タイ湖の畔に静かに佇むベトナム土着信仰の三大聖地・西湖府

今回のハノイ出張は日曜日帰り。完全休養日の土曜日にバイクを借りてニンビンまで往復200Kmを走破する計画を立てていたのだが、諸々の事情で土曜日にもガッツリ仕事をする羽目に。夕方前、ようやく自由時間が取れた頃には時すでに遅し。とても遠出ができる時間は残されていなかったので、本日の観光はホテル近くにある著名な神社・西湖府で済ますことに。

西湖府はタイ湖(西湖)突き出たところに建つ長閑な神社で、聖母道の女神であるなんちゃら聖母が祀られているそうだ。マリアなんて言うんでキリスト教関連の教会かと思っていたが、聖母道というのは中国道教とアニミズムに基づきベトナムで独自発展を遂げた比較的新しい土着信仰であり、「府」というのは聖母道の神々が住まう神聖な世界なんだと。しかもこの西湖府は聖母信仰の三大聖地として名声を博しており、遠路遥々お祈りに馳せ参ずる参拝客も多いのだとか。まぁシェラトンホテルのスタッフがお勧めする観光地なんだからオカルト系の信仰ではないでしょう。

移動はタクシーで。西湖府ホテルから見てタイ湖の向こう側にあるのだが、いかんせんタイ湖って全周17Kmと巨大なもんで、とてもじゃないが殺人的太陽の下でのほほんと歩ける距離ではない。

タクシーを降ろされた先には立派な楼門が建っている。車やバイクの雑音もない湖の畔に建っているだけあって、なんとものーんびりとした神秘的な雰囲気だ。

中へ入ると、タイ湖に沿って設けられた参道の奥に複数の建物があるのが見えてくる。
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供え物屋が続く。線香や冥器に混じって店頭に並ぶアイスクリームやココナッツジュースは現世を生きる参拝客に向けた商品だろうが、ゆで卵はお供え物用なのか参拝客のつまみ食い用なのか微妙なところ。


供え物屋を抜けた先にある西湖顕跡と書かれたこちらの建物。こいつが正府と呼ばれる祈り場で、寺院で言うところの本堂にあたる中心的建物だ。

正府に入ってすぐ前にある祭壇には引っ切り無しに参拝客が訪れ、現世利益を求めて祈りを捧げている。特に決まった参拝方法がある訳じゃないのか、祈りのやり方は十人十色。こういった緩ーい感じがいかにもベトナムっぽいじゃぁないですか。

中央奥でオカマっぽい仕草と表情を見せるのが道教の最高神であり霊験あらたかなる玉皇上帝。その両側には生を司る南曹と死を司る北斗が並び、手前には大官や皇子が祀られている。ここは霊祠であり、かれらの魂を感じることができる神聖な場所なのである。


奥には“西湖風月”“母義天下”と記された祭壇があり、天を司る上天第一聖母、地を司る地仙第二聖母、水を司る水宮第三聖母の三つの位牌が祀られている。道教の天官・地官・水官のいわゆる三官がベトナム流にアレンジされた亜流くらいのもんだろうが、聖母道では三官に山岳・高原・森林を象徴する山岸聖母が加わり、四府として信仰されているようだ。

正府には山岳を司る山岸さんの姿は確認できなかったが、山岸聖母は正府の横にある山荘洞に祀られているようだ。一人だけハミ子かい。

山岳の女神らしく、緑の衣装を身に纏われている。山幸彦と海幸彦的な神話もあったりするのかな。


山嶽鐘祠。上岸聖母の住まわる山岳地帯を見立ててなのか、祭壇も岩山の洞窟のような作りになっている。商売繁盛を祈念する財神として信仰され人気のある神様ではあるが、お供え物にあるようなクラッカーを食べミロを飲むところは人間と変わりありません。

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正府の前のタイ湖に面した広場には、姑と呼ばれる子孫を残さずに若死にした女性の霊を祀る小さな廟も建てられている。ベトナムでは若死にした祖先が一族を守護してくれると考える一方、崇りを畏れ、特別に尊重し信仰する習慣があるそうだ。


一面に広がるタイ湖を前に、枝や気根が絡み合い広場を覆いかぶさるように伸びたガジュマルの木。


線香の香り摩る中、ガジュマルの木の陰に座って眺める雄大なタイ湖。ボーっとしてたら腹減った……

中心地からは微妙に遠く、公共交通網の外れにあるので、ベトナム文化に興味が無い方には余りおススメはできません。
【西湖府】

住所:Dang Thai Mai, Quang An, Tay Ho, Ha Noi.

ハノイシェラトン クラブルーム宿泊記

今回のハノイ滞在の宿泊先に選んだのはハノイシェラトン。静かで穏やかなタイ湖の畔に位置している為、町の騒音に邪魔されずにゆったりとした安らぎの時間を過ごすことができる癒し系のホテルである。ハノイだと個人的には賑やかなホアンキエム湖周辺や旧市街地のホテルが好みなのだが、今ならシェラトン5泊で週末無料宿泊券が貰えますからね。今回は見事にプロモに釣られてしまいました。

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ノイバイ空港からはメータータクシーで30分弱、運賃はVND330,000(≒US$15)。支払いを済ませている間にベルの方がトランクからスーツケースを出していてくれ、スムーズにホテル内へとエスコートされる。


車寄せでタクシーを降りエントランスを過ぎると、中国とフランスの影響を受け続けたベトナムらしい中仏折衷的な様式の中庭に出る。歴史情緒あふれる古都の名門ホテルの風格が香り、これからの滞在に期待を持たせてくれる。

ロビーはこじんまりとしながらも、ドーム型に装飾された高級感溢れる 天井が優雅さを醸し出している。もう少しベトナムベトナムしてると予想していたのだが、テレビで見るような90年代ヨーロッパの高級ホテルのよう。

フロントは入って左手すぐにある。パスポートを渡すと直ぐにクラブラウンジへ向かうよう促された。最安値の部屋を予約していたのだが、プラチナ特典でクラブルームにアップグレードして頂けたようだ。すみませんね、最安値での予約なのに。

クラブルームの特典。

ラウンジの利用だけでなく、朝食会場の「オーヴンドール」でのコンチネンタルブレックファーストやバー「デジャブ」でのイブニングカクテルサービスまで付いている。今回は4日も滞在することからウェルカムギフトは朝食を選択しようと思っていたので、非常にありがたい特典だ。

17階にあるラウンジはミーティングルームの他、パソコンとプリンターも完備しているので便利。

白人の長期滞在者が多いようで、毎晩ディナータイムには同じ顔触れのメンバーで席が埋まっていた。299室あるホテルにしてはラウンジはちょっと座席数が足りないかな。

イブニングカクテル時にはオードブルの他、オープンキッチンでシェフが餃子を焼いてくれたりもする。酒の肴も焼き鳥やアワビのガーリックバター焼き、チキンウィング、チャオ・トム(さとうきびに海老の練り物を巻いた料理)など日本人好みのメニューが日替わりで供されるので、ついつい酒が進んでしまう。
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ワインは赤白共にMixtusという聞いたことの無いアルゼンチンワイン。何故に敢えてアルゼンチン物なのか。安物でいいのでどうせならご当地ワインを飲みたかった。


結局今晩のお供はハノイの地ビール。キンキンに冷えたビールを片手にホカホカの焼き鳥を“ウシウシ”と味わえる極上の幸せ。圧倒的至福っ!!!

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=C5-cjm7WfzA[/youtube]
焼き鳥とビールといえばコレ。ビールと焼き鳥が極上に美味くなるカイジの一場面を見なくてわ。数年ぶりに見たけど色褪せませんね。

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ウシウシと焼き鳥を食しながらカイジを観ていたら、タイ湖の向こうに夕陽が沈んでいき、辺り一面が幻想的な真っ赤な光に包まれていくではないですか。酒が入っているという事もあるのだろうが、一幅の絵画のような絶景に思わずうっとりすしてしまう。はたから見ればただの平凡な湖であるタイ湖がなんでデートスポットとして崇め奉られているのか分かった気がする。


続いて1階の裏門側にあるBarデジャブを攻める。

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レトロでクラシーなエントランスとは裏腹に、中は音楽ガンガンでイケイケディスコのような雰囲気で、おっさん一人では少々入りずらい。

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イブニングカクテル用メニュー。どうせ缶ビールくらいかと思ってたが、生ビールやカクテルも提供されるし、フードメニューも本格的な単品メニューが並んでる。寛大なプラチナ特典に感謝。


揚げ春巻きとバッファローウィングがおススメだが、バッファローウィングのタレは激辛なので付け過ぎないように。ダルシムのようにヨガファイヤー噴けちゃいます。

食べて飲んだ後はホテル内ののどかな日本風庭園を散歩。
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屋外プールはジャングルのような雰囲気で気持ち良く泳げます。やっぱり東南アジアのプールは屋外に限る。


庭園の直ぐ外はカラフルな光を反射してロマンチックなタイ湖。ハノイ人にとって身近な憩いの場となっているようで、夜な夜な涼を求める家族連れや愛を語り合う恋人たちが50ccのスクーターで集結する。小さな湖畔の替え歌(静かな 湖畔の 森の影から 男と女の 声がする…)通りのシチュエーションになりそうな雰囲気だ。


裏門側は城塞のように石垣に囲われている。防御バッチリのように見えるが、銃眼が無い上に警備員も一切配置されていないので、これでは容易に侵入者を許してしまう。

さて、肝心の部屋はといいますと、一昔前のシェラトンホテルといった感じだろうか。手入れは行き届いているので築年数程には古く感じない。


タイ湖ビュー。湖の畔に建つ白亜の建物はインターコンチネンタルハノイ。もう少し先にはソフィテルプラザの姿も確認できる。

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窓際にはワークデスクにオットマン付き一人用ソファがあり、湖のパノラマビューを見ながら寛げる。初めてハノイの市街地から離れたホテルを選んだけど、なかなか落ち着けて良いもんです。

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ベッド正面のチェストの上の壁面に壁掛けテレビが配され、その隣のチェストの開きの中には冷蔵庫が収められている。


ウェルカムフルーツにスイーツ。特別美味しいわけではないけれど、気遣いがありがたい。

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水回り。バスアメニティーはシェラトンオリジナルだが、シャンプー、コンディショナーはやけに水っぽかった。その他には必要最低限のアメニティしか置かれていないが、マウスウォッシュ、シェービングキット、ボディスポンジ、ソーイングキット、靴磨き用の布、櫛などはリクエストすれば用意頂ける。


シャワーブース。ハンドシャワーがあれば良かったのだが。

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朝食。ラウンジもフィンガーフードだけでなくサーモンや卵料理も用意されている。


ラウンジスタッフもフレンドリーだし、居心地◎。

一方、ロビー階の「オーブン・ドール」は肉じゃが(あまり美味しくない)や出し巻き玉子(美味しくない)、味噌汁(美味しくない)、冷奴(美味しくない)などの日本料理やキンパ(食べてない)やキムチ(食べてない)などの韓国料理を始めとしたインターナショナルで幅広いセレクションが楽しめる。ただ、全体的な料理の質は高いとは言えず、何より煩くて居心地は決して良いとは言えない。従業員もどうやら多忙を極めているようで、アイスラテは15分して催促してからやっと出てくるくらいだし、空いたプレートも中々片づけてくれないという…

総合的に見るとまぁ悪くはないホテルとは思うが、観光メインならやっぱり市街地のホテルを選ぶかな。一応は市内へのシャトルバスサービスなんかもあったりするが、2時間に一本しか運行しないので使い勝手としては良くない。市内⇒ホテルの移動には使えないようだし。

こちらは市内行きのシャトルバスの時刻表。ホーチミン廟、ハノイタワー、ホアンキエム湖で下車可能となっている。

今回の私みたいに日中は仕事で外出しっぱなしという方や、ハノイでゆったりとした滞在を楽しみたい人にはありですかね。

シェラトンハノイ/Sheraton Hanoi





住所:K5 Nghi Tam, 11 Xuan Dieu Road, Tay Ho District
電話:(84)(4) 3719 9000



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KA296 HAN→HKGと散々なノイバイ空港

私が頻繁に利用する便の一つがKA296。ドラゴン航空ハノイ発香港行の午前便、マイル数片道522マイルの超短距離路線である。

ハノイは曲がりなりにも一国の首都。ベトナム共産党の威信を賭けた立派な空港が建てられているのかと思いきや、ハノイ・ノイバイ空港は残念の極み。特に、ビジネスラウンジは小生が知る世界の数あるラウンジの中でも最悪かと思われる。それもダントツで。

