カットカット村のしたたかなセールスレディー達

サパ市場で新鮮果物をかっ食らった後は本日18:30発ハノイ行きのバスチケットを購入。旅行代理店のマージン込みで運賃はVND350,000(≒1,400円)。ラオカイを経由し、翌朝05:00前後にハノイに到着する。サパからは10時間超の長旅だが、体力の温存などしてられない。ホテルに戻りチェックインを済ませた後は休む間もなくカットカット村のトレッキングコースへと向かう。カットカットはサパ市内の最寄村で、滝や丘など自然の起伏に富んだトレッキングコースがある為、観光客に一番人気の村だそうだ。

サパ市内から南西に約3Km。サパ市場の横から延びる1本道を歩いて30分超、入村料VND50,000(≒200円)を徴収される関所へと到着する。


他の少数民族村に比べて遥かに観光地化している印象で、村への入り口には組織的な土産物屋がズラリと並んでいて、歩いていると少数民族ルックな商人から流暢な英語で商談を持ち掛けられる。


こちらは入村料と引き換えに頂いたカットカット村トレッキングマップ。現在位置が3aのチェッキングポイントになる。チェッキングポイントから丘を300m下った先にカットカット村があり、そこから短距離コースと長距離コースに枝分かれするようだ。距離をみると入り口から出口までの総距離は短距離で900m、長距離でも1,520m程度なので、長距離コースをとることに。所要時間の目安は短距離で30分から1時間弱、長距離で1時間半程度と、そうかからない。サクサクっとしたお手頃ハイキングと言った感じである。


村へと向かう坂道も土産物屋がびっしり。このように、村への道はずっと下り坂、そして村に入っても石段の下り坂が続いている。田圃の畦道をトレッキングするイメージで考えていたが、道は舗装道路や石段になっているので、多少の下り登りのアップダウンはあるもののトレッキング難易度は高くない。道順も分かりやすいので、ガイドさんも不要だろう。


カットカット村はモン族の居住地と聞いていたが、モン族グッズ以外にも少数民族風のアクセサリーやストールなどが多く取り揃えられているようだ。


どうやら外国人としては私が本日一番のりだったよう。朝一の観光客の匂いを嗅ぎつけたのか、物売りの黒モン少女たちがわんさかとやってきて、あっと言う間に幼いセールスレーディー達の餌食となってしまう。彼女たちは『buy for me』を連呼し、チームプレーでもって私の周りを完全に囲み、私の機動力はあっという間に削がれてしまった。周りを完全に密着包囲された身動きもとれない窮地に追い込まれ、私はただただ立ち尽くすのみ。いきなりの試練到来だ。


このような状況に追い込まれ、身動きもできない状況にいると、輪をかけて更に大量のモン族が援軍としてやってくる。なんてこった!!!どうなっているんだ!!こちらが何を言ってもBuy from meという返事しか返ってこないというやりきれない状況。ここで助け船!私の次に入村してきた白人観光客に助けを求めると、あっさり無視すりゃいいんだよと言って強引にスルーしていった。あぁあのふてぶてしさが私も欲しい。

くそっ!続けて横を通った白人老夫妻がチラッとこっちを見る。すると、今までこっちをマークしていた少女の約半分がそちらの老夫婦へと移ったではないか!マークが薄れた一瞬の間隙をついて私も前進を試みるも、手薄となったディフェンダーがきっちりと進行方向をブロックしているではないか。これでは引き返すか、前方のディフェンスのブロックの間を縫って突っ切るしかないか…いや、もう面倒臭い。別にぼったくり価格ではなかったので、根負けして、VND10,000(≒40円)の魔除けのようなキーホルダーを6個購入し、解放される道を選択。この可愛らしいセールスレディー達、私がお金を払った途端に一目散に走って離れていってしまうというのはちょっとひどいのではないだろうか。ちょっと傷心。


こんな顔をされたらなかなか断れません。

ひだり みぎ

ひだり みぎ
入り口の試練を乗り切ったさきには山の斜面びっしりに広がる棚田や緑いっぱいの山々といった原風景が。どことなく東北地方の農村地帯といった風情満点の風景で郷愁をさそいます。


牧歌的な農地の間を抜けていくと、早くもカットカット村のメインストリートに到達する。藍染めに使う樽や蘭染め衣裳が軒先に出ていたり、道端でおばあちゃんが刺繍に勤しんでいたりとモン族の生活感が感じられるが、働き盛りの若者は背中に竹や木で作られたバックパックを背負ってサパの町まで行商に行ってしまったようで、余り活気はないようだ。


緑が美しい景色が広がる中、子どもたちが走り回って遊んでいる声と家畜の鳴き声ばかり。平和そのもの。

ひだり みぎ
民家が個人商店を兼ねているようで、軒先には飲み物や民芸品が並んでいます。モン族の家庭料理レストランなんてあったら嬉しいのに、主に土産屋ばかりである。


こちらにも若い行商人。年が10にもならぬ内から自分の背丈の半分くらいある竹籠を背負って裸足で行商をしている。

ひだり みぎ

滝を過ぎ、こちらの吊り橋を渡ったところでカットカット村のトレッキングコースは終了。トレッキングと言うよりはハイキングといった感じで、さっくりと農村散策を楽しむことができました。でもさっくりしすぎててトレッキングと言うには物足りない…

この先にはバイタク運転手がうじゃうじゃと屯をしておりますので、疲れてもう歩きたくなくなっても帰りの足には困りません。


こちらはカットカット村から川を越え丘を越え、ガイドを兼ねて最後まで付き添ってくれたカットカット村のマイさん。いや、正確に言うと勝手についてきてしまったの だが、他にくっついてきた黒モン族は一人二人と途中で離脱する中で、彼女だけは薄っぺらいサンダルで最後まで付き合ってくれて、ちょっと嬉しい。幼女の物 売り攻撃が執拗な事を除けば、モン族の人柄はとても人懐っこく、無邪気で素朴な笑顔に癒される。一定年齢以上に達したモン族はモン族としての自我意識が芽生え、決して裕福な暮らしぶりではなさそうですが、現代的な生活を望んでいるわけでもなさそうで、一族の伝統と共に生きる幸せを感じているようです。この大自然とマイさんの笑顔をみていると、村の入り口での営業攻撃など忘れ、ほっこり和んでしまいます。

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