もう随分と前のことのように思えますが、去年の9月末から10月にかけ、2週間の休みを取ってロシアと中央アジアを周ってきましてね。駆け足での周遊になったので内容の薄い旅行になってしまったのですが、備忘録として覚えてる範囲で旅行記を書き残していこうと思います。
先ず、旅程からおさらい。成田からヘルシンキ経由でロシアへ飛び、サンクトペテルブル・モスクワをサクッと観光してから中央アジアへ。キルギスタン・カザフスタン・ウズベキスタンというスタン諸国でも安全そうでビザも要らないスタン諸国の入門コース的な3か国を巡り、最後は怒涛のS7航空3連発でロシアを経由して成田に戻るという旅程。
本当はアフガニスタンのバーミヤンにある仏教寺院にも行きたかったんですけどね。 国全体が真っ赤っ赤で、行ったら自分が仏になりかねなかったので断念した。
成田⇒ヘルシンキ:フィンエアー C ヘルシンキ⇒ペテルブルク:ノルディックリージョナルエアラインズ Y ペテルブルク⇒モスクワ:ロシア航空 Y モスクワ⇒ビシュケク:アエロフロートロシア航空 Y ビシュケク⇒アルマティ:エアアスタナ Y アルマティ⇒タシケント:エアアスタナ C タシケント⇒ブハラ:ウズベキスタン航空 C ブハラ⇒サマルカンド:陸路 サマルカンド⇒タシケント:陸路 タシケント⇒ノボシビルスク:S7航空 C ノボシビルスク⇒ウラジオストク:S7航空 C ウラジオストク⇒成田:S7航空 C
利用した航空会社は全7社で、Cが6発にY4発。こうしてみると、短期間でよくこんな乗ってきたわと思う。鉄の尻の称号に相応しい乗りっぷりでしょうw
ということで、ロシアに向けいざ出発。 旅のオープニングフライトはフィンエアーのAY072便ビジネスクラス。搭乗券からしてトナカイが描かれていたりとフィンランド感満載で、チェックインから旅気分を盛り立ててくれる。フィンランドと言えば篤志家サンタクロース氏の根拠地ですからね。まぁ今回の旅行ではサンタとトナカイには悪いがフィンランドはスルーなんですがw もう一つ、チェックインカウンターで習ったフィンランドに関する豆知識なんですが、ヘルシンキって日本から最も近いヨーロッパの主要都市なので、日本から欧州各地へ向かうトランジット客も増えているんだと。 いやいや、距離的にはモスクワの方がどう考えても近いっしょ。メルカトル図法による歪んだ地図の罠で実際はモスクワの方が遠いのか!?と思って調べたら、やっぱりモスクワの方が距離的には近い。でも、直行便のフライト時間的には成田からモスクワに飛ぶよりヘルシンキに飛んだ方が微妙に短いので、そういった意味で「日本から最も近い」と表現して乗り継ぎ需要を取りにかかってるんだろうな。一々、モスクワの方が近いだろ!なんてクレームを入れてはいけません。
ラウンジ:成田空港カンタスビジネスラウンジ フィンエアーの成田空港での指定ラウンジはサテライト側2階にあるカンタスラウンジ。カレーを食べる気分でもなかったので、おとなしくJALのラウンジはスルーして指定されたカンタスラウンジに直行する。
Qantas Business Lounge営業時間 08:30-21:30
スタイリッシュで広々としたラウンジ内は、いつも大衆料理屋かのように込み合うJALのFラウンジとは大違いの空きっぷり。時間帯的なこともあるのかもしれんが、これなら絶望的に込み合うJALラウンジからの退避先として使うのも良いかもしれんな。
帆とtミールもビジネスホテルの朝食並みには用意されている。品数だけで言うとJALのFラウンジには劣るけれど、まぁこれだけあれば及第点でしょう。
ビールサーバーや日本酒もあるし、アルコールも文句のないラインアップ。
フライト:フィンエアーAY072 成田⇒ヘルシンキ ラウンジでは特に何を食べるでも何を飲むでもなくただただ飛行機を眺めてぼーっと過ごし、搭乗開始時刻となったのでゲートへと向かう。 サングラスをかけたような目が特徴的なフィンエアーのA350。
フィンエアーを擬人化したらこんなクールな北欧スタイルなイメージ。サングラスをかけたすかしたスカンジナビア人みたいな第一印象。
