ウドンタニの本頭公媽とタイ-中国文化センター

どうも町の図体が大きいだけで見所に欠けるウドの大木的なウドンタニ。だからと言ってホテルに引き籠るのも勿体ないので適当にバイクで流していたところ、鉄道駅近くの湖畔に何やら中華寺院のような建物を発見。

門に本頭公媽と書かれているところを見ると、本頭公という土地の神を祀った廟であろう。バンコクやチェンマイでも見るくらいタイではそこそこに有名な廟である。

本頭公は日本では無名の存在だが、タイやベトナムを中心とした東南アジアでは良くみかけるレギュラー級の神様。中国南部の氏神が華僑の移住先で祀られ、各地の土地神として信仰されるようになったみたいだ。

ひだり みぎ
湖畔一帯が中華な雰囲気の寺院パークのように整備されていて、にぎやかな中国的な色づかいがタイの田舎町の中で異彩を放っている。

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龍やら虎やら強くて縁起良さそうな生き物がウヨウヨいてフェスティブでエンターテイニングな雰囲気。今にも大五郎カットで髪型を統一した腕白小僧雑技団による獅子舞が始まりそうだ。

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いかにも中国風な寺院の中国風な神々にタイの寺院で見るお供え物が並ぶ。ここの神々は「ビールは青島ビールしか受け付けん!」みたいな拘りはないのだろう。郷に入れば郷に従えという世渡り上手の為の格言を実に良く弁えられてらっしゃる。

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見てくれはヒゲを生やした“いかにも中国人”という格好の神々ばかりだが、それでいて彼らはタイ国籍の土地の神なのだ。ここの華僑の人たちも同様に民族意識のレベルでは華人でありつつ国民カテゴリーとしてはタイ人であると認識してるんだろうな。参拝に来る華僑の皆様、普通にタイ語も喋ってるし。

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寺院公園のお隣にタイ中国文化センターなるワンダーランド的な空間を発見。

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中庭には錦鯉が放たれた池まで設けられてたりと、地方都市の小さな文化センターの割には随分と気合が入ってる。

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壁面には二十四孝の故事に関するレリーフが。左は、7歳の頃に離ればなれになってしまった母に会う為に、官吏職を棄て家族とも別れて遠路遥々故郷に戻って母親を捜し、実に50年ぶりに母と再会した宋の朱寿昌の説話。右は、父の葬儀費を捻出する為に奴隷として自らを売り、その孝行話に感動した天女と結婚したという董永さんのお話。親孝行系の話ばかりがズラリと並んでいて、一つ一つに対して中国語とタイ語の説明パネルまで用意されている。

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なんと!道徳博物館wなるものを発見。中国系団体が運営する施設で道徳を語る博物館を見るなぞ露にも思わなんだ。

赤を基調とした派手めな館内にはウドンタニの華僑コミュニティの歴史や孔子思想に関する展示物が並んでる。空調も効いててそれなりに立派なのに入場は無料、その代わりに‘強制的お布施’攻撃が来るのだろうかと覚悟する。
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ウドンタニには19世紀後半から華僑商人の植民が進み、徐々に徐々に華僑経営のグロセリーショップや貴金属店が増えていったそうだ。道徳とは一切関係無いような華僑の自慢話が展示コースの前半を占める。


本頭公媽を取り仕切る団体は学校や医療施設の運営なんかもやっていて、どちらかといえば霊媒カルトではなく現世利益崇拝の為の民間人による自発的結社で、色々と公共事業にも足を突っ込む団体といった感じ。越境して流入する中華難民に食事や宿泊先を提供することから始まり、徐々に徐々に活動範囲を広めていったのだろう。

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下のフロアは孔子の教え一色。大きなフロア一帯に使って儒教で言うところの五常八徳に関する説明がなされている。


ちゃっかり孔子学院の宣伝も。孔子学院とは、海外の教育機関と提携して中国語や中国文化の普及を目指す中共肝いりの公的教育機関。“信者”を獲得する度に紹介料が入るというビジネスモデルなのだろうか。


お土産コーナーもあり、「義」や「忠」「孝」といった孔子八徳の教えに因んだ漢字Tシャツなど、孔子ファン必見のオリジナル品が売られてるw。

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博物館の見学を済ませ、併設の中国茶屋・平安茶へ。懸念されていた強制お布施や洗脳活動、孔子学院への強制入学などはありませんでした。


平安茶では王老吉(1缶50バーツ)や茶器や安っぽい中国茶なんかも売られてたが、糖分を補充したかったのでド甘いカプチーノフラッペ(70バーツ)を注文。従業員は中国語を話せるかと期待していたが、タイ語オンリーで指差しオーダー以外に意思疎通ができなかったので、速攻で飲み干してこの場を後にした。

【タイ-中国文化センター】

住所:39 road, Muang district,Udonthani province
電話:042-242444



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