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ああ、空港に着く前から嫌になる。

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非効率なチェックイン手続とお見送り大好きな国民性により空港はこの人だかり。


早めにチェックインして仕事でもしようと急ぎ足で出発ロビー二階にあるビジネスラウンジへと向かう。もちろんエスカレーターなんてものは動いておらず、スーツケースを担いで階段を登る羽目に。毎度毎度のことなのでもう慣れた。


キャセイ(ドラゴン空港)はこちらのベトナム航空のラウンジを利用可能。颯爽と駆け込んだはいいが、入った途端に猛烈な暑さ。エアコンが壊れているようだ。ちなみにラウンジの外はちゃんとエアコンが機能していて涼しい。どう考えても逆だろうが!でもベトナムでは常識は通用しないようで、大体夏の期間は3回に1回の確率でラウンジがサウナになっている。


とにかく暑い。暑すぎる。しかもよりによって窓には一面のグラスウォールが脹れれていて、ラウンジそのものがビニールハウス状態。まぁでも仕事をせんとなと汗をぬぐってパソコンを開く。と、今度はwifiも落ちてる。余りにも居心地が悪く何もできないもんだから他の客もご立腹、スタッフは他の利用客からのクレーム処理に追われている。何度も見た光景。いったい直す気があるのだろうかと疑ってしまう。

「私は分からないけど、きっとすぐ直ります(棒読み)」という無責任な言葉があちこちで聞かれ、たまーに直っては落ちまた直っては落ちが繰り返される。その度に一喜一憂、歓声を上げたり怒声を上げたりと感情の起伏が激しい白人ビジネスマンたち。

私もダメもとで係員に尋ねている。
私「毎回毎回クーラー壊れてるし、WIFIもいつも使えないんですが」
VN姉「シグナルはありますよ」
私「いやシグナルあってもネットに繋がらないんですよ。毎回。」
VN姉「それは私も分かりません」
・・・・
「私知りません」という素知らぬ顔をしながらスタッフは聞こえぬフリしてどっかに消えていってしまう。マネージャーにでも聞きにいくもんかと思って視線で追っているとそうでもなく、普通にシレーっと端っこに移動して壁際に突っ立っているだけ。あなた達のお仕事は何でしょうかね!他にも沢山「暑い暑い」と文句を言う人が続出している中でスタッフは皆聞かぬ振り。私には何もできませんよーという感じで反応もしようとしない。

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一応ラウンジだけあって軽食は容易されているが、うだる暑さで食べる気も起きない。外より不快なビジネスクラスラウンジなんて滅多にあるもんじゃないぞ!


結局ネットも駄目エアコンも駄目の状態が続いたので、向かい側のレストランへと向かう。その名もノイバイ国際レストラン…
私「そこのラウンジのネットが繋がらなくて。こちらはwifiありますか」
VN姉「ええ、ありますよ、まあまずは中へどうぞ」

まずは携帯でネットワークを探してみるも、カフェのWIFIらしきシグナルは見当たらない…なんだか悪い予感が…

私「どのwifiネットワークに繋げば良いのでしょうか」
VN姉「ああ、これです」(と携帯を操作してくれる)

っておい、これベトナム航空ラウンジのwifiじゃないですか…
あのな、そこのラウンジのWIFI壊れてたからここに来たって言わなかったか、私???

