シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

佛山梁園


細い路地を抜けた先、松風路先端の古道に漸く佛山梁園を発見した。
広州番禹余蔭山房・東莞可園・順徳清暉園と合わせて清代四大名園にも挙げられ、省の重点文物保護単位に認定されている佛山梁園。嘉慶帝~道光帝の時代に当時の内閣中書官であった梁家一家が創建した私家庭園だそうで、今や佛山を代表する観光名所となっている。

道光帝と言えば学生時代の世界史教科書で見た病弱そうで骸骨みたいな顔が衝撃的でいまだに覚えてる。ザ・敗軍の将みたいな。

10何年ぶりに道光帝のご尊顔を拝んだが、やっぱり記憶の通り凄く幸薄そうで頼りなさそうw。実際、不条理ながらも阿片戦争で大英帝国にボコられたし。彼の痩せ衰えた尊顔が清朝の貧窮の比喩みたいだ。

そんな道光帝の治世、麻薬中毒者で溢れ返ってた世に建てられた庭園ということだな。当時の中国の人口凡そ4億人で、その内、中毒患者が3000万人もいたとか言われてる荒み切ったジャンキー国家でしたからね。
ひだり みぎ
ということで、清朝時代の歴史的庭園へと入場するべくチケットを買おうとしたところ、土曜日は無料開放とのことで入場料10元が免除された。ラッキー。

入り口に立つ、これでもかと鼻毛をモサモサとさせた警備員に身分証明証を提示して中へ。いや、もう本当に凄い鼻毛だったんですよ。ちょっと鼻毛が一本二本とかいう次元の話じゃなく、束に纏まった鼻毛が両の鼻の穴から豪快に放出されてたのだ。未だかつてあのような鼻毛を見たことがなかったので、痛く衝撃を受けた。恐るべき中国4千年の歴史。

でも、ここで書きたいのは鼻毛の話ではないので、早速、梁園の中へと入ってく。
ひだり みぎ
中は様々な木々が調和よく植えられ緑たっぷり水たっぷりの蚊のパラダイス。主に「十二石斎」「寒香館」「群星草堂」「汾江草廬」という4つの建築群と林園・池が渾然一体となった庭園で、占有面積は広州四大名園の中で最大らしい。中書官という官職はさぞ偉い身分だったのだろう。

ひだり みぎ
敷地面積の殆どを占めるのは蓮の池。池の周りに小道を張り巡らせて散歩コースを作る設計は嶺南の典型的スタイルだというが、嶺南に限らず蘇州古典園林もこんな感じだったような。園内を回遊して様々な場所・角度から自然美・芸術美を観賞するように造られてるんだな。詩情画意に満ち、何とも味わい深い趣がある。

水、花、草、樹、木、亭、台、回廊、橋、などが一つの芸術として噛みあっていて、映画のセットかのように綺麗に手入れされている。一石一木にも文化的意味が含まれているのだろう。
ひだり みぎ
かしましき俗世間から離れ、自然の中に心の安らぎが求められる。当時の官人たちは阿片を決めながらこの美しく幽静なる庭園でのんびりとした時間を過ごしていたのかな。困窮を極めた清朝の官僚達が清朝滅亡後にどうなったのかも気になるところ。


水辺で何をするということもなく語らうご老人。ここ佛山の街頭ではやたらとご老人の姿が目立つ。2015年の最新データに拠ると、中国の高齢化率は9.55%で世界第66位。栄えある高齢化率トップは日本で26.34%。二位のイタリアを4%近く引き離して寄せ付けない貫禄の大勝利であるw。因みに高齢者扱いとなるのは65歳以上からで、高齢化率7%超で「高齢化社会」、14%超で「高齢社会」、21%超で「超高齢社会」と分類される。日本もヤバいが、中国にも高齢化の波が押し寄せていて、2025年過ぎには高齢社会へ、2035年過ぎに超高齢社会へと超特急で突っ込んでいくことになる。一人っ子政策により生産人口も減少に転じ、2040年頃には現役世代2人で高齢者1人を支えるような構図になるとも予想されている。日本みたく社会福祉も整ってなく、一人当たりの名目GDPがUS$8,000そこらの貧しい国での高齢化に対して中共がどう出るか。「老年人権益保障法」なる法律を通して子が頻繁に規制して親の面倒を見ることを義務化したりと日本じゃ考えられないことを色々とやっているが…。

話がズレてしまったので、梁園の話に戻そう。
ひだり みぎ
重厚な石造りの邸宅の中は整備され、ちょっとした展示会場となっている。


客間に置かれた木彫りの超大作。

ひだり みぎ
もう一つの建物も精巧な造りの磚彫り・石灰彫り・石彫りなどのレトロチックな彫刻作品が豊かで、古雅な趣に溢れている。

ひだり みぎ

ひだり みぎ
これ、ぜったい最近用意されたばかりだろってくらい保存状態が良いんだが。本当に再現品じゃなくてオリジナルなんだろうか。


敷地内には小さな観音堂もある。

ひだり みぎ
ミニ菩薩様。

ひだり みぎ
金ピカで眩しい御堂内。

うーむ。すげー庭園だなー。でも、見たもの以上に思うような所は殆ど無し。佛山の歴史や清朝の時代背景について一定の知識を持ったうえで、庭園の設計者の心を感じながら庭園を回遊できる人じゃないと楽しめないと思う。

【梁園】

住所:佛山松風路先鋒古道93号

Related posts (関連記事):

拝金主義が蔓延る中国の小皇帝
さて今年も待ちに待った冬のボーナスの時期がやってきました。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの予測では、民間企業の1人当たりの平均支給額は過去最低水準を4年連続で更新する36万6500円(前年比-1...
中国マクドナルドのドライブスルー!
中国に来て早4年、今思い返せば、何で自炊道具を揃えたのだろう…鍋はたま~に出番があるものの、包丁やまな板などは梱包箱を開けぬままにお蔵入り。気合を入れて買った米10Kgや各種調味料なども殆ど手つかずの...
広州旧市街地を歩く~十三行路・一徳路・万菱広場~
沙面島の見学があっさり終わり過ぎて時間を持て余してしまったので、広州旧市街をブラブラと歩いて回ることに。 十三行路を通り、一徳路を経て海珠広場へと抜けてみよう。 鎮安路に出ると、...
シェラトン中山(中山喜来登酒店)クラブフロア宿泊記
この日は孫文所縁の町・中山の市街地ど真ん中に建つシェラトン中山へ。中山って中国の都市にしては妙な名前だけど、香山(現中山)出身の孫文の号が中山だったことに肖り中山に改名されたんだと。今でも中山は中国に...

スポンサードリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする