ウルムチ国際大バザールと二道橋市場

さて、零下10度を下回る極寒のウルムチで何をするか。

最寄りの海から2300kmほどの距離があり、地球で最も海から遠い都市と言われるウルムチ。敦煌やハミ、トルファンのさらに奥というと砂漠と山脈しかない西域の僻地というイメージを抱いてしまいがちだが、実際には天山山脈の麓に上海や深センなどと何ら変わらぬ驚きの大都市が形成されている。街の中心部には有名ブランドが入る大型モールや高層ビルが軒を連ね、街にはオシャレな装いの若い漢族男女がスマホをいじくりながら歩いていますからね。

そんな大都市ウルムチの市内には、残念なことに観光資源は殆ど無い。唯一観光地らしい場所と言えば国際大バザールくらいのものだけど、ここも訪れた旅人たちからは不自然に作られたはりぼて感満載のショッピングモールと扱き下ろされてしまっているし。さてウルムチで何をするべきか。

一日中ホテルに籠りっぱなしもなぁ、かといって郊外まで出るのも億劫だし…ということで、考え抜いた末にはりぼて感満載の国際大バザールを見に行ってみることに。シェラトンからバザールへ直で行けるバスが無かったので、先ずはバスでウルムチ南駅へ。

ウルムチの冬は過酷で、1月の平均最低気温は零下19度。酷い時には零下30度を下回るとか。雪山あり、氷柱トラップあり、道路凍結有りと、完全にアイスクライマーの世界である。

ひだり みぎ
ウルムチ南駅は蘭州からの蘭新線・阿拉山口駅からの北疆線・カシュガルからの南疆線の終点起点となっていて、駅前は旅館や市場も多くワイワイ賑やかな雰囲気だ。


それにしてもウルムチの中心部には本当に漢族が多いなぁ。新疆にいるという実感がわいてこない。

ただ、国際大バザール近くの二道橋マーケット周辺なんかはウイグル色が強く、エスニックな街並みが広がっている。

これでも随分と行政による再開発が進んでしまっているらしい。少し前までは更に古朴とした雰囲気だったとか。


どれもこれも色彩が派手だし、ここら一帯では女も男も絢爛多彩な民族的服飾を見にまとっているので、とにかく街中がカラフルだ。

二道橋マーケットに入ってみる。
ひだり みぎ
ここで商われているのは新疆各地及び中央アジア各国の伝統的手工芸品や生活用品であるようだ。数元程度の使い捨て食器や繡花小帽から様々な図案をした数万元の本格的ウイグル地毯や高級和田玉まで何でも揃っている。

ひだり みぎ
このフロアには干し果物や飲食ブースが立ち並び、漂う空気には様々な香りが入り混じっている。

続いて、ローカル色の強い二道橋マーケットから観光客向け要素の強い国際大バザールへ。

尖塔にモスクらしき玉ねぎドーム屋根…潔いほどにこってりこってりしたイスラム建築がお出迎えだ。

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このバザールは2009年のウイグル騒乱の現場となった場所であるらしく、今でも厳重な手荷物検査が行われてる。

ひだり みぎ
うーむ…噂に違わぬハリボテ感。シンボリックなイスラム風な塔やテントなんかが設置されている。


ラクダやピラミッドまであるし…。

ひだり みぎ
オフシーズンの為かバザール内の各店舗には客が殆んどおらず、全くといっていいほど活気がない状態だ。一番人気が同じ敷地内のカルフールというんだから笑えてくるわ。皆さん他の店は眼中にないといった感じで、荷物検査を受け敷地に入ってからカルフールに直行だったもんな。

そんな冴えない国際大バザールではあるが、お土産色ばりばりのイカしたコーナーなんかもある。
ひだり みぎ
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煌びやかだー。ウイグル族の工芸品や民族衣装、トルコ絨毯、ロシアンなマトリョーシカ、これでもかと金ぴかに輝く装飾品に中央アジア的調度品などなど、見慣れない西方の土産物の数々が…。アラブと中央アジアと東欧とがごっちゃになった詰め合わせ感が堪らない。


その他、ウイグルハットにウイグルナイフ、革製品、シルク、弦楽器などなど多種多様なカラフルウイグルグッズがフロア一杯に敷き詰められている。


もちろんの和田玉も。新疆のホータン地区(和田地区)で採取される中国の国石だ。嘗ては皇帝一族しか持つことのできなかった希少価値の高い和田玉、ここは記念に一個…とも思ったけど、高い。ひたすら高い。翡翠相場までバブル化してるとは聞いていたけど、ちょっと買う気が失せるくらいのお値段だったので、ここは泣く泣く撤退。

やっぱり基本的には観光地価格なのかなぁ。手っ取り早く中欧アジア全域の土産物が調達できて便利だとは思うんだけど。

【ウルムチ国際大バザール】

住所:解放南路8号
営業時間:10:00-20:00(5-9月)・10-4月(10:30-19:30)

【二道橋市場】
住所:解放南路37号
営業時間:10:30-19:30

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