スコータイのレストラン(Dream Cafe、S and N Coffee House etc.)

本日は、今回の滞在期間中に特にお世話になったスコータイの食事処を幾つかご紹介。新市街地にはローカル屋台から西洋人経営のレストランバーまで一通り揃っているし、最悪、セブンイレブンでも最低限の食事が摂れるので食事には一切困らない。最近は胃がスぺランカーな自分も意を壊すことなく乗り切れました。

【S and N Coffee House】

新市街地のロータリーから東に伸びる中心街・シンワット通り(Singhawat Rd)に建つ小洒落たS and Nコーヒーハウス。SとNは磁石のS極・N極を表しているのではなく、それぞれSunとNightの頭文字で、午前も午後も営業してまっせくらいの安直な意味らしい。


清潔な店内で冷房やwifiもバッチリ。店員の若者はシャイで英語がダメだけど、幸いにして英語メニューがあるのでタイ語が話せない私みたいなタイ素人は指差しで注文することになる。言葉の壁はあるけれど根が良い人たちだし気まずいこともない。


メニューには各種タイ料理や西洋料理が揃っていたが、胃と相談して無難に炒飯(69バーツ≒)とオイスターソースの海鮮炒め(89バーツ≒)をチョイス。全体的に濃い目の味付けだけど、食えないことはない。屋台飯も良いけれど、スコータイは日中かなり暑くなるので、冷房の効いたレストランで休憩がてらランチを済ませたいという場合にはお勧め。

S and N Coffee House
営業時間09:00-20:30
住所Singhawat Rd, Muang Mueang Sukhothai District, Sukhothai
電話86605 3201

【Pizza Company 1112】

こちらはタイでも有名なピザのチェーン店。ヨム川の西岸すぐの幹線道路にある。


市内各所へのデリバリーも対応。結構な大手のようで、英語版ウェブサイトやアプリも用意されている。オンラインでの予約やアプリでの予約に対して割引されるプロモも頻繁に行われているようだ。


ピザ全9種類、生地3種類からオーダーする。最安値のHam and Crab SticksのCrispy Thinが199バーツ(≒)~。その他、パスタ・サラダ・チキン等のサイドメニューも揃っていて、セットメニューなんかもある。


ウェブサイトは店内メニューより豊富な品揃えとなっていたのがよう分からんが、とりまソーセージのCrispy Thinを注文。お持ち帰りで250バーツ程だったかな、値段が値段だけにピザだけじゃ全くもって食べ足りんかったが、生地の歯応えは思ってたよりサクサクしてて本格的だった。

【Dream Cafe】
ひだり みぎ
S and N Coffee Houseと同じくSinghawat Rdにある西洋風カフェ。花や緑に囲まれたテラス席が洒落ている。

ひだり みぎ
店内だって負けてない。美術の分かるオーナーがデザインした店の中は博物館のギャラリーさながらにアンティーク調の調度品で飾り付けられている。

ひだり みぎ
彫刻品やら絵画陶やら陶器やらもふんだんに用いられた店内は、なんともシックで粋な空間だ。


メニューに目を向けると、オリジナルの創作ハーブカクテルが10種類もあるじゃないですか。滋養強壮効果の高いOld PlayboyやBeauty Queen Secretという顔艶や血液の巡りを良くするカクテル等、健康志向メニューが嬉しいところ。タイの伝統的バイアグラを使ったカクテルもありますよ。


小生は若返りの為にRejuvenationを選択。ショットグラスで来るので容量は多くないけれど、酒が強烈過ぎるので1杯で十分。強烈な酒は勘弁と言う方、特殊なハーブカクテル以外にも一般的なカクテルやビールなんかもあるのでご安心あれ。

ひだり みぎ
食事もメインの価格帯が120-350バーツと、この手の洒落たレストランにしては大変お手頃。洒落た夜を過ごすにはピッタリのレストランである。

Dream Café
営業時間12:00-14:00、17:00-23:00
住所86/1 Singhawat Road, Sukhothai 64000
電話05561 2081

夜のスコータイの町は結構賑やか。
ひだり みぎ
地元民で賑やかなのは川のヨム川の東側でワット・ラジタニー(Wat Rajithanee)という寺院を中心に夜になると無数の屋台が出現する。

一方、外国人で賑やかなのは川の東側。
ひだり みぎ
川を渡ってすぐのところにバーが3-4軒あつまるエリアがある。

【Chopper】
ひだり みぎ
小生がバイクを借りた店の二階。全席テラス席で夜風が気持ち良いのと、やたらとガタイの良い店員のオカマさんの愛想がやけに良い。


西洋風だけど飯はドローカル。洋食メニューもあるけれど、余りお勧めできなそう。オープンエアーの賑やかな空間でワイワイガヤガヤ賑やかになる場合にお勧めか。

【Bar 64000】
ひだり みぎ
Chopperの前に店を構える屋台風バー。ローカルビールを使ったボム系オリジナルカクテルが豊富で、中でもイエーガーマイスターをスプライトとシンハービールで割った64000 bomb(120バーツ)がお勧め。屋台風で入り易く、軽く一杯飲むのに向いている。

また、新市街地から西に5キロの地点にKFCやミスタードーナツが入るBIG Cマーケットがある。

ここはバイクがないときついかな。

ひだり みぎ
食後のおやつは愛おしきミスタードーナツで。

ひだり みぎ
ポンデリングが22バーツ(~70円)からと、甘党には幸せな価格設定だ。

田舎過ぎてどうなることかと思いましたが、全然全然。屋台飯も美味いし、何も不自由しなかったスコータイでの5日間でした。



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【2016年スコータイ・ピサヌローク旅行記】















ワット・チャーンロム(スコータイ)

スコータイの寺院巡りの最後を〆るのは城壁東部に建つワット・チャーンローム。またかよ?と思われるかもしれんが、同じ名前の寺院をシーサッチャナーライとカムペーンペットでも見てきてるので、確かにワット・チャーンロームという名の寺院は三か所目ということになる。当時は各町に仏塔を像が支えるというスタイルの寺院が建てられていたのかな。


スコータイのワット・チャーンロームには14世紀後半に建立されたスリランカ様式の釣鐘型の仏塔があり、32頭の象の漆喰像がスクラムを組みがっちりと台座を支える。王都スコータイの本家本丸ワット・チェーンロームなので期待をしていたのだが、象の数だけで見るとシーサッチャナーライやカムペーンペットのワット・チャーンロームに劣る。


仏塔を下から仰ぎ見上げるとそれなりの迫力だが、象の動員数だけでなく寺院としての規模もスコータイがダントツで小さい。王都スコータイと言っても城壁外にあるから二軍三軍レベルの寺院といった扱いだったのかな。

ひだり みぎ
仏塔を支える象たちは一体一体が龕のような小さなスペースに収められている。

ひだり みぎ
鼻が無かったり胴体が無かったり、象の状態はさまざま。


中には溶岩のような得体の知れない御姿に成り果てた物もある。

ひだり みぎ
一方、取って付けたように顔面が接ぎ合わされ、ほぼ全盛期の姿にきっちり復元された象もある。もう少しフレンドリーで親しみ易い象をイメージしてたのだが、すっごい厳つくて鼻息荒そうな表情だったようだ。守護象としては相手を寄せ付けない威圧感があった方が適切なのかな。


このアングルからだと象も揃ってるし規模感が伝わるだろうか。どっしりとした釣鐘型ストゥーパを象の像が囲んでる。ユニークな造りではあるけれど、シーサッチャナーライ・カムペーンペットに次いで三回目のワット・チャーンロームとなると新鮮味を感じんな…。



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【2016年スコータイ・ピサヌローク旅行記】















スコータイ芸術の最高芸術が…残らない ワット・トラパン・トーン・ラーン

次なる目的地は城壁東部のワット・トラパン・トーン・ラーン(Wat Traphang Tong Lang)。初日に城壁内の似たような名前の寺院を見ているが、向こうはワット・トラパン・トーンで、こちらはワット・トラパン・トーン・ラーン。紛らわしいが、二つの異なる寺院となっている。

この寺院の場所は本当に分かりずらい。地図を見るとスコータイ旧市街地と新市街地を結ぶ幹線道路沿いにある筈だが、なかなか見つからずに何往復も行き来してしまった。先般は紛らわしい地図を載っけた某観光ガイド本だ。

地図上では道沿いにあるかのように記載されているが、看板に拠るとどうやらこの背の高い門の先にあるようだ。地図が誤記載となっている上に看板も分かりずらいし、大通りからは遺跡の姿が見えないので注意する必要がある。目安として、縄文からは500-600メートルほどの距離かな。門方面から移動してLegendha Sukhothai Resortまで行くと行き過ぎ。

上記のゲートから続く細い路地の中へと進み、道路の舗装が途切れた所で遺跡の正面に出る。ワット・シーチュムを彷彿とさせる四角く高い立方体の建物が特徴的だ。

手前に礼拝堂跡、奥に本堂というスコータイ寺院の一般的な構成。14世紀にリタイ王により建立された寺院で、本堂の外壁にはそれぞれの面にスコータイ芸術の最高傑作とも称される大変美しい漆喰芸術が施されていたようだ。


アーチ形の入り口の中を覗き見てみると、ドでかい仏像が鎮座するワット・シーチュムと違って中は台座のみを残して空洞になっている。台座があるってことは、元々は仏像が安置されていたと思われるのだが、忽然とその御姿を消してしまっている。

外壁の漆喰芸術も残念ながら往時の姿のままでは残っていない。嘗ては南側・北側・西側の外壁に、それぞれ天女に囲まれながら天から降臨する仏・妻を説法するために戻ってくる仏・父や親族に説法をする為に戻くる仏の様子が描かれていたそうだが…。

建物の側面に設けられた仏龕の中に何らかの形跡は確認できるが、残念ながら漆喰細工の芸術としては鑑賞できないレベルまで風化しきってしまっている。


こちらも、辛うじてほんのりと仏像であったであろう物体の腰回りであろう部分が浮き出てるが…


立仏像だけは復元されたのかな。

幸い、これらの漆喰細工の姿形が無くなる前にレプリカが作られ、城壁内にあるラームカムヘン博物館で往時の様子が確認できるそうだ。興味のある方は是非、博物館へどうぞ。



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【2016年スコータイ・ピサヌローク旅行記】















ワット・チェディ・シー・ホーンと謎多き城壁南部の寺院群

続いて、ワット・チェトゥポンの向かい側にあるワット・チェディ・シー・ホーン(Wat Chedi Sri Hong)へ。相変わらず観光客はおろか地元民の姿すら見えず閑散としている。一応は城壁南部も世界遺産の一部として登録されている筈だが、城壁内部から距離があるからか、マニア向けのような扱いになっているのかな。


敷地内にはベル型のチェディの奥に壁の一部を残した御堂もあるようだ。誰がいつ建立したのか不明という謎多き寺院だそうだが、保存状態を見るにワット・チェトゥポンと同じくスコータイ王朝後期に建てられたのではなかろうか。


壁の一部が残る御堂跡。全体的な傷み具合は少ないけど、中央に鎮座する坐仏は膝から下のみを残して崩壊してしまってる。


ここの見所は何といってもこのベル型仏塔だろう。基壇の台座に像やら獅子やらの彫物が見える。


残念ながらこれらの像は破壊されたのか荒廃が進んでいて、無造作に首が転げ落ちているような酷い有様だ。「たけき者も遂には滅びぬ 偏に風の前の塵に同じ…」どこからともなく諸行無常の響きが聞こえてきそうな雰囲気である。

ひだり みぎ
像や獅子だけでなく、聖水を持った仏のような人物像(?)が漆喰で描かれているのも辛うじて見える。象と象の間や象の上に仏像が配されていたのだろうか。像に支えられた仏塔はスコータイでもカムペーンペットでもシーサッチャナーライでも見てきたが、象と仏像が一体となって仏塔を支える形式を見たのは初めてだ。


アンコールの女神・デバターの浮彫のようにも見受けられる。何とか風化させずに保存をしてもらいたいものである。


ワット・チェディ・シー・ホーンを離れ、今度は城壁東部を目指して細道を道なりに北上する。道脇に広がるバナナやサトウキビ畑、農地の間に点在する荒廃した遺跡や鶏を放し飼いにする民家…。城壁の南部にはとても世界遺産の町とは思えない長閑な景色が広がっている。

一路北にバイクを走らせていると、左手に面白い遺跡を見つけた。

手持ちの地図には載っていないが、朽ち果てそうな看板にはワット・ウィハーン・トーン(Wat Wihan Thong)と書かれている。


手前に礼拝堂跡、奥には何やらオムスビ山のような物体の姿がある。

ひだり みぎ
仏塔が崩れ落ち、スキー場の斜面のように漆喰で塗り固められたのだろうか。何となくだけど、自分の中で映画「未知との遭遇」に出てきた謎の山とリンクして鳥肌が立つ。平野の中にポツンと打ち捨てられた宗教施設ってだけで不気味なのに、ここは何だか変な磁気を発してそうな独特の畏れ多い雰囲気に包まれている。


