カントーのマングローブクルーズでメコンの大自然を味わう

カイランの水上マーケットを通り抜けた後は、メコン川に浮かぶ島を見学させてもらうことに。


川沿いに並ぶ家々。カイランから10分くらいのところにある集落の船着き場に船を寄せてもらう。


コケコッコーとのニワトリの声が至る所から聞こえるほののんとした島を歩いていると、製麺工場に辿り着く。ミトーで強制的にココナッツキャンディー工場に連れていかれたように、この何もないように見える長閑な島も観光ルートになっている島なのかもしれない。

ひだり みぎ
クレープを焼く要領で生地を薄べったくしてから加熱し、天日干ししてから麺の細さに裁断していく。フォーとは違い、今回はそうめんに近い米粉麺が出来上がった。


ベトナム南部でよく見るフーティウか。麺と一口に言ってもベトナムには様々な種類がある。定番どころのフォー(平たい麺)やブン(断面が丸い)、中華麺で小麦から作るミーに、緑豆が原料で春雨に似たミエン、タピオカなどでんぷんがふんだんに加えられたバインカンなどなど。この他にも様々のご当地製麺方法があり、具材のコンビネーションによっても料理名が変わってきたりするので、それこそ無数の麺料理がベトナムには存在する。こんなとこにも米の産地ベトナムの豊かさが表れているようだ。

さて、ここで、今朝のコーラのお礼とばかりにココナツヤシに穴を開けてストローを突き刺したジュースとバナナをすりつぶして揚げたもお菓子を船頭のお母さんに振舞われる。ヤシの実ジュースはポカリのように栄養価が高く水分補給には持ってこいなのだが、今回はくっそ生ぬるいのが玉に瑕。炎天下で飲む冷えたココナッツジュースは最高に美味いんだがなー。

製麺工場を見学した後はちょいちょいと散歩し、犬と戯れたりして束の間の滞在を楽しみ、いよいよメコンのマングローブへと探検をする時間がやってきた。


川幅の広いハウザンから分かれる支流へと入っていくと、更にのんびりとした風景が広がった来た。メコンの茶色い水にギラギラの太陽と澄んだ空に豊かな緑、そして足元には自然の恵み・椰子の実ジュース。南国へやってきたという解放感に浸ることができる優雅な一時だ。

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ボートはどんどんと自然の中へ中へと入っていく。ここまでくると水草やゴミ、ホテイアオイなどがスクリューに絡みつき、ちょいちょい止まったりする。そのたびにスクリューを水中から引き揚げ、絡まった藻やビニール袋をナイフで切って再運行。まぁ鈍行のボートトリップも悪くない。


川沿いの半農半漁家族の生活ぶりも垣間見える。メコンデルタ地域一帯にはメコン川から派生した多くの分流が網の目のように流れている。これに加えて灌漑や洪水排水,そして交通路として開拓されてきた無数の運河が縦横に発達していて、メコンデルタ全体が水路で行き来できるほどの水路交通システムが形成されている。

ひだり みぎ

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細ーい支流の支流にも水路ネットワークが張り巡らされていて、水郷のような村落でメコンと共に生きる川の民の生活を垣間見ることができる。彼らは皆myボートを保有していて、川の方を玄関にしているようだ。究極のウオーターフロントではないか。


メコンの水の色は泥水色をしている。日本の感覚からすれば汚いというイメージだが、この色はインドシナ半島の奥深くの上流から流れてくる栄養分やミネラルをたっぷりと含んでいるためで、栄養豊かな証拠。そのおかげでメコンデルタの耕地では三期作が可能になる。収穫のたびに川の水を入れればまた土に栄養が行き渡るのだ。もちろん、魚介類やトロピカルフルーツなども豊富にとれ、恵みは豊か。まさに豊穣の水の都・カントーである。

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こんなとこ進むの!?ってところを突き進んでいく小舟。もうここまでくればニュースで見たアマゾン川のようなワイルドな雰囲気。

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川の両岸は熱帯の樹木が川面に覆いかぶさり、ジャングル感がでてきました。

ひだり みぎ

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ウォーターパーム林から抜け出ると、メコンデルタの原風景が一面に広がる比較的幅の広い支流に出た。船頭さんは英語がしゃべれないのでここが一体どこなのか、皆目見当もつかない。だが、逆にべらべらとジョークまじりにガイドをされるよりも、ただ静かに目の前の情景を眺めている方がこのボートトリップに適していると思えるほど、大自然の中でのんびりできて満足だ。


