折角なので、江戸東京博物館がある墨田区両国周辺を『お江戸マップ』を片手に探索してきました。江戸時代には両国と言う町名は無く、現在の隅田川にかかる両国橋とその東側の下総国と西側の武蔵国地区一帯を指して両国と呼ばれていたそうな。
今や廃れてしまっておりますが、この両国橋周辺は江戸随一の盛り場として栄えており、橋の両詰の広小路に見世物小屋・水茶屋・髪結床・各種屋台が並び、物売りや大道芸人、夏には納涼船が集まってきて盛り上がりを見せていたようです。
これは江戸東京博物館にあった両国橋祇園会之図です。
1861年の夏祭りの様子だそうですが、物凄い賑わいでしょう?(笑)この両国橋は1666年の出水で流され、続いて1680年の大風雨に流され、1703年には火事で焼かれるなど江戸時代だけで7度も流失・消失を繰り返しました。
西側の広小路。上野・浅草と並んで江戸三大広小路と称されておりました。
橋自体、1657年に江戸市街で発生した大火事後に対岸への避難の便を図り幕府によって架けられた背景があり、この小路も火除け地として設けられた為、賑わっていたとはいえ、いざという時に短時間で片付けられる簡易店舗ばかりだったそうです。
こんな感じに賑わっていたそうな。『四つ目屋』と呼ばれるアダルトショップも展開するなど、猥雑な雰囲気のある盛り場だったそうです。妄想癖のある私なんて当時の様子を勝手にイメージしてしまいます。
現世の両国はと言いますと、盛り場としての盛り上がりは影を潜め、相撲のメッカとしてしかパッとしない印象だと思うのは私だけでしょうか。この相撲は1768年、両国の回向院で勧進相撲が行われるようになったのが始まりされています。
回向院は、1657年に江戸で発生した『振袖火事』こと明暦の大火による死者を弔うために将軍家綱の命で建てられた寺院で、その供養にかかる費用を募るために相撲興行が行われたそうです。
江戸東京博物館にあった画ですが、タイトルは失念してしまった(涙)回向院の本堂(の右側に見えるヨシズ張りの巨大な建物が相撲小屋だそうです。表門の外に建てられた相撲櫓から打ち出される櫓太鼓の音で勧進相撲の開催をお知らせしました。
『谷風・鬼面山谷五郎 取り組の図』現代の写真技術も素晴らしいが、こういった絵でも当時の様子を十分に感じ取ることができます。
現代の回向院。昔と今を行ったり来たりで申し訳ない。
先述の振袖火事は死者10万人以上、遺体の多くが身元不明という大惨事であり、引き取り手の無い遺体はこちらの『無縁塚』にて埋葬供養されています。
院内の力塚。当時は相撲が回向院内で行われていたこともあり、昭和に入って相撲協会が歴代の物故力士や年寄の霊を慰霊するために院内に建立したものだそうです。
その後、国技館が建設されましたが、火災や地震、戦争で幾度も焼失。現在の国技館は1984年に完成しました。
江戸東京博物館の出口前広場から見た両国国技館。今では相撲が国技とは言えなくなっておりますが…
両国周辺では国技館内ならずとも相撲関連の風景をよく目にします。
現役力士だってバリバリ見ることができます。プライベートなのに浴衣着ないといけないのかな?普通に自転車こいでて失礼ながら笑ってしまった。
本当ならばもう少し町探索を続けたかったのだが、一時帰国の身で時間的制約がある為に泣く泣く次へ移動します。次は九段下の昭和館を目指します。
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