砂漠地帯の中の動植物の楽園 Wadi Darbatでラクダと戯れる

お次の運転手お勧めスポットはサラーラから東に50キロのところにあるWadi Darbat。自然の泉があり青々とした木々も生い茂る動植物の楽園的場所なんだと。手付かずの自然が残るワイルドライフの宝庫といった表現もしてたな。さすがに楽園とか自然の宝庫はちょっと大げさに言い過ぎだろーと突っ込みたくもなったが、「行ってみたいやってみたいリスト」にラクダの群れを至近距離で見る!というリクエストをしていたからわざわざ連れてってくれるんだろうから運転手の心遣いにはただただ感謝。


動植物の楽園を目指してアラビア海から北数十キロの地点に海岸線と平行に聳えるサマハン山(Jabel Samhan)を目指す。遠目から見たら痩せ細った岩稜を持つ中東独特の小高い丘といった感じであるが果たして…

ひだり みぎ
地図で見る以上に遠く、とても動植物の楽園には見えないアップダウンの激しい山道を20分程ひた走る。


今は乾季で乾ききってしまっているが、雨季になるとここら一帯に緑一面に広がり、山頂付近からは30m級の高さの滝が勢いよく流れてきて川となってアラビア海に注ぎ込んでいくそうだ。

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ある程度登ったところから振り返るとこれまた絶景で、港町・タカやサムフラム遺跡の向こうに広がる一望できる。

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アップダウンを繰り返しながら標高を上げていき、平坦な場所にさしかかった辺りで確かにラクダや牛といった動物の姿もチラホラと確認できるようになってきた。運が良ければオリックスやオオカミなんかも見れるのだと。マジっすかさすがは動植物の楽園ですねと興奮してくる私。

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ここだと言って車を降ろされたのだが、乾季だからか泉の規模も小さく、ちょっと想像してた楽園とは違ったかな。ピクニックしたくなるような長閑な雰囲気は好きだけど。

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泉に沿ってちょっと探索してみると、確かに動物は多く居る。

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野生のドンキーもいたんだけど非常に臆病で、ワイが1歩近づくと必ずドンキーも一歩後退するので距離を詰められない。ぜひお近づきを…と思ったが、明らかに警戒してるようなので諦めた。ドンキーは同じ駄獣でもラクダと違ってとても臆病な動物なんだと。

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ドンキーと違って全く人に対して警戒心を見せないのはラクダ。どんだけ近づいても至福の表情で草食ってる。人に対する警戒心云々というより草むしゃりに没頭しすぎて周りが見えてないといった感じかな。


食べ終わったあとのこのムフっとした笑顔。愛くるしくて堪らなく癖になる。どうですか。こんなとぼけた顔して過酷環境に耐え得るハイスペックボディを持つというギャップがまた堪らんね。過酷な環境の砂漠で生き抜くための特殊な砂漠仕様の体の構造を持ち、最大300kgもの荷重に耐え1日最長80km歩いちゃうんですから。あと、元気なオスは1シーズンで70頭ものメスと交尾するという絶倫ぶりね。

ひだり みぎ
草むしゃむしゃ~からのこのニンマリスマイル。

ニヤ~。どうです?「草うんめぇ」って声が聞こえてきそうでしょう。
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因みにラクダの寿命は30年程で、運転手曰く歯を見てある程度の年齢が把握できるのだと。10までに22本の乳歯から34本の永久歯に生え変わり、それ以降は徐々にすり減っていってすり減り過ぎてエサが食べられないと命を落とすのだと。入れ歯差し歯なんてないですからね。


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この子は美意識高い系なのか、近寄ったら前足の片方を折り曲げモデルみたいにポーズを決めてくれた。で、最後にお決まりのニタァっとしたねっちょりスマイル。

ひだり みぎ
周りのラクダとは群れを成さない孤高のイケメン。

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小顔でモデル体型の美女。睫毛も長くてこれはラクダ界のアラビアンビューティー(雄かもしれないが)