青と緑が永遠に広がる美しい景色の中をのんびーりとボートでクルージング。本当、地球ってすげーーーーーーーーって思わされます。


ジャングルゾーンを通り抜け、出発からたっぷり5時間かけてカントーの街へとカムバック。メコン川の支流沿いに築かれ、コメや野菜、果物などの集積地として19世紀から栄えてきたメコンデルタの首邑・カントー。街の中央にある港には毎朝無数の船が横付けされ、メコンデルタの村々から運ばれてくる産物が荷揚げされ、街角ではトロピカルフルーツやピチピチと飛び跳ねる生きた淡水魚、色とりどりの新鮮野菜に穀物類を所狭しと並べた商店の店から売り子の声が響く。網の目のように広がる水路沿いにはメコンと共に生きる水の民ののんびりとした暮らしが垣間見る一方、大通りでは多くのバイクが行き交い、街は活気で渦巻いている。活気あり、食べ物は豊富で新鮮、物価安いと旅行先としての魅力もあるカントー。ホーチミン市からの日帰りは厳しいが、ベトナム南部旅行の際には一泊してでもカントーまで遠出をし、メコンデルタの魅力に触れるだけの価値は十分にある旅先だ。

船行き交う水の都・カントーのカイラン水上マーケットに見るメコンの生活

本日は朝日と共に気持ちいい目覚め。ホテルのレストランでめちゃめちゃ超特濃・超特甘のベトナムコーヒーと、超特硬のパンを使ったバインミー(ベトナム版サンドイッチ)のコンボを苦労の末に食べきり、約束の10分前の06:50にロビーに向かう。広いロビーにはナイスミドルなオヤジが満面の笑顔をたたえて一人ぽつんとたっていた。昨日のクメール美女のオヤジさんのようで、私をピックアップに来たと英語で書かれたメモ用紙を見せられる。尚も不自然なくらいの物凄い笑顔を継続する彼に促されて潮の匂い漂う埠頭へと歩く。


う~ん、この親父、確かに笑った感じの目元が昨日のクメール美女に似てなくもない。


こちらが本日船頭としてお付き合いいただくクメール美女の母と弟。幸せそうな家族である。今日はカントーからソクチャン方面に約7キロ南下したところにあるカイランの水上マーケットを訪問した後、メコンに浮かぶ小島の散歩を楽しんでからマングローブを通ってカントーの街へと戻る計画だ。水上マーケットは早朝6-8時が賑わいのピークとのことなので、ちょうど良いタイミング。昨晩に市場で調達した菅笠を装着して準備万端、オヤジに手を支えられながら小型モーター付きの小舟へと乗り込んで、いざ出発だ。


レッツゴー!ジャパンナンバーワン!というオヤジによる唐突なシャウトが出港の合図となり、「ガガッ、ガガッ、ガガガガガガアアアア」と小型モーターとは思えないけたたましい爆音を轟かせて出発した。ここから船で30分もすればカイランに到着するとのことだ。(隣に停泊していた船のおばさんもオヤジの突然の叫びに驚きを隠せない様子)


朝から殺人的な日差しが照りつけ、くっそ暑いメコンデルタ。昨晩は風が気持ち良く感じたが、今日は何だか熱風ドライヤーの刑を受けているようで肌が痛い。


出発直後、いきなり数隻の小舟が迫ってくる。太陽の恵みと、肥沃な土壌、メコンの水に育てられた色とりどりの野菜や南国のカラフルな果物やらを満載した商船かなと期待したが、流暢な英語でコーラは如何かと聞いてくる。一本20,000ドン。高いかなと思いつつも、船頭の子供とお母さんにそれぞれ一本ずつ買ってあげる。せめて野菜とか果物とか魚とかを積んでいればまだ風情があるものを、ひょろひょろと寄ってくるのは「コーラ~」「ファンタ~」という気が利かない小舟ばかり。

スゲ笠を被った逞しい女性達が山のように積まれた瓜や青菜やカボチャやニョクマムをのっけた舟を巧みに手漕ぎで繰り、船頭たちが「どけどけ~ぃ」と怒鳴りあう。その間を因幡の白兎よろしく、ひょいひょいと対岸から対岸へ舟を足場にして渡っていくジモティー達…勝手ながらこんな賑やかなイメージがあったんだだがなぁ…まぁ実際にカイランに着いてのお楽しみか。

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出発して間もなくすると、メコン川の両側にびっしりと建ち並ぶ水上家屋や水上商店が見えてくる。川の水で歯磨きをする兄さんと水を飲む犬。その横で仁王立ちして放尿する半裸のおじさん。女性陣は川岸でお洗濯に食器洗いをし、子供は待っ裸でバシャバシャと水遊びに興じている。メコンで生活する人々だ。


トタンをつぎはぎして造った骨組みに布切れをくくりつけただけの簡易住宅だが、確かに家屋の中にはメコンの民が生活を営んでいて、朝食の為にか何かを燻ったような香ばしい香りと煙が漂っている。


舟のガソリンスタンドが雄大なメコン川のど真ん中にプカプカと浮いていたりするのを見ると、本当に小舟が庶民の足であることを実感する。


こちらは現代に甦った高級客船タイタニック号www川辺に座礁した状態で廃棄されていますwww


こんなペースでメコンの景色を楽しみながら20分くらい経っただろうか。同じ方向を目指す船が一隻、二隻と増え、やがて前方には太陽の照りつける雄大なメコン川の上で大小さまざまな船が行き交う姿が見えてくる。物資を満載した大型商船の間を縦横無尽に走り回る商船やら手漕ぎボートが忙しくしているぞ。どうやらカイランの水上マーケットに到着したようだ。彼らは夜も明けきらない頃からメコン川の支流を果物や野菜を船に満載して下ってきて商いをしている。今日は特にキャベツにカボチャ、バナナ、コ コナッツなどを満載した小舟の姿が目立っている。

ひだり みぎ

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凄い。本当に雄大なメコン川が小舟で埋め尽くされている。これだけの小舟の数だ。当然ながら交通事故も発生する。モーターを止め、手漕ぎモードに切り替えていた我々も、カボチャを満載した小舟に衝突した。「ぶつかる!」と思った次の瞬間、「ドンッ」と、腹に響く鈍い衝撃をくらった。
ぶつけられたカボチャの舟に乗っているノン帽をかぶったお姉さんは、びっくりした表情。そして、ぶつけたこちらの船頭のおばちゃんを見て苦笑い。中国だったら、やれ船が破損した、やれ損害を補償しろなど、丁々発止で口ゲンカがはじまること必至。しかし、ここはベトナム南部の長閑な地方都市・カントー。メコンのゆるやかで雄大な流れが、人を穏やかな性質に育むのかもしれない。


うひゃーー、これこれ!いつかテレビ番組で見たような水上マーケットの光景そのものが目の前に広がっているではないか!その規模や商品種類の豊富さ、売り手買い手の活気に圧倒される。陸上の市場と同じように周辺の人々が集い混雑する場所なので、野菜や果物などを扱う大型の卸商船に買い付けの個人ボートが並ぶだけでなく、コンロ付き舟でサービスを展開するフォーの屋台やコーヒースタンド、ガソリンスタンド、ジュースやお菓子を売る雑貨屋などなど、基本的な町の機能はすべて水上で事足りるようになっているから面白い。目玉観光地として整備されたバンコクの水上マーケットとは違い、本当に庶民の庶民による庶民の為のマーケットなのであろう。


小さい船は大型の船のそばに身を寄せ、何やら交渉にあたっている。小さい船の農家の人々が大型の商船に農作物を卸しているようだ。子供の姿が目立つのは、特に大型船で来る商人は家族全員で移動しながら船内で生活をしているかららしい。ここで農民たちから商品を買い取ったメコンの産物を近辺の町々やサイゴンまで運んで売りさばくことで生計を立てているそうだ。


各商船でのお取扱い商品は舟前方に突き出た竿にぶっ挿しています。この無骨な感じがまた味があって宜しいこと。

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カイランではこのようなマーケットが正午くらいまで開かれている。今回は時間的な制約があり行けなかったが、カントーから片道2時間弱、カントーの南西17kmのフォンディエンにも水上マーケットが開かれているらしい。メコンデルタ観光の定番どころであるミトーのメコン川クルーズもあれはあれで良いものだが、カントーは規模が違う。ミトーは地理的にもメコンデルタの入口に位置し、実際にはデルタが垣間見える程度のものと改めて思う。カントーはホーチミン市からちょい遠く日帰りは厳しいが、大都会の喧燥から離れ、雄大な川の流れとメコンに生きる人々の豊かな生活を見る為にも少し奥まで足を延ばす価値は十二分にあると思う。

続いてはメコンデルタの小島とマングローブ探索のご紹介。

カントーの街でメコン川沿いを歩いてみる

さて、ホテルチェックイン時に図らずも明日の水上マーケットツアーも予約ができたので、残りの時間はゆっくりとカントーの街を見て回ることができそうだ。


今回宿泊するカントーサイゴンホテル前のマーケット。

今はまだ閑散としているが、陽が落ちたころから出店が始まり、精一杯背伸びをしてオシャレをしました感丸出しの地元の若者たちで賑やかになる。メコンデルタ最大の都市ということなので、周辺地区からの若いお上りさんも大勢いるのだろう。

このマーケットを横目にホテルから2~3分歩けば悠久の大河メコン川へと出る。チベット高原から流れ出るメコン川は全長4,000m余り、高低差実に 5,000m超の巨大な国際河川だ。ラオス・タイ北部など遥か上流では比較的激しい流れのようだが、最下流のここメコンデルタでは随分と穏やかな流れに なっていて、地元民により日常的に水上マーケットが開催されているという。
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船着き場では野菜や果物、穀物が小舟から荷揚げされる光景が見られ、メコンデルタの豊かさを肌で感じられる。果物だけでいっても、ドラゴンフルーツ、夏蜜柑、ジャックフルーツ、ドリアン、ブンタン、リュウガン、マンゴー、ランブータン、釈迦頭などなど、ありとあらゆるフルーツが実り、魚介類も生息が特定されているものだけで実に1,200種以上に上るという。まさに豊穣の水の都。これらもぎ立てのフルーツや新鮮な魚介類が毎朝多くの小舟に満載され、カイランやフォンディエンで毎朝開かれる水上マーケットで大々的に商いされるのだ。


荷揚げを済ませた後の小舟を使ったメコン川ツアーへのお誘いも盛んで、川沿いを歩いていると引っ切り無しにお誘いの声がかかる。ツーダラーツーダラー言っていたのでもしかしたらツアーではなく対岸に渡るだけの為の料金かもしれないが、如何せん喋れる英語がツーダラーのみのようで、詳しく内容を確認することができなかった。


手漕ぎの小舟だけでなく、観光ボートの客引きも多いこと多いこと。川沿いは遊歩道となって松や柳も植えられ良い感じに整備されているのに、10mおきにシャチョーシャチョーと声をかけられる執拗な攻撃で雰囲気が台無しだ。明日の予定が決まっていないのなら交渉も含めて彼らとのやりとりを楽しめるのだが、既にツアーは手配済みで静かにメコンの流れを眺めたい者にとってはウザイことこの上ない。それに、こんだけ競合相手がひしめく中で営業方法に思考をこらすといったことはなく、皆が皆、まったく同じことを口にしているので相手にしていても面白味がない。視界の隅に相手を捉え、彼らが何か言葉を発するのと同時に手のひらを相手に向けて近寄るなバリアを張ることにしたのだが、バリアの上からでも容赦無く攻撃を受け続ける始末。


まるで象をも倒すと言われた強打の世界的ボクサー・ジョージフォアマンがガードの上からでもおかまいなしのパンチを相手に浴びせかけるような獰猛さでアタックしてくるツアーの客引きたち。彼らから避難する形でカントー市場へと逃げ込むことにした。かつては豊富な生鮮食料品が並び活気に満ちた市場だったそうだが、川沿いの一帯が再開発エリアに指定されてからすっかり様相が変わってしまったようだ。今は東南アジアの一般的な市場のように活気があるわけではなく、どちらかといえば若者の集うオシャレスポットのような雰囲気となっている。


立派な建物の中に整然と店が並ぶ小奇麗な市場で、バンコクのアジアティークを思わせる。入居しているサオホムというレストランもセットメニューVND190,000~と庶民を寄せ付けない高級ぶりだ。かつて市場を賑わせていたであろう果物や食品類といったものは市場の外に追いやられてしまったのか、市場前の通りに細々と果物や綿飴、青野菜の出店が並んでいる。ツアーの客引きが諦めて離れていったことを確認し、道端に並んだ果物の中から柔らかくなった完熟マンゴーを2個選び、おばさんに皮を剥いてもらってかぶりつくと 、濃厚な甘さが口の中に広がる。今まで食べた中で最も大当たりのマンゴー、これが2個でVND10,000(≒40円)という幸せ。メコンの恵みありがとう。


マンゴーを食べ終わり、市場から川沿いを北上すると、左手に中国寺院兼と広肇會舘(中国の広州と肇慶出身者の同郷人集会所)が見えてくる。明の滅亡後、多くの明の遺臣が国内 の争乱を逃れて台湾経由などでメコンデルタに入植してきたそうだ。フランスの植民地時代には、ベトナム人の経済活動に対して強い制限が設けられたのに対し、中国人に対しては制限が弱かったため、世界でも有数の大穀倉地帯のメコンデルタにおいても華僑が米の流通を握り、以後、中越戦争までの間に華僑の入植が加速していったとされている。

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どことなく香港スタイルといった雰囲気の内部には人っ子一人おらず、外の喧騒が嘘のようにひっそりとしている。


続いて、老舗レストラン&ホテルのMekongで食事を摂る。メコンの風にあたりながら真昼間からビールを飲み倒す白人客を中心に繁盛している様子。

ひだり みぎビールは一瓶VND12,000~で、アルコール類で言えばダラットワインやハノイウォッカ、ジン、ラム、ウィスキーなんてのも揃ってる。軽食はバインセオや春巻きいった定番ベトナム料理の他、チャーハン(VND25,000~)焼きそば(VND38,000~)、ピザ(13×26がVND58,000~、26×26がVND98,000~)やスパゲティ(VND42000~)なんて洋食も供される。デブい白人がビール片手に椅子に踏ん反りがえってピザを食ってる光景なんか、ベトナムではなくてアメリカそのものでした。


うわあ、ヤモリが壁を走り回ってるwwwまぁ害虫を捕食して家を守ると言われる益獣だからな…料理に向かってボディーアタックかましてくるわけでもないし、あえてヤモリを飼い慣らしてるのかもしれませんw


肝心のお料理もまずまず。小エビと豚肉のバインセオ(VND40,000)に揚げ春巻き(VND25,000)。これだけ飲み食いしてVND100,000(≒400円)でお釣りがくるというのだから堪らない。


メコンレストランで夕日が落ちるのを眺め、涼しくなったので探索を再開。メコンの川沿いは夜になると家族連れや恋人が集まり賑やかになる。ホーおじさんの像の前の広場が憩いの場だ。死んでもなお遺体が冷凍保存され、tシャツにもなり、銅像にもなりと引っ張りだこのホーおじさん。こんなに民衆から愛されている故人はめったにいないのではないでしょうか。

