ラオス国営航空 ビエンチャン ワットタイ空港⇒バンコク エコノミークラス搭乗記

遂にラオスを離れる時がやってきた。ビエンチャンからバンコクまでは1日6本の飛行機が飛んでいて選択に悩んだが、今回は翌日00:25バンコク発JL738への接続を考え、18:40ビエンチャン発19:40バンコク着のラオス国営航空QV445で移動することに。

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ビエンチャン⇒バンコクのフライト。ラオス国営航空って数年前にパークセーで墜落事故起こしてるんで怖かったけど、時間帯も良かったし航空券が安い点も魅力だった。


英語版の自社ホームページは日本語ホームページより遥かに安いセールを出してるので、英語版のホームページで航空券をお買い求めされることをお勧めする。

市内から車で走ること15分、ビエンチャンのワッタイ国際空港が見えてきた。バンコク以外にもチェンマイ・仁川・プサン・広州・昆明・シェムリアップ・クアラルンプール・ホーチミン・プノンペン・シンガポールとを結ぶれっきとした国際空港である。
ひだり みぎ
2011年のターミナル拡張工事に際して日本から円借款貸付(無償贈与??)がなされ、未だに空港の運営にJALUXや豊通なんかが噛んでいるようだ。イメージ湧かないけど、豊通って意外と空港の運営委託業務的なことをやってんだよな。


外務省のデータによると、2013年度は円借款=150.62億円、無償資金協力=62.11億円、技術協力=34.40億円を日本からラオスに援助し、ラオス側から見れば日本が最大の援助国であるらしい。

話は逸れたが、空港内に入ってみる。
ひだり みぎ
内部は1階が到着フロア&チェックインカウンター、2階が出発フロア、3階にレストランと展望デッキというシンプルな構造になっている。

到着ゲート付近には市内と変わらないレートの両替所やATMがありラオスキップを調達できる。また、前払い制のタクシーカウンターもある。料金は市内まで一律7ドル、バンビエンまで90ドル。

ラオス国営航空のビジネスクラス利用客と上級会員が利用できる専用のチェックインルームまで用意されている。


ラオス国営航空にはChampa Muang Laoと呼ばれるマイルプログラムがあるらしい。最上級のゴールド獲得条件が10,000マイルとか、ハードル低すぎだろ。

【上級会員の達成条件】
ゴールド:12ヵ月の内に20往復もしくは10,000マイル
シルバー:1搭乗

【上級会員特典】
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【クラス別加算率】
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【特典航空券に必要なマイル数】
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ビジネスクラスでソウル⇒ビエンチャンが片道14,000マイル、バンコクやハノイだと9,000マイルだと。


フライト3時間前に空港に着いたけど、残念ながらチェックイン開始は出発時刻2時間前からとのことだったので、適当に空港内をうろついて時間を潰すことに。

ひだり みぎ
こぶりながら土産物コーナーも有り。

ひだり みぎ
日本の資本が投下されてる空港だからだろうか、一丁前に展望デッキまである。


金網が邪魔だし殆ど飛行機いないので、展望デッキというか外の空気が吸えるバルコニー程度のものだけど。

ひだり みぎ
余りに小さな空港の為に速攻で手持無沙汰になり、チェックイン開始時間までウェストコーストなる空港内レストランで一服することに。基本的にはバッフェスタイルのレストランだが、単品オーダーも可能。

食べ放題料金:大人99,000キップ、子供(身長1.2m以下)50,000キップ
営業時間:10:30~14:00、17:30-21:00
*ドルやバーツでも支払い可能。


営業時間外だけど入店させてもらえ、ギンギンに冷えたビールを注文。

ビールだけでチェックイン開始時間まで粘り、チェックインカウンターへ。ラオス国営航空日本地区総代理店のホームページには「ラオス国営航空では、全便ご予約の再確認(リコンファーム)が必要です。」等と書かれていたが、リコンファーム無しでも大丈夫だった。


前の方の窓側をリクエストし、7Aがアサインされる。


1階でチェックインを済ませ、2階にあるイミグレーションへと向かう。1時間のフライトとはいえ、一応は隣国タイへと飛ぶ国際線扱いなんでね。

出国手続きを済ませた後の制限エリア内にもラウンジ、カフェ、免税店などがある。

ラオス国営航空・ベトナム航空・バンコクエアウェイズ等ビエンチャン発便全ての航空会社共有のビジネスクラスのラウンジ。プライオリティパスでは入れないが、10ドル払えば誰でも利用できるようだ。ビジネスクラスの利用客も上級会員も殆どいないんだろうな、対象航空会社が多い割には中はガラガラのようだった。


