タイで一番美しい仏像が祀られるワット・プラ・シー・ラタナー・マハータート

古くから歴代王朝の要衝として栄えてきたにも関わらず見所に欠けるピサヌロークにあって、数少ない観光名所と言えるのがワット・プラ・シー・ラタナー・マハータート。やたらと長い名前のこの寺院はワット・ヤイ(大きな寺院の意)の愛称で地元民に愛されるピサヌローク一の名刹だ。スコータイ王朝6代目のリタイ王により1357年に建立された由緒正しき寺院で、本堂に祀られるこの町の守護仏像はタイで一番の美しさを誇る仏像と評判なんだとか。「ピサヌローク一」じゃなく「タイ一」ですからね。折角ピサヌロークにいるんだし、どうせ金ぴかでタイの仏像なんてどれもこれも同じや!なんて切り捨てるには勿体ないかな、ということで拝ませてもらうことに。

ひだり みぎ
トップランドホテルの裏手にあるワット・ヤイ。境内に入ってみると、なんだか露店市みたいになっているじゃないですか。とても由緒正しき寺院といった厳かな雰囲気とは程遠く、境内には非常に混沌としたローカルな空気が流れている。

でも、売られている商品は市内のマーケットとは毛色が違うかな。

日本で言うと佳子様のポラロイド写真集を売っているといったノリなのか、金ぴかの縁に収められたタイ王族の方々の御写真や…

ひだり みぎ
仏教の入門書だか教科書だかが並ぶ。煩悩に打ち勝ち仏道を極めましょう的な自己啓発的な内容なテキストが多いのかな。他には仏像の絵画やガラスケースに納められた小さな仏像などの仏具が多く並んでいて、なんだか仏教テーマのフリーマーケットみたい。

ひだり みぎ
品定めをしながら境内を歩いていると、商店の傍らに拝殿の基壇跡と思しき遺跡が現れた。ラテライトの柱が残された遺跡の中央で右手を施無畏印にしたシンプルな立像がこっちを見てる。遺跡の中にポツンと真新しい仏像が立つというのはどうも時代錯誤な感じがして違和感しかないのだが、それ以上に印象深いのは仏陀様の衣服から透けたシャープな乳首。何とも悩ましいというか…。

ひだり みぎ
他にも境内には様々な仏像が祀られた小屋が無数にあり、どれがタイで一番美しいとされる御本尊なのか分からない。

ひだり みぎ
仏像、多すぎぃぃぃぃ。


この意地悪そうな仏像でもないよなぁ。タイで一番美しいというくらいだから一目見た瞬間に体中に電撃が走る程の衝撃を受けると思うのだが、ここまでそれらしき仏像に巡り合えてない。

ひだり みぎ
こいつ等か?説明書きがちょろっとあるけどタイ語だし解読不明。


仏像の御足下にワニがいたりと、よう分からん。

ひだり みぎ
地方都市の一寺院かとナメてかかってたが、礼拝堂や仏塔の数も多くて凄く本格的な寺院じゃないですか。


若いタイ人カップルに聞いたところによると、どうやら、巨大なトウモロコシが刺さった仏塔脇にあるこちらの建物が本堂らしい。


おお!一歩本堂の中に入ると、薄暗い中に金ぴかに光り輝く仏像の前に泰臭が群がっていて、芸能人のコンサートのように皆さん前の舞台に立つ仏像様の写真を撮らんと必至!流石はタイ一番のお美しさを誇る仏像様、大フィーバーです。


多くの参拝者で熱気に満ちていて荘厳な雰囲気とは言い難い本堂だが、ふっくらとした顔に弓状の眉と火炎状の光背が特徴の仏像は燦然たるオーラを放っている。ただ、タイで一番美しいかと言われれば微妙なところ、美しいと言われれば美しいし、平凡と言われれば平凡に見えるし…。

ひだり みぎ
出入り口の左右の壁面に描かれた壁画は最近になって描かれたものだろう。王宮内での生活がモチーフになっているようで、仏像よりもこちらの画の方が見応えがあって面白い。

タイ一美しい仏像を拝んで思い出作りした後は、寺院近辺を探索することに。
ひだり みぎ
折角なので、通りを挟んだ先にある寺院も入ってみる。

ひだり みぎ
入り口を入った先にハスの蕾と線香、金箔、蝋燭のお祈り4点セットが売られていたので、以前にアユタヤで習った要領でお供えしてみることに。線香をたて、花をお供えして仏像に金箔を塗りたくる。腰が痛い時は仏像の腰に、眼が調子悪い時には仏像の眼に金箔を塗れば病状が良くなる仕組みらしく、仏様は既に全身金粉塗れ。昨日の移動でケツが痛かった自分は仏像の臀部に思いっきり金箔を塗りたくってやろうと目論むも、仏像のケツは台座に接していて金箔を塗ることができず…。ケツを良くしたい参拝客もいるのだから立っててくれよ仏様よ!


仏像へのお供えを終え本堂へ入ってみる。


存在感ある仏像もさることながら、御堂の左右に並ぶリアリティ性のある含蓄に富んだ絵画がまた見応えある。

ひだり みぎ
戦争を繰り返す人類の愚かさが描かれているのか知らぬが、独特のタッチが妙にシュールで味わい深い。思わず槍で突かれた男の断末魔の叫びや勝者の勝ち鬨が聞こえてきそうな臨場感だ。


寺院参りで運気を高めた後は、境内にいた福の神のように徳の高そうな宝くじ売りのオバサンからロッタリーを購入。一攫千金を狙うも、観光の途中で宝くじを紛失する凡ミスでジャックポットの夢潰える。まぁいいさ。こつこつ働いて蓄財しますわ。

なーんだか凄く緩い町、ピサヌローク。一日あれば十分に見て回ることができる田舎町です。
【Wat Pra Sri Ratana Mahathat/ Wat Nang Phaya】



Booking.com

【2016年スコータイ・ピサヌローク旅行記】






報告する

関連記事一覧

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。