私「あのさ、ラウンジのwifiが壊れてるって言ったじゃない?」
VN姉「パスワード入れれば使えますよ。」(と言ってパスワードを入力してくれる)

って、他社ラウンジのパスワードを一般客に教えて商売してんのよ…

私「いや、パスワードも知ってるし、今そのラウンジから出てきた所だから。とにかくネットにつながらないんだよ」

VN姉「パスワード入れたら使えるようになりますよ」

私「あのなぁ、私さっきそこのラウンジから来たんだって言ったでしょ。皆さん繋がらなかったんだよ。」

VN姉「えぇ!?」

私「あなたそれでここのwifiがあるって言ったじゃない?」

VN姉「ベトナム航空のやつがありますよ」

私「いや、だからそれはそこのラウンジのやつでしょ。」

VN姉「えぇ!?」

…えぇ!?じゃねえよ…ホント毎度腹立つ、こういう堂々巡りの押し問答。早くラウンジののクーラーとwifiを直してくださいお願いしますから。

ベトナム少数民族の住宅展示場・民族学博物館

ベトナムで小物屋巡りをして目につくのが鮮やかな色糸で刺繍を施された民芸品。売り子曰く「これは少数民族の○○族が~」と言われますが、そう言われても全くもってピンときませんよね。だって○○族って言われても知らないしイメージ湧かんもん。ハノイからは少数民族の村巡りツアーなんてのも開催されているので参加して見たかったが如何せん時間が無い…そんな私にぴったりな博物館がハノイ市内にあるようだ!その名も民族学博物館。ホアンキエム湖からメーターで走ってVND120,000(約500円)、この民族学博物館では54もあるベトナムの少数民族の文化や暮らしっぷりが紹介されているようです。

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早速、入館料を払って内部へ。カメラの持ち込みとしてVND50,000が必要とガイドブックにあったので、入館料と併せて支払うとチケットとシールを渡される。ようは衣服に『撮影料金支払い済み。』を意味するシールを貼るのですが、他の見物客はシール無しでバンバンと写真撮影に勤しんでいたし、係員も注意などしていなかった。全くばかばかしい話である。

さて、博物館は建物内の小規模展示物の他、建物の周囲にある巨大な野外展示場にも各民族の伝統家屋が展示されている。各家屋は何とその土地その土地の少数民族の方々の手によって建築されたオーセンティックな住居だそうで、これだけでも少数民族ツアーのようでかなり見ごたえがある。

まるで住宅展示場のような野外展示コーナーから見学をスタートする。
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こちらはバナ族の集会場。一際目を引くこの高床式建物は何と高さ19メートル!!2003年にベトナム中部の高原にあるコントゥム市に住む42人の手で建築されたそうで、アスレチックのような感じで階段を登り、内部にもお邪魔することができる。床は藁でできていて、足を進める度にギシギシ、ミシミシと音を立てるので床が抜けるのではと少し心配になる。

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こっちはまた、電車のようになが~いお家!!2000年に16名のエデ族によって2月半の月日を費やして復元されたロングハウスで、気になる長さは42.5メートル!!これらのロングハウスには祖母から孫娘まで、2~3世代に渡る母系大家族が共同で暮らすそうです。

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こんな感じの奇妙なデザインの木造階段を登り内部へと進む…

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内部の様子。こちらも床は藁造り。風通しが良く木々の濃い~香りも充満して、意外と気持ちが良いものだ。ゴザを敷いて昼寝をしたら気持ちがいいだろうな~。

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こちらはジャライ省に住むジャライ族の御霊屋。周りを取り囲む垣根の上に載せられた木像は故人と共に“あの世”に赴く人や物を象徴しているそうで、妊娠女性や局部を過度に強調した男性など、ちょっと卑猥な物もあったりしますが、これらは豊穣な生産力への願いからきているそうで、やましいものではなりませんので悪しからず…

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近くで見てみると思いっきりリアルな悩ましいお顔のオブジェがズラリと並んでいる…

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こちらはチャム族の集合住宅。かなり質素な生活を送っているようだ。

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続いてタインホア省から移築されてきたベト族の家屋で、1906年に建築されたこの建物は、ホイさんという20世紀初頭の裕福な農家の所有物だったそうです。母屋と別棟と台所がU字型に配置されていて、中央には中庭を配すというのがベト族の農村でみられる伝統的な居住様式なんだそう。

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こちらの仏壇(?)を見る限り、中華文化の影響を多分に受けているようだ。龍やフェニックスの彫刻が施され、中国語の文字で彩どられている。

