[youtube width=”610″ height=”300″]https://www.youtube.com/watch?v=piVPI6VsgGY[/youtube]早いものでマレーシア観光も最終日。プランを若干変更し、朝一でクアラルンプール中心部から北13kmにあるバトゥ洞窟へ向かう事に。このバトゥ洞窟は19世紀後半にインド人有力者がヒンドゥー寺院として開いたのが始まり。今やヒンドゥー教の聖地とも目され、毎年1~2月に行われるタイプーサム大祭には150万人以上もの信徒が参拝されるそうだ。マレーシアは総人口の6割がマレー人(イスラム教徒)、3割が中国系(仏教徒・キリスト教徒)であり、マレーシアのインド系(ヒンドゥー教徒)は総人口3000万人弱の僅か8%(240万人前後)を占めるに過ぎない。単純計算で国内のヒンドゥー教徒の6割もの信徒がバトゥ洞窟に集まるのだ!
タイプーサム大祭の時の洞窟の様子。しかもこのタイプーサム大祭、ただの祭りではないらしい。集まった信徒は舌や頬、胸、背中、肩など体中に串や針を刺し、くっそ重い御神輿を担いで洞窟までの山を登るという過酷極まりない苦行が行われるらしいのだ。余りのキチガイさから、ヒンドゥー教の本場インドでは開催を禁じられる程のエクストリーム祭りらしい。そりゃあ健康祈願したいのに自ら体を傷つけないといけないとか本末転倒にも程が有るだろう。
さて、このバトゥ洞窟、以前まではセントラルマーケット付近のバンコク銀行前からのバス(11、11D、69番)かタクシーでしか行けませんでしたが、KTMコミューター線がバトゥ洞窟まで延伸したそうで、アクセスが大幅に改善されました。KLセントラル駅窓口で目的地をつけて切符を購入し、KTMコミューターに乗り込む。
KLセントラルからは乗り換えも無いし、バトゥ洞窟は最終駅なので迷うこともない。駅構内の通路を抜けて洞窟方面に出ると早速険しい絶壁が出現。
絶壁に面してラマヤナ寺院と呼ばれる小さな祠が建っているので向かってみると、緑色をした巨大なサルの像が出現。孫悟空のモデルにもなり、怪力と勇気、忠誠心、そして不死の神様ハヌマーンさんだ。優しい顔に筋肉ムキムキの肉体美、そして…何だか胸もとを切開しているぞ!!
ミシッ!メリメリッ!べキッ!パカッ!こうして切開された胸の中には何と笑顔で手を振るラーマとシーターの姿が!ラーマの家来として悪者を退治、スリランカでの激戦で倒れたラーマ王子の弟の命も救い、ラーマの妻シータが魔王の巣窟で幽閉された時も持ち前の勇気と怪力で勇敢に救出。ラーマに尽くしてきたハマヌーン、胸を切り裂きラーマとシーターの人形を忍ばせたのも、何とラーマへの忠誠心を示すためらしい!!!他にも忠誠心を見せる方法はいくらでもあったろうが、これがハヌマーン流!!!!!!私がラーマだったら無理。絶対無理。何もそこまで…と思って逆にドン引きだ。
洞窟への入り口へ向かうにつれて、徐々に参拝客で賑やかになってきた。やはり目立つのは色鮮やかな民族衣装に身をまとったインド人。えぇ、見渡す限りインド人。小さな子供から女性まで、家族総出で参拝に来られているようです。
広場の中央にはシバァの次男さんとされるスカンダというヒンドゥー教の軍神最高司令官の巨大像がバトゥ洞窟の入り口横にで~んと構えている。その高さたるや、42.7メートル!!何だかガンダムに出てきそうな感じだし、背中にジェットエンジンを搭載していて飛び出しても不思議ではない。巨大スカンダ像の脇には272段の心臓破りの石段がバトゥ洞窟の入り口へと続いている。
参拝客の数も凄いがハトの数も大変なことになっている!しかも奴ら、人を恐れない!食べ物を持って歩こうものならハトの大群による集中砲撃に晒される羽目になるので注意が必要だ。
ハトの大群を突破して心臓破りの階段まで来たと思ったら、階段では鶏やらサルやらが我が物顔で闊歩している。このモンキーは鞄をひったくったりするヤンチャ者と専ら評判。ヒンドゥーの聖地まで辿り着くのは楽じゃない。
迫力満点の鍾乳洞。深~い洞穴が口を開けて信者の到着を待っている。
急勾配の階段を上がりきった先にある石灰岩で形成された大鍾乳洞とクアラルンプール郊外の壮大な街並みの景色は絶景そのものだが、ここにたどり着くまで皆さん大量の汗をおかきになっているようで、若干の汗臭さがムードをぶち壊してくれる。
約4億年の間、岩から滲みでる悠久の雫によって形成された鍾乳洞。内部は予想以上に奥行があり、歌のようであり語りのような旋律の音楽が響いている。汗臭さの減点を差し引いても尚余りある神秘的魅力があり、まるで別の惑星に迷い込んだような錯覚にとらわれる。
入り口では胡散臭いヒンドゥー教具店が商いをしている。お供え用の花とかではなく、車に貼りつけるヒンドゥーの神々が配されたマグネットステッカーや蛍光壁飾り、キーホルダーなどなど非常にレアなグッズが並んでいる。
ヒンヤリとした洞窟内には至る所にヒンドゥーの神々のカラフルな模型や神話に基づく壁画なども並んでいて、神秘的であると同時にテーマパークのようなのほほんとした雰囲気も漂っている。ヒンドゥーはイスラムの対極で,多神教で偶像崇拝,おまけに無数の化身を有するので神々の像には事欠かず、見ていて面白い。
川口浩の冒険隊になった心境だ。洞窟内を奥に進むと小さな社があり、演者による生演奏に合わせて信徒たちが熱心な祈りを捧げている。4億年の大地の運動によってもたらされた洞窟内に広がるヒンドゥー教の幻想的な世界だ。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=piVPI6VsgGY&feature=youtu.be[/youtube]
洞窟の奥にはさらに別の階段があり、この先に本堂が置かれている。
洞窟の一番奥にある寺院。敬虔な信者たちに交じって靴を脱いで本堂に上がってみた。おでこに赤い印をつけたヒンドゥ教徒の人たちが次々と参拝している姿を見学していると、神事を執り行っていた司祭と思しき方が笑顔で手招きしているので近づくと『You are the luckiest man』『it’s a lucky day for the luckiest man on the whole world』と言われ、蓮の花びらを渡される。『あなたはラッキーだ。』としか言わず、他は何を聞いても応えてくれない。蓮の花びらを渡されるもどうするのか分からず立ち尽くしていたら、もう帰った方が良いみたいなことを言われたので気持ち程度のお布施を残して撤退。一体なんだったのか、不思議で不気味な体験だった。
続々と聖地を目指し階段を登るカラフル衣装を身に纏った信徒達。流石にヒンドゥー教の聖地と言われるだけあって俗世離れした神秘的な寺院であった。
住所: | GOMBAK,SELANGOR DARUL EHSAN, MALAYSIA |
電話: | (03)63337328 |
時間: | 06:00-21:00 |
定休日: | なし |
料金: | 無料 |
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