ジャカルタを走る鉄道はKRLジャボタベックと呼ばれ、インドネシアのジャカルタ首都圏に住まう庶民の足となっている。ジャボタベックというガンダムに出てきそうな名前は、ジャカルタ首都圏の各衛星都市の通称であるJakarta、Bogor、Depok、Bekasi、Tangerangの頭文字が組み合わせられたものらしい。
ジャカルタ都市圏の鉄道の電化計画には日本も深く関与していて、日本のODAによりジャカルタ大都市圏鉄道輸送計画・ジャボタベック圏鉄道近代化事業が推進されていった。鉄道車両に関してもジャカルタが日本で引退した中古車両の受入皿となっているので、日本の中古車両の第二の人生を送る様子をジャカルタで見ることができる。
自分自身は鉄チャンでも何でもないが、せっかくジャカルタにいるのだからと日本のODAで事業化されたジャカルタの鉄道に乗ってみることにした。
駅は妙に汚い上にドブだか人尿の匂いが充満、構内も歩いている人の数は少なくて物凄く薄暗く陰気くさい。土曜日真昼だというのに商店のシャッターは下り、ホームレスが床に直で寝転がり、不良少年がBMXのテクニックを磨いている。ここは本当に駅舎なのか!!
駅前にスタンバイするのも四輪タクシーなんて立派なものではなく、廃車寸前のバジャイだ。
こちらは駅一階の商店街だが、廃墟のようですらあり、すえた臭いが充満してる。
階段で2階ののコンコースに上り、映画館の入場券売り場のようなきっぷ売り場でぶっきらぼうな係員から切符を買う。料金はRP 8,000(約70円)、もちろん自動券売機なんて洒落たものはない。
エントランスの先は更に薄暗くなっていて、前方にはヘルメットを被った警備員が2~3人パトロールをしている。なんなんだよ一体!厳戒態勢でも敷かれてるのか!!
改札口は一応は自動設備が有るのだが、肝心のチケットが電子化非対応の紙切れ一枚なので結局は警備員がマニュアルで改札することになる。何の為の自動設備なんだろうか。
ホームに上がるエスカレーターもベルトが擦り切れてしまって使用できないようだ。日本のODAによるものなのか知らないが、メンテナンスを怠けてかこんなことになっている姿を見ると無性に悲しくなってくる。
ホームもまた殺伐とした雰囲気だ。何だか物騒な空気すら漂っていて、私が少しでも不審な動きをしようものなら即刻どこかで銃を構えている警備員に射殺されるのではないかというくらい、張り詰めた空気が流れている。
暫く待っていると、颯爽と東急鉄道がやってきましたww何だか懐かしい車両であるが、元気に現役でバリバリやっているようです。
ただ、何をそんなに警備しているのだろうか、警備員が至る所に配属されている。
そうこうしているうちに電車は北方面の終着地点のコタ駅に到着。下車しようとすると…
なにこの段差!『電車とホームの隙間にご注意ください』どころの騒ぎではない。皆さん恐る恐る下車していますww
【KRLジャボタベック路線図】
今回はマンバブサールからコタ駅まで僅か2駅の乗車だったが、それでも驚きの連続であった。もう少し長い休暇が取れればジョグジャカルタまで列車で行くのになぁ。
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