず、ご返答が大変遅れてしまい申し訳ございません。ミャンマーはアジア最後のフロンティアと呼ばれるだけあって、非常に素朴なアジアの原風景を楽しむことができます。
    1週間ほど滞在しましたが、一人で行動していても危険な目に遭うこともありませんでした。ロヒンギャの問題で一部地域はカオスな状態のようですが、外国人が一般的に訪れるような地域の治安は比較的安定しているので、特に不安なく観光できるかと思いますよ~。

    ポンズ

コメントするためには、 ログイン してください。