ホーチミン市博物館

ホーチミン市内の他の博物館と比べると若干知名度不足な感が否めないホーチミン市博物館。後回し後回しで今まで行きそびれていたので、遅ればせながら拝観してきました。

ホーチミン市博物館
開館時間:08:00~17:00
入館料: VND 15,000

1886年、仏印の植民地時代に建築されたフレンチコロニアルの匂い漂う重厚な宮殿風の建物です。

元々はフランス人官僚の宿泊先として建てられました。ベトナム共和 国初代大統領・ジエムが対抗組織から身を隠す際に使用されていた建物としても有名です。何でこんな派手な建物に隠れたのかは謎。結局、反ジエム(親米)過激派勢力の反乱部隊により無残にも…


建物の周囲にはベトナム戦争時の戦車やジェット機・砲台などが並べられています。

博物館は2階建てで、1階が現ホーチミン市の先史時代からの自然・考古学の模型展示や、文化・歴史・商業についての展示で、2階は対仏レジスタンス運動~救国反米抗戦に関しての紹介という構造です。

●商業


器用な手先を活かしたジュエリー・陶器・靴の製造が古くからベトナムの商業・文化の中心です。

紙幣は200・500・1000・2000・5000・10000・20000・50000・100000・200000・500000ドンと細かく揃っていますが、200ドンと500ドンは余り流通していないようで、スーパーでは1000ドン以下のお釣りの際は、釣り銭の代わりに飴玉を渡されたりします。

紙幣上に描かれている人物は律儀にも全てホーおじさんである。


ニッコリ笑顔のホーおじさん。500,000ドン札≒2000円弱くらいの価値です。

●文化
実は多民族国家のベトナム。民族によって婚礼衣装が異なります。

クメール族の婚礼衣装。カンボジア人の90%以上を占める人種は黄色と白が基調の清潔感溢れる衣装です。


マレー系・インドネシア系のチャム族は男女とも可愛らしい衣装。


ベトナム国内の華僑であるホア族の衣装。官衣と似ていて、モロに中華色丸出しです。

こちらは漢字表記の書籍。

古来から中国と密接な繋がりがあったベトナム。実は20世紀中盤まで漢字教育が続いていました。


後にローマ字表記であるクォック・グー(国語)がフランス植民地政府によって公式な表記法として定められました。ローマ字とアクセント符号のコンビネーション文字。私にはさっぱりですが、これがベトナム国内の識字率向上に繋がっているようです。

ここから2階へ。

●対仏レジスタンス運動

『Independence or Death』1940年代になるとホーチミンが結成したベトナム独立同盟(通称ベトミン)が勢力を伸ばし、独立への機運が高まります。


デモ参加者の中には未成年や女性の姿も目立ちます。


マネキンたちの無機質感が非常に不気味。

●救国反米抗戦
一難去ってまた一難。フランス・日本が退去したと思ったら、今度はベトナム統一をかけた米国との長期戦となってしまいます。

戦争はゲリラ化し、南ベトナム民族解放戦線は全長250Kmにも及ぶ地下道を作るなどして根気強く抗戦を続けます。有名なクチトンネルです。

これは何の変哲もない雑木林の地面に見えますが…


地面の下はこんな感じになっています。蟻の巣のように張り巡らされた地下道の中では、兵士たちの炊事場や医務室、会議室なども完備されており、ここがゲリラ戦の拠点となりました。


トンネル出入り口付近で息を潜めて襲撃を狙う(!?)兵士。爆薬や武具、衣服や食料までもを自給自足で補っていたそうです。恐るべし忍耐力と生命力。


枯葉剤の投下など、米軍の非人道的戦略が世界各国でも報道され、世界世論的に米軍撤退を主張する政治デモが相次ぎました。


軍事力では到底かなわない米国と粘り強く戦った結果、1975年4月31日にようやく南ベトナムのサイゴンが陥落、南北ベトナムの統一が果たされることとなりました。共産圏と資本主義圏の統合。まさに歴史的瞬間です。


道端に脱ぎ捨てられた南ベトナム軍の装備品。


ベトナム民族の再統一・帝国主義支配からの解放に沸く人々。こうして今のベトナム社会主義共和国が建国され、今に至ります。

建物自体は大きかったですが、じっくり見て回っても2時間かからない程度です。中は空調が無く蒸し蒸ししていたので私は1時間程度で大雑把に見て回りました。もう少し涼しければ時間をかけてみて回れるのだが…

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