ヤンゴン国際空港に着いた私を待ち受けていたのは愛しの現地妻…なんてわけはなく、無数のむさ苦しいタクシー運転手の集団が鼻息荒く獲物の到来を待ち構えていた。
先ずはSIMカードが欲しかったので客引きをいなしながら歩いてると粘着性の高い4人の運転手がネチネチと付きまとってきて、交渉もしてないのに運転手間で勝手に値引き合戦が繰り広げるではないか。そもそもタクシーに乗るともどこに行くとも言ってないのに、何故だか料金が10,000チャットが9,000チャットになり、9,000が8,000になっていく。 SIMカードを買ってる最中にも値引きが続き、最終的に7,000チャットまで落ち着いたので、7,000チャットの条件を提示した男の中で一番誠実そうな男にヤンゴン市街地のホテルまで送ってもらうことに。
さあいよいよミャンマーだ!意気揚々とタクシーに乗りこむと、車内の閉ざされた空間に元気良く飛び交う飢えた百万の蚊が…ホテルに着く前に血液全部吸いとられる勢いだったんで、猛暑のなか窓を開けて移動する羽目に。
道中で軽い渋滞に巻き込まれながらも、空港から1時間弱程で到着した宿泊先のシャングリラホテル。市街地ド中心のスーレーバゴダ通りとボージョーアウンサン通りの交差点に位置し、スーレーパゴダ・ボージョーアウンサンマーケット・ヤンゴン中央駅・聖マリア大聖堂といった主要観光地は全て徒歩圏内と、ヤンゴン観光の拠点として最適のホテルである。
7年前と比べるとヤンゴンの宿泊費の相場は随分と下がったわ。前は1万円出しても3つ星ホテルクラスしか泊まれなかった記憶があるが、今やヤンゴン外資系ホテルの象徴シャングリラでも1.5万円++~、4,000-5,000円前後の3-4つ星ホテルも増えてきた。 pic.twitter.com/bLb07cIhaw
— ポンズ (@Worldtravelog) 2018年1月7日
今回のルームレートはラウンジアクセスの付くホライズンクラブルームでUS$164++。前身のトレーダースホテル時代はヤンゴンの宿泊施設が不足していたことからUS$300超++~と超強気レートが出されていたと記憶しているが、ヤンゴンのホテルの供給不足も解消されつつあるのかな。神の見えざる手に導かれてここ数年で随分とホテル相場が下がった感がある。US$50程の手頃な3-4星ホテルも増えてきたし。
パブリックスペース
荷物検査を済ませて爽やかなシャングリラの香りに導かれるようにホテルの中へと足を踏み入れると、ヤンゴンの街とは別世界とも思える華やかな空間が広がっていた。都会のど真ん中のオアシスのような極上のリゾート空間を提供するシャングリラのブランドスピリッツはミャンマーでも健在だ。
とてもミャンマーとは思えない、落ち着きと安らぎに溢れたホテル内。ドアマンからレセプションスタッフまで皆さんニコニコ笑顔で歓迎してくれたりとスタッフのホスピタリティ精神も実に素晴らしい。
二階には飲茶や広東料理が楽しめる夏宮と、ダークウッドのインテリアがイカしたオールドブリティッシュスタイルのギャラリーバーも。
スーパーマーケットやレストランが入るショッピングモールともホテル内部で繋がっているし、一歩ホテル内に入ってしまえば外に出る必要も無くダラダラと引き籠るといった楽しみ方もできる。
海苔みたいな眉毛した怪しげな仮面男に飴玉もらったやで。フェスティブな雰囲気最高や pic.twitter.com/l6cIqqGOtB
— ポンズ (@Worldtravelog) 2018年2月16日
こんなイベントも催されたりするし、ミャンマーの中でもシャングリラホテルの周辺だけ華やかすぎて完全に別世界。
さて、この時点で未だお昼前。規定のチェックイン時間まで未だ2時間以上あったけど、思い切ってフロントスタッフにチェックインのお願いをしてみることに。すると、ラウンジにてチェックインの対応にあたりますと、21階のクラブラウンジまでエスコート頂くことに。
ここで女教師風インテリメガネを装備したラウンジスタッフへと引き継がれ…お部屋はご用意できてます(メガネクイッ)とのことで、キンキンに冷えたおしぼりとドリンクで火照った体をクールダウンしながらチェックイン。ラウンジスタッフはプライド高そうというか、ミャンマーのホテルカーストのトップでゴッド級のシャングリラホテルに務めてるワタクシ感全開な女性が多かった。
部屋:ホライゾンクラブルーム
ご用意頂いた部屋はラウンジから歩いて10秒のホライゾンクラブルーム。
ルームレートが他国のシャングリラより遥かに安かったので心配だったが、ベッドの背後に飾られた絵画が妙に安っぽい点を除けばシャングリラクオリティは概ね確保されている。
