成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地 楽山・成都旅行11

成都といえば三国志とパンダ!成都最終日は朝から成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地を訪問することに。

パンダって朝早く行かないと食事を終えて寝ちゃったり暑さに耐えきれずにエアコン完備に室内に移動させられたりするらしいので、開演時間と同時に入れるよう急いでタクシーにて向かう。市街地のセントレジスからタクシーで20分、35元の運賃だった。寛平さんみたいな幸薄そうなドライバーに、1時間とかなら100元で帰りまで待ってるよ!帰りはタクシー見つけるの大変だよ!なんて営業されたが、滴滴で簡単に移動の足が見つかる昨今に効果的な営業トークではないよな。というかそもそも大量の観光客がタクシーで乗り付けてくるから一般のタクシーも拾えない訳ないだろうし。

それにしても繁殖研究基地って、何だか仰々しいネーミングなんだけど、ここは実際に一流のパンダ研究専門家が集い、最先端の繁殖設備が整った環境でパンダの繁殖を行う凄い場所らしい。その割に入り口は意外に控え目というか、地方の動物園と然程変わらない。
ひだり みぎ
成都市北部の斧頭山の麓に位置し、成都市内から約10キロ離れている。地下鉄3号線の最寄り駅・熊猫大道から市バス198番や直通バスで行くのが一般的なアクセス方法だけど、市内からだとタクシーでも安いのでタクシーが良いと思う。


繁殖研究基地内のマップ。緑一杯で広ーい基地内にパンダがのびのびと暮らしているんだと。広さは約130haにもなり、ここにパンダの生育できる環境を作るとともに、研究センターやパンダ用の病院・産院・飼育室などを建て、パンダの保護活動がなされている。まぁ研究基地なんて硬い言い方をしなければパンダ村ってところかな。


入っていきなり目の前に現れるのはカンフーパンダ(?)。あれ?研究基地とか堅苦しい名前が付いた場所なのに、そういうノリなの?

ひだり みぎ
なんかドラえもんみたいなのも居ますが…。

気を取り直して森林浴気分でパンダが生息するジャイアントパンダ館に向かう。園内は広いんで有料(10元)巡回カートなんかも走ってるけど、やっぱり雰囲気を味わうには歩いて回るのが一番。

ここで隣で地図を見ていた欧米人(フランス人?)が一言声をかけてきた。oh, Panda Cafe! Hey! Panda Hamburger! HAHAHA!…なんですか、そのノリは…

10分程歩き、小さな厩舎ならぬパンダ舎に到達、ここでパンダとの初コンタクトに成功する。

しかし、薄暗いガラスケースの中に入って動かない。あと1分したら動くかな?もう1分したら動くかな?みたいな感じで5分くらい辛抱して待ったけど、死んだようにぐったりしてて動かない。ほんと、微動だにしなかったので、もしかしたらぬいぐるみだったとか??

諦めて前進。

パンダ厨房なる施設を発見。ここは実際にパンダの食事の準備をする施設で、竹やタケノコを切ったり、笹ケーキを作ったりするところらしい。


中を覗くと、粉ミルクの缶が整然と並んでいる…。

特にパンダが厨房で食事を摂っているという訳でもなさそうだったので、ここも早々に切り上げて尚もジャイアントパンダ館に向け前進!
ひだり みぎ
おっ、木々に覆われた中に遊具らしき物が見え、なんかいかにもパンダのエデンかのような雰囲気!これはいるっしょ、パンダ!


い、いたー!大人の体つきをしたパンダがだらしない格好で一心不乱に竹を貪り食ってる。生活感が半端無い。

ひだり みぎ
しかも背後にもう一頭!すっごいシンクロナイズした動きで竹を食べ漁ってるけど、姉妹かなんかかな?

よく見たら丸太に座ってぐーたらしてるし…。食っちゃ寝、食っちゃ寝、寝たままの姿で足でボリボリと顔を掻いたり股間を掻いたり…そうかと思ったら起き上がって猫背姿でまた竹をむしゃむしゃ。なんか動作が一々オヤジ臭い。強いて例えるならば、休日に太った怠惰なおじさんがスルメを食べているのような風景とでも言えるだろう。それでもこれがまた何とも可愛くてね。パンダが好きでない人が見たらパンダを好きになるだろうし、パンダ好きな人は悶絶必至。萌え死にすること間違い無しだろう。

人間よりも早く地球上に誕生したと言われるパンダは熊科に属するだけあってもともとは肉食動物だったらしい。それが氷河期に入ってパンダの生息地であった中国大陸山岳地帯の動物や木の実などが減り、いつの日か竹を食べることを覚えてそれが習慣として根付いてしまったのだと。しかし、竹だけであの巨体を支えるカロリーを摂取するのは大変だ。そこで、食事の時間以外は極力眠て過ごして消費エネルギーを抑えるのが一般的、特に気温の上がる午後はほぼ眠っているのだと。ほぉ。食っちゃ寝、食っちゃ寝の自堕落な生活にもパンダなりの理由があったんですね。てっきり国宝として甘やかされ過ぎて育った為に怠惰な暮らしぶりが定着したんだと思ってましたわwすまんの、パンダ。