機内の座席構成はこちらの通り。 ビジネスクラスの座席は多めで、リバースヘリボーンで全12列。ビジネスクラスが46席、エコノミーコンフォートが43席、エコノミークラスが208席の計297席という仕様。 参照元:https://www.finnair.com/jp/jp/flights/fleet
今回は欧州数か国の周遊ツアーに参加されるご年配の方が非常に多く、彼らの後についていくいく形で搭乗する。ぱっと見、搭乗率9割、平均年齢60歳超という高齢フライトだ。 マリメッコ柄の紙ナプキンに、フィンランドらしい色合いの爽やかな客室照明、中央頭上の荷物棚を取り払った解放感ある最新鋭機の機内。乗った瞬間にこれだけテンションが上がるこれだけ機体も珍しい。
今回は窓側最前列の席を選択。プリセットされたマリメッコのクッションが良いアクセントになっていて、自然豊かなフィンランドの針葉樹林や湖を連想させるような柔らかな緑と青の色調がフィンエアーらしくて良い。
充電口や操作系のスイッチは手が届きやすい場所に集中。マガジンラックとボトルホルダーは足元に配置されている。個室感は無いが、逆に開放的で狭苦しくないし、座席周り全体がスッキリとした設計になっているので居心地は良い。
通路側のアームレストはボタン一つで内部に収納できたりと、限られたスペースを駆使して座席空間を快適にする為のギミックが豊富に取り込まれてる。
他にも、フィンランドならではのアイディアとアイテムが目白押し。マリメッコのクッションやテーブルウェア、紙ナプキンにスリッパ、布団カバーにアメニティポーチ等など、30過ぎのおっさんに対しても容赦ないマリメッコ攻めが…。
いやいや、このスリッパはいくらなんでもきついでしょ…と思ったけど、マッチョでいかついヴィンディーゼルみたいなスキンヘッドの北欧系男もこれを履きこなしてたので、意を決して自分も履いてみることに。フィンエアーでは、老若男女問わず乗客皆が可愛らしい恰好を楽しめます。
機内販売でもフィンランドならではの商品が揃ってる。そういやムーミンもフィンランド発でしたね。ムーミングッズ、マリメッコ、イッタラのグッズや、フィンランド産のジンやウォッカといったスピリッツが機内誌の主役。
こうしてシートと戯れていると、日本人のベテランCAの方がウェルカムドリンクをもってやってきた。シャンパンはJoseph Perrier Cuvee Royale Brutで、フィンランド発のイッタラのグラスで提供される。Unique Nordic Experienceの幕開けだ。
フィンランド美人のCAじゃなかった点が誤算だったが…ウェルカムシャンパンを飲み干し、定刻通りにテイクオフ。
離陸直後は暫く揺れが続いたが、中国黒竜江省を越えたあたりで飛行が安定。ちょうどロシア領空域に入ったあたりでシートベルトサインが消え、ハバロフスク上空でランチサービスが開始となった。
前菜: -秋の七草花織り箱 -サーモンのマリネ、マスタードマヨネーズ、ポテトサラダ 以上、二択。 日本発の便ということもあり前沢リカシェフ監修の日本食も用意されているようだったが、せっかくなのでサーモンを選択。冬眠明けの腹をすかせたシロクマのような勢いでがっつかせて頂きました。これは文句なしに美味い。日本のサーモンだろうけど。
最新メニューはこちらのフィンエアー公式ホームページで確認可能
https://www.finnair.com/jp/jp/business-class-menus
https://www.finnair.com/jp/jp/business-class-menus
メインはサーモンと迷ったが、アペタイザーでもサーモンを食べたので、ここはビーフに宗旨替え。朝食を抜いてたのでがっつりした物を食べたかった為の選択だったのだが、肉が異常に硬くて若干後悔。やはりサーモンが当たりだったのだろうか。
昼食メイン: -牛フィレ肉とキノコ炒めの白味噌マスタード添え 胡桃俵御飯 -サーモンのグリル 蟹あんかけ、がんもどきと野菜の煮物 -シェフのおすすめ -サラダ:パストラミまたは赤チェダーチーズ -フィンランド風サーモンスープ 以上、五択。
食後のデザートはチーズプレートで。