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ニンキエウ公園横に停泊するクルージングレストラン。クルージングは毎晩19:30に出港で、乗船料はVND10,000。


カントーで上がった活きた魚を使ったメコン料理が楽しめる。残念ながら既に満席のようなので、腹が減ってないこともありクルージングレストランを後にする。


ビールは別腹なので、川沿いのカフェ&バーで一服することに。

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シシャもあります。ミント、レモン、キーウィ、カプチーノ、リンゴ、ブドウ、苺、スイカ、バニラと味が豊富で、小サイズ180,000、大サイズ280,000。ビールは22,000~と、日本に比べれば超格安。暫し川沿いに吹くまったりとした風を浴びながらタイガービールを楽しみ、夜のカントー市場を冷かしてからホテルに戻りました。これでカントー1日目は終了。


夜のカントー市場。地元の若者の憩いの場になっているようでした。

メコンデルタ最大の街・カントーに行ってきた

ベトナムを代表する観光地帯・メコンデルタ。遥か北のチベット高原から4,000Kmを旅する母なる大河・メコン川の終着地点であるメコンデルタには、網の目のように広がるメコンの本支流が織り成す豊かな自然が残されていて、東南アジア屈指の豊穣な土地として世界中から訪れる旅人を魅了する。そんな魅力的な土地柄の為、当然ながら国内外のツアーではミトーやベンチェー、ヴィンロンなどのメコンデルタ各都市へのツアーが鉄板コースになっているのだが、その中でも一番人気の目的地が、今回訪問するメコンデルタ最大の街・カントーだ。大河と共に生きる南部の人々の暮らしと南国の空気を肌で感じ取れる水上マーケット巡りのクルーズツアーなんかが一押し観光コースだとか。ホーチミン市からはファングーラオ・デタム通り周辺の旅行会社がカントーへのオープンツアーを出しているが、今回は同じくメコンデルタの街・ミトーへ日帰り旅行に行った時のように、自力移動で自由度の高い旅行をすることにした。


カントーはホーチミン市から西南に160Kmのことろにあり、ホーチミン市東部に位置するミエンタイ・バスターミナルから05:30~19:00の間にバスが出ている。ここからカントーまでの所要時間は渋滞無しで3時間半だが、ホーチミン市内からミエンタイまでローカルバスで1時間弱、タクシーでも30分はかかってしまうので、バスの待ち時間などを含めるとホーチミン市内から実質5時間程度は見込んでいたほうが良い。


カントーまでのローカル乗り合いバスの運賃最安値はVND70,000。前回のミトー日帰り旅行では最安値のバスがエアコン無しで辛い思いをしたので、今回はバス業界最大手の一つ・Phuong Trang社の大型バスで移動することに。運賃はVND125,000と割高感は否めないが(といっても日本円で200円程度しか変わらない)、設備の清潔感や座席スペースはローカルバスとは雲泥の差で、再大手だけに安心・快適な移動が楽しめそう。参考までにデタム通りにあるSinh Cafeではベンチェー・カントーの一泊二日のツアーが宿泊費交通費込みでVND1,239,000(≒5000円)となっている。こちらはツアーの開始も終わりもホーチミン市内なので、面倒を省いて手っ取り早い旅行をお求めであればシンカフェのツアーを利用されたら良いかと思う。

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Phuong Trang社はベトナム南部中部の交通を網羅する業界最大手だけあって、ミエンタイターミナルの敷地に自社専用ターミナルを設けている。ローカル乗り合いバス乗り場とは違い、物売りなどはすっかり排除されているので静かにゆっくりとバスまでの時間を過ごすことができるが、逆に暇潰しには事欠いてしまう。

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さて、ホーチミン市を定刻通り07:30に出発したバスは、国道一号線を一路南西に走る。これぞ快晴!!という青々と澄み切った空の下に広がる緑の大自然が車窓の外に広がり、あぁ南に向かっているなと実感できる。

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途中、フードコートでの休憩を挿むことに。トロピカルフルーツジュースとバインミーを買って席を探すも、どの机にも食べ残しの皿やら箸やら空き缶やらが散乱していて座る所が無い…食後に後片付けしたくない客側と人が食べた物など片づけたくない店側の思惑が重なり合い、机の上は残飯に群がるハエたちの戦場と化している。単に最繁期でスタッフの手が回っていないだけかもしれんが、とにかくフードコートでの食事は諦め、外の日陰で食おうと思ったら、日陰も全てベトナムの方々に占拠されていた。人、多すぎでディズニーランドみたいな人口密度になっている。

休憩は15分程で終わり、全ての乗車客が戻ってきたことを確認しないままにバスはカントーへ向けて再出発。一応フードコートにはベトナム語でアナウンスらしきものは流れたいたが、客先放置トラブルとか起きないものなのだろうか…

恐らく全ての乗客を乗せたバスは休憩後渋滞なく順調に走り、昼前にはカントーのバスターミナルに到着した。ミトーと同じでバスを降りた瞬間、うわぁーーーーーってバイクタクシーのオヤジたちに取り囲まれるw本当、ウワァァァーーーーーーー!!!って寄ってくるので、かき分けかきわけオヤジの群を振り払いつつ歩いているうちに、市街地までの運賃の言い値が勝手に下がっていくwww最初VND50,000だったのが、ただ歩いているだけで値段交渉もしていないのに40,000、30,000となり、20,000になった。まぁ市街地まではどのみち歩くことができないので、20,000あたりが相場と考えてバイタクで移動することに。


カントー市内の街並み。なるほど、メコンデルタ経済、文化、科学技術の中心都市と言われるだけあって、どこか寂れた感のあったミトーとは違い活気がある。空港や河港、工業団地などもありインフラストラクチャーが安定している為、FDIの伸びが期待されているとのことだ。単なる大自然溢れる南国都市ってわけではないんですね。

バスターミナルから宿泊先のホテルに向かう途中、クメール寺院と思しき建物を発見したので下ろしてもらう。

ああ、やっぱりそうだ。あの独特のクメール文字が刻まれている。プノンペンの黄金寺院と比べれば地味な感は否めないが、それでも道教などの中華系寺院ここカントーの街にあっては異色の建築物として目立っている。

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祠堂内部を見学していると、若いクメール人女性に声をかけられた。肌が黒く、目がパッチリしていてなかなかの別嬪さんだ。ここにお祈りに来たら見慣れない人物(私)がいたので声をかけたそうだ。名前は失念したが、ここカントーのツアリズム専門学校に通っているらしく、中々に流暢な英語を話す。カントーの見所などを語ってもらい、次はカントー博物館に行く予定だと言ったらバイタクで送ってくれた。

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カントー博物館は中々立派な建物のようだ。お礼を言い、クメール人女性とはここでお別れ。1階にはカントーの地理・自然・歴史やオケオ遺跡の出土品展示コーナーなどが並び、2階には抗仏・ベトナム戦争時のカントーの苦難の歴史が紹介されている。なるほど、ここカントーもクメール王朝の勢力範囲だったのか。ならば街中にクメール寺院があるのも納得できる。

【カントー博物館】
・営業時間: 08:00-11:00、13:00-17:00
・住所: 1 Hoa Binh, Cantho.
・電話: 382-0955

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耳のホルマリン漬けにギロチン。

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処刑場に向かう受刑者と、刑務官に抗議をする囚人たち。2階は何か物騒な展示物ばかりだぞ。


そんなこんなでカントーの街をぶらぶらと歩き、ホテルへと移動。夜の画像しか撮っていなかったが、こちらが今回宿泊したSaigon Cantho Hotel。サイゴンかカントーかどっちなんだ!という紛らわしい名前の老舗ホテルだ。ホテル前に夜市が出されるとのことだったことと、メコン川へ徒歩一分というアクセスが魅力で、立地条件を第一にこちらのホテルを選定した。

ホテルに入って驚いたことに、クメール寺院で会った女の子がロビーのソファーに腰掛けているではないか!!「あら偶然。ところで明日はどのようなご予定で?」などと輝く笑顔で聞いてくる。これはまさかのデートのお誘いか?なんてことはなく、前置きは程々に早速ボートツアーの営業トークが始まった。そうか、先ほど迂闊にも私の宿泊先を言ってしまったもんで、恩を売ってツアーに参加させる狙いだったのか。安易に宿泊先を漏らしてしまうとは、どうも若い女性に声をかけられると脇が甘くなってしまうようだ。

彼女の話を聞いてみると、父親がボートを所有しており、明日の朝一でフローティングマーケットに連れて行ってあげるとのことで、タブレットPCで水上マーケットの画像などを見せてくれる。さっきの親切がこの営業の為だと思うと少し寂しい気持ちになったが、まあ恩は受けたので返さねばと彼女の両親によるツアーを受けることに。朝7時に彼女の母親がホテルに迎えに来てくれて、母親の船頭によりカイランの水上マーケットへと向かい、その後は自由にメコンデルタのジャングルを見て回るというプランでUS$40。はぁ。しょうがない。どっちにしろカイザンのフローティングマーケットには行く予定だったので、彼女の言うがままにサインをする。ツアリズムの専門学校に通っているというくだりも獲物を射止める為の嘘だった可能性も高いし、寺院で20分くらい話したが、いったいどこからどこまでが本当だったんだろう。何か悲しくなるなぁ。

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ホテルの部屋と部屋からの景色。夕方になるとホテルの直ぐ外に市場ができて便利だし、メコン川へも徒歩1分で出られるという素晴らしい立地条件。建物自体は古いが清潔だし、朝飯も付いて3000円なら悪くない。図らずも明日のボートは確保できたし、メコン川沿いの探索に出かけることにする。

ミトーのメコン川ボートツアーで南国を感じる

チベット高原から約4,000Kmもの道程をかけてベトナムに流れ入るメコン川は、ベトナムに入った後に2本の大河、前江(ティンジャン)と後江(ハイジャン)に分岐する。ここミトーに流れるのは前江の支流・ミトー河だが、支流といっても川幅3km、満潮時の深さは12mもあるというから驚きだ。いや、驚きを通り越して、嘘でしょうと疑ってかかってしまう。

汚れているように見える茶色く濁った川の水は、プランクトンなどの栄養分や土砂の影響だ。絶え間なく養分を運ぶメコン川のお蔭でメコンデルタ一帯はアジア有数の穀倉地帯となっている。まさに、ベトナムを支える偉大な川。広大な川の流れに揺られながら向こう岸に広がる大自然を眺めていると、大自然の持つマジカルパワーにより、疲れも悩みもストレスも全部吹っ飛んでしまう。

さて、ココナッツ教団の本部跡に見学という今回の旅の一番の目的は果たせたので、後は時間が許す限り船頭さんお任せのツアーを組んでもらうことにした。


貨物船や小型の船が行き交う中、海のように雄大なメコン川を渡り、フーン島のお隣・タイソン島に上陸することに。11km×1kmの長細~い形をした島で、外から見ると一帯が緑に覆われているが、この島には6000もの人が住んでいるそうだ。


島の埠頭を歩き出して3分、早くも休憩が入り、ジャングルを切り開いた中に建てられたレストハウスの席に腰掛ける。ぽつんと置かれた巣箱と周りをぶんぶん飛び交うミツバチの群れ。どうやら蜂蜜農園のようである。島中至る所に生えているニッパヤシで葺かれた屋根があるので直射日光は当たらないが、メコンデルタだけあってとにかく蒸し暑い。着席と同時に汗噴射。

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席に着くなりあれやこれやと蜂蜜プロダクトが目の前に並べられ、日本語で書かれた案内書きをスッと手渡される。あぁ、休憩ではなくてツアーに良くある提携店巡りの一貫か。

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冷蔵庫がない場合には、100mlの蜂蜜の中に溶かしてお使いください。ローヤルゼリー50gに対し100mlの蜂蜜が目やすとなり、およそ1年間はご使用いただけます。

お傷にも有効です。」

とのことだ。美容はどうでも良いが、出されたハニーティーは確かに濃厚で味わい深い。竜眼の花の蜂蜜が使われているそうだ。ミツバチも蜂蜜の匂いを感知してお茶へとダイブ

ローヤルゼリーは飲用だけでなく、化粧水に混ぜて使ったり、パックに混ぜても効果が高いそうだ。美容はどうでもよいし、そもそもシワシワのお顔をした女性に美容効果高し!と言われても説得力が無い。まぁ美味しい土産にも良いかなと思って価格を聞くと、10gでUS$10だそうだ。高くない?100g買うとおまけしてUS$90になると言われてもなぁ…こういった物の相場感覚に疎いので間違ってるかもしれないが、現地の物価感覚と照らし合わせると余りにぼったくられていると感じたし、美容マニアでも自然食マニアでもない為、ここは悪いが何も買わずに退散。だってホーチミンからミトーまでのバス運賃がUS$1ちょいの世界ですよ…因みに帰ってネット検索したら台湾産100%竜眼蜂蜜が250gで1,000円そこらで売られていたので、やはり日本人の足元を見て馬鹿げた価格を提示してきていたようだ。

ひだり みぎ
続いて果樹農園の食堂のようなところに移動し、この島で取れたトロピカルフルーツとハス茶が供される。不当な料金が発生しないことを二回も三回も確認したうえで試食、これがまた美味い!周りでは各国観光客に対して恒例の歌の押し売りが行われているようで、チップの強制撤収が行われていた。徴収後、態度悪くチップを数えている演者の姿を見てげんなりする。みんな生活かかってるからチップ集めに精を出すのは分かるが、チップ数えは露骨すぎるんでバックステージでやってくれ。

ひだり みぎ
と思ってたらこっちにも来てしまいました、強制音楽ショーの一団が。席に着いた私の目の前にも使い古されたニ胡、月琴、ギターなどを携えた中年男がおもむろにどっこいしょと腰を下ろし、有無も言わさず演奏開始。演奏団員の数はみるみる増えて、5人によるホタルノヒカリのコーラスが始まった。何だか知らんが肩まで揉んできて、手拍子するよう促される。距離近すぎだろ。なんだよ肩もみって。音楽は正直ちょっと微妙でしたが、フルーツは生ぬるいが甘くておいしい!まぁフルーツ代金と思ってチップは払いましょう。じゃないと解放されないですし。


演奏中は至極無表情だったが、カメラを向けるとニッコリお姉さん達。チップを払い過ぎたか。


生演奏の押し売りを楽しんだ後は、南国の果樹の間を探索。あちらこちらに鶏が駆け回り、そこら中にジャックフルーツの実が木の幹や枝にすずなりになっている。


こんなずんぐりとして重そうなジャックフルーツの実は初めてお目にかかる。こんなんが至るところにゴロゴロとしてるわけですわ。他にもバナナやパパイヤ、マンゴー、ドラゴンフルーツ、カスタードアップルなどのトロピカルフルーツが採れるよう。もう、地上の楽園、パラダイスのよう。これぞ南国といった趣のある景色が広がっています。


