ホリデイイン中山ダウンタウン宿泊記 IHGプラチナ以上にお勧め

この日は暇をもて余していたので、思い切ってフェリーで広東省の中山市まで足を運んでみることに。久しぶりに中山でブラブラしたかったし、なんたってホリデイイン中山ダウンタウンがポイントブレーク中につき一泊5,000ポイントで泊まれたので(通常は15,000ポイント)。


因みに中山にはIHGホテルが3か所ある。他の2箇所はCrowne Plaza Zhongshan Wing On CityCrowne Plaza Zhongshan Xiaolanで共に一泊20,000ポイントで泊まれるけど、市街地から距離があるのでお勧めできん。

アクセス


香港の中港城からへフェリーでゴー。中港城から中山は一日8便運航してる。

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ひだり みぎ
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VIPクラスは4人が座れる個室になっている。2席2席が向き合う対面式ボックス席のような形になっている。一つの空間を他の3人と共有する訳なんだが、入室するなり隣のクチャラーがおもむろに匂いの強い肉料理を食いだして、個室が一気に中華料理臭まみれに。これは重大なマナー違反だと思うのだが、我々の対面に座るお二方的には御咎めなしのようで、連鎖して彼らも持ち込んだオレンジを食べ散らかす始末。


VIPクラスと言ってもフルーツが出るくらいのもので、特にメリットは感じない。寧ろ、隣のクチャラーが口をカバーせずに咳込んでばかりだったので、こんな空間よりエコ席に移動したかった。クチャ音責め・飯の臭い責め・風邪のウイルス責めだもんな。拷問だよ。

香港から中山への所要時間は90分で、中山港からホテルはタクシーで30分弱(運賃40元)。

運賃2元のバスでも32番で行けないこともないが、1.5キロ程歩くことになるのでタクシーでの移動が良いと思う。

ホリデイイン中山ダウンタウンというホテル名の割には町の繁華街からは少し離れたところにある。街の中心ではあるが繁華街の中心ではないというか…。アクティブに町歩きを楽しみたい場合はシェラトンイビスあたりのホテルに泊まられた方が良いと思う。

中国語名は中山大信假日酒店と、「ダウンタウン」に相当するような中国語は付いていない。「大信」というのは地場のデベロッパー企業の名称で、ホリデイインと同じ敷地内にある大信コンベンションセンターホテル(大信商務会議中心酒店)という五つ星ホテルにも大信の冠が載っている。

館内

ニッコニコしたフレンドリーなドアマンに出迎えられ館内へと入る。17階建てで以外にも立派な建物だし、15,000ポイントのホテルにしてはハードは良さ気。
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ここの良い所はですね、部屋のカテゴリー分類的にIHG上級会員だと最安値でもラウンジアクセスが保証されること。最安値の一つ上のカテゴリーがクラブルームですからね。308元でクラブルーム保証(100%ではないが、限りなく100%に近い)は本当にコスパが高い。


こんな素晴らしいカテゴリー分けのホテルは中々無いぞ。クラブフロアの前にSuperior・Delux・Delux Corner・Delux Partial Orcean View・Ocean View・Exective Clubみたいにクラブ前にいくつもの障壁を設けるようなホテルは大嫌い。

ひだり みぎ
真新しい建物というわけでなく、ロビーやレストランだけ改装したのかもしれん。もしかしたら、大信コンベンションセンターホテルのアネックス館だけIHGの名前貸しでホリデイインにリブランドしたのかもな。その際にロビーやレストランだけホリデイイン色に染めてみたとかそういった話かも。

部屋:クラブルーム

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うわー、なんか大陸のホリデイインっぽいわぁ。スタイル的にはまんま典型的な中国系ビジホなんだけど、清潔度合いに差が表れている。中国系ビジホの上位互換といったところだな。


40㎡と決して広くはないけれど、シンプルで余計な物がないので窮屈さは感じない。ただ、センスは爺臭いというか古臭いというか、余り自分の好みには合わん。


すっきりとしたデスク周り。

ひだり みぎ

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ウェルカムフルーツは充実してて地元産のミニトマトも頂けたのだが、農薬が怖くて口にできず。

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水周りも清潔だし、シャワーブースとバスタブの両方を完備。中国系ビジネスホテルの殆どはじめったくてかび臭い水周りに大いなる課題を抱えているが、こちらは流石の状態と言えるだろう。


アメニティはホリデイインの標準装備ですっごい貧相だけど。

ジム・プール


ジム…。あれ?閉まってる??


