以前にも書いたジャカルタを走る電車の満員っぷり。
乗れてね~~。はみ出るとかの次元じゃなくて、乗れてない。この状態でもドアを閉めず走り出しますから!車体にしがみつく乗客には相当の腕力が求められる。
乗車人数を増やす為にドア何て取り除かれてますから安全基準なんて言葉はインドネシアの辞書には載っていないのでしょう。
インドネシアではジャカルタ近郊に人口が一極集中してしまっており、街中どこを見ても溢れんばかりの人・人・人・そして人…渋滞も凄ければ電車の入りも凄いわけです。そこに電車本数の不足も手伝って、ラッシュアワー時には一つの列車になんと万単位の人数が詰め込まれるそうです。なんせ車内からあぶれ出た人たちは屋根にも乗ったりしてるんですから、その様子には度肝を抜かれます。ジャカルタの電車速度は若干遅いとはいえ、電車の屋根に乗って移動なんて、考えるだけでもスリル満点というか、掴むところも無いし走行中の振動も大きいので普通に考えて落ちるだろ!と思っちゃいますよね。それが……やっぱり落ちるんです!走行中の電車の屋根から落下することによる死亡事故が頻発、社会問題化していました。
そこで国営鉄道当局は熟考。どうせれば電車の屋根からの落下事故を防げるか。知恵を絞りに絞る。
当然ながら屋根への乗車を防げれば落下事故を防げるわけです。問題は『屋根への乗車防止』の目的を達成する為の手段。
屋根への乗車客に膨大な罰金制度を課す……………否!!
各駅にて屋根への乗車客の取締を強化………………否!!
屋根の構造を変えて登れないようにする………………否!!
電車の稼働数を増やして混雑を緩和……………………否!!
そしてインドネシア国営鉄道当局が採った渾身の対策とは…
①屋根にオイルを塗って登れなくする…………………効果無し!
②駅で音楽家を雇って安全に関する歌を演奏 ………効果無し!
③屋根に鉄線を張り巡らせる……………………………効果無し!
インドネシアの英知を集結させて厳選した対応策も効果無し。第四の策を打ち出しました。それがこれ!
Pic borrowed from CNN
はい。コンクリートの球体を列車の通り道にぶら下げてみました。これにより屋根の上の乗客はコンクリの塊に打ちつけられて危ないので誰も乗らなくなるだろうとの発想。これ、絶対に乗客を死なす気ですよね!当局役員は語る。落下死亡事故を未然に防ぐのが目的だったはずが、まさに本末転倒。
当局役員の一人であるマテタ氏は自信を漲らせた表情で語る。『これにより屋根の乗車客の頭部に致命的ダメージを与えることができ、この恐怖が無謀な乗車への抑止力となる。』
この国営鉄道局の措置に対し、ほぼ毎日、電車の屋根に登って通勤しているムルヤントさんのコメント。
『初めはこのニュースを聞いた時に恐れ戦いた。これは危険であろう。だがこれも長くは続かない。彼ら(鉄道当局)は様々な方策を講じてきたが、いつも俺らが勝ってきたんだ。』
数年前に当局が設置したスプレーガン。屋根の上の乗客にスプレーを吹きかける事で駅到着後に容疑者を特定する手法だ。これは乗車客に破壊された。(←犯罪だろ!)
この措置に対してインドネシアの乗客がどう出てくるのか。鉄製ヘルメット装着?マリオのように走行中にジャンプ一番、ヒラリとかわす?今後も当局と乗客の激しい鬩ぎ合いが続きそうで要注目です。
Related posts(関連記事):
ようやくだ。昨年度は志半ばで断念せざるを得なかったSPG全11ブランド制覇の夢、漸く達成することができた。 今夏にエレメントを落城させリーチをかけてからというものの約3か月、ようやく最後の難関A Tribute Portfolio Hotel"を攻略して悲願達成。同時に今年のSPG滞在数44・宿泊数75となり、Your24の特典も手にすることができた。 まだまだホテル数の少ないトリビュ...
シクー寺院・チュト寺院の見学を終え、ラウ山の中腹からサンギランへバイクで向かう。天空の幽玄の地から地上の俗世界へと降り立っていく気分である。 移動距離は55Kmと大したことないのだが、山間の九十九折れでスピードも出せないし、平地は平地で一部が凸凹道となっていたりしたので、3時間以上もかかることになるとは… 標高3,265mの聖峰ラウ山を結構な傾斜で下ってく。 地球は丸い!っ...
いきなりですが、皆様ラマダンという言葉を聞いたことがありますでしょうか? 断食がイスラム教徒の義務である六信五行の一つであることをご存じの方は多いと思いますが、表題のラマダンとは、その断食を行う月のことであります。イスラム暦では1年は354日と太陽暦より11日早く動くので毎年ラマダンの時期も11日づつ早まっていき、2012年度は7月20日から8月18日までがラマダンにあたります。 1ヶ...
オランダ統治時代に栄えたという高原の避暑地ボゴールにある唯一といっていいほどの見所がボゴール植物園。東洋最大規模・最大栽植種を誇る巨大植物園だ。ボゴールという街自体がオランダ人居留地として発展した歴史があり、この植物園も元々は蘭印総督府の庭園だったそうだ。その後、ナポレオン戦争後に一時的にジャワ島支配が英国に移るも、オランダの所管に戻った1817年、正式に植物園として開園し、1822年までに47ヘ...
初めまして。
私は日本でテレビ制作をしているものです。
インドネシアと日本の鉄道についてリサーチしているのですが、現地のお話をお聞きできたらと思っております。
お手すきの際、メールいただけますでしょうか。
宜しくお願い致します。