敦煌の砂漠で遊ぶ 月牙泉と鳴沙山

敦煌到着日はフライトの遅延で万里の長城の最西端とされる玉門関まで足を運ぶ時間が無くなってしまったので、代わりに近くの砂漠で遊んできた。

敦煌はシルクロード上のオアシス都市として栄えた古都。周囲一帯には無限の砂漠が広がっており、街から僅か5Km程のところには鳴沙山という有名な砂丘が存在するというので行ってみた。

市街地からは鳴沙山へはバスで移動。街によってバスの種類や乗り方はマチマチだが、敦煌のマイクロバスでは運転席の横の箱に運賃を投入するスタイルだった。運賃は二元だったかな。時刻表などはなく、一定の乗客が集まった段階で出発するようなスタイルのよう。幸いなことに、ちょうど自分が乗り込んだと同時にナイスタイミングで発車してくれた。

因みに、郊外にありアクセスの悪かった敦煌古城・陽関・五門関・ヤルダン地質公園方面への観光バスが出ているようだ。運賃は敦煌飯店からヤルダン公園まで往復で76元。今迄タクシーチャーターで数百元かかっていたことを考えると全然アリだろう。フライトの遅延が無ければ五門関まで攻めたかったのんだけどな~。
ひだり みぎ
あと、興味のある方には魅惑の砂漠KTV(カラオケ)にバーベキューもコースになったツアーも用意されている。


市内から20分足らず、鳴沙山に続く直線に入ると正面に更にでっかい砂丘が見え、やる気急上昇。ウォォっとなってバスの最前席まで乗り出したくらいですから。砂漠デビュー、目の前に広がる砂丘はそれくらいの衝撃だった。


バスを降りると、左手前方に武芸の達人みたいな唐代の男の砂像を発見。高まるテンションが抑えられなくなってくる。

ひだり みぎ
うおー。門の奥には広大な砂漠が広がっているじゃないですか。ラクダやスライダー、カートにグライダー、更にはヘリコプターのアトラクションなんかもあったりしてレジャーセンターのようになってしまってはいるが、砂漠はガチ。大自然の賜物だ。


来たコレ、砂漠だーーー。なんで砂漠を見たらテンションが上がるのか自分にも分からんのだが、多分、南国の人が雪を見た時にはしゃぎ出すのと基本的には同じだと思う。


砂丘はなだらかな放物線を描いて起伏し、何重にもなって広がっている。砂丘が風邪で移動した後に数百年前の町が現れたりすることもあるみたいですからね。ロマンの塊ですよ。

ひだり みぎ
感無量。砂質がサラサラだから風に舞いやすく砂丘ができるのかな。鳥取砂丘よりも起伏に富んで砂漠砂漠した感じ。

砂漠の中に設置された遊歩道を少し進むと、客を持っているのか待っていないのか、ラクダたちが道端でグータラしてるのが見えてくる。砂漠に駱駝とか、後はターバングルグル巻きで変な発音の英語を話すアラブ人がいたら完全に映画で見たアラブ世界なんだが。

おとなしく月の砂漠を荷物を背負って黙々と歩いていく童話的なイメージなど微塵も感じさせない駱駝の獣臭と不機嫌そうな鳴き声がまたね。迂闊に近づこうもんなら、余所者ものを威嚇するように声をあげた後、「乗せてやってもいいけど」 とでも言いたげな上から目線な感じの眼でこちらを覗き込んでくるし。でもなんだか萌えるわー、この駱駝の態度!