更に北に進んだところにあるワット・ムンランカも、型にはまらない形をしていて独特の雰囲気を持っている。

ひだり みぎ
ピラミッドのように5段の階段状の仏塔で、上まで登れるようになっている。頂上で何らかの儀式を行ったのか、それとも仏塔が建てられていたのか…。城壁南部は比較的新しめの寺院ばかりだが、建築目的などが明らかにされていない謎多き寺院が多いようだ。

これにて南部地区の遺跡が終わり、やがて旧市街地と新市街地とを結ぶ幹線道路へ出た。ここから東部地区の見学に入っていく。



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【2016年スコータイ・ピサヌローク旅行記】















巨大遊行仏が残るワット・チェトゥポン

城壁北部の見所であるワット・シーチュムとワット・プラ・パーイルアンを見終え、今度は南部一の観光名所との誉れ高きワット・チェトゥポン(Wat Chetuphon)を見学すべく、ぐるっと城壁の南側へと周る。

北から南へ城壁を迂回するのは時間とガソリンのロスになるので、遺跡公園内の中心を突っ切ることに。既に時間は10:00を過ぎており、遺跡公園の中心は大型の観光バスから無限に吐き出される人民様やチャリで走り回る白人バックパッカーで大変な賑わいになっていた。こうなってしまったら遺跡の雰囲気が損なわれること甚だしい。やはりひっそりとした遺跡の雰囲気を満喫したいなら10時前に観光するのが良さそうだ。
ひだり みぎ
中心部を抜け、三重に築かれた堅牢な城壁と濠を越えると、基壇と柱付きの守衛跡が残っていた。スコータイ王朝の人々が住んでいた家々の廃墟は一切残されていないので全て木造だったと推測されるが、守衛所は防御を考え煉瓦造りにしていたのだろうか。ここら辺、掘り起こしてみたいな。


南側の城門からワット・チェトゥポンまでは約1.6Km。城壁から南へと伸びる長閑な一本道の左右には民家や樹木に混じって崩れかけた寺院の姿もちらほらと見えるが、規模が比較的小さいので全スルー。


幾つかの小規模な遺跡を通過し、漸く南部の大物ワット・チェトゥポンが見えてきた。遺跡公園の中心地から離れているからか、中心部にあれだけウジャウジャしていた観光客の姿は独りとして見ない。何とも遺跡然とした雰囲気が楽しめる。


蓮の花咲く二重のお堀に囲まれひっそりとした佇まいの敷地に、礼拝堂跡と首が捥げた遊行像の御姿が見える。これらは城壁北部や中心部の寺院群より比較的新しく、15世紀初頭に建てられたと伝えられるそうだ。となると、スコータイ王朝末期の建設物か。基壇もしっかりしているし、柱の漆喰も残り、保存状態は比較的良好。


礼拝堂の仏像は跡形も無く崩れ落ちて瓦礫の山と化してるが、遊行仏は見事に首から下の原型を留めていて、ムチムチな太ももと滑らかな体の曲線が何とも言えない色っぽさを醸し出している。首から上が捥げ落ちてしまっている為に御顔は確認できないが、この御体の曲線美から想像するに柔和でセクシーな表情をしていたことだろうw


遊行仏の反対側には台座に乗った立像が!往時は四角柱に背中合わせで東西南北にそれぞれ「結跏=足を組んで座る、倚臥=横に臥す、佇立、歩行」のスタイルで仏像4体が安置されていたという何ともデラックスな寺院だったそうだが、経年劣化による崩壊には勝てず、現在では西側の立像と東側の遊行仏像を残すのみとなっている。


四角柱の奥には上部が崩れ落ちた仏塔や石板でできた門なんかも残っている。スコータイに来てから数十の遺跡を見てきたが、煉瓦ではなく石の門を見たのはここだけだ。窓枠まで石でしっかりしているし、やはりスコータイ王朝後期には建築文化にも変化があったのだろう。

ひだり みぎ
仏塔の中には胴体のみを残した座仏がひっそりと祀られている。五体不満足どころじゃないくらい、満身創痍の痛々しい御姿の仏様、静けさに包まれているからか、妙に神秘的である。



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【2016年スコータイ・ピサヌローク旅行記】