
全世界的に男女平等が声高に叫ばれる昨今、当然ながら女人街があれば男人街もあります。男人街は深夜特急で廟街と呼ばれている夜市街で、地図上でも実際に廟街となっているが、コンプライアンス意識の表れか、女人街との対象で男人街との名が広く浸透している。可愛らしい小物商品や衣類がメインの女人街と比すると、男人街に並ぶ商品は確かにチープでジャンクな電化製品やブルースリー・毛沢東関連グッズなどパンチの利いた土産物が多く、男臭を漂わせる。食事処もオシャレとは程遠く、野外にテーブルとイスを並べただけのB級、C級大衆食堂が並ぶ。怪しげな占い屋や雀荘などがあるのも男人街の特徴の一つだ。
『彌敦道(ネイザンロード)』を挟んで西側、油痲地~佐敦を走る廟街と上海通りの一部が男人街と呼ばれている。
MTR佐敦駅のA出口から佐敦道を西に向かって進み、4本目の通りに見える立派な門が男人街こと廟街の南の出発点。

門をくぐると、時計は19:00を回っているが、露店は未だ準備中のようで、各店員とも忙しなく資材と店舗の建材を搬入中。昼から開店する女人街と比べて始業が遅いようだ。黒いごみ袋いっぱいに詰めた商品を無造作にベニヤ板の上に吐き出すだけ。女人街のような緻密な商品並べ置きなど不要、これぞ男の陳列だ。

主な建材は土台に使うビール瓶の入れ物やスーパーの買い物かごの他、ベニヤ板、パイプ数本に豆電球という超脆弱設計の店舗。突風なぞ吹こうものなら大惨事が待っている。
女人街と同様、細い路地の両サイドを露店が占拠する。真ん中の歩くスペースの事などお構いなし。お互いが主張し合う様に店舗を前に突き出す為、買い物客は肩をぶつけながら通りを歩くことになる。


両サイド外側のビル沿いには鮮度がウリのB級海鮮料理屋が並ぶ。活きた魚介類を注文受けてから調理するスタイルで人気を博し、店に入れない客は直ぐ前に車や人々が行きかう公道に無造作に置かれた机と椅子で食事を楽しむスタイル。

さて、男人街は夜が深まるにつれて活気づいてきます。店と人と物の氾濫は、見ているだけの者すら興奮させてしまうほどのエネルギーをまき散らす。

女人街と比べると怪しさに勝る男人街。女人街ではブリトニーやジェイロー、アブリルラビーン等の明るめポップスが流れていましたが、ここ男人街では怪しげな民族音楽や、今にも象やラクダを呼び寄せそうなインド風音楽が流れたりしていて、異国情緒を強烈に漂わせます。


女人街では見かけなかった、独特の感性を持って描かれた妙に写実的な絵画が多くみられる。ババアのヌードや深緑で痩せこけながらも妙に目力の強い僧侶、笑いながら嘔吐する白人紳士など、意味の分からぬコンセプトがウリである。




中国風印鑑や毛沢東グッズ、中古電化製品や麻雀パイ、トランプ、風水グッズなど、女人街よりは中国色、ガラクタ感の強い商品ラインナップ。カラーキュービックスやエロトランプなど、男の童心をくすぶる懐かし商品も盛り沢山。
男人街も中腹まで差しかかったところで、闇にひっそりとそびえる道教寺院・天后廟にあたります。

油麻地がまだ埠頭だった頃の名残りで、漁師と海を守る女神が祀られていて、今でも地元民に深く信仰されているようだ。周りの雑踏が一瞬にして消えて、時が止まったような神秘的な空気が流れていて、周囲にはパワースポットの霊力にあやかってか、怪しげな占い部屋が点在しています。



結局この日は冷やかしたのみで何も買わずじまい。最後に足マツサーヅを受けて男人街を後にしました。規模的には女人街に劣りますが、店舗の雑多感に優れる男人街、何か掘り出し物が見つかるかもというワクワク感では女人街を圧倒!昼はオープンしていませんが、香港の夜の最後の〆に男人街を冷やかすのも面白いです。



















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