青の都ことサマルカンドの象徴 レギスタン広場

サンクトペテルブルク⇒モスクワ⇒ビシュケク⇒アルマトイ⇒タシュケント⇒ブハラと巡り、ようやく辿り着いた今回の旅行の最終目的地・サマルカンド。

サマルカンドの宿で荷を下ろしてちょこっと買い出しの為に外の通りに出たら、いきなりこんな幻想的な建物が目の前に出現。パネっすサマルカンド。


これがサマルカンド、いや、ウズベキスタン、いや、中央アジアの代名詞的存在であるレギスタン広場。中央アジア随一の大都市サマルカンドの政治・経済・文化の中心であり、シルクロードを行き交う東西の交易商人により常に活気に満ち溢れていたそうだ。

水を買ってホテルに帰る際にはライトアップが消えていたので、翌朝、リベンジ。

やばす。夜の幻想的なのもいいけれど、昼のエキゾチックな姿も様になる。

古来からシルクロードの要衝として栄えながら、13世紀になりモンゴル軍の襲来によって廃墟と化したサマルカンド。この地を甦えらせたのが、一代で大帝国を築き上げたウズベキスタンの国民的大英雄ティムールおじさんである。サマルカンドを首都に定めたティムールは世界一の都市建設を目指して遠征先から芸術家や技術者を連れ帰り、町の建設に携わらせた。結果、東の中国の陶磁器と西のペルシャの顔料がサマルカンドの地で融合、サマルカンドブルーと呼ばれる鮮やかな青色タイルを多用して築かれた“青の都サマルカンド”が生まれたそうな。

ちょこっとだけ近づいてみると、3つの異なるメドレセ(イスラム神学校)がコの字形に並んでいるのが分かる。

向かって左側にウルグベク・メドレセ、右側にシェルドル・メドレセ、中央にティリャーコリー・メドレセが並んでいるが、これらは同時期に造られたわけではないようだ。

ウルグベク・メドレセ

はじめに、1420年にティムールの孫で、ティムール朝第四代君主となったウルグベクがウルグベク・メドレセを造営。

ウルグベクが一線級の天文学者としても活躍していたからか、星を連想させる模様で彩られていて上品な門構えとなっている。


ひだり みぎ
中には寮の部屋なのか教室なのか、多くの小部屋が設けられた建物があるのだが…それぞれ装飾が凄すぎて圧倒される。

ターコイズブルーと複雑な幾何学模様が織りなす壮麗なモザイク壁画はただただ圧巻。一個一個の建物のユニークなデザインで彩られているし、細部までしっかりと作りこまれてる。

設計通りに作る現場の技術力もそうだけど、こんなとてつもない幾何学模様の集合体を考え付く創造性に寧ろ驚かされるわ。一カ所一カ所をズームインしても見事だし、ズームアウトして全体として見ても調和がとれているし。宗教性云々は別にして、アートとして純粋に美しくて惹き込まれてしまう。


中には当時の学内の様子を表現した絵画なんかも展示されたりと、簡単な資料館機能も備えています。

続いて、残り二つのメドレセも見ていきましょう。
ティラカリ・メドレセとシェルドル・メドレセは17世紀のシャイバーン朝時代に造られたとの記録が残るらしい。サマルカンド=ティムール朝時代の古都と考えていたけど、意外とそうでもないんすね。

ティラカリ・メドレセ


ティラカリ・メドレセもやばい。


何がやばいって、外のモザイクタイルの精緻な模様だけでなく、中にある礼拝堂にあるの中の装飾がやばいんす。


星や植物、解読不明なアラビア文字などをモチーフとした幾何学模様でびっしりと彩られた礼拝堂内部。メドレセ名にあるティラカリとは「金箔を貼られた」という意味らしく、その名の通り、サマルカンドブルーとゴールドが織りなすまばゆい光の世界が特徴となっている。ほんと、アートとしての完成度が高すぎる。


5kgもの金箔を使って建造された“金箔を貼られた”メドレセではあるが、単に金箔で覆い尽くすだけではなく、装飾で芸術性を高めているのが素晴らしい。中国とかだと金を塗りたくって終わりでしょうから。


これ、一見するとドーム屋根のようではあるけれど実は平面になっていて、遠近法を使って丸く見えるようにしているのだと。ずっと見ていると吸い込まれるような感覚になります。

シェルドル・メドレセ


最後にシェルドル・メドレセへ。


ここは門構えの装飾が特徴的で、偶像崇拝を禁ずるイスラム教ではタブーな動物と人間の顔が最上部に描かれている。


支配者が自分の権力を誇示する目的で描かせたと言われているのだが…正面に描かれた人の顔を載せたライオンは威厳があるというかはどこかコミカルなタッチ。ブハラにもシャイバーニー朝の大臣が建てたメドレセに人の顔が描かれてたけど、シャイバーニー朝はイスラムのタブー破りによる集団だったのだろうか。


ちな、ブハラのメドレセに描かれたおっさんはこちら。やっぱりこちらも東洋人でムハンマドという訳でもなさそうだけど、誰なんだろう。


中は他のメドレセと同じ趣きで、中庭とそれを囲む個室で成り立っている。

ひだり みぎ

青だけでなく緑も多用されていて、他のメドレセと比べれば若干カラフルな印象かな。強いて違いを挙げるとすれば。


ひだり みぎ
ドーム屋根も尖塔も装飾びっしりで、ただただ圧巻。

良い目の保養になりましたわ。見応えという点ではやっぱりサマルカンドは中央アジアで一番っす。

【レギスタン広場】

所在地:Registon ko’chasi, Samarqand
電話:+998 66 235 38 26



Booking.com

宿泊記 サマルカンドの宿 Hotel Zarina Samarkand

サマルカンドでの宿はbooking.comで予約したHotel Zarina。宿泊レートは朝食付きで込々一泊US$38。

立地

ひだり みぎ
人も疎らで荒んだ感じの公団住宅の奥まったところにあり、タクシーの運転手も「本当にこんなところにホテルがあるのか!?」と不安気な表情で団地内へと入っていく。


本当にこんなところにホテルがあるのか?と不安に思い始めたところで、よやくHOTELの看板を掲げた建物が見えてきた。ホテルというか、アパートのようなこじんまりとした造り。ただ、大通りから外れているとはいえレジスタン広場から徒歩5分と観光拠点としては悪くないし、スーパーやレストランも徒歩数分圏内にあるので立地条件としては悪くない。

チェックイン


呼びベルを鳴らすと、自称“日本人相手の対応に自信”ニキが眠そうな顔で外の部屋から現われた。そして、その眠そうな表情で何を言うかと思ったら「ようこそ。日本人は大きなベッドが好きなんでしょう?僕は日本人の考えてることが分かるんだ!私が大きなベッドの部屋にアップグレードしてあげましたよ!」と。
狭いより広い方が好きなのは日本人に限ったことじゃないかと思うけど…

ちょいチョイこんな感じの胡散臭い感じを出してくる人もいるけれど、基本的にはスタッフの皆様は親切だしフレンドリー。親身になって旅行のアドバイスをしてくれたり、鉄道駅へのタクシーの手配なんかもしてくれます。

部屋:ラージ ダブルルーム


プール付きの中庭の反対側の建物へ。

ひだり みぎ
部屋は狭い。ウェブサイトには45㎡って書いてたけど、絶対そんなにないわ。アップグレードしたぞ!なんて言われたけど、寧ろダウングレードされたんじゃね?と思えてくる。


まぁホテルでは寝るだけだし部屋の狭さは気にはならないけど、寒いのは本当に辛かった。部屋ごとの暖房設備が無くセントラルヒーターが作動するのは季節限定だそうで…。10月中旬とはいえ朝晩は3-4℃まで冷え込むので滅茶苦茶寒く、全衣類を着て寝る羽目に。

ひだり みぎ
湯船に浸かって暖まりたくともバスタブもギャグのように浅くて小さいし。

朝食


朝食はお洒落なベースメントで。

ひだり みぎ
食べ物はパンにジャム、クッキー、チーズ、サラミ、フルーツ、ゆで卵などなど。飲み物は水、市販のリンゴジュース、コーヒー、紅茶。利用客は他にいないのか、ほぼ貸し切りで食べ放題飲み放題状態だった。あっ、だからセントラルヒーティングを切ってたのか!


必要最低限程度っす。

周辺環境


観光には悪くない立地っす。団地を抜けると直ぐ近くがサマルカンドの象徴であるレギスタン広場ですから。団地の住民向けのスーパーマーケットで酒や軽食なんかも買えますし。

スーパーだけでなく、レギスタン通りから団地に入る角のところにはケバブ屋もあります。
ひだり みぎ
エキゾチックな香辛料と焼肉の香りに誘われてしまい、前を通る度にケバブにがっついてしまいました。ケバブお一つ15,000ソム(≒200円)。

あ、あと注意すべきは支払いっすね。クレジットカード決済ができるとbooking.comに謳われていたのに、ブハラの宿同様、ここでも現金での支払いを求められたっす。立地もホテルスタッフの対応も概ね満足のいくものだったけど、支払いと部屋の温度の問題で全体的な印象としては宜しくない。

Hotel Zarina(ザリナホテル)


Booking.com


所在地: 4 Umarov Street, Samarqand 140100
電話: +998 66 235 07 61


Booking.com