「沙漠の民への神様からの贈り物」「沙漠の船」と呼ばれて数世紀にも渡ってアラブ世界のキャラバン隊の主役を務めてきたヒトコブラクダ。この人懐っこい笑顔は一日中近くで見てても飽きがこんね。

【Wadi Darbat】



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古代南アラビア地方の貿易港・ホールルーリのサムフラム遺跡

サラーラ二日目も一日目と同じ運転手にチャーターをお願いしてサラーラ近郊を見所を周ってもらうことになったものの、計画は流動的にということで…。とりあえず「行ってみたいところリスト」にイエメンとの国境線を加えてみた。運転手には「何故そんな何も無い所にわざわざ遠出するんだ!WHY?WHY?WHY?」と反応されること必至だが、距離や治安的なことを理由に拒否られなければ行くだけ行ってこようと思う。

因みに外務省発表によるイエメンの治安状況はこんな感じ。

イエメン全土が見事にまっ赤っ赤w 危険レベルマックスで退避勧告が出ているので、まぁ無理に近づく必要もないというか、本来近づいたらいけないっすからね。運転手曰くオマーンとの国境線上は特にテンションがあるわけでもないとのことではあるが。

…約束の時間から30分遅れで現れた運転手と出発前に打合せ。イエメン国境は遠いので時間があれば向かうこととなり、先ずはサラーラの東側にある運転手お勧めスポットを幾つか巡ってもらうことに。
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南国リゾート風に整備されたサラーラの町を走っていく。白とベージュの低層ながらも高級そうな伝統家屋が建ち並ぶ住宅街を抜けると、海の幸がいっぱいのコバルトブルーの海に沿うようにヤシやバナナの木々が群生する地上の楽園風景色が見えてくる。他にもレモン・スイカ・イチゴにオレンジと様々な果物がサラーラ周辺に実るのだとご当地出身の運転手が誇らしげに語ってくれた。

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第一の目的地を目指し、右手にアラビア海を見ながら東へ東へと走る。モスクの外で人を待たせたり二日連続で遅刻してきたりと時間にルーズなのかと思いきや運転は滅茶苦茶せっかちで時速120キロ出したり無理に追い越したりして不思議な運転手である。

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タカというイワシ漁で栄える漁村を過ぎてから右折して暫くすると、世界遺産のマークを掲げるエントランスに突き当たった。


営業時間外ぽかったが運転手のオマーンパワーで開園させることに成功w なんかここらへん緩~いというか、結構思わぬところで融通利いたりするよなこの国w


本日一発目の目玉、ホールルーリ(Khor Rouri)という町にあるサムフラム(Sumhuram)遺跡に到着した。BC3世紀~AD5世紀に栄えたとされる古代都市サムフラムは乳香の交易ルートの中心にあったそうで、 「サラーラのアルバリード遺跡」「シスルのウバール考古遺跡」「ワジダウカの乳香公園」と合わせて「乳香の土地」として文化遺産にも登録されている。


入り口に掲示された当時の交易マップに拠ると、アラビア半島はもとより、ローマ・紅海・ペルシャ湾・アフリカ東海岸や今日のマダガスカルや南アフリカ・インド・ミャンマー、そして果てには遠く中国まで乳香の交易ルートを確立していたらしい。このドファール地方は古来より乳香で知られる地だったので、アラビア海に面した積出港であるサムフラムに集積された乳香が海へ内陸へと運ばれていったのであろう。



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あー、やっぱり閉まってるじゃん!と顔を見合わせる私と運転手。しかし、男だったらそんなことで狼狽えるなとばかりに強引に施錠された門を突破し、率先して遺跡に中に入っていく運転手。心強いw どれくらい心強いかというとドラクエのハッサンくらい心強い。ちょっと装備品が弱いけど、たぶんモンスターが不意に出現しても「せいけんづき」で一発で倒してくれるだろう。