本日の機材はA320-214。ラオス国営航空のホームページに拠ると、同社はA320-214(4機)の他、ATR72-600(3機)・ATR72-500(4機)を保有しているそうだ。中国製の西安なんちゃらってやつは退役したのかな。


遅延も覚悟してたけど、ほぼほぼ時間通りにボーディングブリッジから搭乗する。ビジネスクラスの利用客は0人、エコも4割弱程度と心配になる搭乗率だった。こんな搭乗率なのに機体前方にだけ乗客を詰め込むところが東南アジアクオリティなんだろうな。

ひだり みぎ
座席数はC=16席、エコ126席の合計142席。エコでもパーソナルモニターが付いているけど、短距離便だからか機能せず。


安全のしおりの画風がなんとも社会主義国のプロパガンダアートっぽい。


乗客の搭乗が終わると不織布おしぼりが配布される。ラオスの伝統衣装を身にまとったCAさんは思いのほか丁寧な対応で好印象。

ひだり みぎ
定刻通りにプッシュバック。

ひだり みぎ
黄昏のビエンチャン。メコン川を越えてタイ領空へ。

ひだり みぎ
1時間程度の短距離便だけど餌付けサービスある。コッペパンに若干量のツナとコーンを挟んだサンドイッチ・パッサパサなケーキ・フレッシュじゃないフルーツという質素なものだけど。


50分程度でバンコク上空へ。


名古屋行き乗継便に間に合いそうで一安心だ。



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【2016年コンケン・ウドンタニ・ヴィエンチャン旅行記】














ビエンチャンのレストランをハシゴ(Le Petit Jardin, Comma Coffee, Croissant-d’Or Bakery & Cafe)

世界一ショボい首都なんかとも揶揄されるラオスの首都・ビエンチャン。高い建物は無いわメインストリートは短いわ町の中心でも賑わいがないわと本当にのんびりとしたところで、バスで町の中心に降り立った際には誤って郊外のバスターミナルに降りてしまったと勘違いしてしまう程だった。アンコールワットのように壮大な古代遺跡があるわけでなく、エメラルドグリーンの海洋があるわけでもなく、特別な産業がある訳でもない。ラオスの一人当たりの名目GDPで見ると1,778ドルとIMFの調査対象188ヵ国中142位で、同じアジアのインドやミャンマー、カンボジアよりは上位に位置しているんだが、人口が少ない為に総合的な経済規模としてショボいのだろう、ビエンチャンは首都といえども良くも悪くも本当に何も無い。

そのくせ物価は安くないというね。山岳面積70%超の内陸国で交通インフラも整ってないし、農水産物以外の国産品が殆ど無いから日用雑貨から車や家電のような耐久消費財までタイや中国からの輸入物に頼っているので、物の値段がどうしても高くなる。低所得&高物価の二重苦である。
ひだり みぎ
それでも、首都の街頭に孤児はおろか浮浪者や物乞いがいることもないし、夜中遅くまで呑んで帰っても安全なほどに治安が良く、ボッタクリもない。これが隣国ベトナムなんかだと、うわぁ、この店のババアぼったくってそうだな!とかこの通りは引っ手繰りが来そうだな!なんて心配が尽きないとこだけど、ここラオスではそういったボッタクリや強盗の心配も無い。これが「貧しさの中の豊かさ」だろうか、経済的には貧しくも高潔で素朴な仏教徒が多い印象だ。

そんなラオス。近年も一定の経済成長率を維持しているとはいえ、国内総生産は117億円と茨城のそれと同等程度。隣国タイから人件費の安いラオスに労働集約型製造業が流れてきてるとはいえ、地勢的ハンドキャップや人口の問題で今後も労働集約的な生産工程の一部分をラオスが担う程度に留まるだろうし、今後も持続的発展を継続するには鉱物資源開発や水力発電などの資源ファクターを伸ばすくらいしか夢も希望もなさそうなので、ラオスがテイクオフして物質的に豊かになるにはまだまだ時間がかかりそう。
ひだり みぎ
経済的には日の当たらない途上国ラオスだが、近年は外国人観光客増加に伴いホテル・飲食といったサービス産業が成長してるらしく、意外にもwifi付きの洋風なお洒落カフェやレストランなんかもあったりする。

