ダラットの街から南に4Km程進んだ先にある丘のケーブルカー乗り場は、更に2.3Km南下した先の小山に建つベトナム最大の禅寺・竹林禅院とを結んでいる。街の更に南の雄大な大自然の中にあるダタンラ滝やプレン滝へと向かうにも、このケーブルカーが足となる。
バイタクオヤジとの別れを惜しみつつケーブルカー乗り場へと向かう。丘の頂上に建つケーブルカー乗り場へと続く階段の先には五穀豊穣の祈りを捧げる女性の彫刻芸術が見られる。日本同様に稲作農耕文化を発達させてきたベトナム、田舎の水田風景は日本のそれを彷彿とさせるし、こういった芸術にも日本文化との類似性を感じることができる。
ケーブルカー乗り場の高台から眺めるランビエン山とダラット市街の街並み。色鮮やかに咲き誇る花々に澄んだ空気、青々とした山々、小鳥の鳴き声…中国・東南アジアの喧噪を離れる為の現実逃避の旅にはもってこい。癒されます。
ケーブルカーはオーストリア製。周りを見渡すと何故か100%ロシア人。男は皆揃って唇が厚く赤ら顔、ガタイが良く皆でゴルバチョフゴルバチョフ言っている。
ケーブルカーでは眼下に広がるダラットの街並みや高原野菜の畑、美しい松林・山々など高原都市ならではの絶景を約20分かけて楽しむことができる。しかし、生憎小生は一人旅、屈強なロシア人男3人組みとまさかの相席となってしまう。愛想も糞もなく、豪快に大声で談笑するロシア人と密室に閉じ込められるというのは非常に息苦しい体験だった。
ロープウェーを降り立った矢先では、ピッカピカに剃髪をした僧侶が列を成してお出迎えしてくれている。
いや、私を待っているわけではなく、どうやらお偉いさんが車に乗ってやってきたらしい。Zenマスターだろうか。この日の為に皆さま昨晩に髪の毛を剃り直したのだろう。見事に剃りあげられたテッカテカの頭で、車の中の人物にやたらと媚を売ってゴマをすっていた。ヘコヘコと頭を下げるサラリーマンのような僧侶の姿は正直見たくはなかったぞ。
テュックラム禅院。漢字表記だと竹林禅院。海抜1,300mの高地に位置する敷地面積6,000㎡の超巨大禅寺だ。日本でも一般の参禅者が増えているというが、先に見たヴァンハン寺も禅宗の寺院だったし、ベトナムってZENが流行っているのだろうか。そういやホーチミン氏にもZENモールなるショッピングセンターがあるしなぁ。
黄色い袈裟を纏った機械のように無表情の僧侶が敷地内を行き交う。各50人もの比丘・比丘尼が住み込んでいるそうだ。
おっ、境内にはグラニットボールも発見。数トンはあろうであろう巨大な石が綺麗に磨かれ、下から吹き出る水の水圧でクルクルと回転している。一点を芯に永遠と静かに回り続ける石が何となく寡黙に座禅を組み瞑想する僧のイメージと被らなくもないが、この巨大な石は仏教的に何か特別な意味があるのだろうか。知っている人がいらっしゃったらご教示頂きたい。
背後には山々が聳え、前方には一面に広がる緑地帯と湖畔。風水的には最高な立地条件になるんだろう。冷ややかで澄んだダラットの空気に新緑の新鮮さの中で何ものにも縛られず、拘らず、自然と一体となってあるがままに生きていく生き様も悪くは無いと思えてくるから不思議である。一人、ダラットの高原で瞑想に耽る。たまにはこういったのんびりとした旅も悪くない。
竹林の奥に見え隠れする湖。訳も無く湖を目指して下山することにした。
余りに美しい湖の姿に引きつられてピクニック気分で竹林寺のある鳳凰山を下山してきてしまったが、次なる目的地・ダタンラ滝へと向かうタクシーはおろかバイクすら走っていない。携帯電話で地図を見ると、ダタンラ滝へは山間の小路を3Km程進むことになるようだ。歩くにはちょい遠い…
30分程湖畔でぼーっとしただろうか。ダタンラ滝は諦めて竹林寺院に戻ろうかと思った矢先、ついにバイクで走り来るオヤジの姿を発見!バイタクかは分からぬが、車道に出てオヤジをストップ。気分はすっかりヒッチハイカーだ。試しにダタンラ!と言ってみると、『分かったよ』といった笑顔を見せて指を二本立てる薄汚い恰好のオヤジ。まさか20万ドンじゃないだろうしなぁ…それともただのピースサインだったり??彼の反応を見るべく2万ドン札を取り出してみると、嬉しそうに頷くオヤジ。ということで命拾い。20000ドンでダタンラ滝へと連れて行ってもらえることになりました。
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