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さて、この遺跡であるが、入り口には門の木を固定する為の穴が煉瓦に穿ってあり、入り口から「第一のゲート」「第二のゲート」「第三のゲート」といった具合に三層の大きな木造ゲートがあったことが解明されている。旧約聖書に登場する絶世の美女・シヴァの女王の宮殿が存在していたとも考えられていて、当時のサムフラム城は強固な守りで固められていたそうだ。


どれだけ堅牢な要塞だったかというとこれくらい。高い塀で囲われた内部は迷路のように入り組んでいる。

1つ目のゲートを過ぎたところには紀元前に刻まれたとされる古代南アラビア文字の碑文があり、アクリルボードで護られている。確かに現代のアラビア文字でもないようだし、もちろんローマ字やギリシャ文字でもないようだ。特に碑文周辺に解説は無かったが、運転手曰く、この碑文や調度品により、この要塞都市が「サムハラム」と呼ばれていたことや、乳香の利権を抑えたハドラマウト王国により築かれたことが解き明かされたらしい。石自体が新しくてとても2,000年も前の碑文には見えないが…わざわざ保護してるけどレプリカってことはないのかな。

運転手に碑文についての具体的な内容を伺ってみると、暫し壁に刻まれた文字を眺めながら遠い目をして…「うーん、古代文字なんで読めない」と。まぁそりゃそうだよな。「オマーンのことなら、ガイド暦24年のこの私に何でも聞いてくれ」と言われてたんで調子乗って無茶振りしてしまったよ。失敬失敬。


城壁内部は神殿・乳香の貯蔵庫・洗面所や寝室のある居住エリア等々と区分けして造られていたようだが、石積みは色相からしてどれも比較的新しそうで、殆どは積み直され復元されたもののように見受けられる。見つかったオリジナルの基礎部分に積み上げていったのかな。先に見たウバールの遺跡よりは遥かに良く往時の姿が取り戻されている。

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神殿はハドラマウト王国の宗主国であるサバア王国宗教の神殿ということになろうか。同王国では月の神を頂点とする天体信仰が主流であり、月の神アルマカフを祀る神殿が建てられていたとされているそうだ。

一本だけポツンと残る乳香の木が遺跡の物悲しい雰囲気を醸し出している。幹から出る樹液を乾燥させてお香として使ったり水に溶かして万能薬として飲んだりしたそうで、かつては金と同じ重さで取引されるほど高価でかつ神聖視された品だったらしい。

ここサラーラ周辺のドファール地方一帯には、この金の生る木こと乳香の採れるフランキンセンスの樹木が約8平方キロにわたって群生していたのだと。それが今や…この一本の乳香が諸行無常の世の常を実によく表している。


入り口とは反対側の一番奥に勝手口のような小さなゲートを発見。

勝手口から出ると直ぐ眼下にアラビア海が広がっていた。かつては背後の山から幾筋もの川が流れてアラビア海へと注いでいたそうで、立地的にはまさにここが絶好の積出港だったんだと。
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紀元前からずっとこのような景色だったのだろう。見事なターコイズブルーの海水をたたえる青々としたアラビア海とごつごつした武骨な岩山との対比が実に美しい。


アラビア海の入江に面した高台に建つサムフラムの城。入江の港には多数のダウ船が行き交っていたとされる。


そんな交易の要地として賑わったホールルーリの地であるが、今は非常に静かな動物たちのオアシスとなっているようで…運転手はファルコンや水浴するスワンの親子、フラミンゴ、ヘラサギといった水辺の野鳥を望遠鏡で観察してはしゃいでいた。「ミスターポンズ!ファルコンが飛び立ったぞ!」って。あんたが望遠鏡を占拠しちゃってて肉眼じゃ見えんわw

【サムフラム遺跡】



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ウバールとルブアルハリ砂漠でオマーンをマンキツw

オマーンのサラーラ国際空港にて現地のツアー会社に手配頂いた運転手のSuhail氏と合流し、ホテルに寄る時間も惜しんでウバールへと直行する。

AD300年頃に乳香の交易ルート上の要衝地として繁栄していたとされる古代都市ウバール。コーランやアラビアンナイトといったアラビア世界の古書でもウバールに関する言及が確認できるようなのだが、その場所は数千年間に渡って不明のままで、一説には市民の間で神の教えに背く悪徳が蔓延った為に神アラーにより破壊された伝説上の都市だとも考えられてきた。それが…1990年代に入って米航空宇宙局NASA主導による最先端技術を駆使した調査が進められた結果、ルブアルハリ砂漠の人を寄せ付けぬ秘境に川床の跡や古代アラビア時代のキャラバンルートが発見されたのだ。そこからウバールの位置が解明され、実際に発掘してみたらビンゴ!砂に埋もれた古代都市が掘り起こされ、古文書の中にのみ存在する伝説上の古代都市の存在が証明されたのだ。もうまさに砂漠のアトランティスですわ。公共交通機関の無い砂漠地帯にあってすっごいアクセスの悪い場所にあるんですが、こりゃあ車をチャーターしてでも行くっきゃないっとオマーン初日に行って参りました。

このロマンの塊のようなウバールは、サラーラから北に約180キロの砂漠地帯の中にある。

サラーラから車で2時間半。ぺんぺん草の一本も生えていないであろう荒涼とした大地をサウジアラビア方面に向けて2時間半ほど突っ走る。


空港から一路北へ。

砂漠というとどうしても猛暑の砂丘をラクダのキャラバンが行く的なイメージを想像しがちだが、空港付近は寧ろ土漠といった雰囲気で、瓦礫と土と岩山を切り拓いて作った切通しのような道が続く。辺り一面徹底した茶色一色一辺倒な風景がワイルドアラブな雰囲気で気持ちが自然と盛り上がってくる。
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オマーン南部のドファール地方と呼ばれるエリア一帯の地形は非常に変化に富んでいて、白浜の美しい海岸線から内陸部に向かって山岳地帯が広がり、山の先からサウジアラビア方面に向け巨大なルブアルハリ砂漠が続いていくので、海から山から砂漠まで、実に様々な自然の表情が楽しめる。

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山を越えるといよいよ砂漠らしくなってきて、ワイルドなオフロード有り、旅情を掻き立てるアメリカンな一本道有り、車窓から眺めるラクダの群れ有り、蜃気楼有りと、なんともアラビアンな世界が続いていく。

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途中、Thumraytという小さな辺境の町で物資を買い込んでから北上を再開。スーパーマーケットならぬコマーシャルマーケットでは農作物や果物が豊富に取り揃えられていたのが驚きだった。あと、小麦粉とか穀物一般類は麻袋に入って売られてたんだが、砂糖もまさかの麻袋売り。砂糖20kg単位とかMOQおかしいだろ。


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Thumraytから先は右を見ても左を見ても本当に何もない平坦な砂利道が延々と続くのだが…


ふと眼前に青々とした緑地が現われた。なんでも不毛に見えるここら一帯は実は地下水が豊富らしく、意外にも牧草栽培やピボット灌漑が盛んなんだと。確かに地下水を水源としているのであろう反動回転式スプリンクラーを多数そろえた緑地が並んでいるし、スイカやトマトや各種野菜等も普通に採れるのだと。更に驚くのはモンスーンの季節まであって、7-9月の雨季には砂の大地一面が自然の緑に覆われるんだと。漁業も盛んだし、オイル以外にも豊かな国なんですわオマーンは。

ウバールとシスル

途中、幹線道路を西のイエメン方向へと折れ1時間ほど未整備の砂利道を走ると、シスルという小さな小さな村落の中にウバールの発掘調査現場が見えてきた。

車を降りるとありえない数のハエに囲まれ戸惑いながらも運転手について歩いていく。すると管理人らしきアラブヒゲの男が出てきて運転手とがっちり固い握手。そして戸惑うワイを後目に握手したまま何やらニコニコと現地語で話し出す。