デザート -チーズ:カマンベール、スティルトンブルー、コムテ -アイスクリーム -プティフール -コーヒーまたは紅茶
これでも食べ足りない!という食欲もりもりな大食漢の方々には、セルフサービスのスナックコーナーも用意されている。
また、食事だけでなく、機内エンターテイメントシステムも優れモノ。機内サービスや消灯時間のタイミングが表示されていたり、ルートマップもスワイプでの地図移動やピンチイン・ピンチアウトでの拡大縮小にも対応。ルート上に現れる主要都市をクリックすれば観光地情報まで表示されてきたり。もうここまできたらトリップアドバイザーなんかもマップと連動すりゃいいのに…と思ったら、wifiまで普通に使えてトリップアドバイザーにもネット接続できました。 ビジネスクラスの乗客とフィンエアープラスのゴールド会員のはwifiが1時間無料。有料で使おうと思うと1時間=7.95ユーロ、3時間=11.95ユーロ、無制限=19.95ユーロという料金体系。
日中のフライトだけど、デザートコースまで終えたところで消灯。A350は一世代前のA330機より騒音レベルが20%も下がったほか、湿度管理もばっちり。湿度に関してはよう分らんかったが、機内は確かに静かで、備え付けのBOSEのクワイエットコンフォート25を装着してたら雑音は殆ど気にならずに休めました。
おっさんの寝床とは思えぬ可愛らしさ、どうですかこれ。シートはちょっと固めだけど、スペースにゆとりがあって寝心地は悪くなかったっす。
シャーデーみたいな雰囲気の北欧出身女性ボーカリストの音楽を聞きながらうとうとしていると、中央シベリア高原上空で機内の照明が7色のオーロラ色に。北欧の伝統的なコーヒーブレーク“フィーカ”の時間だ。
コーヒーと合わせてフィンランドの定番スイーツというシナモンパイとプティフール、ファッツェルのチョコレートが振舞われた。Kahvikutsutといって、午前中にアジアを出発する便限定のサービスらしい。
そして…コーヒーブレークも束の間、間髪入れずに着陸前の軽食が…どんだけ食わせてくれるんですか!
軽食: -焼うどん -ハーブチキンのミックスサラダ 以上、二択。
アルコールリストも充実。オリジナルカクテルも美味しかったし、メインの牛肉以外は素晴らしい飲食体験だった。
【ドリンクリスト】 シャンパン: Joseph Perrier Cuvee Royale Brut
白ワイン: Wittman Riesling Spatlese Alzeyer Sybillenstein 2017, Rheinhessen, Germany Chamisal Monterey Chardonnay 2016, Monterey, USA Mirabeau Pure Rose 2017, Cotes De Provence, France
赤ワイン: Chateau le Coteau 2015, Cru Bourgeois Margaux, France La Braccesca Vino Nobile Di Montepulciano 2016, Tuscany, Italy Sander Lossterrassen Spatburgunder 2016, Rheinhessen, Germany
デザートワイン: Dr L Riesling Ice Wine 2014, USA
デザートワイン: Graham’s First Flight Colheita Port 2003, Douro Portugal
カクテル: Golden or Blue Sky Napue Gin and Tonic Double Bilberry Salmarikossu
9時間半なんて、ほんとあっという間ですね。最後にフィンランド産ジンベースの脳天直撃系カクテルを飲んでグラっときたところで機内サービスはタイムアップ。シートベルト着用サインが灯され、機体はヘルシンキに向け高度を下げていく。 窓の外に広がる樹木が完全に北欧のそれ。
いやー、良かったですフィンエアーのA350。ここまで来てフィンランドに入国しないのは残念ではあるけれど、ここからトランジットでロシアのサンクトペテルブルへと向かいます。