ひだり みぎ
ちょっと離れたところにも単独で栄養補給に励むパンダがいた。


このだらけて寛ぐ休みの日のお父さんみたいな恰好、パンダも人も楽な格好は同じなのかなw 絶対これパンダの目線の先にテレビあるっしょ。

ひだり みぎ
ひだり みぎ
少し小ぶりなパンダは比較的活発にウロウロしたり、サービス精神・好奇心旺盛で見物客の前に来てポーズなんかをきめたりしてくれる。ここら辺は人間と同じで年を重ねるごとに好奇心が摩耗してグータラなオッサン化していくのなw

ひだり みぎ
そしてびっくりしたのが木の上(写真拡大して見て下さい、余りの高さにビビります)!!どうやってあんな高いところまで!というか降りる時の方が難しそうなんだが大丈夫なんだろうか。

せっかくだから白浜アドベンチャーワールドで生まれ育った梅浜や永浜も見ておきたいなーと思ったけど、残念ながら小生の目にはそれも似たり寄ったりで個体識別は出来ず。
ひだり みぎ
一応は簡単に各パンダの特徴が説明されてるんですけどね…。説明されているのは「臆病」とか「活発」とか主に性格面の特徴なので、余程しっかり観察していないとどれがごのパンダなのか把握できん。


続いて、橋の向こうの幼年ジャイアントパンダ館へと向かう。


うわぁ結構混んでて窓際のベスポジ争奪合戦みたくなってる!


みんなめっちゃ写真撮ってるけどどこにパンダいるの!?と思ったら木の小屋の上で寝てた。ちょっとでも寝返りうったり動こうもんなら観客が「ウオォ〜」とざわつくのが寧ろ面白い。

続いて向かった生まれたばかりのパンダ赤ちゃんがいるという月亮産室は見物客でごった返してたので諦め、レッサーパンダの活動エリアへと向かう。


人懐っこくて、小生が近づくと待ってましたとばかりに網から出てきてくれるレッサーパンダ。身長は50センチにも満たないほどで、見た感じは寧ろ猫とかアライグマに近い。



こいつ、観光客慣れしてやがる!小生の前でくるりと回ったりといった演技を見せ、別の観光客が来たらそっちの方に行ってまた得意の芸(?)を披露していた。

最後はパンダの抱っこサービス目当てで研究室にも立ち寄ったんだけど、残念ながらパンダの保護を理由に抱っこサービスは中止してるところなのだと。例え1分2,000元という高値でもお願いしたかったところなのに…。
ひだり みぎ
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少しだけパンダの生態について学んでからホテルへと戻る。

いやー、今回は抱っこサービスを楽しめず残念であったが、それでもパンダの愛くるしい姿に十分癒された。パンダに興味のない方でもパンダの可愛らしさにホッコリさせられること請け合い。成都中心地からそう遠くないですし、成都にお越しの際はぜひお立ち寄りください。できれば8時の開園に合わせて行くのがベスト!

【成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地】

住所:四川省成都市成華区外北三環熊猫大道1375号
電話:028-8351-0119
ウェブサイト(日本語):http://www.panda.org.cn/jp/
開演時間:08:00:-17:30
入園料:58元


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【2017年成都・楽山旅行記】












三国志ファンの聖地 成都武侯祠と錦里古街 楽山・成都旅行10

成都二日目正午前、成都北郊の都市・広漢にある三星堆遺跡から成都に戻ってきた。宿泊先のJWマリオットには16:00までのレイトチェックアウトを申請していたので、まだまだ次なるホテルへの引越しをするまで観光に充てる時間がある。

成都には見応えある史跡が山ほどあるのでどこに行こうか迷ったが、ここはホテルコンシェルジュ一押しで、蜀の皇帝・劉備の陵墓と蜀の丞相・諸葛亮の祠があり三国志ファンの聖地として知られる成都武侯祠を参拝しに行くことに。いや、べつに自分、三国志ファンという訳でもないんですが、成都=三国志ですからね。成都に来て三国志ファンの聖地とまで言われる史跡をスルーする訳にはいかないでしょう。

一つ違和感があるのは武侯祠という名。劉備の陵墓は恵陵という名なのになぜ武侯祠なのか。これは諸葛亮の諡号である武侯から来ていてんだけど、臣が君を食ってしまっている何とも訳アリなネーミングが…。これじゃあ三国志・蜀の初代皇帝となり成都を蜀の都と定めた劉備の墓が蜀の丞相の祠の敷地内にあるみたいな構図になっちゃってるしw 武侯祠に面した外の大通りも武侯祠大街だし、どうやら主君の劉備玄徳より諸葛亮孔明の祠として認識されてしまってるのである。幾ら中国で諸葛亮の人気が高いからってこれじゃああんまりだ。
ひだり みぎ
そんな劉備カワイソスwな武侯祠へ昭覚寺バスターミナルから1路のバスで移動する。


途中渋滞に巻き込まれ、1時間ほどかかって辿り着いた成都武侯祠。バスを降りる場所を間違えたのか、くっそでかい祠の西の外れに建つ牌坊門まで来てしまった。


三義廟・武侯祠といった見所に近い東の大門から入るのが定番観光コースだったらしく、一般的ではない入り口から入った自分は長距離の徒歩移動を余儀なくされることに。

ひだり みぎ
四方亭の下をくぐり、良く分からないまま人民様が多数はしゃいでいる賑やかな北の方向へと歩いていく。ガイドブックに書いてある60元の入場券の購入も求められず、何だか特別な神のご加護を感じますw


こ、これがかの有名な三国志の蜀の雄・劉備の陵墓?すっごい失礼ながら劉備の墓の割にちょっとスケールが…と思ったら、よくよく見たら劉湘という中華民国時代の軍人さんの墓だった…。特に劉備の末裔というわけでもないらしいのに苗字が間際らしいこのお方、地元四川出身で、抗日戦争を司令官として戦われた方らしいが、世界史的には無名もいいところ。東の大門から入っていたら確実にここまで見に来てなかったことは確か。

ひだり みぎ
この墓から東へ進むと、劉備のお墓を囲う大きな大きな庭園が見えてくる。

錦里古街
庭園の中には秦漢時代からの繁華街を清末から民国初期の様式で再現したという錦里古街があり、水路や竹林なんかで綺麗に整備された小路の両脇に並んだ雑多な小店舗が賑わいを見せている。
ひだり みぎ
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串物や豆腐料理などの各種四川料理の軽食や土産物を中心に四川の民間風俗も満載。飲食店あり、民芸品等の土産物屋あり、バーあり、射的なんかの露店あり、四川劇の見世物小屋ありのお洒落スポットになっていて、どの通りも小吃片手に闊歩する若者で溢れ返ってる。近くの寛窄巷子然り、こういった古街風情が若者に受けているんだな。皆さん古の時に思ひを馳せるといった感じではないけれど。

ここまでは入場料が要らずラッキー!と思っていたのだが、正確には錦里古街の南の区域が武侯祠になっていて、ここで60元の入場料が徴収された。長い歴史を感じる建築に風情たっぷりの庭園や錦里古街といった無料の開放区だけでも見応え十分なんだけど、せっかくだから60元を払って武侯祠の中まで入っていくことに。
三義廟
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三義廟と言えばもちろん主役は劉備・関羽・張飛の三兄弟。「桃園重義」は3人が「生まれた年月日は違えど、死ぬ時は3人同じやで」と義兄弟の契りを交わした桃園結義のことかな。三義廟の裏には桃園を模した場所なんかもあるけれど、これは全くの偽物で、桃園の誓いが行われた場所は楼桑村といって劉備の家があった場所になる。

「我ら三人、生まれし日、時は違えども兄弟の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、困窮する者たちを救わん。上は国家に報い、下は民を安んずることを誓う。同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、同年、同月、同日に死せん事を願わん。皇天后土よ、実にこの心を鑑みよ。義に背き恩を忘るれば、天人共に戮すべし。」
今思うと大変クサい契りのようにも聞こえんでもないが…

ひだり みぎ
いらっしゃいました。ちょっと現代人風にアレンジされ過ぎた感のある関羽(左)と劉備(右)の塑像。厳つい顔をしているのは威厳を保とうとしてなのか。


喧嘩っ早く荒くれ者のイメージがある張飛のキャラはブレないね。体格はもっとザンギエフみたいにムキムキだと思ったけど、これは晩年の張飛なのかな。

武侯祠
続いて諸葛亮の祠である武侯祠へ。諸葛亮の祠は中国の至る所に存在するが、その中で最も格式が高く最も有名なのが成都の武侯祠。

中央に太陽が如くピカピカに輝く諸葛亮が鎮座し、左側に息子の諸葛瞻、右側に孫の諸葛尚の塑像がそれぞれ並ぶ。


こちらも現代人風の諸葛瞻。それでもやっぱり描かれ方はスマートで、髭の感じもお上品w


ひだり みぎ
三国文化陳列室なる小さな展示コーナーもあり、三国時代の蜀の国土で出土した俑なんかが展示されている。


石に刻まれた人物の模写。

漢昭烈廟
ここから先の漢昭烈廟が劉備の祀られる恵陵。円周180メートルの円墳となっていて、竹林と朱の壁に囲まれた小路をぐるっと一周できるようになっている。暗君として後世の歴史書で評価される劉備の子・劉禅も一度はこの地に祀らたが、南宋の頃に廃祀となったらしい。

なんか、元来から劉備のお墓と霊廟があった当地に後世になって諸葛亮の廟が併合してきたんだと。それなのにこの地の名称が武侯祠にされちゃって…墓で眠る劉備の心境や如何に…。

【成都武侯祠と錦里古街】

住所:武侯祠大街231号
入場料:60元
営業時間:08:00-19:00


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【2017年成都・楽山旅行記】












セントレジス成都 (St. Regis Chengdu, 成都瑞吉酒店)宿泊記

成都二日目は初日を過ごしたJWマリオット成都からSPG系列のセントレジス成都へとお引越し。レジスはSPGのスターポイント10,000を使っての特典宿泊だったんだけど、同じ成都では高級ホテルの代名詞・リッツカールトンも同じポイント数(マリオットポイント30,000=SPGスターポイント10,000)で泊まれるので予約時にちょっと迷った。でも、最後はやはりSPGとリッツカールトンのプラチナ会員特典の差でセントレジスを選択することとなった。

