デュシタニ・バンコク宿泊記 伝統的?いや、ただ古いだけ。 Dusit Thani Bangkok

週末バンコクの最終夜の宿はタイの帝国ホテルとも称される伝統あるデュシタニ・バンコクに泊まることに。一昨年に泊まったタイ内資ホテルのスコータイが良かったし、一度くらいはデュシットのフラッグシップホテルを試すのもありかな、と。今やホテル天国となったバンコクにあって他チェーンに押され気味、タイのラグジュリーホテル枠もアナンタラに奪われ気味と随分と下火にあるといった印象の老舗ホテルだが、夜寝るだけの滞在なんで、外れてもしゃーなしというお試し感覚で乗り込むことに。「天国のような地上の理想郷」をテーマに1970年に開業され、タイ流儀のおもてなしの心と伝統を守りながら愛され続ける老舗ホテルや如何に。

ひだり みぎ
地下鉄Si Lom駅(シーローム)BTSスカイトレインSala Deang駅近くのシーロム通りとラマ4世通りの角地に位置しており、利便性は高い。夜遊びスポットのパッポンやタニヤも徒歩圏内だし、目の前がルンピ二公園なので早朝ウォーキングなんかにもちょうど良い。


ホテルは2棟から成り、先っぽに尖塔を抱く右側の高い建物が本館のデュシットタワー。もう一棟のガラス張りになった低めの建物が最安値カテゴリーでツアー等にも利用されるスーペリアルームが入る古めのウェストウィングという構成。


ホテルに着くと、ズボンの裾を靴下の中にINするかっちょいいタイ伝統の衣装に身を纏ったドアマンは“ワイ”の格好で迎え入れてくれるけど、他のスタッフは挨拶はしないどころか目も合わそうとしない者ばかり。あー、これダメ系のホテルだと早くも予感する。

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ピアノの生演奏が響く宮殿風のロビー。地下のロビーラウンジからの吹き抜けになった広々とした空間や重厚な柱、全面ガラス張りの窓からのぞく中庭は名門ホテルの伝統と格式を感じさせる。しっかしまぁ日本人が多いこと多いこと。目に入る宿泊客はことごとく日本人。大手の日系旅行代理店と専属契約でも結んでいるんだろう。「タイ一の格式を誇る5つ星の名門ホテルでタイ独特のおもてなしを」なんてキャッチフレーズ、引っかかりそうだもんなー。


レセプション。チェックイン担当は若い男で、いかにも事務的・機械的な対応。夜だからなのかすっごい気怠そうな振る舞いだ。

今晩は最安値のスーペリアルームの予約なので、旧館の方へと移動する。
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本館と別館とを結ぶホールにある掲示板。バンコクを代表する名門ホテルとして相当数の賓客を受け入れてきているという実績を誇示するように、過去にデュシットに宿泊したり来訪した著名人や王族ファミリーの顔写真が掲載されている。

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知ってるところでは周杰倫や王力宏などの中華ポップスターやGood Charlotteやkorn、Incubusなどの米国バンドなどなど、錚々たる顔ぶれ。王族の方々は知らん。


これはウェストウィングのエレベーターホール前にある大手旅行代理店のJ○Bのツアーデスク。○○工業様が3泊の社員旅行で滞在しているらしく、ホテル内に特別ツアーデスクを設けているようだ。

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緑が多くテラス席も用意された中庭には人工の滝が流れていたりして雰囲気良好。

客室は最安値、35㎡のスーペリアルーム。入ってビックリ煙草臭い。いや、タバコ+カビの混ざった鼻を劈く異臭かな。禁煙ルーム指定の予約なのにどういうことかと抗議をすると、直ぐに禁煙部屋を準備するからということでロビーで待機させられる。タイのホテルってオフィシャルサイトで直予約でもリクエストに目を通されてないことがしばしばあるんだけど、禁煙リクエストで喫煙部屋にぶっこまれるのはキツすぎるぞ。

15分後、禁煙フロアのスーペリアルームに通される。よし、悪臭はないなと部屋の中ほどまで歩いて入ると、エアコンから流れ出る悶絶もんの悪臭に絶句。やっぱりかび臭さからは逃れられないようだ。

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華美さは無く、くたびれた印象の客室。経年劣化を覆い隠せておらず、バンコクで同価格帯の最新鋭ホテルと比較したら外れも良いところ。“伝統”というと響きは良いけれど、タイの伝統が感じられるのはドアマンの衣装やロビーの内装くらいのもんであり、老舗ホテルとしてのサービスやスタッフの対応などは設備の古さを補えるレベルのものでない。なんかもう、ただ古いだけといった感じ。