会話に入りたくても入れない私に対して発せられた言葉は、「ここがウバールだから、まぁゆっくり見ていってくれよ」と。ということで放置プレーで遺跡を楽しませてもらうことに。

乳香貿易で栄えた古代のキャラバンオアシスの遺跡。砂漠のど真ん中にある小さな敷地に城壁などの遺構がかろうじて遺っているようだ。


高台にポツリと建つ監視塔のような建物。当時の再現にしては立派すぎる建物なので、発掘現場で働く方達の為の建物だろうか。

ウバール遺跡の発掘調査にあたったオマーン/米合同調査団の報告に拠れば、3m程の高さの城壁に囲まれた八角形の砦や8つの高い塔が発掘されたそうだ。
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古来よりキャラバンや動物たちの喉を潤してきたのであろう井戸跡なんかも見られる。乳香も炊かれたオアシスの町で、過酷な旅の途中にひと時の安らぎを楽しむキャラバン隊員の姿が頭に思い浮かんでくる。


これでも発掘されているのはまだまだほんの一角のみだそうだ。ただ、残念ながら発掘作業が進んでいるようには見受けられんので、暫くはこのままなのかな。

当時の街並みの復元図。大きな城壁で囲まれた中はキャラバン隊の隊商達で賑わってる。こんなんが数千年に渡って砂の中に埋もれてきたんだからロマンあるよなー。

コーランには「高い柱に囲まれた都」「砂に埋もれて滅んだ」との記述があるらしい。聳え立つ高い建物に囲まれ過ごすAdと呼ばれる人々はアラーの教えに背いた為に七日七晩の砂嵐により襲わることとなり、Adの都は存在していなかったかのように砂漠の中に消え忘れ去られてしまったのだ、と。確かに発掘された遺跡から推測される再現図を見ると高い柱に囲まれた都だわ。


砂岩の香炉など、乳香の生産を示す遺物や交易により運ばれてきた他所の名産品等も発見されたそう。でも大体が10世紀以降の物じゃんね。それ以前の物は発見されてないのかな。

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塔の先の部分に回り込んでみると、地盤が崩れて大きな裂け目が生じてた。よくよく穴の奥の方まで目を凝らして見て見ると、巨大な洞窟のようになっている。どうも中からは水が湧き出ているそうだ。繁栄を極めたウバールの市民は強欲で不道徳な生活を改めなかった為に神の怒りにふれアラーによって滅ぼされたという伝説があるが、実際のところは地下水脈の影響による地盤沈下により陥没したとも推測されているらしい。発掘が進むにつれ、また新たな真実がわかる日がくるのかもわからんね。発掘チームはやる気なさそうだけど。


裂け目の底にはコンクリートの階段が設けられていて、地下に向かってパイプが伸びている。この下が湧き水の水源になっているのだろう。

数千年間発見されないまま砂漠の中に埋もれていた伝説の都市が最新テクノロジーで発掘された。 探せば地球上にはまだまだ超古代文明の痕跡が眠っているんじゃね??

そんなロマンを胸にウバールの地を後にする。運転手からそろそろ行こうと催促されたんでw
ひだり みぎ
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車に乗り込み、このまま来た道を戻るのかなぁと思いきや急にハンドルを右に切る運転手。まさかのオフロード突入だ。

ルブアルハリ砂漠

この先には縦東西1000km・南北500kmという途方もない大きさでオマーン・イエメン・サウジアラビア南部・UAEに跨って広がるルブアルハリ砂漠が広がっている。ルブアルハリ…なんとも情緒ある響きの言葉であるが、アラビア語の原意は『何も無い場所』ということらしい。
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思いっきり砂埃を舞い上げながらダートロードを直進していくと、次第に砂がモフモフしてきて起伏も激しくなってきた。但し、まだ電柱が続いているのでこの先に村落があるのか、それともベドウィンの住まいがあるのか…なんて思ってたら本当に見渡す限り何もなくなった。道らしい道すらない。

で、なにも無いところでいきなりジープを止める運転手。お祈りタイムだから待っていてくれと灼熱の砂漠の真ん中で降ろされる。こんなところでっすかw
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ワイを置いてお祈りスポットを探しに歩き去る運転手w こんなんありっすかwww RPGとかだと砂漠ステージってモンスターのエンカウント率高かったりするじゃん。毒サソリとか出てきたら勇者でもないワイ一人じゃ倒せんぞ!