改装中なので、お隣にあるコンベンションセンターホテル一回の施設を使ってくれと。


やっぱりホリデイインとコンベンションセンターホテルは内部で繋がっていた。で、びっくりすろことに、こちら以前はシャングリラホテル中山だったんだと。今や一泊5000円程度のビジホに成り果ててしまってるが。


グーグル先生にもお伺いしたところ、信じられんがどうやら本当のようである。

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ということで、旧シャングリラホテルのジムとプールを利用させて頂いたのだが、混んでること混んでること。


バスローブ姿で運動すんじゃねーよ!なんて思うのだが、寧ろバスローブ姿じゃない方が少数派だったので文句を言えず。

続いてホリデイインに戻ってクラブラウンジへ。

クラブラウンジ


営業時間:15:00-23:00
カクテルアワー:17:30-19:30
クラブラウンジにしては珍しく、午後のみ営業となっている。ということでクラブフロア組みはロビーフロアのレストランで朝食を頂くことができる。

ひだり みぎ
いやー、新しいって素晴らしい。ちょっと手狭ではありますが、ホリデイインの割には頑張った内装です。

ひだり みぎ
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まぁお食事はこんなところでしょう。ラウンジ利用客が多く、チキンナゲットやポテトのベーコン巻きはカクテルアワーの終了を待たずして品切れとなっていた。フルに食事を楽しみたい方はカクテルアワースタートと同時に参戦した方が良いかもしれん。

朝食


ロビーフロアのGreen-Tで。

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こちらもホリデイインにしては及第点で、特にペイストリーが充実。


まぁまぁこんなものでしょう。ただ、やはりクラブ特典をばら撒き過ぎているのでラウンジ同様混んでいて、残念ながら優雅な朝食タイムを楽しむという訳にはいかないだろう。

所感

うーん。ホリデイインだと思って期待せずに行けば失望することのないホテルだと思うし、ポイント宿泊より有償宿泊で特にコスパが高い。300元(≒4,800円)ちょいでIHGプラチナ以上だとクラブフロアがほぼ確約なんですからね。安く乞食活動に邁進されたいというIHGプラチナ会員以上には文句なしにお勧めはできる。

ただ、次に中山に来た時にリピートするかというと、ちょっとそれはないかなぁ。やっぱりシェラトン中山との差が立地・ハード・ソフト全面において大きすぎる。シェラトンも週末3,000スターポイントで泊まれることを考えると、どうしてもシェラトン推しになってしまう。

以上、参考になれば望外の喜びであります。

ホリデイイン中山/Holiday Inn Zhongshan


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ウェブサイト:こちら
住所: 16 Qi Wan Road North Eastern Area, Zhongshan
電話: +86 800 467 1538


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シェラトン中山(中山喜来登酒店)クラブフロア宿泊記

この日は孫文所縁の町・中山の市街地ど真ん中に建つシェラトン中山へ。中山って中国の都市にしては妙な名前だけど、香山(現中山)出身の孫文の号が中山だったことに肖り中山に改名されたんだと。今でも中山は中国に於いて偉人の名前を取った唯一の都市らしく、そんな訳で中山に足を運ぶ度に稀代の革命家・孫文の顔が頭に浮かんできてしまうのである。

学生時代、阿片戦争⇒孫文出現あたりの世界史授業は胸アツで聞いてた覚えがあるw。文革あたりで一気に興味が萎えたけど。

話は逸れたが、シェラトン中山はSPGカテゴリー2で週末だと一泊3,000スターポイント(ウェルカムギフトで500ポイント還元されるから実質2,500ポイント)で泊まれるし、有償でもRMB500ちょい(6,500円)⁺⁺~という高コスパなホテルで、過去にも三度ほどお世話になっていてる。スタッフの当たり外れはあるけれど、概ね対応力のあるメンバーが揃ってるし、ハード面は問題無くシェラトンのスタンダードレベル。コスパの高さは世界のシェラトンの中でも屈指だと思う。

因みに、ここには某I社さんの出張者が大量に泊まっており、I社向けコーポレート契約は税込400で朝食付き⁺18:00までのレイトチェックアウトといった素晴らしく充実した内容になっている。米系ってほんとコーポレートが充実したところが多くて羨ましい限り。
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立地も市街地ど真ん中のリバーサイドと文句の付けどころがなく、外観も高級ホテルそのもの。日本のシェラトンが軒並み超過大評価気味なことから、ここの過小評価ぶりが余計に強調されて感じてしまう。

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ロビーも5つ星水準のグランド感だし、日本のどこぞやのシェラトンと違ってアーリーチェックインにも寛容で、プラチナ会員へのアップグレードに対しても気前が良い。どこぞやの日本のシェラトンには孫文の爪の垢を煎じて飲んでもらいたいものだ。

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チェックアウト後は最新鋭の快速エレベーターで26階のデラックススイートへ。スイートは44室と比較的多いことからスイートへのアップグレード率が高く、小生は3/3と打ち損じ無しの猛打賞を記録。

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独りの滞在には勿体の無いグランドスイートのリビングルーム。

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ソファー席のデスクの他、ワーキングデスクにダイニングデスクと机だけでも3つもあるし、この他にもちょっとした小物が置ける台も多数。

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ベッドルームは珠江に面した2面がガラス張りとなっていて昼は開放的、夜はロマンチック。マットレスはフカフカ、シーツはツルッツルのスベッスベで寝心地も◎。素っ裸で寝たら気持ち良い系のベッドと表現したら共感を得られるだろうか。

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部屋からは岐江公園と珠江が見下ろせる。夏の夜にはライトアップされた珠江でのクルージングも楽しめるし、川の向こうには隋唐時代から800年の歴史を持つ歴史街での買い物も楽しめる。孫文所縁の地を探索して回るにも好都合なロケーションだし。ほんと、立地的にも言う事なし。

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水回りもとてもカテ2とは思えない広さに清潔さ。

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朝食と夜のカクテルアワーは27階にあるリバービューのラウンジで。贅沢にも高層フロアの川沿い側の一面がラウンジに使われていて雰囲気抜群。騒ぎ立てる系の大陸団体客はラウンジアクセスが無い場合が殆どなので客層も問題無し。

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カクテルアワーの食事はガッツリ系からデザートまで幅広い。殆ど住み着いているような白人出張者や駐在者も多いからか、ピザやナチョス、ブリトーと言った白人好みのメニューも多い。


特にホスピタリティ精神に溢れていた日本語勉強中のスタッフは地元で親の面倒見ないといけないからと退職しちゃったけど、他のスタッフも総じてフレンドリーだし、ここのホテルには良い思い出しかない。

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残念な点があるとすれば、それは朝食会場の混み具合だろうか。悪気はないんだろうが、大陸の田舎から大挙して押し寄せてくる団体が煩いのなんの。食べ散らかすし。


相席で目の前にクチャラーが着席しやがるし、周囲には同じツアー会社の帽子を被り大声で喚きたてる爺さん婆さんばかりという劣悪な環境。中国の人はナチュラルに声が大きすぎるので、こういった人の多い所にいると本当に耳と頭が疲れてくるんだ。発狂してるかが如く大音量で喋られますからね、皆さん。こちらではこの大声が寧ろ普通だから注意する訳にもいかないし。

そこそこ客室数のある大陸のホテルの場合、朝食はラウンジで摂るのが無難。
ひだり みぎ
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卵料理も麺料理もあるし、何より静か~な環境で落ち着いて朝食を摂れるのが良い。

同じく中山にあるグローバルチェーンであるヒルトンとホリデイインにも泊まったけど、シェラトンが総合力ナンバーワン。ただ、IHG上級会員だと格安でクラブアクセスが楽しめるホリデイイン中山のコスト面での優位性も馬鹿にはできないので、後日ホリデイインも紹介していきたいと思う。

シェラトン中山(中山喜来登酒店)


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住所: 中国 広東省中山市西区西堤路28号
電話: +86 760 8822 8888
アクセス:マカオや広州白雲空港から車で90分。香港から船と車で90分。


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イビス中山ザ センター(中山中心宜必思酒店)宿泊記

この週末は知人が中山に来てイビスに一泊するとのことだったので、付き合いで自分もイビスに部屋を取ることに。中山にはシェラトンもヒルトンもホリデイインもあるのに、よりによってイビスかよ、と思いたくもなる。立地条件が良い割に一泊1,500円程度から泊まれるバジェットホテルでお財布には優しいんだけど、中国大陸のイビスはアコーの宿泊実績にもカウントされなければポイントも付与されないんでね。ホテラー的には全く無意味な一泊となってしまう。

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中国各都市やマカオ行きのバスストップも近いし、市街地ど真ん中の商店街も徒歩圏内というシティホテルで、「イビス中山ザ センター」という看板に偽りは無い。この日、自分はオンライン決済で120元で部屋を取ることができたが、当日レートは169元~で、4時間単位で部屋を借りられる休憩コースもあるようだ。漢庭や錦江などの中国系チェーンよりも安いし。


部屋数は135らしいが、ロビーの大きさは部屋数50未満のミニホテル。すっごく狭いしフロントスタッフは携帯弄ってるしと、ローカルな緩~い雰囲気のホテルになっている。

格安レートで事前にオンライン支払を済ませていたからか、チェックインは至ってスムーズ。パスポートを提示して速攻でルームキーが渡された。早く携帯を弄り直したいが為だけに急いで仕事を終わらせただけという疑いもあるが。

薄暗くジメジメした廊下を通って部屋へ。カーペットは汚れで色がくすみ、壁にもシミが目立つ。この時点でテンションダダ下がり。


部屋はシンプルで思ったよりは清潔だけど、ちょいと窮屈で閉塞感がある。10㎡くらいだろうか、なんだか学生寮の部屋みたい。ベッドのマットレスも薄くて安っちいし。

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デスクスペースも窮屈で作業が捗らない。立地条件とコストは確かに優れてるので、朝から晩まで町歩きをしてホテルは夜寝るだけ的な使い方なら良いだろうが…。

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水回りも写真でこうして見る分には余り気にならないが、実際はシャワーブースの部分部分が錆びてたりバスタオルもくたびれきった上にシミまで残ってたりと、非常に不快。同じバジェットホテルならIHGのホリデイインエクスプレスに軍配が上がるかな。どうも大陸のイビスは好きになれん。

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ドライヤーは貸し出し製。ハウスキーパーに問い合わせたところ既に出払ってるとのことで空きが出たタイミングでまた持ってきますよ~なんて言われたが、ドライヤーが届けられることは終ぞチェックアウトの時間までなかった。

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チェックイン後、昼間は適当にアテンドをして、夜はホテルの面する交通路にある湘菜館(湖南料理屋)の野外席でヒィヒィ大汗かきながら火鍋をつついて羊肉をかじる。

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ローカルレストランの他、ホテルのすぐ隣にはセブンイレブンもあるので簡単な夜食やビール等の調達には困らない。キリンやアサヒの500ml缶が9.5元(150円)で、ギネスなんかも500ml缶が12.5元(190円)、インスタントの丼飯も15元程度と経済的なお値段ですし。


そしてビビるのはこのコンドームの種類…。そしてそれらがレジ前に堂々と置かれているという配置…。お隣のイビスが「休憩4時間プランもありますよ!」みたいな宣伝を積極的にしてるのには訳があるんだろうな。

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朝は中山港まで知人を見送りしてから、ホテル近くの永和豆乳で豆乳(5元)と水餃子(8元)を。ホテルの朝食はフルーツの食べ残しとトーストが置いてあるだけと朝食の体(てい)すら成してない代物だったので、予約時は朝食オプションを付けずに近くの飯屋で腹ごしらえした方が良い。

うむ。分かりきってはいたことだが、ここは完全に町歩き派な旅人用バジェット宿。ファンシーステイならここから徒歩5分のシェラトン中山をご利用あれ。

イビス中山センター(中山中心宜必思酒店/Hotel Ibis Zhongshan The Center)


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住所:中国広東省中山市中山一路107号
アクセス:中山港からタクシーで30分強(約50元)/新幹線中山駅から25分(35元)


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中国旧正月④正月商戦を戦う香具師に細工師に

普段からワイワイガヤガヤ賑やかな中国ですが、春節(旧正月)ともなると、正月商戦を戦う出店・催し物やら、赤を基調としたド派手な装飾物やらが街頭を派手やかに彩どり、街は更に活況を呈します。


街を歩いていると、前方に何やら人混みを発見。

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観衆が凝視でる先には胡散臭い風貌のオッサンが、言葉巧みに賭け事の挑戦者を募っている。この青空賭博、果たして公安の許可とってやっているのだろうか。Win or Lose。勝つか負けるか100元の大勝負で、余りに怪しい為に群衆は皆尻込み。『度胸ねえなぁ!!』どんどんとヒートアップして挑発的になる香具師に向けられる冷めた周囲の目。結局、挑戦者は現れず、彼の周りにいた観衆も一人また一人と離れて行きました。

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トランプ香具師のお隣にはクサガメ(?)を使った商売人が威勢の良い広東語で集客し、カメを踏んづけたり、ロープで持ち上げてから落とすといったことをしている。甲羅の強度試験か何かだろうか、ただ単純にエンターテイメントの為だろうか。動物虐待もいいところ、正月早々に胸が痛くなる。

中山西路、富華酒店地区では匠の技を活かした細工師の姿が多くみられる。商魂逞しいと言うかサバイバル術に長けているというか、何でも飯のタネにしてしまう当地の商人達のアイディアと技能にはただただ感服する。

数ある露店でも一番の人気は『米上刻字』。読んで字の如く、米の上に文字を書く超精密米粒アートである。

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小さな小さな米粒の上に依頼された文字を書き、最後にカラフルなミニガラスの中に入れて完成。てっきり『愛』とか『美』とか一文字程度しか書けないだろうとオッサンの技術を軽んじていたが、彼の指先の魔術にかかれば米粒一つに何と8文字まで書くことができるのだ!!

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恋愛や健康関連の文字が人気のよう。私は世界平和祈願の為、ここは一つ名匠に健筆を振ってもらった。肉眼でも僅かに確認できる緑のガラスケースの中の米にある『世界和平』の文字。超精密な絶技、何と一つ15元という破格のお値段。

木の彫り物専門の出店も出ています。
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飛騨工ばりの精巧な技術。こちらも驚きのプライスで10元~、日本であったら木材代すらもペイできないような値段だ。



こちらの竹細工匠人は子供に人気。ユーモア溢れる口調で心を掌握された子供は親に購入をねだり、親は職人と値段交渉。すると、にこやかだったユーモアおじさんの目は急にタフなネゴシエーターの目に。ベタ一文負けない姿勢を貫いています。この豹変ぶりにドン引きだが、おじさんも生きる為に必死なのだろう。ちなみに、親御さんの値段交渉は15元⇒13元の2元引き。2元(≒26円)を値切る方も値切る方だが断る方も断る方だ。子供の前での値段交渉は卑しい行為にも感じられるが、中国では交渉事は生きていく上の必要手段。これも教育の一環か。

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先程の子供に同情しつつも中山西路を先に進むと、今度は書道練習用の特殊シートと筆が売られている。これさえあれば墨汁も硯も不必要、水さえあればお手軽に書道の練習に励むことができるというアイディア商品。我が達筆ぶりを中山市の中国人に知らしめてやろうと得意満面に筆を取ると、執拗な営業トークに遭ってしまったので、名前だけ書き残して早々に歩き去る。

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書道道場の前では署名設計師が暇そうにしている。価格は1元からと、これ以上無い超格安オファーが出ているが、周りでは閑古鳥が鳴いている。

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続いて野菜を散らかす初老男性。訛りのある北京語で客の注目を集めながら、大根とニンジンなど根菜類用のピーラーを実演販売。既に実演しまくりで、お隣には大量の剥きカスが。残りの手玉は大根2本に人参3本。頑張れおじいさん!

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これは教育プロジェクトだろうか。1~600迄の数字を順番に右のマス目に書き写すことができれば人形が贈呈される。加筆無し、修正無し!難易度=0、メンドクササ=100。

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こちらでは五星紅旗を掲げた携帯スクリーン屋が公安のガサ入れにあって強制撤去させられている。ルーキー商人か?事前に袖の下を通しておかねば駄目でしょう。

こんな感じのお祭りムードは夜まで続きます。
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皆さん派手~な赤提灯が垂れ下がる広場に大集合。音楽に合わせて舞踊を披露する団体あり、羽根つきする団体ありと、とにかく装飾過多で明るく賑やか。


卓球は国技だけあってレベルが高い。

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こちらでは球投げやルーレットなどの催し物を楽しんでいます。和気藹々と皆さん楽しそう。

中国で迎える初の旧正月。日常的にサプライズを提供してくれる中国にあっても普段は見られないような光景が街に溢れ、通りや広場を冷やかすだけでも十分に楽しむことができました。中国の驚きも楽しめるようになってきたので、何だかんだで中国に慣れてきたのかもしれないな。

中国旧正月③獅子舞

今日の夕方には日本へのフライトが控えているが、今朝は強烈な爆竹の炸裂音と人々の雄叫びによって早くから叩き起こされたので、出発までの時間はたっぷりある。帰国準備を整えた後、街歩きに出かけた。例年は民族大移動とも形容される中国人の旧正月帰省ラッシュの前に中国から避難していたが、今年は仕事の関係で逃げ遅れてしまったので、旧正月三が日を中国で過ごすのは初めてのことだ。

朝早いからか、外に出てみると商店は揃ってシャッターを下ろし、歩行者も疎ら。
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普段の喧噪は鳴りを潜めているが、5分置きくらいに静寂を割って爆竹の威勢の良い炸裂音や人々の騒ぎ声が所々で響き渡る。爆竹音が散発する中を探索していると、利和広場の高層ビル群の合間から、金属を叩いたような音が途切れなく聞こえてくるのに気付く。爆竹とは違い、人為的にリズミカルな音頭が取られているようなので、正月大売出しの客引きか何かに違いない。音の発信源の方角に向かって歩いてみる。

ひだり みぎ
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向った先に見た物は…シンバルや太鼓、銅鑼の音に合せて獅子の頭と尾の部分に入ったそれぞれの楽団員が上下左右に躍動して演舞する獅子舞だ。獅子にはきちんと目鼻口があり、黄色を基調として色とりどりの毛糸や鈴で飾られていて美しく、なんとも威風堂々たる風貌だ。聞けばビルの間でひっそりとリハーサルを行っているらしいのだが、太鼓や銅鑼まで用いてドンドンジャンジャンやっていたら全然『ひっそり』ではない。どうやら今日は彼ら以外にも獅子舞・竜舞行事を催す団体が多くいて、その中でも特に中山市の目抜き通りである中山西路を練り歩く祝舞パレードが一番の規模だろうとのこと。

タクシーを拾いたかったが運ちゃん達も休暇に入ったのか、流しのタクシーが見つからない。仕方がないので公共バスにて中山西路へ移動。

タイミングドンピシャ!今まさにパレードを始めんとしている楽団を発見。周囲にはパレード開始をまだかまだかと待ちわびる四重五重の群衆の輪ができている。早朝の静寂さが嘘のような、ド派手な真っ赤の獅子に群がるやかましく苛立たしい数多の見物客。これぞ中国の旧正月の盛り上がり。旗持ちによる勇ましい大号令(何言っているかは聞き取れない)と共に、練り歩きが始まります。


市文化宮醒獅隊による弘揚獅芸らしい。楽団は獅子2頭の操り手の他、陣営の最前列と最後尾に配備された旗持ちと、シンバル・太鼓奏者からなる音楽隊を含めて約15名で構成されている。


ひだり みぎ
主役となる獅子2頭は肩車をした時には最高で高さ3m超にも及ぶので、近くで見たら結構な迫力である。演者同士のコンビネーションは息ピッタリで、音楽に合せて獅子の躍動を見事に表現している。獅子頭を高く掲げて跳ねて見たり、地上を這ってみたり、自由自在に獅子を操りながら祝舞遊行していきます。

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獅子の飾り気と比べれば派手さは欠けるが、音楽隊も正確にリズムを刻んでいて、熟練度は高い。ただ、ユニフォームの上がダサすぎるのが玉に傷。パンツは正月風で獅子舞に適した良デザインなだけに、シャツの出来の悪さが余計に悔やまれる。


旗持ち2名、獅子使い2名、音楽隊団員6名、その他、井戸端会議をしながら歩く手持無沙汰な団員多数(笑)


ゆーっくりゆーっくりと前進する楽団を後を追う群衆。道を覆い尽くす程の数の人がのらりのらりと前進していくその様子は後ろから見ているとまるでゾンビの行進のよう。この獅子舞団御一行は通りの両脇の商店からの喝采を浴びつつ、中山西路から中山中路までを30分かけて行進。目的は商売繁盛の祈願だったそうだ。私も太鼓とシンボルの奏でる勇壮な旋律とワイルドな獅子の舞で、すっかり気分が盛り上がった。日本の風情ある正月も良いが、中国の血を湧き立てるような派手な正月も中々どうして悪くない。