殆ど砂遊びで作った砂山くらいにしか見えないが、遺跡なんかもあったりする。

最大の目玉は公園の一番奥に位置する月牙泉だろう。

フリー素材の画像を載せるが、こんな感じ。まさに絵本とかに出てくるような砂漠の中のオアシスで、綺麗な三日月の形をしてる。内陸河川の水源である祁連山脈からの地下水が月牙泉を潤しているそうで、砂漠化の進む周囲環境に逆らうかのように2,000年に渡って枯渇することなく広大な砂丘地帯の民を潤し続けてきたそうだ。


月牙泉の手前には立派な楼閣が建てられている。嘘だろーとは思うが、シルクロード全盛期時の景観を復元されたものらしい。当時はこのような楼閣を持ったオアシス都市がシルクロードの中に点在していたと言われている。砂漠の中の旅を続け、命からがらオアシス都市に辿り着いた行商人からしたらさぞ天国のように思えたことだろう。



こんな素晴らしいオアシスは人里離れてひっそりと佇んでいて欲しいなんて思うけど…入口から徒歩10分で簡単に着いてしまうというね。イメージでは砂漠をひたすら歩いた後に現れる秘境だったんだけど。

で、肝心の月牙泉といいますと…。
ひだり みぎ
凍結してるし、水位も随分と低下してるよう。命からがら地獄の乾燥砂地獄からオアシスに辿り着き、凍結した水を見せられた時の旅人の気持ちが慮られる。

月牙泉は期待外れに終わってしまったが、続いて鳴沙山へ。山といっても実際には特定の山を指すのではなく、ここら一帯に砂が堆積して出来た山の様な砂丘の総称が鳴沙山と呼ばれているらしい。その規模はなんと東西に約40キロ、南北に約20キロ、最大高さ250mという巨大な物。自然の風に吹かれて出来た風紋が非常に美しく、風に吹かれた砂はまるで音楽が奏でられているかのような音をたてて舞い上がるそう。故に砂が鳴る山で鳴沙山、と。

ひだり みぎ
まぁパッと見でも砂丘が大きいことは分かるのだが、余りに無機的な景色なので遠近感がさっぱりつかめず、実際にどれくらい高いのか見ただけでは測れない。

とりあえず登ってみる。

砂に埋め込まれた梯子のような足場を利用して登っていくのだが、それでもぐっと踏み締めるとサラサラとした砂が液体のように流れ、足が砂に沈みこんでしまう。傾斜も思ったよりきついし。

先に登った人の足跡の上を歩くと砂に埋まらないという素晴らしい発見をしてからは楽になったんだが、やっぱり通常の登山とは比べ物にならないくらいに時間がかかる。三蔵法師を軽く見直したわ。
ひだり みぎ
20分弱で尾根に辿り着いたら、そこは時折吹く風の音以外は無音の世界。そして、その風によって細かい砂の粒が飛び舞い、まるで波打つ大海原のように美しい水波状の砂紋が時々刻々と姿を変えてる。風で作り出される砂漠の神秘的な造形美、まさにアート作品のような砂漠の景色が広がっていた。その美しい自然の造形美、どこまでも続く砂漠のスケールの大きさにただただ圧倒される。


振り替えると、足下には不滅の水をたたえるとされる月牙泉が、遠くには敦煌の街が見える。吹き付ける砂嵐なぞ気にならないくらいの絶景で、暫し一人座り込む。


そして…影でちょっと遊んでみたり。完全に高橋先生でほっこりくるわ。


これこれ、何頭身あるんだよっていう。完全に影がキャプ翼。


30分以上は尾根で砂とじゃれ合ってただろうな。気温が下がってきたので、本当に後ろ髪を引かれる思いで下山。頭からつっこんでいく無謀なスタイルで紹介されてるけど、砂サーフィンならぬ砂スキーのアトラクションもあるんだと。私は思いっきりダーーって駆け下りましたけど。

ラクダがいる砂漠の風景と、砂にまみれた楼閣、湧き出る三日月型をした神秘の泉…。なんかベタな観光地みたくなってるけど、ここは本当にお勧め。夏に来ると暑いし観光客まみれだろうから、私が再訪するとしたらやっぱり冬かなー。入場料もオフシーズン特価で安くなってるし。

【月牙泉と鳴沙山】

営業時間:08:00-20:00(4月下旬-10月上旬)・09:00-18:00(10月中旬-4月中旬)


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【2017年新疆・敦煌・西安旅行記】






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