Comma Coffee。

店員たちは常にニコニコ顔。貧しくも幸せそうなんだよな、ラオス人民。仏教の影響でもあるだろうし、農業への依存度の高さにも理由を見出せるだろう。ラオスでは雇用の実に7割を農業等の第一次産業に依存していることから所得水準は低い。が、そもそもラオスの農業は換金作物の生産によって可処分所得を増やすような産業ではなく自給自足が主目的。天候にさえ恵まれれば食うに困る心配がないので、インドなんかのような悍ましい貧しさや危機感は町の中から感じられないし、人々は温厚でのんびりしてて、いい意味でゆるーくヤル気が無いw。バイタクやトゥクトゥクの客引きですらあっけないほどにガツガツしたところがなく、逆に押しが弱く消極的なくらいですから。

さて、本日はラオス最終日。出国までに手持ちキップを使い果たす為、空港に行く前に市内のレストランをハシゴすることに。

Cafe Croissant d’Or。ビエンチャンの中心部にはフランス植民地時代の影響か、料理の質の良し悪しは別として、フレンチレストランもあったりする。

ひだり みぎ
食べるのは現地食だけど。タマゴ麺、15,000キップ(≒180円)也。


最後、まだ手持ちキップが余ってたのでLe Petit Jardinへ。

ひだり みぎ
今度はフレンチなランチセットを注文。65,000キップ。


うーん、美味しくない。やっぱりラオスではラオス料理を食べるに尽きるな…。

穏やかさ、商売っ気の無さ、生活向上に対する欲望の希薄さ等が特徴のラオス人気質。国は貧しく民も貧しいが、みな高潔で、食うに困ってる人もいない。マイペースなライフスタイルだからか金銭欲や物欲もあまりなく、物価が高くてもそんなに困ってなさそうだしガツガツもしない。何も無いのが逆に魅力で、ゆっくりしたいには良い場所だと思う。この国には変に資本主義に侵されんでほしいなぁ。



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【2016年コンケン・ウドンタニ・ヴィエンチャン旅行記】














真っ赤赤なビエンチャンのラオス国立博物館

最終日、バンコクへと戻るフライトの出発時刻まで時間があったので、最後にラオス人民による革命の軌跡を知るためラオス国立博物館を見ておくことに。社会主義国の博物館ってプロパガンダまみれで結構好きなんですw。


宿泊先から歩くこと5分程、中学生の図工作品かのようなジャール平原の石壺の画が門に飾られた安っぽいラオス国立博物館に到着した。


かつてフランス総督の居館であった白亜の宮殿風建物がラオスの国立博物館。


ガイドブックには写真撮影不可とあったが、規則が変更となったのだろうか。カメラの使用については特に制限がないそうだ。

いざ入館。鎌と槌の赤い旗が首都の町中にたなびくラオスはもちろん社会主義国で、この博物館も社会主義革命を中心としたラオスの歴史がメインテーマで構成されている。

エアコンは効いておらず、天上でファンが空しく回転するのみで、展示内容も建物の管理も疎かにされている。全体的な印象としては博物館というよりも地方の資料館だな。木の床なんか今にも抜けそうなくらいに建物が老朽化してるし。

展示物は時系列順に並んでいて、最初に来るのは恐竜たちが闊歩していた新生代以前に関する展示物。
ひだり みぎ
時代遡り過ぎだろ!と突っ込みたくなる以前に、昭和初期の漫画から抜け出してきたかのような古臭く手作り感満載なイラストに思わずズッコケそうになる。


石器時代の人々の生活の様子だってさ、他の国の国立博物館だと忠実に再現されたジオラマや等身大フィギュアが駆使されてるところ、ここラオスでは紙一枚。しかも、イラストありゃ一目瞭然とでも言いたいのか、説明書きも一切無し。

ひだり みぎ
古代モン・クメール族によって1,500~2,000年前に使用されたと考えられているジャール平原の石壺。


やがて、伝説的な名君ファー・グムによりラーンサーン王国が成立。同国が現在のラオス領一体の領域を支配していたことから、ラオス人にとってはアイデンティティーの支柱ともされる歴史的王朝らしい。

ラーンサーンとは百万頭の象の王国との意味で、歴代の国王は象を巧みに操ったそう。
ひだり みぎ
象の王国は成長を続け、絶頂期を迎えた16世紀には版図をラオスのみならず東北タイにまで広げていった。しかし、どんな強大な国もいつかは滅びてしまうもの。18世紀には王位を巡る争いから王国がビエンチャン・ルアンパバン・チャンパサックの3王国に分裂。さらに内紛や互いの足の引っ張り合い等により弱体化が進み、18世紀後半には3国ともシャムの支配下または朝貢国に成り下がった。

