関羽ファンの聖地 関林廟 洛陽・鄭州・開封旅行5

龍門石窟からの帰り道、道中にある関林廟なる関羽を祀った廟に立ち寄ることに。一般的に関羽を祀った廟って関帝廟って呼ばれてるんだけど、関林廟というと関帝廟とは定義的にも異なってくるのだろうか。西安の碑林博物館のように、碑刻墓誌や碑石が林が如く立ち並んでるとかそういったことかな。

今や中国全土どころか世界の中華街の至る所にある関羽の廟だけど、洛陽の廟は首塚があるくらいだけあって世界三大関帝廟の一つにも数えられる名所なんだと。それにしても、幾ら突出した武勲を残したとはいえ一介の武将の廟が全国津々浦々至る所に建てられるって凄い話だよな。しかも商売の神様として崇め奉られるとか、本人も墓の中で不思議に思っているのではないか。



さて、さっそく関林廟へと赴き金運アップのお願いをしてこよう。
洛陽関林廟は龍門石窟と市内の間にあり、石窟から67番のバス一本でアクセス可能。龍門石窟も関林廟も洛陽の中で超メジャーな観光スポットなので、バスの本数が多いから不便は無い。一律1元と分かり易い運賃体系だし。


この立派な極彩色の門が見えたら次の停留所で降り、そこから東に700メートル程歩いた突当りにある。


庶民向け商店が並ぶ関林路を突当りまで歩くと、前方に遊客中心と書かれたチケットセンターが見えてくる。入場券は40元。たかが廟に入るのに40元とは少々お高いなと罰当たりな考えが頭をもたげるも、渋々入場料を払って入場する。目先の40元より将来的な一攫千金じゃ!頼んだぞ関帝!

ひだり みぎ
入場券を支払って先に進むと、目の前にはだだっ広い敷地が広がる。廟というより綺麗に整備された駐車場といった雰囲気だ。

ここで唐突に石像の馬が祀られた馬亭を発見。赤兎馬…とは書いていないけど、きっと関羽の愛馬・赤兎馬に違いない。城を駆け抜け掘を飛び越え千里を駆けると謳われた身体能力抜群の名馬であるが、関羽の死後には餌を食べなくなり衰弱死してしまったとの伝承が残っている。
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決して1元硬貨を投入したら前後に動くゲーセンの安っぽい遊具じゃありませんよ!


関羽の墓とあっては狛犬も正装してかリボンを着用してる…。と思ったらこのリボンは参拝客用にも販売されていて、商売繁盛の願をかけて石や樹に結り付けると金運が上がるのだと商売人のオバサンが近づいてきて熱心に営業活動をしてくれた。



だだっ広い広場の一角に廟への入り口を発見。頭上には漢の呂雉・唐の武則天と並んで中国三大悪女に数えられる・西太后が残した「威揚六合」の文字がおどる。1900年、義和団事件後に北京から西安に向け逃避する際に洛陽の関林廟に立ち寄ったらしい。上記の商売人のオバサン曰く「六合」とは東西南北上下を指し、「威揚六合」とは関羽の力強さが天上天下に響き渡る様を表しているのだと。西太后も関羽ファンだったんだなw

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本殿に向け、36の石柱に104の狛犬が並んだ石獅御道を進んで行く。明代に整備された参道で、当時は皇帝や限られた文武官専用の歩道だったそうだ。


周囲を見渡すと柏の古木に混じって碑石が建っている。やはりこの林立した碑石が関林廟の名前の由来ということになるだろう。

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本殿の中には5メートルはあろうかという金ぴかの関羽様が!凄まじい威圧感に圧倒され、今にも平伏してしまいそう。


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本堂内では巨大なものから小型のものまで何百体ものゴールデンな関羽像が参拝客を360度取り囲み、いかにも金運が上がった気にさせてくれる。

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関帝の生前の活躍を描く壁画も彩色が細かく鮮やか。

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続いて二殿である財神殿。左右に関平・周倉を従え中央に真っ赤な顔をした関羽様が迫力の表情で鎮座する。


髭面の色黒が周倉で、関羽の印綬を持っているのが関平。関羽との3人セットというのは明時代には出来上がっていた古いテンプレートらしい。関羽の子である関平は分かるけど、周倉なんて関羽の従者として世界中の関帝廟で活躍してるけど、実際は三国志演義にしか登場しない全くの架空の人物らしいじゃないですか。確かに関羽親子が敗死した際にこれに殉じて自害するなどアツいキャラではあったけどさ。実在しない周倉が祀られたり墓が建立されたりっていうのはどうなのよ。

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お隣の三殿・娘娘殿には関羽の御夫人・胡氏と子供が祀られている。

本殿・二殿・三殿の奥に春秋殿・首塚と続いているようだったのだが、なんの具合かこの日は残念ながら二殿・三殿の奥には進むことができなかった。やっぱり首塚にお参りできなかったから金運アップの話は無しかな?40元の入場料を払って、更に赤いリボンを木に括りつけてきたんだけど…。急いではないのでいつかデッカイの頼みますよ関羽さん!

【関林廟】

住所:河南省洛陽市関林南路2号
電話: +86 379 6595 1746


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