成都には他にも低カテゴリー層のSPG・マリオット系列ホテルが展開してて、ホテラー的には魅力的な街なんですよね。IHG系のインターコンチネンタルも2箇所あって比較的お安く泊まれますし。

【成都にあるSPGホテルカテゴリー】
カテゴリー1: フォーポイントバイシェラトン成都安仁・フォーポイントバイシェラトン成都浦江リゾート
カテゴリー2: シェラトン成都麗都ホテル
カテゴリー4: セントレジス成都
カテゴリー3(マリオット)成都マリオットファイナンシャルセンター
カテゴリー3(マリオット)ルネッサンス成都
カテゴリー3(マリオット)JWマリオット成都
ティア1(リッツ)リッツカールトン成都

まぁでもやっぱりセントレジスかJWマリオットがお勧めかな。インタコは市街地からちょっと離れるし。



少し話が逸脱してしまったが、宿泊記へと話を戻していこう。

JWマリオットからの移動距離は1キロ弱、セントレジスは地下鉄の天府広場駅・春熙路駅・市二医院駅・太昇南路駅・騾馬市駅という五つの駅の中間地点にある。JWマリオットの黒スーツヤ〇ザさん系コンシェルジェ曰く、タクシーは近すぎてメーターの利用を嫌がるし、渋滞に巻き込まれるので歩いて行った方が良いだろうとのこと。そして、レジス方面に向かう路線バスがあるかという問い合わせに対しては驚愕の回答が。

一言「知らない」と…。
そこを調べて回答を提供するのが貴方の仕事ではないのかと突っ込みたかったが、ヤ〇ザ風でおっかなそうな御仁だったので諦めて歩くことに。

ひだり みぎ
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というわけで歩いてやって来たセントレジス成都。煌びやかな恒大広場に建つ高層ビル群の一角にあり、伊勢丹やイトーヨーカ堂といったデパートや高級そうな飲食店が集まる成都の中でもアップスケールな土地柄にある。もうね、やっぱりセントレジスクラスのホテルになるとチェックインに向けてテンションが盛り上がってくる。

ひだり みぎ
29階建て、部屋数279の高層ホテル。足元には小さな噴水も流れたりと優雅なもの。

ポーターによる丁重な案内を受け足を踏み入れたロビーは純白を基調としている上に採光も良いもんで、大変に明るく開放的な印象。吹き抜けになって天井も高いですし、エントランス側の一面は全面フルハイトのガラス窓ですからね。ただ、セントレジスとは言え1000元程度から泊まれるということもあってか、残念ながら短パンサンダルの中国人が利用してたりと客層は推して知るべし。格式高さセントレジスに短パンサンダルって感覚的にどうなの?と思うけど、ホテルの格式とか気にしない中国人富裕層も多いんでね。彼らの中では「1,000元クラスのホテル」程度の認識で来ているのでしょう。
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今回は予め申請していたスイートナイトアワードが通ったけど、チェックイン時に聞いたらSPGプラチナだと会員特典でラフェイエットスイートにアップグレードすることが殆どらしい。先に言ってくれたらSNAの申請を引っ込めたのに…。他にもSPGプラチナ特典としては500ポイントに加えてオーダー制カクテルアワー・朝食フルバッフェとプラチナ特典は非常に充実してると言えるだろう。近くのリッツも安いけど、プラチナでもスイートアップ・ラウンジアクセスが無いので、古事記系高級ホテルマッタリステイ派の皆様にはレジスがお勧め。

ただ、悲しいことに正規のチェックイン時間ちょうどにホテルに到着したのに、部屋の準備が未だとの通知を受け、暫しロビーでの待機を余儀なくされた。
ひだり みぎ
セントレジスらしくアートも多いホテル館内。

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カフェスペースで30分程待ってたけど、何ら追報が入らずに放置プレー。痺れを切らせて進捗状況を確認しに行くと、「もう少し時間がかかりそう。だが、具体的にいつになるかは分からない。」とのことで今度は2階のラウンジへと通される。ワイの入る部屋の利用客が申請無しにチェックアウトを遅延させてるとかだろうか…。中国のホテルだと、「あと少しお待ちください」と言われたら「大体何分くらいか?」と予め確認しておくのが良いだろうな。「馬上到!(もうすぐ着くから!)」と言われて30分以上待たされることもあるようなところだから。


三階(二階だったかな)がレストランとラウンジになっていて、向かって左手が朝食会場にもなるオールデイダイニング“Social”、右手がラウンジ兼バーの“Decanter”と二つの飲食施設が分かれて営業してる。

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ほほお。良い感じ。なんとなくセンスがシャングリラホテルっぽいというか。


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上質な空間だ。流石に短パンサンダルさんもここまでは入ってこれまい。

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喫煙者用かテラス席も有るし、プライベートのテースティングルームなんかも用意されているらしい。

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セントレジスってカクテルアワーには余り力を注がないホテルが多いけど、ここ成都はカクテルアワーも手抜きなしの全力投球。ワインは毎日のお勧めワインが供されるとのことだ。