水回りはマーブルを使っていて開業当時としては豪華な作りであったことを偲ばせる。ただ、シャワーブースのヘッドが汚すぎて使う気になれない。かといってバスタブでシャワーを浴びようにもシャワーカーテンが無いし、バスタブにお湯を張ろうと踝ほどの高さしかないので湯に浸かれない。
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しゃーなくシャワーブースを使おうと思ったけど、幾ら待ってもお湯が出ないという悲劇。なんだよこの嫌がらせ。もう少し待ったらお湯が出るかもしれませんという話だったが、結局この夜は申し訳程度のお湯がちょろちょろ出るだけという。Dusit Thaniとはタイ語で天使の町を意味するらしいが、これではDO SHIT Thaniの方がお似合いというくらい。


ダブルシンクの洗面台。ドライヤーのコンセントの差込口の接触が悪い。ハンドタオルはまだしも、バスタオルはヨレっヨレ。


洗面台の手前にはトイレ。ぽつんと便座があってみずぼらしい感じ。

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ガウンやアイロン、金庫などもあるし、必要最低限のものはしっかりと揃っている。でも、水がボトルじゃなく瓶の為、翌朝にルンピニ公園を散歩する際に持って出歩くには不便だった。しかもまた年季の入った瓶だこと!!!


カーペットなんかも相当痛んでたりシミがついてたり、壁にもキズやらシミがあったりととにかく古臭い部屋なんだが、ベッド周りだけ改装したてなのか妙にコンテンポラリーな感じで、部屋の全体的な雰囲気にマッチしない。寝心地は良いんですけどね、シーリーの厚めのベッドパッド使ってるし。

全体的にくたびれた印象の客室にあって、一番驚かされたのは窓。

え、何?モザイク加工?外、見えないんですけど!ホテルが建ってから一度も磨いてないんじゃないかってくらい。


ドュシットは日本では馴染みは薄いけど、一応デュシタニ以外にもデュシットテワラナ、デュシットD2、デュシットプリンセスなんかのブランドがあるタイ資本の国際チェーンで、ドュシタニバンコクはその中でもドュシットグループの総本山的ホテルの筈なんだが。5つ星なんか悪い冗談にしか聞こえないし、これでタイの伝統や格式を語っちゃマズいと思う。

気を取り直してプールに行く。プールにはお湯の出るシャワーもあるだろうし。

DEVARANA SPA(テワランスパ)へと続く階段手前を左に折れると右手にフィットネスセンターがあり、その外にプールがある。


先ず、フィットネスセンターは土日の営業時間が07:00-21:00で閉まっていて撃沈(平日は07:00-22:00)。続いてプール行くも、見事にクローズと。開放時間は07:00-19:00なんだと。仕事終わりにも泳げないという。それにしても小さいプールだなー。


それであればとロビーラウンジに向かうと、○○工業様御一行と思しき日本人集団が乱痴気騒ぎてて恥ずかしさの余り退散(*この画像は翌朝撮りました)。社員旅行とはいえハメ外し過ぎ。節度のある活動をお願いしますよ。せっかくドリンクバウチャー貰ってたのに使わずじまい。到着日限定とか言って翌日は使わせてくれないし、感じが悪い。


翌朝、ルンピ二ー公園を散歩した後にリベンジでプールに行くと、早くもインド人に占拠されていた。ただでさえ狭いプールにインド人集団と一緒ってのも気が引けたけど、折角なので入ってみる。すると、ただでさえ狭いプールの大半は滅茶苦茶深くて使えない。聞いたら最大水深2.8mだって。ダイビングプールかと思ったけど飛び込み台も置いてないし。シンクロレッスンでもやってるのか?

なーんか気持ちの良くない滞在になってしまったなー、と残念なチェックアウトする。「飲み物は?(多分ミニバー何か飲みました?と聞いている)」と日本語で聞かれ、瓶の水以外消費してない旨を伝えると、オーケーオーケー、ユーキャンゴーって…宿泊ありがとうございましたとか、またのお越しをお待ちしておりますとかじゃなく、「行って良し」。それも、妙にふてぶてしい感じで。

これで税込一泊18,000円。バンコクでは10,000万円以下でももっと良いホテルは掃いて捨てる程あると思うのだが、日本の大手旅行代理店のツアーで利用していると思われる大量の日本人客で活況を呈していた。ツアー会社的にはマーケティングしやすいんだろうけど、そんなに良いのかなー、このホテル。バンコクには他にも泊まってみたいホテルが沢山あるし、私はここにリピートすることはないだろう。

DUSIT THANI BANGKOK(デュシタニ バンコク)


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住所:946 Rama IV Road, Bangkok 10500Thailand
電話:662-200-9000



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