これら隣国シャムに対する屈辱の時代の展示物は殆どなく、時代は一気に飛んで19世紀帝国主義時代へ。1893年、タイ王国との間でラオスをめぐり仏泰戦争が勃発、フランスが勝利した流れからラオスはフランス領インドシナ連邦の一部として帝国主義の軍門に下ることに。
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フレンチコロニストによるラオス人民の搾取が続く。


そこに、プロレタリア独裁論者レーニン大先生登場。ラオスの国立博物館なのに他国の革命指導者がラオスの歴代主席なんかよりも大々的に扱われてて草はえるw。

ひだり みぎ
レーニン氏の指導の様子と、氏の著書。ここらへんから社会主義マンセー的な展示内容へと変わってくる。

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カール・マルクスとレーニン同志の肖像画にベトナム共産党の指導者ホーチミン像。なんかもう真っ赤赤過ぎて潔い展示内容だ。

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立ちあがる群衆。万国の労働者よ、銃を持ち団結せよ!卑劣な帝国主義者共を不屈の革命的精神で打ちのめせ!

ホーチミンと接見する初代ラオス人民民主共和国主席及び最高人民議会議長スパーヌウォン。有史以来、大変だったけど共産党の導きにより立派な社会主義国として独立を果たしましたよ、と。
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このように革命的な展示品の数々を見ることができ、ブルジョワどもに搾取される我々日本人民に革命的勇気を与えてくれる展示内容だw。

ひだり みぎ
そして最後はお約束の土産物コーナー。

展示の流れは大まかな時系列になってはいるけど、フランス植民地時代以降、帝国主義に抵抗し独立を目指す革命勢力の活躍に関する展示物に重点が置かれていて、現在の政権の歴史観を知るためには良いのではないか。逆に、ラオスの文化紹介には殆ど展示スペースが割かれていないので悪しからず。
【ラオス国立博物館】

住所:Rue Samsenthai, Vientiane, ラオス
電話:+856 21 212 460
開館時間:8:00〜12:00 13:00〜16:00



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【2016年コンケン・ウドンタニ・ヴィエンチャン旅行記】














伝説の女性が眠る ワット・シームアン

伝説の女性「シー」が眠るビエンチャンの名刹、ワット・シームアン。この寺院が建立された際、シーという名の妊婦が人身御供として自ら支柱の穴に飛び込み、それ以来守り神になったという伝説が残るビエンチャンきっての名刹とのことだ。

場所はサムセンタイ通りとセタティラート通りの分岐が始まるY字路の狭い敷地にある。

ビエンチャンでは断トツ一番人気の現役寺院のようで、参拝客が車やバイクで引っ切り無しに出入りしてる。特に恋愛系の願い事に強みがあるらしく、女性の参拝者が多い印象だ。門もピンク色を織り交ぜたりと女性を意識した造りになってるっぽいし。

ひだり みぎ
中に入ってみると、なんか色々な像がウジャウジャいてテーマパークみたいな雰囲気。戦隊モノの面白キャラみたいな奴も立ってたりするしw。


上座部仏教とラオスに根付いた土着の精霊信仰が融合しているようで、ところどころ「ファッ!?」となるようなキャラがしれーっと混ざってるんだよな。

ひだり みぎ
神聖な像なのだろうが、眉毛を手入れしてみたり口紅をつけていたりペディキュアをつけていたりと、妙に人間じみたところに親近感を感じてしまう。服装もごくごく一般的だし。

ひだり みぎ
数々の豪華神々による演出があり、コメディー要素の中に煌びやかさも感じる。


この黄色の建物が本堂かな。

本堂の中には女性を中心に祈りや願掛けに訪れる庶民の姿がある。ありがたそうに高僧による説法を受ける老若男女、御神籤を引く老夫婦、仏像に向かって熱心に祈る若い女性、僧侶にバーシーの糸を巻いてもらう寺ガールなどなど、祈りの形は皆それぞれ。
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バーシーとは、出生、結婚、門出、歓迎、死別などなど人生の節目に行われるラオスの伝統的儀式で、祈りと共に手首に白い糸を巻き付け健康や子孫繁栄を願うというもの。まぁ願掛けなのでしょうね。来世の幸福を祈る場というより、現世の願い事を叶える為のパワースポット的雰囲気である。


