古都・佛山の街並み

祖廟の東側出口を抜けたら、上海の新天地を彷彿とさせる石組の建物が立ち並ぶ一角に出た。

ひだり みぎ
本家本元の上海新天地同様にモダンアレンジされた租界風の街並となっていて、道の両側にハイセンスで洒落たカフェやショップが並んでる。


まんま新天地のパクリじゃんかと思ったら、本当に佛山版の新天地だった。その名も嶺南天地だと。百度地図で現在位置を確認したところ、次なる目的地である梁園へは嶺南天地を北に向けて突っ切るのが最短ルートのようなので、カップルで賑わうお洒落な新天地へとオッサン一人で突っ込んでいくことに。

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煉瓦敷きの歩道に煉瓦壁で中洋折衷スタイルの建築が並ぶ姿はマンマ上海新天地で、お粥屋さんやスタバもこの通り。洋風の粥屋ってリゾットでも売ってるんだろうか。


福名堂・ゴディバ・ハーゲンダッツ・クリスタルジェイド・ハローキティカフェ・ハーゲンダッツ等の有名飲食店が並ぶ。

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細長く入り組んだ路地が複雑に入り込む嶺南天地内部。上海の新天地は歴史ある石庫門をベースにしているから独特のノスタルジーがある訳なんだが、ここのは建物から歴史を感じないし、完全に上海新天地をコピペして持ってきただけという二番煎じ感が強すぎる。

新天地を北に抜けたら古い街並みに時代を逆戻り。人民路以北は特に古びれてくすんだ色合いの古民居群が残されており、まるで80年代香港のカンフー映画の世界に入り込んでしまったかのような気になってくる。突き飛ばされた巨体ごろつき野郎が商品山盛りの果物屋台の屋根に落下してきて店主が「アイヤァー」みたいに頭抱えるような光景とか、カンフーマスターが山賊紛いの大根役者な巨体野郎相手に箒とか椅子とか傘とか使って器用に戦うシーンとか…、古き良きスタントが延々と脳内で自動再生されてくるんだな。稀代の武術家・黄飛鴻とイップマンが佛山出身っていうもんだから、ワンスアポンアタイムインチャイナとイップマンの映画を見直しちゃったし。
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数々のカンフーの巨匠を輩出してきた武芸の町と紹介されることが多い佛山。実は古く唐・宋代から南海貿易により繁栄し、江西省の景徳鎮・湖北省の漢口鎮・河北省の朱仙鎮とともに天下四大名鎮とも評されていた古都である。陶磁器とか陶磁器とか陶磁器とかで有名で、他にも粤劇の起源も佛山にあるとかなんとか。とにかく、歴史と文化と陶磁器とがご自慢の自他共に認める古都なんだと。

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通りの両脇には騎楼と呼ばれる中洋折衷建築が並ぶ。これらの建築物は19世紀末に造られ始め、1920~30年代には街の景観の主役となっていたそうだ。

2階が住居で、1階部分は個人商店のアーケードみたくなっている。

歩道まで迫り出した屋根は雨が多く日差しの強い華南地区の気候に合った造り。高くて広い屋根が雨や日光を遮り商品の展示にも便利ということで、騎楼はあっという間に広州・佛山の街全体に広がっていったそうだ。


店頭に並ぶ商品は雑貨だったり陶器だったり。陶器の町だけあって陶器のバリエーションも豊富で、習近平模様の商品なんかも。


あと、何故だか昭和な感じの証明写真屋も多し。


窓も無くライフラインが通ってなさそうな家屋も多い。中に洗濯物が干されているところを見れば誰かしら住んでいるようではあるようだが。

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ついつい誘い込まれてしまう感じの小路地。

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築百年するかのような石組の住宅群に囲まれた迷路のような路地の中にも人は住む。きっとここらに住まう人も再開発の流れから強制転居を余儀なくされるんだろうな。



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