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イブニングカクテルは全オーダー制。開催時間は17:00-20:00とちょい長めで、フードメニューの種類もそれなりに豊富で味も良し。担々麺・紅油炒手(四川風雲吞)も街角のローカル店のような無慈悲な山椒・唐辛子漬けじゃなく、程良い辛さで上品に仕上げられている。ビールがススム君でお勧め。

さて、先にラウンジのカクテルアワーを紹介してしまったが、結局、部屋は16:00を回る頃に準備頂けた。予想通り、正午にチェックアウトを予定していた客が申請無しに15時まで居座ったらしい。それなら他の部屋に換えるとか融通を利かせられなかったのかとも思うが。
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部屋へと向かうエレベーターの中ではSPGライフのアピールデモビデオが流れていたりして、チェックインの遅れによるストレスを忘れてウキウキ気分で我を待つラファイエットスイートへと向かう。

部屋:Lafayette Suite

Lafayette Suite・St. Regis Suite・Metropolitan Suite・Governor Suite・Empire Suite・Presidential Suiteと6種類もスイートルームが用意されているのだが、残念ながらスイートナイトアワードを申請できるのは最下層スイートのラファイエットまで。まぁ最下層といっても110㎡と持て余すくらいの広さがあるんだけど。あと、参考までにこの日の最安値レートはデラックスで込々1,257元(≒22,000円)で、ラウンジアクセス+朝食付きのラファイエットスイートは1,662元(29,000円)とそこまでの値差は無い。


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110㎡のラファイエットスイートは、ドアを開けると正面が“時代を超えた伝統が偲ばれる”リビングルーム。この部屋だけでも香港のホリデイインエクスプレス級の広さがあるんじゃないか。最弱スイートとは言え、リビング・ベッドルーム・バスルーム以外にゲスト用のトイレまであるし、スイートの名に相応しい部屋である。


部屋に入ると自動的にウェルカムメッセージがテレビに表示されるのにも驚いた。ルームキーをかざすだけで自動的に宿泊階まで上がるエレベーターや自動開閉に自動フラッシュのトイレ等々、RMB1,000⁺⁺程度と世界のレジスの中でも随一の安さだけど、流石に最新設備が備わってる。

ひだり みぎ
エレベーターを出て左手がゲスト用バスルームで、右手が浴室と寝室へと続くホワイエ的スペース。真っ白い空間で、土足で歩いて床を汚してしまうのが憚られるw

ひだり みぎ
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ベッドルームは茶系統の色の濃淡のバランスで高級感と重厚感を出している。カーペットは帰属感漂うし、重厚なデスクはエグゼクティブ感たっぷり。もちろんベッドも見るからに弾力があって良さげ。やっぱりセントレジスは他のスターウッドブランドと比べて格別だ。

ひだり みぎ
風景は味気ないシティビューになっちゃってるけど、二面の窓でガンガンに光を取り込んでくれるし。

ひだり みぎ
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ミニバーもちょこちょこっとしたものが揃えられてるけど、ラファイエットスイート利用客はラウンジアクセスとバトラーサービスがあるので有償ミニバーは消費する必要無し。

ひだり みぎ
ちょっとオレンジジュースやコーヒーなんかを飲みたくなったら部屋に備え付けているiPadでバトラーにお願いすれば持ってきてもらえる。他にレストランやスパの予約であったり、部屋の照明やエアコン・カーテンの設定なんかも全部このiPadでパパッとできる。ほんと設備面は最新鋭だわ。

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ウェルカムフルーツと一緒に出たツマミも夕方のターンダウンで補充されてたし、バトラーさん中々気が利くわ。


ひだり みぎ
他に、靴磨きサービスなんかもバトラーにお願いすることができる。


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水周りもダブルシンクな上にドレッシングテーブルまで用意されていて、広々として豪華。バスタブはゆったりとした入浴が楽しめる深さで19インチのテレビまで付いてるし、レインフォレストシャワーはマッサージ機能付き。そして極めつけはトイレで、非日系ホテルとしては珍しくTOTOネオレスが採用されている。

ひだり みぎ
バスアメニティはセントレジスの定番・ルメードゥのもの。

プール


ひだり みぎ
プールはエロティックな屋内プールとムーディで都会的な印象の屋外プールの二箇所ある。

朝食

ひだり みぎ
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ガッツリ系なジューシー叉焼や自分でスライスするサラミまで。え?これ自分でスライスするのかと思ってスライサーに手をかけたら、スタッフがカールルイス並みの瞬発力で飛んできた。「ワイがやります。どれくらいの厚みがご希望ですか」と。


生絞りジュースも美味くて、パンダ繫殖基地に行く前に食べたのに、帰ってきてからもう一回ジュース飲みに行っちゃいました。

いやー、それにしても良かった。客層の悪さには目を瞑るとして、ハード面やイブニングカクテルの食事などはレベルが高くて、観光に来たのになかなか外に出たくなくなるという高級ホテルの罠にかかってしまったわい。成都はインタコもレベル高そうだけど市街地から距離があるんで、観光+乞食という宿泊目的ならレジスかJWマリオットが良いでしょう。SPGライフ万歳!