マドハンドに仲間呼ばれまくって囲まれるという昔の悪夢の再現は勘弁だぞ!

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中々戻ってこないので不安になって足跡を辿っていったら、やっぱり大砂漠のど真ん中で一心不乱に頭を垂れお祈りしていた。方向感覚を失うような何も無い大砂漠の中でもお義務を忘れぬムスリムの鏡。後々、なんでメッカの方角分かるのか伺ったら「分かるに決まってるんじゃん」とかサラッと返されたんだわ。時計と太陽の位置を見てパッと方角を確認したりしてるだろうか。


お祈りを終え気力充実の運転手、今度はランクルパワーを見せつけ砂丘の上を目指すと力強く語ってくれた。


ということで更に砂漠の奥深くへと車を進めると前方に200m級の小高い砂丘を発見、アクセル全開で突っ込んでいく。


おおー、すげー、というか危ねー!と思ったら案の定、丘の中腹で諦めて、ここから歩いて砂丘の頂上を目指しましょうってw うん、危ないからそれが賢明な考えと思いますよw


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ということで風紋美しい砂丘をハイキング。靴に入っても気にならない程サラサラした砂で、ちょっと体重をかけただけで崩れるので普通に歩くのも思ったより全然ハード。風が強くて砂嵐が全身に吹き付けてくるし!

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ただ、登り切ったところからの周囲360度に広がる砂漠の景色は圧巻。ただただ見渡す限りに広がる砂の海。吹き寄せる風により、音のない海の波のように、静寂の中でひたすらに形を変える幻想的な砂模様。小並感的感想になってしまうが、この時の感動は一生忘れないであろう。

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まあでも足場が悪いなか200メートル程の砂丘に上って吹き荒れる砂塵を全身に受けながらドライバーが用意してくれた茶を一杯飲んで帰るだけっていったらちょっと滑稽な気持ちになりますがw

この後は一路サラーラへ。途中、Thumraytの町のローカルレストランでチキンカレーとナンを食べたのだが、箸やスプーンは無く素手で食べることに。マジかよカレーのルーとか液体系も素手なのかよと思いながら食べたら思いっきりシャツにルーをこぼしちゃうし、運転手は運転手でまたしてもお努めの時間だからと一人でモスクに行っちゃうし…前日に香港を発ってから30時間近くロクに寝てないので少しでも早くホテルで休みたかったのだが、こればっかしは彼のムスリムとしての義務なので仕方ない。

レストランの外の席で通行人を観察していると、通りかかった若者が「ジャッキーチェン!」とカンフーポーズをしながら声をかけてくれたので身振り手振りを交えて遊んでみる。すると、奥さんが名古屋の人間だという怪しそうな男と連れの3人組が「日本人ですねー。お茶を奢らせてくださいー。オマーン人、外国人には優しいです。」と現れ声をかけてきた。日本とオマーンを毎月仕事で往復する石油業界のビジネスマンでオマールと名乗るこの男…ちょっと裏の有りそうな笑顔だったし泊まってるホテルとかまで聞いてきて怪しさ満点だったので奢られるのを断りつつも適当な会話で無難にやり過ごそうとしていたところに運転手が戻ってきた。するとそそくさと何も言わずに急に退散して車で離れていく3人組。怪しい…運転手曰く、奴等は確実にオマーン人ではなく、十中八九パキスタン人だろう、あの似非イスラム達はオマーンで港湾整備とかの現場作業者で難民が如くいっぱいオマーンに雪崩れ込んできてるんだわとのことだったw

