セントレジスシンガポール(St. Regis Singapore) 宿泊記

今年のゴールデンウィークはミャンマーかスリランカとで迷った末、どういうわけだかシンガポールでSPG修行することになってしまった。まぁ疲れすぎてて旅行だりぃぃ。ホテルでゆったりまったりしたい!ってヘタレっぷりが発動してしまったって訳。

シンガポールでは年内にトリビュートポートフォリオがオープンするみたいだけど、現時点に於いてはシンガポールのSPGホテルは以下8箇所。セントレジス=1、W=1、ウェスティン=1、メリディアン=1、シェラトン=1、フォーポインツ=1、デザインホテルズ=2とバランスの取れた陣容になっている。
Wシンガポール-セントーサコーヴ
ウェスティン・シンガポール
シェラトン・タワーズ・シンガポール
セントレジス・シンガポール
フォーポイントバイシェラトン・シンガポール,リバービュー
ルメリディアン・シンガポール,セントーサ
ワンダーラスト・シンガポール,Design Hotels
ニューマジェスティックホテル,シンガポール,Design Hotels
本当であれば全ホテルを制覇してやりたいのだが、時間的・財政的な制約があるので、この中から今回は3箇所をピックアップ。セントレジス⇒ニューマジェスティックホテル⇒ウェスティンと1泊ずつ慌ただしくハシゴすることに。

ということで、先ずはSPG行脚の一発目、セントレジスシンガポールへ。
セントレジスは由緒正しき米系の超名門ホテルで、その歴史は1世紀以上前のニューヨークにまで遡る。急速な経済成長と繁栄に沸いた古き良き時代のアメリカ、その中心のニューヨークで社交界きっての大御所として名を馳せたアスター家のキャロライン夫人が上流階級出身の名士が集う社交クラブを開設。その後、1904年に夫人の息子が「セントレジス・ニューヨーク」をオープンし、以来、富裕層の社交場的な高級感と贅沢なおもてなしが特徴のラグジュリーホテルとして世界中の富裕層に愛され続けてきましたよ、と。なんかもう、その歴史からして私めのような下等プロレタリアートな分際には身分不相応なホテルである。

今回は事前にスイートナイト特典をぶっこみ、セントレジススイートが確約されていた。セントレジススイートと聞くと響きがすこぶる良いが、ここセントレジスシンガポールでは数あるスイートルームのワンオブゼム。このホテル、客室数299の割に部屋のカテゴリーがすっごく細分化されてるのである。
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全12カテゴリー。スイートだけでも8タイプ用意されていて、セントレジススイートは8あるスイートの最弱部屋となっている。

場所はオーチャードロードから一歩入った高級住宅街の一角、フォーシーズンズとリージェントホテルに挟まれた閑静な環境にある。シンガポールのホテルシーンではマリーナベイあたりが持て囃されるようになって久しいが、たまにはこういった落ち着いた立地にあるホテルも悪くない。
ひだり みぎ
オーチャードロードの賑わいがちょうど落ち着き始めるタングリンロードに差し掛かった所に建つガラス張りの近代的な建築がセントレジスシンガポール。2007年の開業で、当時はアジア初のセントレジスとして話題になったそうだ。

近代的な外観とは打って変わって、ロビーは豪華な調度品に彩どられ優雅な雰囲気。これがブルジョアジーたちの集う高級社交クラブの空気感なのだろうか。クリスタルのシャンデリアが大理石の床に反射して輝き、館内に配置されたエレガントな家具や芸術品を適度に照らす。それでいて決してゴテゴテの成金的装飾というわけでなく、なんというか気高いんだな、全てが。賃金労働者の私めには贅沢すぎる高級感なんだが、決してギラギラはしていない落ち着いたトーンで、ほんわりとオリエンタルな香りも残って良い感じ。
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今回は正午前にセントレジスに到着した。レセプションデスクは3つで、それぞれにレッドカーペットが敷かれ、それぞれのデスクについたプロフェッショナルなレセプショニストが丁寧に対応する。ただ、対応は丁寧なものの、融通は効かん。なんと、アーリーチェックインの場合は下位ランクのレディーアスタールームだと追加料金不要だが、今回予約していたセントレジススイートだと半日分の追加宿泊料金が発生するとかなんとか主張され、一歩も譲歩の姿勢を示してくれん。追加料金を払えば入れるってことは部屋の準備はできてるだろうに…。

たかが数時間の為に半日分の料金を払うのも勿体無いし、結局は下位ランクの部屋で妥協。気を取り直し、セントレジスの館内や外回りに散りばめられた芸術品の数々を見て回ることに。これらは全てオーナー個人の所蔵物で、アートのプライベートコレクションとしてはアジア屈指のラインナップとのこと。
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「Dancing Nude Couple」で有名なコロンビアの著名な芸術家フェルナンド・ボテロやユダヤ系アーティスト ウィリアム・ゾラックの彫刻、スペインの巨匠ジョアン・ミロのスケッチ画、シンガポールの人間国宝 陳文稀の絵画など厳選された貴重な美術工芸品がさり気なく置かれ、館内外のインテリア・エクステリアに花を添えている。

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日中のロビーは殆ど人影がなく、美術館のような落ち着きが感じられる。美術に関心のある方には極上の空間だろう。

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チェックイン時に頂いたアートコレクションのマップを手に各種芸術品を吟味し、セントレジスに相応しい文化人ぶってから部屋へと向かう。エレベーターやホールウェイも格式十分だ。