壁には二段に渡って仏陀の生涯の物語が描かれていて、天井には赤と金を基調として凝った装飾が施されている。

ひだり みぎ
境内の中にあるもう一つの御堂。


片乳ポロリ。なんかラオスの寺院ってちょいちょいエロ要素(?)絡めてるような…。

ワット・シーサケットやワット・ホーパケオのような遺跡や歴史的建造物としての寺院より、今日を生きるラオス庶民の信仰に関心がある方にお勧め。

【ワット・シームアン】



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【2016年コンケン・ウドンタニ・ヴィエンチャン旅行記】














ラオスの象徴 タート・ルアン

ラオスの博物館クオリティの低さに失望した後は、ラオス仏教界最高峰の宗教施設と名高いタート・ルアンへとチャリを走らせる。

ラオスの紙幣や国章にも使われるタート・ルアンの由来は定かではないが、紀元前2世紀だか3世紀だかにアショーカ王の名でインドから派遣された仏僧が仏陀の胸骨を納める為に建立したという説が有力なようである。その後、話は一気に飛び、16世紀になってセーターティラート王がルアンパバーンからビエンチャンに遷都した際に再建、19世紀に入りシャム(現タイ)や中国の侵攻を受け激しい損傷を受け、1936年に今日の姿に改修されたよう。


軍事博物館からオンボロチャリのペダルを漕ぐこと10分強、目の前に広がるだだっ広い広場の奥にラオスの象徴でもある黄金の塔が見えてきた。ビエンチャンの殺人的灼熱地獄のせいか、ちょっと意識が朦朧としてきて蜃気楼のようにも見えてくる。


もう少し近づいてみると、先述のセーターティラート王の銅像を発見。そして、直ぐ彼の背後にちなみに金ピカでツルッとした仏塔の姿が見える。どうやら蜃気楼じゃなさそうだ。


こちらがラオスの象徴・タットルアン、高さは約45メートルだと。16世紀当時に当地に遺っていたクメール様式の寺院跡に四方を四つの寺院に囲まれる形で再建されたそうだが、現在は北と南の寺院が残るのみとなっている。

ひだり みぎ
入場料を払い更に近づいてみると金色の塗装が微妙にハゲてるのが見える。もちろん純金で出来てるという訳でもなく金箔が塗られてるわけでもなく、単純にコンクリの塊に金色のペンキが塗られているだけという。ただ、それでも造形的には中々のもの。どの角度から見ても手前のミニ仏塔や塀のギザギザと組み合わさって立体感を出す設計となっている。見ようによっては燃え盛る火焔のようであり、何ともフォトジェニックで美しい。


中に祀られた仏陀の胸の骨に対してなのか、皆さん頭を垂れて祈りを捧げてる。いってもモチロン遺骨なんか見れないし、実際に中に納められてるのかも分からんのだがw。そういう自分も見よう見まねで線香と蝋燭を捧げて黙祷。


このように、仏塔の周囲四方は屋根付きの回廊で囲まれている。

ひだり みぎ
回廊には如何にも歴史的価値のありそうな板牌や仏像が野晒しのまま一定間隔で並ぶ。なんかの美術館のようだけど、全くもって人気がないようで、近づいて見てみようとする物好きは私くらいのものだった。

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刻まれているのは文字ではなく仏塔や仏像。

ひだり みぎ
というか、人気が無いのは回廊に並ぶ板牌だけじゃない。同じ仏教国であるタイやスリランカの首都で「国で一番の名刹!!」って言ったら参拝客や観光客でごった返す筈だけど、ここタート・ルアンはラオス一の名刹という看板に偽りがあるのか訪問客の数が少なく不気味な程に静か。二~三人の六名程の日本人ツアー客がいる程度で、とてもビエンチャン一の観光スポットとは思えない閑散ぶりだった。こんなおっぱいポローンみたいなセクシー像があってエロ要素もあるのになw


仏塔周りを見終え、仏塔に隣接した広場の北にあるワット・タートルアン・ヌアという豪奢な宮殿も見てみることに。

こちらはラオス仏教界最高位の僧が住まわれる高尚な場所で、正式名称をラオス仏教総主教宮と言うそうな。
ひだり みぎ
なんと、一般開放されているとのことなので、靴を脱いでちょいと総主教様の宮殿の中を失礼することに。


さすが断捨離のプロというか足るをお知りになられているというか、天上も絨毯も赤い宮殿内部はすっきりしていてミニマリストの生活空間のようにシンプルに纏められている。

ひだり みぎ
そして、数多く展示されている妙に実写タッチな仏教風絵画。作画中のキャラクターはインド風の男ばかり、これもインテリアの一部なんだろうかねw。

【タート・ルアン】



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【2016年コンケン・ウドンタニ・ヴィエンチャン旅行記】