と、まあ最後は話が逸れてしまったが、初日からアメージングオマーンを満喫したのであった。


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カタール航空QR1142 A320ビジネスクラス搭乗記~オマーン入国

ドーハ名物のアルサファファーストクラスラウンジでの短すぎる滞在を終え、いよいよオマーンへのフライトへと乗り込んでいく。

カタール出発が1:45でサラーラ着が5:25のカタール航空1142便。今日は深夜便で夜が明ける前にサラーサまで移動し、休むことなく朝一で謎の失われた古代都市ウバールを攻める計画を立てている。荒涼としたルブアルハリ砂漠に埋もれた砂漠のアトランティス・ウバール。数千年前の古文書に言及があるものの長らく伝説の存在として考えられていたのだが、近年になってNASAの人工衛星により存在が確認されたというまさにロマンの塊のような遺跡なのである。
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搭乗ゲートはコンコースCのC26で、ボーディングブリッジではなくバスでの搭乗となる。どこぞやの航空会社と違ってきちんとビジネスクラス専用車も用意されていて、年末年始休暇の為にオマーンを訪れるというフランス人家族と共に機体へと運ばれる。



オマーン第二の都市・サラーラまでは2時間40分の短い空の旅ということで、小型機のA320が待機。


ガラガラなんだろうなーと思いきや、先に乗り込んでいた白人ファミリーの乗客でビジネスクラスはびっしり。皆さんおフランスから来られた休暇満喫組のようなのだが…独りで行動するワイに向けられる好奇の目が痛いが少し隣のマダムに話しかけてみると、なんでもヨーロッパの方々にとってオマーンって気軽に楽しめるエキゾチックなビーチリゾート的扱いなんだって。自分の中ではルブアルハリ砂漠のイメージなんだけど、確かにインド洋に面して長い海岸線を有していて、シンドバッドの国なんて呼ばれ方もしてるくらいだからな。オマーン航空のマイルプログラムもシンドバッドクラブというくらいだし。


A320でもリージョナルファーストクラスの設定機材だとフルフラットのシートが積まれてるみたいが、オマーン行き便にそんな華やかなエース機材があてがわれるはずも無く。また、改装後の席で採用されたシェル型ライフラットでもなく、恐らくカタール航空A320のなかでも最古のものだと思われるひび割れたレザー席だった。これなら搭乗ゲートから乗ったバスのシートの方がマシw


通路側席に座る隣の豊満マダムの膝の上を失礼して狭い座席に着くなり、中東風マリオといったベテランCAが眠そうな笑顔でおしぼりとウェルカムドリンクを運んでくれた。シャンパンも選べたけど、アルサファラウンジでお酒は十分すぎる程頂いていたので、ここではサッパリ系モクテルで。

ひだり みぎ
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ブランケットはプリセットで、ヘッドフォンと機内エンタメ用タブレットはウェルカムドリンク後に希望者に対してのみ配られる。CZのエンタメデバイスみたく画質が荒くて乗り物酔いするといったことは流石になかった。流石5つ星エアライン!


ひだり みぎ
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【ビジネスクラスドリンクメニュー】
Lanson Black Label
Lanson Rose
Jean-Mark Brocard, Chablis Premier Cru 2015
Attems, Venezia Giulia 2016
Leone D’ Almerita, Terre Siciliane 2016
Chateau Branaire-Ducru, St. Julien 2011
Hollick, Wrattonbully 2015
Luigi Bosca de Sangre, Bodega Luigi Bosca 2013
Royal Takagi, 5 Puttonyos 2013
Gran Cruz, Porto 1992
その他カクテルやスピリッツ、ビール等はバンコク⇒ドーハのファーストクラスと同じメニューだった。この便でカクテル頼んでも無いって言われそうな気がしないでもないんで頼んでみたところ、普通にシャンパンカクテルがサーブされてきた。マリオがギャレーで作ってるんだろうが、こんな深夜の短距離便なのに優秀だわ。