今回お世話になるのはレディーアスタールーム。セントレジス創始者の実母であり、ニューヨーク社交界の花形として名を馳せたキャロライン・アスターの名を冠したエレガントな部屋である。
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デザイナーファブリックの椅子やジム・トンプソンのシルククッション、ハンドペインティングを施したシノワズリの壁紙など、細部まで芸術にこだわった造り。好みは人により分かれるだろうが、調度品のクオリティ等も誰もが上質だと認めるところだろう。

白い塗り壁と淡い色のカーペットが家具や調度品の高級感を引き立たせる中、ラウンドソファのクッションやデスクスタンドの鮮やかな赤がさりげないアクセントとなっている。
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基本的にはクラシカルなテイストがベースとなっているが、ソファに添えられたアクリル製のコーヒーテーブルやソファ後ろの銀製スタンドなどにモダンなアクセントも見ることができる。

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クローゼットはベッド脇の壁面に設けられていて、両開きの扉の内部は大理石製のバゲージ台やハンガーレールが効率的にレイアウトされている。居室とホワイエの間にも収納スペースがあり、客室全体の収納力はかなりのもの。

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ホワイエに置かれたミニバーキャビネットは艶やかな木製の筒型で、それ自体が存在感のある調度の役を担っているようで美しい。

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引き出しの中にはソフトドリンクなどが揃っているが、レッドブル=SG$12・ソフトドリンク=SG$9と、こちらもかなり高額。ごくごく平凡なカップ麺もセントレジスの手にかかればSG$10(≒JPY800)と値段だけは高級麺に化けてしまう。

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そうそう、セントレジスと言えばバトラーサービス。バトラーとは執事・使用人くらいの意味で、ホテル宿泊中に身の回りの面倒を見ていただけるサービスとなっている。

室内の電話から電話一本でコーヒーや紅茶等のドリンクを持ってきて頂けたり、シャツのアイロンがけや靴磨き、荷解き・荷造りまでしてもらえる。荷解きや荷造りなんて他人に任せるなど忍びないと思うのは私だけだろうか。

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ためしにドリンクをお願いしたところ、愉快でお調子者キャラのマレー系バトラーさんによるアレキサンドリアティーとアラビカコーヒーの差し入れが15分程して到着した。さらっと茶に関する蘊蓄を語っちゃうあたり感心したが、茶の名前でググったらTWGのホームページに一語一句同じことが書いてあったというw

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バスルームもエレガンスの極み。フランス産の大理石が惜しげもなく利用され、天上にはシャンデリアが輝いている。味気ない我が住まいの浴室とは違うこの非日常感、病みつきになる。

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シャワーブースとトイレはもちろん独立してるし、タオル類も豊富に揃い、肌触りの良いフカフカな生地で作られたバスローブの心地よさも格別だ。

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バス周りのアメニティはセントレジス御用達のREMEDE(ルメードゥ)。

シャワーを浴び、昼寝をしてからイブニングカクテルへ。二階プールサイドのイタリアンレストランLaBrezzaで17:00-19:00。このような高級ホテルでも無料で酒を飲ませてくれるSPGプラチナは本当に神。
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ドリンクはセントレジス名物のブラッディマリーがセルフサービスで用意されてる他、しょぼワインとビール等。ミールは小物4種にツマミのみ。

呑み足りんのでAstor Barへ。ブラッディマリー産みの親であるセントレジスの各ホテルでは、それぞれの国の文化や食材を活かしたオリジナルアレンジ品が楽しめるのが特徴だ。
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ここシンガポールは超絶辛くてダルシムばりのヨガファイヤーを繰り出せそうな唐辛子入りのチリブラッディマリー。因みにセントレジス大阪のオリジナルはトマトジュースに柚子とワサビの香りがブレンドされた“ショーグンマリー”。面白いのはセントレジス北京の“グレートウォールブラッディマリー”で、青島ビールを2.5ozもぶっこむそうだ。所謂レッド・バードということになるが、果たして美味いのだろうか…。まぁ美味い不味いは別として、各地の食文化を活かしたオリジナルブラッディマリーを試してみるのもセントレジスならではの楽しみ方である。


とは言っても、辛口な飲み物が苦手な自分はチリブラッディマリーは回避し、5月8日までの限定メニューThe Lady Astor(S$18⁺⁺)を頂くことに。フローズンマルティーニ、ライムとパイナップルジュース、ベリー系シロップなんかから成るドリンクで、シンガポールの気候に合う脳天直撃系フルーティーカクテルだった。

朝食はロビーフロアのフランス料理レストラン「ブラッスリー・レザブール Brasserie Les Saveurs」で。いきなり内装の豪華さに目が奪われる。
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映画のシーンにも出てきそうな洗練された空間での優雅な一時を過ごすことができる。多分、朝食会場の豪華さでいえば今年泊まったホテルの中ではナンバーワン。

ひだり みぎ
ミールセレクションはオーソドックスな内容でサプライズ無しだが、ドリンクに朝からブラッディマリーが用意されてるのには驚いた。

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食後はプールへ。南国の緑に囲まれたトロピカルスパプールは25mを超える広々とした都会のオアシスで、多くの植栽と噴水、芸術品で癒やしの環境が演出され、町の喧騒から離れリラックスできる。

あー、良い良い。ホテルステイ、癖になるわー。

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・住所:29 Tanglin Road, Singapore 247911, Singapore
・電話番号:6565066888
・公式サイトURL: こちら



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コメント

  1. ポンズ ポンズ

    グリーン様
    ホットエスケープの事前決済格安レートを狙い打ちしたので、今回は幸運にもウェスティンと余り変わらないレートで泊まることができました。
    朝食はプラチナ特典で付いてきましたよ~。朝食も沢山いただきましたし、宿泊費の元を取ってやろうと必要以上のコーヒーをバトラーさんに頼んだりと、貧乏根性丸出しの滞在となりましたw

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