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こちらはコトゥ族の御霊屋。

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まだまだ続く異文化体験の世界。大きな藁屋根に粘度壁が特徴のハニ族家屋(左)にザオ族の半高床式家屋(右)

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ベトナムヒノキと石綿板を建材にしたモン族の伝統家屋。

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その他、野外展示場ではベトナムの伝統芸能である水上人形劇も楽しむことができる。言葉は分からないが、楽しげな歌やら台詞やらに合せてシュールな人形が動き回る姿に何となく楽しめてしまいます。(土日のみの公演だそうです)

続いて博物館内部の展示会場へと進む。
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中に入って直ぐ目に入るのはベトナムの象徴とも言える積載量満タンのチャリ!こんなんどうやって運転するんじゃ!

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いや、器用なベトナム人の手にかかればこれでもかとチャリの前後左右に満載したビク(魚籠)を乗せ、それでもなお素晴らしいバランス感覚でしっかりと運転できてしまいます。この伝統は信じられない程に巨大な物を大量に載せて走る現代のベトナム人バイク乗りに脈々と引き継がれているようです。

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こちらもベトナムの象徴の一つであろうノンと水上人形劇に関する展示物。

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続いて各少数民族に関する展示物が並べられています。

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キン族と同じアンナン・ムオン語派に属するチュット族。生活は狩猟採集に頼っていて、男が槍や弓をもって狩猟に出かけ、女が狩猟する事で食物を確保しているそうです。

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こちらは国の5.1%を占める440万人の人口を誇るタイ・カダイ語族に属するターイ族の宗教儀式。ターイ族は主に河川近くの肥沃な平地や山間部の平地に定住し、高度な農業システムを発達させてきた他、織物産業なども興している。文化的には儒教・仏教・道教の影響を受け、父系制の民族で、先祖崇拝を大切にするそうだ。

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グアン省に住む織物の民・ターイ族の衣装は木綿と絹から作られ、芸術性が高い。機織りは今も生活に根付いているようだ。そういやターイ族手織り布キャミソールやターイ族手織り布なんて土産品を見た事がある気がするぞ。

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こちらはホアビン省・タインホア省の盆地や山岳地帯に多く住むムオン族。山麓、丘陵地の斜面や河川のそばに建造した定住村落で水耕栽培を行なったり、家畜、家禽類を飼育したり、狩猟、漁業、食物の採集と、手工業を行っている。彼らは多くの口承文学や伝統儀礼を継承してきているそうですが、中でも『モ』と呼ばれる葬礼が有名だそうだ。紹介パネルやマネキンに加えて、葬儀の模様をビデオで流しているので、ちょっと夢に出てきそうで怖い感じもしますが見ていて興味深い。彼らは民族・言語的にはキン族(ベトナム族)に最も近く、ムオン語とベトナム語も多くの類似点がある。キン族が平野部に住み、紀元前111年の漢による侵攻以後に中国文化の影響を非常に強く受けたのに対して、ムオン族は山岳部で固有の文化を発展させたことで民族的に枝分かれしたと考えられているそうだ。

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ベトナム北部の山岳地帯に住まうモン族。染織技術の高さに名高いそうで、バティックの技法を用いて蜜蝋で防染加工してから麻の織布を藍染めするスカートには彼女らの匠の心と器用さが凝縮されている他の竹細工や織物の展示物に目を向けてみても、非常に緻密にできていて、この国の人々の手先の器用さが伝わります。色使いも韓国や中国のように派手なものではなく、落ち着いていて控え目なな地色がベースとなっているものが多く、日本人に近い美的感覚を持っているような気がしないでもない。町中の土産ショップで見かける鞄なんかもモン族のものだったりするのかもしれない。

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織物と土器造りで有名なチャム族の牛引き荷車。メコンデルタ周辺や中南部海岸沿いに住まうチャム族は2世紀から17世紀頃までベトナム中部で栄えていたチャンパ王国の末裔で、現在ではベトナム以外にもカンボジア、マレーシア、タイ、アメリカ、フランスと東南アジア諸国を中心に点在している。

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一通り展示物を見回った後はお土産物屋へ移動。各少数民族の手工芸品、織物、竹細工などベトナム特有の逸品が取り揃えられている他、美しく面白いベトナムの姿が分かるポストカードの種類も豊富です。


14番の市バスなら3000ドンでホアンキエム湖から博物館の最寄りのバス停まで移動できるようです。

ハノイ・民族学博物館
住所:NGUYEN VAN HUYEN, QUAN CAU GIAY, HANOI, 
電話:(04)37562193 
時間:08:30-17:30
定休日:月、旧正月
料金:VND 25,000

 

街歩き天国・ハノイ旧市街とドンスアン市場

ホアンキエム湖の北側に広がるハノイの旧市街には、生い茂る緑の中の入り組んだ小路に歴史を感じさせる二~三階建てのビルが建ち並んでいます。まさにアジアらしい混沌とした雰囲気の中にベトナムの人の生活の臭いが充満している濃い~エリアです。
ひだり みぎ

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旧市街、通称ハノイ36通りは『旧』というだけあって、今から約2000年前、中国の唐王朝の時代に辺境警備・周辺諸民族統治などの為の防衛都市・安南都護府として町興しされ、城壁に囲まれた都市に5000もの中国建築家屋が建設されたことに都市としての起源を持ちます。その後、11世紀にベトナム李朝によって開城された後、李朝の李太祖が旧市街の中に宮殿を建設して伝統的手工芸品地域として旧市街36通りを開発。13世紀の初めには宮殿の周辺の通りごとに伝統的手工芸品の同業組合が組織されました。

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ハノイの旧市街はがハノイ36通りと呼ばれているのは、かつて36のギルドが存在したからとも言われています。そして、通りごとに同業者が集まって居住し、製品や業界、店舗を意味するハン+業界名で通り名をつけたので、旧市街には『ハン○○通り』という通りの名前が本当に多い!!食器や鍋などの台所用品が所狭しと並ぶハンコアイ通りに手芸用品の卸問屋が揃うハンボー通り、御座や鞄を売るお店が軒を並べるハンチエウ通り、ベトナムの弦楽器や打楽器を扱うお店が集まるハンマイン通り、多種多様なお菓子が売られ、甘いもの好きのベトナム女性で賑わうハンザイ通り、手ごろな価格帯のシルバーアクセサリーを売る老舗銀細工店やプロパガンダポスターショップが密集するハンバック通り、価格は高いが質の良いシルクを商う個人経営店が並ぶハンガイ通り、法事に使われる冥器などの冠婚葬祭用の紙製品や飾り物の商店が集まるハンマー通り、オーダーメイドの木彫り判子が手に入るハンクアット通り等等…通りごとにかつてのギルドの名残を見ることができ、時は経てど、今もなお多くの人が訪れるハノイ随一の繁華街となっています。

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ハンガイ通りのシルク商店に、ハンクアット通りの木彫り判子店。判子は既製品を買うのもよし、好きな絵柄や文字を決めてオーダーメイドするのも良しです。

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菓子屋街に御座屋街。御座の販売だけで生計を立てられるとも思わないし、未だに似たような商品を取り扱う隣の店とは競合関係ではなくギルドで共同戦線を張る関係を維持しているのだろうか。

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プロパガンダポスターなんて道を挟んだ向かい合わせの店舗に同じポスターが売られているし…

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良い感じの洋風飲み屋街もありました。Ta Hien通り。

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天秤を担ぐ売り子さんは皆女性たち。女性博物館で見たビデオが頭に過ぎり、食べたくもないのにバナナを買ってしまった。それも一房もwwwというか写真を撮って良いか許可を求めたところ、バナナ購入を条件にしてきやがった。しかも、小売はしてないのでMOQが一房になるとのこと。しょうがなく一房分のお金で1本だけ分けてもらう。商売上手だなー。

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バナナを持って歩くのも何だしそろそろ歩き疲れたので、路肩の飯屋でバナナを肴にハノイビールで一杯やることに。VND15,000(≒60円)也。ミネラルウォーターと同じ値段www中国とベトナムはビールが安くてビール党には大助かりだ。