ミールも深夜便なのにしっかりしてて、メインはチキン・ラム・ベジビリヤニの3種類から選ぶことができる。


デザートやナッツと共に運ばれてきた前菜のメゼからしてガッツリしすぎw



メインのラムシャンクもめっちゃガッツリw。肝心のお味の方も、葡萄の葉に包まれた中身の何もかもが強烈な中東スパイスで煮込まれていて、香辛料の塊を食べてる感じというか…少なくとも満腹に近い状態で深夜に食べる物ではなかった。オマーン時間02:45発ー05:25着の深夜短距離便でこんなガッツリと食わされると思ってなかったし、量が多くて激マズという最悪のパターンだわ。冒険して中東系メニューを頼んだ自分が悪いんで悶絶しながらもなんとか食べたけど、何でもおいしく食べれる雑食系な自分でもだいぶきつかった。


ひだり みぎ
食後の口直しとしてゴディバを食べながら中東ミュージックを聞きテンションを高めていると降下開始となり、窓の外には街の灯りが見えてきた。早朝5時にもかかわらず街灯が非常明るいし、街の規模も思ったよりデカい。

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前日14:20に香港を発ち、バンコク・ドーハ経由で20時間かけて遂に辿り着いたぞオマーン。

空港では入国審査場脇にある両替商でオンアライバルビザを要取得。やっぱりRO5(≒1,500円)で取れるシングル10日間のビザは廃止されていて、OMR20(≒6,000円)もする30日のビザしかなかった。そんな1か月もかけてガッツリオマーンだけを観光する人はあまりいないだろ。

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こちらのビザはUS$57・EUR52でも支払い可能。自分はUS$100払ったらOMR15.9(≒JPY4,770)の釣銭が戻ってきたので両替レートはどこかのインドネシアと違って良心的。

*2018年3月14日以降はe-Visaの事前申請が必要になった模様。
在オマーン日本国大使館HP:http://www.oman.emb-japan.go.jp/japanese/3stay_j.htm

日本人がオマーンに入国・滞在するためには,査証(ビザ)が必要です。2018年3月21日以降,オマーンを訪れる日本人は原則,e-Visa(オンライン査証)を事前に取得する必要があります。従来のオンアライバル査証の取得は当面可能なようですが,事前に査証を取得しなかった場合には,入国手続に相当な時間を要する可能性も排除できませんのでご注意ください。

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ビザ取得後はレシートを持ってイミグレに向かうだけ。近代的だし看板等も多くて分かり易いし、砂漠の中にポツリと建つ風と日除けの為の小屋くらいのしょっぱい空港を想像してたので、良い意味でビックリしたわサラーラ国際空港。空港スタッフも砂漠の民というより陽気な船乗りシンドバッドのような感じで皆さん朝からすっごいヒャッハーしててフレンドリーだし。


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国王の爽やかスマイルが眩しいSIMカード屋各社は営業時間外。カフェなんかはオープンしてるけど、パブリックスペースも椅子が多くて快適なので、適当に座って運転手との待ち合わせ時間まで空港の無料Wi-Fiを使って時間を潰すことに。

しかし、約束時刻になっても一向に現れない運転手。心配になって運転手の手配を頼んだツアー会社に連絡するも営業時間外で繋がらないし…

結局、約束時刻から遅れること30分、遅れてきた運転手のSuhail氏と無事に合流…。その第一声が「ミスターポンズですよね?早く着きましたね!」。早く着きましたねって…あなたが遅いんですよねw もしかして集合時間を間違えてるのかと思ったけど、「はっはっは、外が暗くて出発を遅らせたんだよ~」とサラッと言いのけるし、終始あたかも時間通りに着いたお前が悪いんだよくらいの論調で見事な被害者ポジションから話してくる氏に驚きつつも、ホテルに寄って休憩する時間も惜しんでウバールへと直行する。