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佛山祖廟と黄飛鴻・葉問(イップマン)紀念館


クラウンプラザ佛山をチェックインした後は、徒歩5分のところにある祖廟を見てみることに。こちらは北宋時代である11世紀後半に創建されたと言われる超古刹。元代末には火災に遭ってしまったが、明代洪武5年(1372年)に現在の廟が建て直され、現在に至るまで佛山の経済発展に伴い拡張され続けてきたという、佛山の歴史を語る上では外すことのできない歴史的観光名所である。

ひだり みぎ
緑一杯で緑化率が高い佛山の町。木々に囲まれ風情あるパビリオンも多く、御爺さん御婆さんが木陰で休みながら将棋や麻雀に興じたりしてて、実に仄々とした雰囲気だ。


大通りに面して分かりやすい所に建つ祖廟を発見。どうせただの古い廟だろ~なんて舐めてかかったが、面積は3,000㎡にも及ぶとか。

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入場料20元(≒300円)。廟の割には高いよなーなんて不敬な考えが頭を過りながらも入場する。


流石は陶器芸術で名の知られた佛山と言ったところか、正面には地元産の石湾陶器で作られた龍の壁画がはめ込まれていて、皆さんスター気取りでポーズを取ったりと写真撮影に余念が無い。因みにだが、日本で言うところの「ハイ、チーズ」のチーズは中国だと「1, 2, 3, 茄子(Qiezi)」になる。茄子かよ!と思うかもしれんが、向こうもチーズかよ!と思うに違いない。

ひだり みぎ
この陶器芸術、なかなか見応えあるなーなんて何気なく裏側にまわったら、裏は模様無いのねw。

ひだり みぎ
祖廟の前殿。瓦葺きの屋根の棟は地元産の陶器を使った多彩な芸術品の装飾で飾りたてられ、壁や塀もレンガの彫刻がびっしりと施されている。

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切り取られた芸術品の一部が目線の高さで展示されているので、真近で拝み倒すことができる。恐らく広州の陳氏書院と同様に物語性のある構成になっていて人間賛歌的な説話の場面であろうことは分かるのだが、如何せん道教について全くの門外漢なので、「何だか色々あるな」程度で全てが同じ物として捉えられてしまう。

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門にもこびりつくように施された芸術の数々。


前殿の手前には錦香池があり、池の中には玄天上帝のシンボルである石彫りの亀と蛇がいる。中国では亀は長寿と不死の象徴、蛇は生殖と繁殖の象徴と考えられているので、玄武上帝は生殖と長寿の神なんだろうか。


こちらは前殿左手にある万福台という粤劇舞台。ユネスコの無形文化財でもあるカントンオペラ(広東語版京劇)が定期開催されるらしい。

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正殿には中国の四神の一柱・玄天上帝が祀られている。そういやハノイの真武廟の御本尊様も玄天上帝だったような。

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正殿の中には煌びやかな仕官像が幾つも並んでいるのだが、どれも顔が厳つい上に前のめりな姿勢だので、凄く威圧感がある。そんな前傾姿勢をキープしてたら腰を違和しまっせ。


玄天上帝、いた。

御本尊に願掛けできたので、廟の残りの部分を探索することに。

廟の敷地内でも御老人たちが中国象棋や太極拳などに興じていてゆったり感があるというか…。ここら辺が日本の寺社仏閣との違うところなんかな。神聖な場所ではあるはずだが、同時に憩いの場ともなっていて、住民の生活に違和感なく溶け込んでいる。

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暑くて湿気の高い広東では建材は木でなく石が選ばれる。これらの彫刻品は清朝の道光帝の治世である1834年に造られた物で、建材の耐久性が高いことから保存状態は良好。梁や土台に使われる部分に刻まれた白人もはっきりと確認できる。明・清時代には海禁政策で海上貿易が厳しく制限されていたけれど、1757年には広東貿易体制が開始されたことから、18世紀中頃以降の芸術品には外国人も描かれ始めたそうだ。ただ、当初はニュートラルな描かれ方をした白人だが、阿片戦争の勃発を機に外国人は侵略者として悪者として描かれるようになっていったそう。そりゃ残当。


佛山の代名詞であるセラミックアート。道光帝・光緒帝時代の著名な職人である黄古珍氏による作品。


ここで何故だか何の脈略も無く屈原が登場。

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強そうな狛犬や三本足の鶴。

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あれ、道教の廟だとおもったのに、何故だか孔廟まであったりする。清の宣統3年(1911)に創建されたそうだ。

更に、敷地内には黄飛鴻やブルース・リーの師匠にあたる佛山出身の武道家・葉問(イップ・マン)の記念館まで設けられている。

葉問と黄飛鴻、どちらもカンフーマスターとして超有名な人で、どちらも仏山の出身なんだと。記念館は武館を兼ねていて、英雄の武力・カリスマ性に肖ろうと多数の弟子たちが修行に励んでいるようだ。

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黄飛鴻を知らない方でもジャッキーチェンの酔拳は聞いたことがあるだろう。酔拳でジャッキーチェンが演じてたのがまさに黄飛鴻。酔拳の他にも何十というカンフー映画で主人公として扱われている程の武術界の英雄なのだ。

ここで突然、大きな太鼓と鐘の音が鳴りだした。音に誘われて外に出て見ると、黄飛鴻紀念館の横で獅子舞が始まっているではないか。そういやイップマンの映画でも武館間の決闘かなんかで弟子により獅子舞が演ぜられる場面の描写があったわな。
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演者が日々武道の修行のに励む弟子ということもあり、動きがアクロバティックでキレがあるが、映画のように火を吹いたり戦ったりということはない。そして、最後はお約束として獅子の口の中にお捻りを入れたら土産がもらえるよー、みたいな展開に。金額は20元。ちゃっかり商売してるところがまた微笑ましい。


続いてこちらは葉問記念館。学校でヌンチャクを振り回して遊んでたような世代の方以外には葉問派詠春拳の創設者と言ってもピンと来ない人が殆どだと思うが、あのブルース・リーの師匠と言えば何となく凄い人って事が伝わるだろうか。佛山のブルジョアな家庭に生まれた孤高の武術家が理不尽な戦争によって金を奪われ、住む家を奪われ、鍛え上げた肉体まで奪われても魂までは…みたいな泥臭い彼の境遇が人々の共感を生むんだろうな。彼も様々なアクション・カンフー映画の題材として扱われてる。絵にかいたような山賊紛いのゴロツキをやっつけるアクションは本当に爽快なんだけど、途中で半分以上フィクションじゃねえかっていうディティールが滅茶苦茶で茶番時代劇的な抗日映画になっちゃうのが多いのが玉に瑕。

セラミック芸術とカンフー文化が息づく古都・佛山の歴史や文化を堪能できる場所への入場料20元というのは対価としては安いだろう。佛山や広東省の歴史・文化やカンフー映画に興味が無ければ退屈すること請け合いだが。

佛山祖廟

住所:佛山市禅城区祖廟路21号
電話:+86 757 8228 6913
ホームページ:公式サイト(中国語)

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