ミニチュア紫禁城 フエ阮朝王宮 フエの世界遺産巡り6

ベトナム初のユネスコ世界遺産が認定されたのは1993年、「フエの建築物群」が記念すべきベトナム第一弾の世界遺産となった。フエの建築物群はグエン朝時代に建てられたフエ市内の建築物全てを対象とするので、今回の旅行で巡ってきた阮朝歴代皇帝の帝廟ももちろん含まれる。

が、やはり「フエの建築物群」の核となるのは阮朝歴代皇帝の居城である阮朝王宮であろう。1803年に建築された阮朝王宮は13代に渡って続く阮王朝のお膝元。ベトナム戦争の戦禍や洪水等の自然災害で大部分の建造物が破壊されてしまったものの、残された建物からも十分に当時の栄華を偲ぶことができる!Must See!とフエ出身という宿泊先のスタッフが興奮気味に力説してくれた。なんで、帝廟巡りでだいぶ疲れて肌も日焼けで痛いけど、せっかくなんで疲れた体に鞭打って阮朝王宮も見て回ることに。あれだけ懇々と王宮の魅力を語られたのに、「王宮の訪問は疲れたので見合わせました。」なんてホテル帰って言えんわな。

王宮のある旧市街は三方を一辺約2.5kmの運河とフォン川に囲われていて、その内側の王宮は一辺約600mの内濠と剣型の突端を持つ防御力高そうな城壁とで守られている。


いやー、いかにも都城って感じで宜しいこと。皇城の外壁には何ヶ所かの門が造られていて、規模こそ違うものの同じく城壁に囲われた西安を思い出す。

ひだり みぎ

王宮へと続く門の正面には高さ17.4mの三層式の見張り台の上でベトナム国旗が威風堂々と風にたなびいている。塔の天辺の高さは30mにもなり、フォーン川対岸の新市街地からでも眺められることから、道に迷った時の目印としても重宝する。

王宮へと続く門は東西南北の4つ。そのうち、南側に在る上部に五鳳楼を設けた午門が正門となる。太陽といえば皇帝の象徴で、太陽が真上に来る南門を正門とするのが中国伝来の習慣になるので、阮朝王宮を築いた初代皇帝もその中国の風習に倣って王宮を設計したのだろう。
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内堀に架かる正門への橋の欄干なんかにも中華的な装飾が施され、中国の影響を窺い知ることができる。


5つの門口を持つスタイルも紫禁城に倣っているのだろう。真ん中の門は皇族の出入り専用ということで閉ざされていたので、平民の自分は午門の中の左側の門をくぐって王宮内へ。



午門を入ると銅柱の鳥居状の門の左右に金水池があり、その奥の正面に平屋の太和殿が見えてくる。日本で言えば大極殿にあたる阮朝王宮の正殿だ。決して大きな建物ではないが、黄の瓦と漆喰塗の白壁が鮮やかで特徴的である。

三重の城壁がめぐらされ、南面に位置する午門を通って公式式典や接見の場である太和殿に至るところも北京とよく似ているし、この太和殿も北京の紫禁城を模して造られたのだろう。フエ王宮は中国の柵封下にあった阮朝が築いたものなので、身も蓋もない言い方をすると故宮の劣化コピー・下位互換版となるわけで…。故宮や西安城壁を見た後にここに来ると、どうしても「まぁ悪くはないんだけどね」程度の冷めた印象になってしまう。特上うな重の後に並みのうな丼を食べた時の感想みたいなw
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太和殿では皇帝の即位式や国賓の歓迎式典など王室や国家の重要な行事や元旦の朝賀など宮廷儀式が執り行われていたそうだ。

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太和殿の後方には広大な敷地が広がっている。かつては宮殿の建物が連なっていたであろう中心部にあたるが、戦争や洪水で壊滅してしまった為、現在は広場の左右に復元された建物が幾つか在る程度の寂しい状態となっている。まぁ王宮の各所で修復・復元作業が進められていたので、時間はかかるだろうけど将来的には王宮内部の様相も変わってくるでしょう。


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再建された回廊は煌びやかな赤と金箔で彩られ、柱・壁・屋根・扉・戸と随所に中国の要素が混じりあっている。これはこれでアリなんだろうけど、復元されたばかりで殆ど新築状態なので、どうもノスタルジーに浸って古の都に想いを馳せれる感じではない。電動バイクなんかも敷地内を走ってたし…。

ひだり みぎ
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派手な装飾や施された文様やモザイク装飾も、やはり龍であったり虎・獅子・狛犬といった中国を彷彿とさせるモチーフとなっている。四方に反り上がった屋根の形なども、あぁ中国だなぁ、と。

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池を眺められるように作られた風流な建物も。さぞかし昔は美しかったのでしょう。


一番北側から南側を見返すと、一番奥のフラッグタワーまで見事なシンメトリーであることが分かる。あとは、どのように修復・復元活動が行われていくかだな。王宮内ではこれまた世界遺産に登録された宮廷舞踊のショーや宮廷衣装を身に纏っての有料写真サービスなんかもあるらしいけど、どうもこの王宮自体に当時の面影が残ってないからしっくりと来ない。


帰りはモザイク装飾の美しい皇城東門(顕仁門)から。

結局、城壁や城門の石造りの部分以外はピカピカで全くの新築の建物か破壊されたままで何も無い状態となっていて、ちょっとがっかりした。王宮の魅力を語ってくれたホテルスタッフにはもちろん満面の笑みでベリーグッド!と伝えたけどw 今後、どのように再建されていくのか楽しみである。

【阮朝王宮(フエ王宮)】

営業時間:07:00-28:00



Booking.com

【2017年フエ旅行記】











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