スコータイ芸術の最高芸術が…残らない ワット・トラパン・トーン・ラーン

次なる目的地は城壁東部のワット・トラパン・トーン・ラーン(Wat Traphang Tong Lang)。初日に城壁内の似たような名前の寺院を見ているが、向こうはワット・トラパン・トーンで、こちらはワット・トラパン・トーン・ラーン。紛らわしいが、二つの異なる寺院となっている。

この寺院の場所は本当に分かりずらい。地図を見るとスコータイ旧市街地と新市街地を結ぶ幹線道路沿いにある筈だが、なかなか見つからずに何往復も行き来してしまった。先般は紛らわしい地図を載っけた某観光ガイド本だ。

地図上では道沿いにあるかのように記載されているが、看板に拠るとどうやらこの背の高い門の先にあるようだ。地図が誤記載となっている上に看板も分かりずらいし、大通りからは遺跡の姿が見えないので注意する必要がある。目安として、縄文からは500-600メートルほどの距離かな。門方面から移動してLegendha Sukhothai Resortまで行くと行き過ぎ。

上記のゲートから続く細い路地の中へと進み、道路の舗装が途切れた所で遺跡の正面に出る。ワット・シーチュムを彷彿とさせる四角く高い立方体の建物が特徴的だ。

手前に礼拝堂跡、奥に本堂というスコータイ寺院の一般的な構成。14世紀にリタイ王により建立された寺院で、本堂の外壁にはそれぞれの面にスコータイ芸術の最高傑作とも称される大変美しい漆喰芸術が施されていたようだ。


アーチ形の入り口の中を覗き見てみると、ドでかい仏像が鎮座するワット・シーチュムと違って中は台座のみを残して空洞になっている。台座があるってことは、元々は仏像が安置されていたと思われるのだが、忽然とその御姿を消してしまっている。

外壁の漆喰芸術も残念ながら往時の姿のままでは残っていない。嘗ては南側・北側・西側の外壁に、それぞれ天女に囲まれながら天から降臨する仏・妻を説法するために戻ってくる仏・父や親族に説法をする為に戻くる仏の様子が描かれていたそうだが…。

建物の側面に設けられた仏龕の中に何らかの形跡は確認できるが、残念ながら漆喰細工の芸術としては鑑賞できないレベルまで風化しきってしまっている。


こちらも、辛うじてほんのりと仏像であったであろう物体の腰回りであろう部分が浮き出てるが…


立仏像だけは復元されたのかな。

幸い、これらの漆喰細工の姿形が無くなる前にレプリカが作られ、城壁内にあるラームカムヘン博物館で往時の様子が確認できるそうだ。興味のある方は是非、博物館へどうぞ。



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【2016年スコータイ・ピサヌローク旅行記】















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