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飯屋の前には路肩散髪屋が。鏡は勿論、ドライヤーやシェーバー、シェービングクリームまで完備していますwww参考までに料金を聞きたかったが、店の主は昼飯食いに行ったようで不在だった。

廃屋風だが、でも良く見たら人が生活している…そんな景色がどこかユニークで面白い。
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旧市街を北に行けば行くほどローカル色が強くなり、生活感が出てくる。観光客の姿は見えなくなり、その代わりにどう見ても寝間着にしか見えない服を着てノシノシと道路を闊歩するベトナム人のおばちゃんや疲れ切った顔でバイクに跨って動かないベトナム人おじちゃんの姿が目立つようになる。ベトナムではやはり女性が強い。店を見ても女性が働き手としてバリバリ仕事をこなしている横で男性は勤労意欲無しでブラブラしたり爆睡かましたりしている。あったかいホーチミンだけかと思ったらどうやらハノイの男性の怠け度も負けてはいないようだ。

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やがて、旧市街の北の終点・ドンスアン市場に到達。ホアンキエム湖からまっすぐ歩けば15分くらいの距離であろうが、道草ばかり食っていたら3時間半もかかってしまった。

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果物、野菜、魚介類、お肉などの食品から日用雑貨、生地、衣料品、バッチャン焼きや少数民族の民芸品などの土産品、革製品、化粧品、アクセサリーなど、あらゆるものが揃うドンスアン市場、かつては東南アジアでもっとも栄えた場所のひとつであり、今でもベトナムの首都・ハノイのなかで最も古く、最大の規模を誇る市場としてハノイ庶民の台所となっているようだ。入り口に浮浪者っぽい男たちが屯していて入るのに躊躇するが、せっかくここまで来たので中を覗いてみることに。

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ドンスアン市場の建物は3階建て。中央には大きな吹き抜けがあり、それを取り囲んで商店が目まぐるしく並んでいる。始まりは1890年、フランスによって建てられた。その後、第二次大戦後にハノイ再占領の為に戻ってきたフランス軍に対し、約60日間に渡ってハノイで戦闘が行われました。このドンスアン市場でもベトナム解放軍とフランス植民軍間で激しい戦闘が勃発し、多くの兵士がここで犠牲になったそうだ。歴史ある市場にしてはエレベーターまで設置されてて近代的じゃん!と思ったら、それもそのはず、オリジナルの建物は1994年に火災により全焼し、今ある建物は1996年に新しく建てられたそうだ。

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中には小さな店が縦横無尽に並んでいて、ヒトとモノとがひしめきあって活気にあふれている。商品はてんこもりに積まれていて、触れると崩れてしまいそうなので側を歩くにも気を遣う。で、立ち止まろうものなら『どうだい!買わないかい!』とおばちゃんの猛攻撃の的となってしまう。売れ筋の靴を掲げ上げ『どうだい!買わないかい!』、ご自慢の逸品であろう陶器を握って『どうだい!買わないかい!』、その日仕入れた一番新鮮なものを鷲掴みにして『どうだい!買わないかい!!!!』そしてその横で携帯をいじったり、新聞読んだり、寝転がったり、ぼーっと遠目でどこかを眺めたり、手を滑らせて食べてたフォーを地面にぶちまけても掃除しなかったり、鼻くそほじくったりしている華奢な男ども…ハノイのパワフルおばちゃんたちの貪欲にエネルギッシュに生き抜く力強さ・たくましさと男どもの『なんくるないさー』的な楽観主義とどうしようもない怠け癖が良く表した場所である。

ひだり みぎ
雑踏の音、大声で商売する女性たち、そして外から聞こえるバイク音…その渦中にいると思わず圧倒されてしまう。

ひだり みぎ
食品エリアのゴミゴミ度も負けてない。お菓子や得体の知れない乾物に調味料、果物、肉や野菜…ぐちゃぐちゃとひしめいていて狭い通路には強烈な臭いが漂い、足元はびちゃびちゃしている…猥雑なアジアの雑踏が好きな者にはたまらないであろう。

何を買う訳でもなく何を食べるでもなく、ビール1杯にバナナ一本だけで半日も潰せるハノイ旧市街。目的も無く街歩きを楽しみたい観光客にはおススメのエリアです。