しばらく歩くと、前方に小川が見えてくる。手漕ぎボートのクルーズの出発点だ。これが恐らく水戸―ツアーのハイライトであろう。南国気分を味わえます。


モーターボートの船頭はこの小川の先で待機してくれているとのことで、一旦お別れ。木造の簡素なボートに乗り込み、前後に配備された船頭の巧みな操舵により、両岸にニッパ椰子の生い茂る川幅2m程度の狭い水路を、ゆっくりとゆっくりと進む。


手漕ぎボートを使い、熱帯植物を横目に住民の平和な生活をのんびりと見渡せる。ニッパ椰子に囲まれた涼しい小川を静かにボートで進んでいると、目も心も和む…はずだったのだが、船頭が本当にウザイ。やれ疲れた、やれ大変、やれ手が痛い、やれ遠い、やれ僕の家は貧しい、チップくれチップくれチップくれと。いい加減にしろよムードキラーめ。反対方向に走る小舟の船頭も、擦れ違い際に、船頭にチップを渡してやれとか言ってきやがる。全てが台無しで気分悪い。気分が悪いと何だか急に全てがつまらなくなる。ワニも象も現れなければ、原住民の襲撃も滝もなにもない。単に船頭が厭味ったらしくチップせびりの小言を言うのを聞きながら川の中を延々とすすむだけのクルーズじゃないか。一気に幻滅だ。

ひだり みぎ


目を凝らせば生い茂るニッパ椰子の木々の合間からメコンデルタに生きる人々の生活の一端も窺い知ることができるが、家々を通り過ぎる度に船頭が we are very pureと吐き捨てるので本当に嫌気がさす。

小川を抜けるとまた広大なメコン川に合流し、そこでモーターボートに乗り換える。胸糞悪かったのでチップは最小限のVND20,000。これで手切れだと思ったら、足りないとか言いやがって、小舟を止め、モーターボートまで運んでくれない。ふざけんなよ本当に。私の姿に気が付いたモーターボートの船頭がこちらまでやってきて救助してくれたが、糞ガキ船頭はモーターボートの船頭兼ガイドにベトナム語でぐちぐちと言っていた。


続いてはココナッツキャンディー工場へと向かう。工場といっても民家の作業場に毛が生えた程ののんびりとしたところで、全て手作業で和気あいあいとした雰囲気の中でキャンディーが作られている。


ココナッツミルクと麦芽に砂糖を大きな鍋で煮詰めたものを薄く伸ばして型で棒状にしたり、きれいにカットして紙に包んだりして製品に仕上げている。ココナッツの果汁は水代わ りに飲み、殻の内側についている果実からキャンディーを作り、殻も捨てることなく煮詰める為の燃料として使うので、余すことなく椰子を利用したエコ工場とのことだ。ここでは固まる前のキャンディーを試食ができ、気に入れば即売場で出来立てほやほやのキャンディーを購入できる。まぁキャンディーというよりはキャラメルといった感じだろうか。生のココナッツをそのまま使って作っているので舌触りがざらっとしていて粘りっ気があるので万人受けはし難いだろうが、噛めば噛むほど自然の甘味が豊かに感じられて私は気に入った。が、値段を聞くと、1袋(100gくらいだろうか)がUS$10。おいおい君たち、ボートでミトーの街に行ったことがあるかい?ここらの物の値段をご存知かい?いくら手作業とはいっても、ここで工程を見させてもらったので大体の原価は分かってるし、流石にも1袋1000円はないんじゃないのかな。って率直なこと言ったら、素直に間違えたと認め、一袋VND50,000(≒US$2)で良いから買ってくれだと。なんなんだよ一体…

ひだり みぎ
ミトーの街に戻った後は、メコンデルタの郷土料理であるエレファント・フィッシュという川魚の唐揚げを食べに行く。アフリカから中近東に分布する雑食性の淡水魚のティラピアの亜種で、メコン川で沢山取れる大きく平べったいブサイクな魚だ。突きだした鼻が象のようにみえることからエレファントフィッシュと呼ばれているらしい。白みをほぐし、野菜と一緒に巻いて食べる。見た目は野趣あふれれ、迫力もあるが匂いもある。多分お店によって味付けが違うと思うが、私が食べたメコンデルタ沿いのレストランのエレファント・フィッシュはお世辞にも美味しいとは思えない代物であった。

こんな感じでミトーの日帰り旅行は終了。ココナッツ教団跡の訪問後の養蜂場⇒果樹園⇒ココナッツミルク工場見学という流れは、ミトーの船になったら嫌でも連れて行かれる鉄板コースのようだ。当然、見学というのは名目で実際には販促を受ける。ついてくるガイドさんも敵の一味のようで、気を許すとものを売りつけられるのでこれまた注意が必要だ。如何せんツアーで行く先々の人達が観光客ズレし過ぎてて、ちょっと不快になることもあるが、それでもホーチミン市から日帰りでこれるので、気軽に南国気分を味わうにはもってこいの街であるとは思う。