カシュガルのバザールで防寒具を調達する

中国の中の異国、カシュガル。 辺りに立ち込めるワイルドな羊肉と強烈な香辛料の匂い、どこからともなく聞こえてくる楽し気な民俗音楽、町を行き交うエキゾチックな顔立ちのトルコ系の人々にロバ、そして各所に配備された武装治安維持隊。複雑な事情を抱えた実に異国情緒に溢れる町である。

残念極まりない内容で痛く失望させられたカシュガル地区博物館より、寧ろカシュガルの町を歩いていた方がウイグルの生活の息吹が感じられ面白い。急速に漢民族による町の再開発が進んでいるとはいえ、まだまだ町の中にはウイグル風情に溢れる一角も残っている。
ひだり みぎ
街角に吊るされた生々しい肉の塊がその場でブッタ切られて小売りにされてたり。


痩せ細った軟弱そうなロバが物資の運搬に一役買ってたり…。


そんな異国風情満点なウイグル旧市街地の解放路を歩いていると、「大バザール」という場所に行き当たった。もともとは新疆各地から集まるウイグル人の為の一大交易市場だったのが、民族用品に土産屋や食べ物屋なども集積してきたことで観光客まで引き寄せられるようになり、今ではカシュガルを代表する観光名所として日々活況を呈しているらしい。


重厚なゲートを配した入り口に金属探知機を手にした保安検査員が配属されていたりと物々しい雰囲気だけど、勇気を出してちょこっとマーケットの中に入ってみる。


明らかに漢族の市場とは異なる独特の雰囲気だし、観光客用の似非感満載なウルムチのマーケットに比べてもこちらは随分と地元密着系な内容のようである。

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自称“デパートメントストア”で売られているのは靴底や厚手の手袋・靴下といった日用品。ニット帽やマスクといった防寒対策の為の小物も多く売られてる。

食べ物もローカル色が強く、ピラフや麺・鶏の姿焼き・羊肉の串物・ナンなんかのウイグル食がライブキッチン方式で煙と香りを上げながら調理されている。
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ナンなんか凄くて、様々な種類が売られている。ここに来るまでは「インドっぽいナン」「ちょっとインドっぽくないナン」の二種類くらいに考えていたナンであるが、ナンと一口に言っても色んな種類のナンが作り分けられているみたいだ。直径10センチ程の小ぶりな作りで、牛乳や卵を混ぜ込みサクサクとした食感の“トカチ”、厚さ5センチ程で中心が窪みになっているモチモチとした“ギルデ”、表面に芸術品のような花紋が押され、玉ねぎや胡麻がまぶされた“アク・ナン”などなど、材料や製法、形状によって多くの種類に分別されているらしい。今後の人生に余り役立たなそうな、どうでもいい豆知識である。

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その他にも、皮を剥がしたばかりの羊を店先に吊るした肉屋や、店先で店主がテンポ良く大道芸かのように熟練の手捌きで麺を引き伸ばすラグ麵屋等々、露店の種類は豊富。その中でも、中央の窪んだ箇所に羊肉等の具材を載せたウイグル風ピザがこの日一番の売れ筋商品のようだ。


こいつがナンを焼く土釜で、釜の中に直径10cm程のナンが次々と鉄棒を使って投入されていく。ナンも窯焼きとは本格的である。


露店が連なった小路を進むと、常設の屋内マーケット街に行き当たった。

通路の両脇に間口一間程の小店舗がずらりと並んでいて、煌びやかな生地や民族衣装・ウイグルナイフ・工芸品・シルク織りの絨毯といった土産物に適した商品、干しブドウなどのドライフルーツ、薬草や朝鮮人参といった漢方系、石榴・イチジク・瓜などの果物、各種日用品・雑貨類・衣類などが所狭しと店の内外に展示されている。
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縦横無尽に広がる路地。圧倒的な物量感で商品を陳列販売する商店が立ち並んでいるが、これらの店舗構成は決して無秩序ではなく、「シルク区」「工芸品区」など、各種商品がエリア単位で区分けされ集まっているようだ。

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こちら衣類コーナーの商品は他の市場と変わり映えしない内容だが、マネキンの下が裸なのが生々しい。


ストッキング陳列は足だけをぶら下げる格好で。取扱商品自体は至って普通であるが、商品の見せ方が実に斬新である。

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乾物と香辛料は全てが1斤単位の量り売りの商品ばかり。ひやかし半分で立ち止まりながら品定めをして歩こうもんなら、ウイグル商人たちが片言の北京語で「安いよ!美味いよ!買ってって!」と集中砲火を浴びせてくる。これがまたね。興味本位で値段を聞いてみると、こちらが外国人観光客と分かってか凄まじい価格を吹っかけてくる輩ばかり。

工芸品系の商店には木工の蒸篭や伝統楽器や陶器が目立つ。
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数あるウイグルの古典音楽の中でも特に有名なのはウイグル・ムカムという伝統楽器のオーケストラによって演奏される組曲で、なんとユネスコの世界無形文化遺産にも登録されているそうだ。確かにウイグル葡萄酒と舞踊の民みたいな印象は持ってたけど、ウイグルミュージックが世界遺産になっているとは知らなんだ。

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くっそ高いけど、絨毯・毛皮系も多し。


自分も防寒対策としてモッコモコニットの帽子とマフラーを各20元で調達。本当はロシアンマフィア風にロシア帽とクマの毛皮コートでバッチリ決めたかったんですけどねw

日用品から土産物まで揃う面白いマーケットだけど、なんか総じて値切り交渉が面倒臭かったわ。平気で漢族よりえげつない言い値をぶつけてきおって。

【カシュガル マーケット】



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【2017年新疆・敦煌・西安旅行記】











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