カシュガル班超記念公園 

果てしない無限の砂の中を駱駝の隊商の列が往き、勇ましく逞しい騎馬隊が旗を掲げて疾駆…。地上の万物を焼き焦がすような強烈な日差し、湖を凍てつかせる程の酷寒…。厳しい自然の中で繁栄と滅亡が繰り返され、今日でも所々で古代西域諸国の城跡や町跡が残るロマン満点の中国西域地帯。そんな西域ロマンに憑りつかれ、後世を西域運営に捧げた男が今から2000年も前に存在した。後漢時代を生きた軍人・班超だ。

歴史関連の学者一家に生まれた班超は、兄が校書として招聘されたことに伴い首都・洛陽に移り、自身も役所の非常職員として公式文書の書き写し業務を担っていた。

膨大な書類の中に埋もれ、毎日毎日が同じことの繰り返しで代わり映えのしない平凡な毎日…。そんな日々を送りながら、幼少時代に読んだ史書で心惹かれた西域への憧れが日に日に強まっていった。こんな人生で良いのか…自問自答する毎日。そして遂にブレークダウン。筆を投げ捨て同僚の前で叫んだ。「男たるもの、国外に功を立てるべき!筆と硯の為に人生を浪費してられるか糞ッタレめ!俺は第二の張騫になる!」突然の発狂に同僚はドン引きだったに違いないが、当の班超は大真面目だったようだ。

これだけの大見えを切った班超に機会が巡ってきたのは西暦73年、班超42歳の時である。匈奴に実効支配された西域を回復する為、明帝の勅命により組織された北匈奴征伐軍に参軍する機会が舞い込んできたのだ。この千載一遇のチャンスに奮起した班超は多くの首級を挙げ、遂には使者として西域に赴くことになった…。

そんな西域ロマンに憑りつかれ、不惑過ぎにして西域移住の夢をかなえた班超を記念する公園が、ここカシュガルの町の南の外れ、娯楽会所と書かれたKTVのお隣にある。こんな偉人に纏わる公園の真隣りにKTVを設置しちゃうなんて如何にも漢族らしい。

古代中国の城郭を彷彿とさせる城壁に囲われていて、盤橐城とも呼ばれているらしい。


何とも安っぽいシルクロードの絵が描かれた門が固く閉ざされていて、係員を探し出すスタート。


ゲート脇のチケット売り場で暖を取り仮眠していたウイグル人のオバサンを起こさせて頂き、チケット代金を支払ってから入園する。たかが公園に入るのに30元も取られてビックリしたわ。


公園に入って正面、なんか沢山いるw

ひだり みぎ
どうやら匈奴を襲撃した際に班超が率いていた部下らしい。班超軍36名に対して匈奴の使者及び軍隊員数百名を襲撃したらしいのだが、その際に班超が怖気ずく部下を叱咤した格言は現世にも語り継がれている。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という諺である。虎穴に入ってみた結果、奇襲を受けた匈奴の使者達は慌てふためき、奇襲は大成功に終わったそうだ。


ドヤ顔の隊員。


こいつは楼船史と紹介されているが、後漢時代の西域での戦闘に軍船が必要だったのだろうか。


公園の一番奥に班超の像が建つ。匈奴討伐で名を馳せた彼は、91年に和帝から一時廃止されていた西域都護の命を賜るに至り、武力をもって後漢悲願の西域平定を達成。以後、30年以上に渡り西域五十余国を統轄したそうだ。
因みに…西域都護府は都護府というのは漢や唐といった歴代王朝が辺境の異民族統治の為に置いた軍事行政機関。その運営を任された人物の像をカシュガルに設置するというのも漢族らしい。

ひだり みぎ
班超像の背後にはシルクロードをテーマにした安っぽいレリーフが飾られているが、銭湯の壁に飾られる富士山画レベル。

うーん。無料でも余程の物好きか歴史オタくらいしか来ないと思うのだが、その上に30元の入園料を徴収するとか狂気の沙汰としか思えない。行く価値無し。

【班超記念公園】



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【2017年新疆・敦煌・西安旅行記】











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