全体的には温かみのある落ち着いた雰囲気で、随所に散りばめられたアジアンテイストな調度品がエスニック感を醸し出している。
今回の滞在で一番の衝撃はタマリンドキャンディー。こんな激マズな飴は初めて口にしたというレベルの物で、申し訳ないが速攻で吐き出してしまった。食べ物というより部屋を彩どるエスニックインテリアの一つとして捉えておいた方が良い。
水周りはシャングリラにしては多少窮屈だったかな。やっぱり元々シャングリラ系列の中でも中級ブランドのトレーダースだけあって、部屋の間取り自体がちょっと手狭な感じは否めないか。
アメニティもロクシタンだけど、一回使い切りくらいのミニミニサイズ。容器が硬すぎて潰せないので、粘度高めで容器を傾けても落ちてこないコンディショナーを使うのに非常に苦労した。
クラブラウンジ
営業時間は06:00-22:30。06:00-10:00(週末は-10:30)には朝食、17:30-19:30はカクテルアワーが楽しめる。先述の通りチェックイン・チェックアウトも可能なので、早く来すぎて部屋が無い場合などは、部屋が用意出来るまでラウンジ内で寛いで待たせてもらうなんてこともお願いできる。
カクテルアワーに来てみたらガラガラ。ちょっと天井が低いかなと思うくらいで、内装は豪華だし高層階で見晴らし抜群だしとで、ラウンジの雰囲気は悪くない。
こんな抜群の見晴らしですから。足元近くにはヤンゴン中央駅やスーレーパゴダも見下ろせ、緑たっぷりで長閑なヤンゴンの町の奥には黄金に輝くシュエダゴンパゴダの姿も。
長いこと国交を閉ざして軍事政権下置かれてきたわけで、良くも悪くも昔のままの街並みというか。なんでミャンマーがアジア最後のフロンティアと呼ばれるのかが分かるような長閑な風景である。これでもミャンマー最大の都市の市街地ど真ん中ですからね…。
せっかくなのでシュエダゴンパゴダでも見ながら腹ごしらえ…と思ったけど、ホットミールは「ロールキャベツ」「揚げ豆腐」「春巻き」のみとちょっと残念な内容。
ドリンクも他国のシャングリラホテルと比較すると激しく物足りないか…。
ホットミールもアルコールもショボショボだけど、フルーツとフルーツジュースはマイウ。完熟パパイア2~3個分くらいは頂いた。こんな美味いパパイヤやらマンゴーやら竜眼やらが一年中穫れるとか豊かすぎるよミャンマー。
朝食
朝食は1階のオールデイダイニング“カフェ スーレー”またはラウンジで。
初日はレストランが激混だったのでラウンジで頂くことに。
卵料理がメインだけどオーダーメニューもある。
サーモンとスクランブルエッグをオーダー。ブッフェメニューは少なかったので、やっぱり1階レストランを利用した方が良いと反省。二日目は混んでいてもレストランで朝食を頂くことに。
1階レストランは混んでてガヤガヤしてるけどミールは和洋印緬と充実。
いやー、なによりインド料理のクオリティの高さに驚かされた。なんでも、イギリス植民地時代に大量に連れてこられたインド人の末裔である印僑が今でも相当数残っており、ヤンゴンでは本格的なインド料理も食べられるそう。
インド料理以外も普通に美味しかった。ヤンゴン駐在になったら毎週来ちゃうだろうな。と思ったら、やっぱり非宿泊者の利用も多いみたい。
所感
アジア最後のフロンティアにある桃源郷。ヤンゴンでは他のホテルに泊まったことがないので比較はできないが、立地的にもホテルと従業員の質的にも、ヤンゴン観光の拠点としてはシャングリラ以上のホテルはないかと思う。ただ、ホライゾンクラブで予約する必要性は余り感じなかったかな。近くに飲み食いできるレストランもあるし、ルームサービスや二階のギャラリーバーを利用しても大した金額にならないので。
【スーレー シャングリ・ラ ヤンゴン(Sule Shangri-la Yangon)】
Booking.com
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住所 No.223, Sule Pagoda Rd., G.P.O Box 888, Yangon, Myanmar
TEL 951-242 848 FAX 951-242 800
URL https://www.shangri-la.com/jp/yangon/suleshangrila/
コメント
れなぽむ様
はじめまして~。
いやー、タマリンドキャンディ、色によって当たり外れがあるんですね~。
私は一個目で“外れ”を引いてしまったようで、違う色のを試す気になりませんでした笑
それにしても、ミャンマー懐かしい!ヤンゴンで食べる地味に旨いインド料理の朝食、是非是非お楽しみくださいませ~^^