セントレジス成都 (St. Regis Chengdu, 成都瑞吉酒店)


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ウェブサイト:こちら
成都市青羊区太昇南路88号 No.88, Taisheng South Street Chengdu, Sichuan,China CHINA/成都市青羊区太昇南路88号
電話番号 :86-28-62876666
チェックイン/チェックアウト:15:00/12:00
SPGカテゴリー 4


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【2017年成都・楽山旅行記】












宇宙人による遺跡? 中国史の常識を覆す三星堆遺跡 楽山・成都旅行9

成都二日目は朝一から成都の北約40キロの広漢市三星堆の遺跡へとバスを乗り継いで移動する。

三星堆で初めて玉石器が発掘されたのは1929年。その後、1986年になって古代文明の祭祀坑と推測される穴から青銅品を中心に数々の遺物が出土した。

この出土品がまた調査にかけたら凄くてね。青銅器の放射性炭素年代測定や坑の地層から推測されるに、約5000年前程前に栄えた古蜀文化の遺物であるんだと。5000年前ですよ、5000年前。中国4000年の歴史を超えちゃってますがな。
現在、中国考古学会の常識となっている所謂「中国4000年の歴史」は紀元前2000年頃に漢民族の祖先が黄河流域に興した夏王朝に始まる。今回、夏王朝より1000年も前に長江流域に高度な青銅器文明が栄えていたという大発見がなされたのは、とりもなおさず中国史の常識を覆す新事実なのであり、エジプト文明・メソポタミア文明・インダス文明・ 黄河文明にも匹敵する文明の発見により世界史の教科書の四台古代文明が五大文明に書き換える事になるかもしれないくらいの驚愕の事実だと考古学者は興奮しているよう。まぁもはや人類の古代遺産の眠れる宝庫・中国の歴史には常識は無いというのが常識になりつつある感じだけどな。「敦煌莫高窟」、「殷墟」、「馬王堆漢墓」、「秦始皇帝兵馬俑坑」などなど、20世紀以降も中国史は常に従来の定説が覆えされ、歴史が塗り替えられてきいるから。

また、単に古いだけでなく、三星堆から出土した青銅器はこれまで中国最古のものと考えられていた青銅器とは全く異質のもので、眼の突き出した異様な仮面や、人頭像、巨大立人像など複雑で奇妙な形状をした物が多数見られるそうだ。これは現地調査に乗り出さねば…ということで広漢市三星堆へと移動する。
ひだり みぎ
ホテルのコンシェルジェに成都旅游集散客運中心から三星行きの直通バスが出てると教えてもらったが、残念ながら発券窓口の婆さんに「そんなバスは今日は運行してない!壁に掲示してる運行表をしっかり見てきなさい!」とのお叱りを受け敢え無く一蹴される。


こちら、成都旅游集散客運中心の運行表。確かに広漢市三星という便も掲示されているのだが、この日は何かの加減で運航が見合されたということなのだろうか…違う窓口でも三星行きは無いと言われたので、諦めて広漢市行きバスが出てる昭覚寺バスターミナルへと向かう。先ずは広漢へと向かい、そこから三星行きのローカルバスに乗り継げば三星堆まで行ける筈だ。

ひだり みぎ

早速49路のバスで昭覚寺バスターミナルへと移動し、広漢行きのバスに乗り換える。広漢行きは07:00-20:00の間に15分間隔で運行しているそうで、適当に空いてるバスに乗りなさいといった緩~い感じで席も全席自由席。

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乗車券は当日最終便の20:03まで有効で、運賃は17元。広漢までの所要時間は約40分となっている。

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広漢バスターミナルを出て直ぐのところが三星堆博物館行き6路ローカルバスの停車場所となっているので、土地勘が無くても迷う心配はないでしょう。三星までの運賃は2元で、所要時間約30分。


電動三輪車の運転手からも声かけられるかもしれんが、ケツ痛くなるし高いからバスの方が良いと思う。またはタクシーか。


バスが発車するまで15分程待ったが、走り出したら早いもので、バスターミナルから25分程で三星堆博物館に到着した。こここそが謎の古代文明が遺した城址と祭祀坑が発掘された現場である。


入場するといきなり不気味な人頭像がお出迎えw ここ三星堆で発掘された莫大な量の青銅器遺物はどれも殷や周の青銅器とは明らかに異なっていた。従来の古代中国の青銅器とは鼎・尊・爵といった類の祭祀用儀礼容器あるいは斧などの武器、鐘などの楽器であり、人物像を立体的に鋳造することは技術的にもできなかったのだ。それが、三星堆の青銅器は、このような人頭像や仮面など、神や人の姿を象ったと思われるものが殆どだという。実に奇妙の古代文明跡の出現に、宇宙人遺跡説を唱える学者も出てきたくらいらしい。


入り口から少し歩くと右手の小丘に第一展示館(総合館)が見えてくる。ここでの展示は「序展」に始まり、以降6つのコーナーに分かれている。
第一展示コーナー:雄踞西有 古蜀2000年的滄桑史
第二展示コーナー:物華天府 三星堆的農業与商貿
第三展示コーナー:化土成器 三星堆陶器
第四展示コーナー:以玉通神 三星堆玉石器
第五展示コーナー:烈火熔金 三星堆冶
第六展示コーナー::通天神樹 古蜀人智慧与精神的象征

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猛禽のような像や立人像のポスター等、いきなり妖しさ全開の様相だ。特にこの立人像は身長180cmのという古代の人物造形としては異例の大きさ。長い衣をまとい、大きく誇張された両腕両手は祭祀儀礼にまつわる器物か何かを抱いて呪術的動作を示すかのように前で構えている。手は親指とその他の4本指で円筒をつくっているので、指の筒の内に何かの祭祀用具を握っていたということか?というか、そもそもこいつは誰なんだろう。眼は大きく見開き、一文字に引き締められた口の両端は下に折れ、顔面全体に緊張感を漂わせているが、祭祀儀礼を執り行う神官なのか?当時は祭政一致だっただろうから、政治的指導者だった人物であるかもしれない。詳細は不明とされる展示品が多いので、謎に包まれた様々な発掘物を色々と想像を張り巡らせてみるのも三星堆博物館の楽しみ方の一つだろう。

ひだり みぎ
農村に突如現れた古代文明跡。三星堆文明は新石器時代晩期文化に属し、新石器時代晩期(紀元前2800年)~殷末周初期(紀元前800年)と、延2000年程続いたと考えられている。

ひだり みぎ
三星堆二号坑出土の神樹上立鳥。

ひだり みぎ
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続いて青銅器が多く展示されているという、これまた怪しげな第二展示館へ。



妖しさ全開。

ひだり みぎ
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入って直ぐの空間には、極太の眉・腫れぼったい瞼・でっかい鼻・真一文字に結んだ口をした不気味な表情の青銅面具がこれでもかと並ぶ。

太陽崇拝やアニミズムの象徴と考えられる青銅太陽形器は殷代晩期のもので、直径84.5cm、2祭祀坑で1986年に出土した。

ここで見られるのは本当に奇妙な展示品ばかり。これらを遺した三星堆の民族については東夷説・越人説など色々な学説があり、いずれの説も確信的根拠を示せてはいないものの、民族的には中原から移住してきた一派というよりは四川一帯に古来から住んでいた民族であろうとの見方が有力なようだ。青銅の仮面のデザインがある程度写実性を帯びているとすれば、トルコ系なんて可能性も捨てきれないと思うけど。少なくとも漢族ではなさそう。

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こちらがかの有名な突出した目を持つ巨大な縦目仮面。横から見たら分かり易いのだが、眼球が円柱状に10センチ以上も突出し、3条になって耳まで切れ上がった口は怪しげな笑みを浮かべているようでもある。耳に関しても上半分が牛の耳のように大胆に大きく伸びていて、その巨大さと特異な形態から人間の顔とは考えにくい。人のようで人でなく、獣のようで獣でもない何か。神として崇拝する存在だったのだろう。飛び出た目と巨大な耳・口は古代エジプトやマヤの神々の遺構と共通する特徴らしいし。

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文字的にも漢字のルーツと言うより、古代エジプトの神聖文字であるヒエログリフや、メソポタミアのスメルの象形文字に近い類のものが刻まれているのも興味深い。三星堆の文明を築いた太陽崇拝の民と文化は、エジプトからメソポタミアと渡り、チベットを超え四川へと辿り着いた可能性も見えてくる。これが中国共産党的には面白くないようでね。そりゃああれだけ漢民族による中国支配を正当化してるのに、中華文明の発祥が非民族とか中国共産党的には許せんわな。宇宙人説は歴史的発見に蓋をしたい中共の息がかかった学者によるものなんじゃないかとも思えてくる。

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青銅人面具の展示はまだまだ続く。

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金メッキが施されていたり、頭に捩じり鉢巻きのようなものを巻いていたり、額に穴があったり触角がついてたりと様々なバリエーションが見られる。


高さ3.84mにもなる巨大な青銅神樹は殷代晩期のもの。3階層になっている幹の各層に3枝ずつが張り出しており、それぞれの枝に1羽ずつ、全部で9羽の霊鳥が留まっている。古代エジプトでも天の鳥船が遺されてるし、やっぱり三星堆文明と古代エジプト文明との間で何らかの繋がりがあったのではないかと思えてくる。

ひだり みぎ
鳥の頭に蛇。蛇も古代エジプトでは畏怖の対象として壁画なんかにもよく描かれてましたよね。

それにしても、最後は何故これら大量の青銅器を一度に坑に詰め廃棄したのか。支配者の交代による前王朝祭祀物処分説や王の埋葬品説など様々あるようだが、やはり確証めいた証拠等はどの説からも一切提示されていないようだ。
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そんな謎に包まれた三星堆、土産屋の商品も相当ふるってるw。人面具キーホルダーなんて誰が買うんだと思うが、メモパッドは御洒落だったので買ってしまった。

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謎ばかりで悶々とした気持ちを抱えながらも、土産物も買ったし満足してバスを乗り継いで成都へと戻る。

あまり観光ガイドブックには取り上げられていないようだけど、個人的には成都の中でも屈指の観光地だと思う。成都から半日も有れば行って帰ってこれるので、成都観光の際には是非この神秘的な古代文明の遺跡にもお立ち寄りください。

【三星堆遺跡】

住所:広漢市南興鎮真武村
営業時間:08:30-18:00
入場料:82元
アクセス:広漢市バスターミナルから6路バス
*広漢から成都行きの最終バスは18:30


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【2017年成都・楽山旅行記】












金沙遺址博物館で見る古蜀文明跡 楽山・成都旅行8

永陵博物館での見学を終え、次なる目的地・金沙遺址博物館へと急ぐ。

金沙遺跡と言えば中国に於ける21世紀初の考古学的大発見。
遡ること16年前の2001年、住宅開発の為の下水道工事の際に偶然にも殷周時代のものとされる巨大な金沙遺跡が発掘されたのである。長年、文化不毛の地と考えられてきた成都平野の歴史的定説を覆す大発見。1986年に成都北郊で発掘された三星堆遺跡との共通点も見られ、黄河と揚子江の流域以外だけでなく、四川も中華文明発祥の重要な地の一つとして一躍注目を浴びることになった。

その後の発掘調査では、紀元前1200~500年頃の古蜀文明で生まれた金のマスク及び太陽神鳥、青銅器約1,200点・玉器約2,000点・石器約1,000点・金器約200点・陶器数万点・象牙1トン・動物人骨多数などが発見され、それらは2007年から一般客に展示されている。21世紀にもなってこんな考古学的大発見があるとか、中国はほんとロマン溢れすぎ。
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というわけで歴史ロマンの詰まった金沙遺跡へレッツゴー。永陵博物館から金沙遺址までは撫琴南路駅から163番のバスで一本。運賃1元でサクッと移動できる。

ひだり みぎ
バスに乗って20分程で到着した金沙博物館。主に大型祭祀場跡をドームで覆った遺跡館と、出土品を展示した陳列館という2棟の建物で構成されている。

先ずは遺跡館から。面積約7600㎡・高さ18m・幅63mの建物が大型祭祀遺構を覆っている。
ひだり みぎ
遺跡を取り囲むように展望フロアが設けられている他、間近で観察できるように遺跡中央部に板張りの歩道も設置されている。

「この地点から〇〇が出土しましたよ」といった案内板はあるが、出土品は全て陳列館に移されているので味気ない感じはする…が、しかしかまぁとにかくデカくて遺跡の規模には圧倒される。しかも、これでもまだまだ発掘されているのは遺跡全体のほんの一部なんだと。


もう一つの見所、陳列館は遺跡館を抜けた先にある。

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紀元前1200~500年頃の古蜀文明時代にタイムスリップ。


ほんとにこんな立派な家屋に住んでたんかいとも思うが、こちらは古蜀文明を生きた人類が住んでいた住居の再現らしい。金沙の文明が滅びて2,500年が経過した現代の四川省の農村地帯でもこんな家に住む人達って割と多くいるだろう。

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宗教的儀礼で象牙や鹿の角、牛の骨、猪の牙等が大量に使われていたらしい。


ひだり みぎ
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陶器造りの跡。

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玉器や金器の出土品。当時の鋳金技術にはただただ驚かされるばかり。金は錆びないし硬くて丈夫なので、中国では「永遠」の象徴とされている。きっと当時の人々も同じように、金に神秘性を感じていたのだろうな。

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石器は祭祀品と思われる奇妙な像が多し。ここらへんの像のユニークな表情は翌日訪問した三星堆文明跡からの出土品にも通ずるところがある。


こちらは陳列館のハイライトとなるお宝ルーム。国宝級の展示品が並ぶとだけあって、常に人で賑わっている。

展示室の中央に目玉中の目玉である太陽神鳥金箔が鎮座し、その四囲四箇所に文化芸術的価値の高い出土品が展示されている。


こちらが太陽神鳥金箔(拡大画像は金沙博物館の公式ホームページから借用した)。外径12 5cm・内径5 3cm・厚み0 02cm・重量20g・金の純度94.2%、制作年代は三千年前の商の時代だと推定されている。四羽の神鳥は四季を象徴し、中央の空洞(太陽)の周りに透かし彫りされた12本の光芒は12カ月を表し、太陽と万物の生命が循環を繰り返す様を象徴していると考えられているそうだ。こんな細微な物を作る技術もそうだけど、古代四川人の天文知識にも恐れ入る。

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石虎に跪坐石人像。

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玉斧。斧は武器であると同時に斬首を執行する刑具でもあったようで、将軍の権威の象徴ともなった。斧で敵を討ち、味方でも反逆者を処刑できるという意味で生命与奪の権威を示したのである。


こちらも国宝級の金面具。金沙遺跡が三星堆文化を継承したことが分かる遺物である。

常設展示は以上。

最後に臨時エジプト展が開催されていたのでちょこっと時間を取って見てみることに。

ひだり みぎ
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なんかエジプト展のインパクトが凄すぎて、やっぱり古代文明はエジプトがナンバーワン!みたいに最後なってしまったのが悲しいところ…

【金沙遺址博物館】

営業時間(5月1日-10月31日):08:00-20:00
営業時間(11月1日-4月30日):08:00-18:30
入場料:80元
ホームページ:こちら


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【2017年成都・楽山旅行記】