シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

チャイナタウンのど真ん中に建つヒンドゥー寺院 スリ・マリアマン寺院


続いて、アモイストリートフードセンターの脇から階段を上ってアンシャン・ヒルを越え、チャイナタウンへと向かう。

ひだり みぎ
小さな丘を越えて丘の向こう側のアンシャン・ロードに入ると、小洒落たバーやカフェが軒を並べる西洋的で閑静な雰囲気に早変わり。先に続く「Club Street(クラブ ストリート)」までお洒落なショップハウスのレストランやバー・ショップが連なっていて、夜な夜なシンガポール在住の若者が押し寄せる人気のナイトスポットになっているそうだ。

ひだり みぎ
道路と建物の間には騎楼のようなファイブ・フット・ウェイと呼ばれる約1.5メートル幅の公共通路があるのも特徴的。日本の東北地方で雪よけの為に作られた雁木造とコンセプトは同じだろう、2階部分を外まで張り出すことにより屋根付きの歩道が設けられているので、日差しや雨が除けられる歩行者に優しい設計だ。


映画のセットみたいなノスタルジックな雰囲気のアンシャン・ヒル界隈は英国の海峡植民地となってから整備が進められ、クローブとナツメグのプランテーションなんかが作られていった。しかし、水源確保や害虫被害に悩まされて駄目じゃん、ってことで多くの農園主が土地を手放し、1894年に土地が謝安祥(Chia Ann Siang)の手に移ったことから辺り一帯が「アンシャン・ヒル」と呼ばれるようになった。それ以降、中国からの移民の増加も伴い多くの華人が移り住むようになり、今日に見られるようなショップハウスが立ち並ぶようになったそうだ。これらの家々の殆どは1903~1941に建てられた古いものだそうだが、改修を経ているからか、レトロとモダン、東洋と西洋が融合したシンガポールらしい独特の雰囲気を放っている。


そんなアンシャン・ストリートを西に真っ直ぐ進んでいくと、チャイナタウンに面した大通りサウスブリッジストリートへと辿り着く。


サウスブリッジストリートをチャイナタウンの方面に向かって暫く歩くと、何やらエキゾチックで面白そうな建物が見えてきた。チャイナタウンのど真ん中に建つ極彩色のヒンドゥー教のスリ・マリアマン寺院だ。同じく19世紀にクアラルンプールに建立されたスリ・マリアマン寺院もそういやチャイナタウンにあった気がするけど、当時は移民先で中国人とインド人がゴッチャにされてたのかな。


スリ・マリアマン寺院は1827年に南インドからの移民によって建てられたシンガポール最古のヒンズドゥー教寺院。玄関口の上に聳え立つヒンドゥー教の神々や野獣の彫刻像だったり装飾品が飾られた塔が異彩を放ってる。こりゃあ完全に異世界へのゲートだな。

ひだり みぎ
1827年当時は木材とニッパヤシの木を用いて作られた至って簡素な祈りの場程度のものだったのが、1843年にレンガ造りとなり、1863年に現在の物へと建て替えられていった。入口の塔も1903年に建築されたのが1925年に6段となり、1960年代の修復・改装で彫刻が増えて現在のような形になったらしい。伊勢神宮は20年に1度の式年遷宮があるけど、ヒンドゥーは気まぐれで改修していくのかな。もしかしたら近いうちに塔が10段くらいにグレードアップされるかもな。


例によってこぼれ落ちそうなくらいに神様がへばりついていて、妙なリアリズムとデフォルメが渦巻くヒンドゥー独特の世界観に圧倒される。この、濃い~面子が勢ぞろいみたいなオールスター感、好き。


造形の嵐。生き生きしてるよね、それぞれのキャラクターが。懇々とヒンドゥー神話を語りかけてきそう。

そんなネタ満載のスリ・アリアマン寺院、入場料無料で中に入ることができるとのことで、入り口で履物を脱いでいざ中へ。入り口に無造作に散乱した夥しい数の靴やサンダルが寺院の人気ぶりとカオスぶりを物語っている。

