白と深紅に彩どられた三角屋根の面白い建物物を発見。観光マップを見ると、高さ12.45メートル(台座を含めると16.95m)、幅9.55メートルというタイ最大の青銅仏であるプラ・モンコン・ボピット仏を本尊とする現役の寺院となっている。変な名前がが、「モンコン」は「吉祥」、「ボピット」は「清浄」をそれぞれタイ語で意味し、吉祥で清浄なモンコン・ボピット仏が収められているので、プラ(寺)・モンコン・ボピットとなる。
17世紀前半のソンタム王の治世に元あったワット・プラ・チアングから現在の場所に移管され、同時に屋根が幾層にも重なり中央が尖るモンドップ型の大仏殿が造られたそうだ。18世紀初めには落雷の直撃を受けて大仏殿の屋根が崩壊、大仏像の首ももげてしまった。修復されて数十年後の1767年にはビルマ軍の攻撃により大仏殿の屋根が出火、仏像自身の右手と頭部も欠落してしまったという悲しい受難の歴史があるそうな。その後ラーマ5世時代に修復が進められ、1956年に現存の礼拝堂が完成、大仏も漆喰で補修され、その後には金箔を塗ってグレードアップさせたとのことだ。案内看板には更に礼拝堂完成の前年には当時のビルマ首相がアユタヤーを訪れ、過去のビルマ軍の行為に対する謝罪を表明し、この礼拝堂修復のために20万バーツを寄附したという逸話も紹介されている。日本からのODAを大衆に告知しない某国とは違う。
礼拝堂に近づくと、ワット・タンミカラートにもあった松平建風の寝顔像がここにも!!こちらにも解説はなく、残念ながらこの顔面の由来は分からい。
そして法界定印を組んだ手の像と奇妙なオブジェ…理由があるんだろうが、体のパーツがバラバラに個別に展示されていると有難さより不気味さしか感じないのだが、タイ人は普通に手や顔面の像にお祈りをしていたりする。
噂の御本尊様である巨大座仏は本堂の真正面に威風堂々と鎮座している。二度に渡り頭や腕がもげるという災難を経ながらも何事も無かったかのような涼しいお顔。流石は仏陀。そしてお体も青銅製だが金箔が塗られているので見る者の目をチカチカさせるほどに真っ金金!!観光客の注目の眼差しを一身にお受けになっています。
サイドビュー。横から見ても流石の存在感。
大仏の脇には本尊様を取り囲むように金箔を塗りたくられた仏像が並んでいる。
金箔まみれで顔の原型を留めていない像もあり、試合後のボクサーのように見えて何だか痛々しいのだがwww
本尊の前に固まってカメラを構える観光客の横で仏像に熱心にお祈りを捧げるタイの方たち。現役の寺院だけあって神々しく厳粛な雰囲気が有るので、流石に騒ぎ立てる迷惑な観光客はいないようだった。ハスの花とろうそく、お線香の参拝3点セットは礼拝堂前の露店に売られているので、お望みであれば観光客も見よう見まねでお祈り体験をすることができます。私もワット・ロカヤスタで習った通りにタイ式の参拝を披露してみたが、周りのタイ人からは何だか怪訝そうな眼で見られてしまった…
【営業時間】8:00-16:30
【入館料】無料
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