権利と好意

普段は扱き下ろす事も多い中国の方々の公共スペースでの行動マナーやモラルだが、バスや地下鉄で若者が率先して年配の方々に席を譲る姿には感銘を受ける。勿論、若者の全員に全員が快く老齢者の為に席を譲るわけではないが、彼らが席を譲る姿はかなり頻繁に目撃する。

逆にけしからんのが高齢者の方々だ。席を譲られても仏頂面であたかも自分がVIPで席を譲られるのが当然といった面持でどっしりと着座、お礼さえしないケースが多い。若者の好意を自分が持つ当然の権利だと履き違えている。

何故こんな話をするのかと言うと、先週にこんな風景を見てしまったのだ。

一人の老人が不確かな足取りでバスに乗車。バス車内を見渡すも、誰にも席を譲ってもらえないという、彼にとってあってはならない想定外の事態が発生。するとその年配者は私が立っていた場所の斜め前の席に着席中の若者にロックオン。直ぐ近くに陣取り、露骨なまでに咳払いを繰り返し、若者に無言の圧力をかける。しかしその若者は視線を下に向け、老爺の存在に気付かぬふりをする。

すると…
若者が下に向けた視線に入ろうとしたのか、若者の席の前で屈伸運動をし始めた!!どうしても若者に自己の存在を気づかせて席を譲らせたかったのか、物凄い執念である。そんな老体に鞭打つ執念が功を奏したのか、仕方なく席を立つ若者、そしてドヤ顔で礼も言わずに席に着く老人。

若者の好意に感謝の気持ちが麻痺してしまったのか、中国の御老人達は席を譲られるのを当然の権利だと思っているのだろう。そう気づかされた一コマであった。

それにしても、屈伸運動できるくらいなら少しくらい立ってても大丈夫だろう!


この老婆の邪悪な顔を見よ!!

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