日本航空 羽田―広州 JL087 ビジネスクラス搭乗記

広州への戻りは08:50羽田発と結構早め。日も出る前の凍てつく寒さの中を半べそかきながら移動する。体が常夏東南アジアのヌクヌク仕様に変化してしまったのか、日本の冬が本当キツイ。

ギリギリ1時間前に国際線ターミナルに到着、なんとか凍死は免れた。チェックインカウンターでは真心籠った温かい対応を受け、気分良く制限エリアへ。ドライでフランクな対応のキャセイから移ってきて始めはJALのねっちょりした対応に違和感あったけど、やっぱり懇切丁寧な対応をして頂けると嬉しいものである。キャセイはキャセイでキャセイを離れてみて分かる独自の良さがあるんですけどね。フライト前のワクワク感とか。どんな機材来るんだー、どんなISMが来るんだーっていうドキドキワクワク感はJALには無い。どんなフライトになるか乗るまで分からないキャセイは当たり外れの振れ幅が大きく、ハズレクジを引いた際には腹立たしく思うこともあったが、それはそれで今は良い思い出だし。

チケットを手にしてからは早い。JGCでも使える保安検査優先レーン⇒自動化ゲートの流れでチェックインカウンターからものの5分で出国完了。スムーズな出国で搭乗時刻まで時間の余裕が出来たので、久しぶりにキャセイラウンジにお邪魔させて頂くことに。

安定の鮭定食で搭乗前の腹ごしらえ。オープン直後から変わらぬ質で安心すると同時に、CXに乗らないのにタダ飯だけ恵んでもらうことに対して罪悪感に苛まれる。


定食を瞬殺した後は頼まれ物のタバコを買い、ラストコールで搭乗。往路便と同様にAこんはガラッガラだったので、元々の真ん中通路側席から窓側席へと移らせてもらう。本日の航路だとA側が富士山ビュー席になるんだと。


ウェルカムドリンク等はなく、ジャケットだけ預かってもらったところで貫禄の定時出発。横浜港を過ぎたあたりまで緩やかに上昇旋廻、空気が澄んでいることもあり、既に西側には富士山が見えてきた。


離陸後15分もすると、今日のハイライトがやってくる。富士山の少し北側を通る航路だったようで、火口が丸見え。その霊峰の厳かで神秘的な眺めに畏れを感じ、思わず合掌。こりゃあ木花咲耶姫がいらっしゃいますわ。


富士山を過ぎたあたりで機内サービスが開始される。今日もCキャビンの担当は大ベテランの貫禄漂わすマダム様。熟女パブが如くガンガンと焼酎を飲まされる。飲む度に酒が濃くなっていくというのがキツかった。


機内食は遅めで、瀬戸内海に差し掛かったあたりでサーブされる。メニューは往路便と同じく和か洋の二択。

JL087 お品書き
和食 サーモンお造り イクラ添え
煮しめ・くわいと常節・穴子
厚揚げ蟹あん掛け
鯛の煮つけ(218カロリー)
ご飯・味噌汁・香の物
アイスクリーム
洋食 鴨肉のロースト
オマールのテリーヌ アメリケーヌソース
フォアグラテリーヌとフランボワーズゼリーのガトー仕立て
マッシュルームとベーコンのコンソメスープ
ビーンズサラダ イタリアンドレッシング
牛フィレ肉のグリル 照焼山椒ソース(479カロリー)
チーズのパンと柚子のパン
アイスクリーム

洋食行きたかったけど、ボリュームあり過ぎるので和食に決定。


健康そうで、これはこれでアリかな。寿命が延びた気がする。


食後は雲海の上に出ちゃったので、映画⁺焼酎のまったり休日コースを楽しむことに。

土曜日の午前中、お酒を飲みながらのんびりとしているところ、何故か「顔のないヒトラーたち」というヘビーな映画をチョイス。ドイツの戦後処理に関する史実に基づいた作品で、恋愛要素などを含んで軽快に見せようとは工夫されているものの、土曜の朝に酒を片手に見るような映画ではなかった。

戦後、ニュルンベルク国際軍事裁判によりナチス関係者は公職を追放されたものの、1950年の非ナチ化終了宣言を境にナチス関係者は次々と社会を果たし、警察官や公務員・政治家・企業経営者といった社会の中枢に入り込んでいったそうだ。この映画はそういう時期にナチス犯罪に手を染めた同胞を追及しようとした勇気と信念ある若手地方検察官の物語である。地方検事とはいえ国家権力に属する役人、それが国家の恥部にメスを入れたのだからドイツ近代史的の大事件と言えるだろう。ヘビーなテーマの映画で、土曜日朝のまったり気分が吹っ飛んでしまった。


飛行機は映画をちょうど見終えた頃に着陸態勢に入り、窓の外に目をやると広州タワーが見えてきた。

ひだり みぎ
広州タワーから地下鉄では1時間かかるところ、飛行機だとものの5分で広州白雲空港に到着。

今日も定時での離発着、どうもでした。

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