鞄の持ち込みは大丈夫なようだが、チャイナタウンで拵えたのであろうビーフジャーキーの土産袋を持った韓国人女性は怒られてた。食品の買い物は寺院参拝後にどうぞ。そんな韓国人を尻目に白い柱が並ぶ祈祷の広間に入ると、まず目に飛び込んでくるのは正面の鴨居の上で迎えてくれるパールヴァティー・サラスヴァティー・ラクシュミーら3柱の女神たちで、その奥にご本尊・マリアマン神を祀った礼拝堂が見える。神々へのモデル料としてか、SG$3を払えば寺院内でも写真撮影が許されるシステムになっているが、料金を払っても大量の参拝客が本気のお祈りを捧げているので、写真撮影のタイミングを見つけるのが難しい。現代でも人々を病気から護り病気を癒すマリアマン神は絶大な人気を誇っているようだ。


奥の広間は極彩色鮮やかでインパクト大。色鮮やかで奇妙な神々の彫像や曼荼羅の描かれたドーム型天井のフレスコ画に圧倒される。この何とも華やかな空間の一番奥に女神マリアマンが祀られていて、左右はラーマ神とムルガ神に護られている。壁や柱にはヒンドゥー三大神の子供やその化身・分身、「マーハバラータ」「ラーマヤーナ」のキャラクターなどにより装飾されていて、さながらヒンドゥー教のテーマパークのよう。人が多くてフェスティブな雰囲気もあるしね。

祈祷の広間で信者の方々の熱心なお祈りを見させて頂いた後は、屋外に出て寺院の外観を見てみることに。庭はコンクリート敷きになっているが、容赦ない日差しの照り付ける屋外でも靴は脱いだままでの見学となるので、素足だとかなり熱いし汚いと思う。鳩のフンとかも放置されているので、潔癖の人は除菌ティッシュ持参でどうぞ。

本堂を出て右手に進むと、極彩色の屋根の上にヒンドゥー神話の世界が広がっている。少し気になるのはお体の調子が優れないのか、青とか赤とか緑とかで顔色が宜しくないというか宇宙人みたいな神様ばかり…。仏陀よりもリアリティある神様揃いなんで、すっごい奇妙。


クリシュナ神は他の神様と不仲なのか、一人離れた場所で聖牛・ナンディと戯れ笛を吹いている。中学生男子でブラスバンド部に入ってるやつみたいだな。


この生首は!!!????…見なかったことにしよう。

歴史ある美しい本尊と熱心な信者の姿、そして愉快なヒンドゥーの神々を見るだけでも価値のある寺院ですので、チャイナタウンまで来られて際には是非お立ち寄りあれ。
【スリ・マリアマン寺院】

244 South Bridge Rd Singapore
電話:(65)6223 4064

Related posts (関連記事):

中山市の地味に楽しめる観光スポット・中山城
昨日は中山市の数少ない観光スポットである中山城に行ってきました。 この中山城はお城でも要塞でもなく、2001年に中国中央テレビで放送された「孫中山」という連続ドラマの撮影用セットをテーマパークと...
中山城・日本景区
前回からの続き。 上海孫中山故居を抜けて直進すると、日本景区に入ります。 孫文は広州での武装蜂起に失敗後の1895(明治28)年に亡命目的で日本を訪れて以来、1924(大正13)年までの約...
中山の目抜き通り孫文西路~中山中路
今日は中山市のメインストリートの一つ、孫文西路のご紹介。 この孫文西路は隋唐時代から800年の歴史を持つと言われる歴史的な街路です。1997年からは政府主導で大々的な修復が行われ、現在は距離52...
銃を持つ民主主義
『銃を持つ民主主義』 共同通信社のワシントン支局長などを歴任され、現役引退後も精力的にフリーランスのジャーナリスト活動を続けられている松尾文夫氏の代表著書の一つである。松尾氏は1945年、疎開先...

スポンサードリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする