シェラトン都ホテル東京 フロアセブン スーペリアルーム宿泊記

今年の夏に異常高騰していた東京のホテルの宿泊費が一段落したタイミングでシェラトン都ホテルに宿泊することに。夏の繁忙期は最安値の部屋でも普通に一泊3万円台中盤~という強気な価格設定となっていて、都ホテルの質に到底見合わぬ高値が常態化してたからな。それがやっと2万円を切るくらいまで落ち着いてきた。東京に二件しかない貴重なSPGプロパティーではあるが、流石に最安値部屋に2万も3万も払う価値のあるホテルではないですからね。

場所は白金台。JRの最寄り駅の目黒からは徒歩20分と距離があるけれど、駅とホテルとを結ぶ送迎バスが頻繁にピストン運行しているので、立地条件程には交通に不便を感じない。寧ろ、駅から離れているだけ閑静な環境にあるので、東京でゆっくりとリラックスしたい時には丁度良いと捉えることもできる。

都ホテルらしい上品なバスで来るかと思ったら、消防車ばりに真っ赤なド派手バスがやってきた。

目黒駅のバス停は東口のアトレ前で、時刻表は以下の通り。

目黒駅からホテルはバスで5分程の距離。ファシリティは所々に築年数から来る老朽感を感じるものの、パブリックエリアは総じてきちんと改修されていて、今風の洗練された超高級ホテルではないが、昔ながらの温かみを感じる優秀なホテルのようではある。派手ではないが玄人受けするような、野球選手で例えればヤクルトの土橋とか巨人の川相的なタイプのホテルだろう。但し、需要は高止まりしているのかチェックインはやはり不快になる程の混雑ぶりで、スタッフもスペースインベーダーゲームのように次から次へとカウンターを襲来する宿泊客を撃破していく要領で、効率優先でパパパっと宿泊客の列を捌いていた。なんかもうチェックインするだけで「すみませんねご多忙のところ…」とこっちが謝りたくなるくらい。

客室は2~4階がレギュラーフロア、5~6階がコンフォートフロア、7階がフロアセブン、8~12階がプレミアムフロアと分かれており、改装時期とテイストがフロアごとにそれぞれ異なっている。

今回アサインされたのはフロアセブンのスーペリアルーム。最安値のスーペリアタイプなんで部屋自体のアップグレードは無いが、一応はフロアセブンという上層階にあるので、エンハンスルームという扱いの部屋になるんだろう。ダークブラウンをベースにしたシンプルモダンな装いで、照明も暗めで落ち着いた雰囲気だが、ちょっと狭くて圧迫感があるかな。一人での滞在で不自由はしないけど、なんだか30㎡という数字以上に狭く感じられる。


ベッドはもちろんシーリーのマットレスを使用したスイートスリーパーベッド。寝心地の良さは折り紙つきだ。


デスクは小振りで、バリバリ仕事をするのはちと狭い。


フロアセブンとレギュラーフロアの違いはこれかな。BOSEのWave music system。癒し効果のありそうなエスニックなインストルメンタル曲を集めた都ホテルオリジナルのCDも付いているが、ただでさえ狭い机のスペースの半分がこいつに取られてしまっているので戦力外。せっかくだがクローゼット内へと退いてもらうことに。


ベッドの正面にはアーモアが配置されている。前回宿泊時にはたいそう立派に感じた記憶があるが、今となっては寧ろ余計に空間を占拠するクラシックで非実用的な調度品と思えてくる。部屋の周りのインテリアとカラーコーディネイトされているとはいえ、存在感があり過ぎて、部屋の中で感じる圧迫感の元凶となっているような。
中は上段にテレビ、下段は左側にミニバーとセーフティボックスで右側には冷蔵庫が入っている。冷蔵庫の上のスペースは無駄になっていて、配線が丸見えになっているのもセンスが無い。

ひだり みぎ
ミニバーとコンプのコーヒー類は、今回の滞在では利用せず。


SPGのプラチナ特典は、四川またはカフェカリフォルニアでの朝食、ロビーラウンジのバンブーでのドリンクサービスが主な内容。今回の宿泊ではタッチの差でラウンジを体験することができなかったが、10月14日には待望のクラブラウンジがオープンするいうことだ。

ひだり みぎ
水回りはシンク・便座・バスタブが同居したタイプで、ビジネスホテルよりはマシという程度の旧式仕様。経年劣化が激しいバスタブは汚れや傷が目立ってしまっていて、モダンに仕上げたベッドルームとの激しい落差にも違和感を覚えてしまう。ロビーは良かったのに、浴室内は昔ながらの温もりではなく古臭い昭和のホテル感が漂っている。バスタブの色とかだっで、凄い懐かしい気がするんだよな。


バスアメニティーは通常のシェラトンシリーズで、シャンプー・コンディショナー・シャワージェル・ボディーローションが2つづつ。前は入浴剤もあった気がしたが…


バスローブやタオルも若干へたっており、ゴワつきが目立つ。この部屋だったら適正価格は20,000円以下だろう。この部屋だけ見たら、いわゆる御三家を追う二番手集団からも大きく離された三番手集団に位置するホテルで、中の中くらいのグレードという印象。

ひだり みぎ
眺望は主に2面。偶数番号の部屋はエントランス側、奇数番号は八芳園側となっているようで、部屋番号が小さいほど目黒通りに近く、大きいほど八芳園寄りとなる。今回の小生の部屋はエントランスに面していて、隣接するマンションビューとなっている。あまり魅力的な眺望ではなく、特に夜景はつまらない。


ホテル二階、10月14日オープン予定のシェラトンクラブラウンジでは最後の仕上げと備品の運搬が行われている。

【営業時間】06:30~22:00
・朝食 06:30-10:30
・ティータイム 11:30-17:30
・バータイム 18:00-20:00
・リフレッシュメント 20:00-22:00


残念…。次回訪問時の楽しみとして取っておこう。


ということでカクテルアワーは従来通りロビーラウンジのバンブーへ。ジントニック、モスコミュール、キューバリブレ、テキーラサンライズ、カンパリソーダ等のカクテルを飲ませてくれるようだが、生憎順番待ちとのこと。どうやら宿泊客以外のシロガゼーネの憩いの場にもなっているようだ。「あぁ、プラチナメンバー様ですか。いやー、この時間は込み合うんですよねぇ。」なんてあっけらかんと告げられても何の気休めにしもならないし、「はぁ。そうですか…。」くらいしか返せない。

順番待ちに登録しようとも思ったけど、いつ呼ばれるか分からんしなぁ。好きなタイミングでゆっくりできないラウンジなんて存在意義ゼロですわ。

様々な宿泊プランを用意して少しでも客単価を上げようと必死に工夫してる都ホテル。最安値部屋予約のSPGプラチナ会員より実際にラウンジアクセスやアフタヌーンティ付きの高い宿泊プランで泊まってる客を優遇したいんだろうな。ホテルの運営もスターウッドじゃなくて近鉄・都ホテルズだし、下手すりゃラウンジ乞食になりかねないSPGの上級会員は優遇したくないというような、微妙な空気を感じてしまう。


まぁいいや。どうせラウンジに入ったって人が多くて落ち着けないだろうし、それならばと夜の目黒に繰り出すことに。


適当に駅前を歩いてて発見したクラフトビールバー・目黒リパブリック。クラフトビール門外漢の私が入るには敷居が高そうだったけど、勇気を出して入ってみる。

ひだり みぎ
地下に設けられた40席程度のこじんまりした一室に、凄い数のボトルビールが保管されている。ボトルビールだけで常時200種前後の銘柄をストックしているそうだ。勿論、一般の酒販店ではお目見えしないようなレア物ばかり。

バーテンダーの方はこちらで勤務を開始されてから日の浅い気さくな女性の方。こだわりラーメン店の店主みたいな押しつけがましいマスターがカウンター越に睨みをきかせてたらキツイわぁなんて思ってたので助かった。これで肩肘張らずにビールを楽しめそうだ。
ひだり みぎ
オクトーバーフェスト盛りとオススメビール3種の試飲セットからスタート。無難に分かり易いところから入っていく。


試飲セットで気に入ったセッションIPA・毬花をグラスでもう一杯。グレープフルーツのようなフルーティーなフレーバーでグビグビ飲ませてくれる。

ひだり みぎ
エンジンがかかってきたのでトマトサラダと厚切りベーコンを追加注文。特別オイシイ訳ではないけど、それでもビールは進む進む。

毬花の次はどうするか…選択肢が多すぎて困りは困り果ててた私を見かねたビールの達人的な常連客が助け舟を出してくれた。ビールコミュニティ(?)ってもっとニューカマーに排他的なもんだという変な先入観をもっていたが、一人飲みしてるような常連客も皆さんフレンドリーで凄く良い感じの雰囲気である。
ひだり みぎ
爽やかフルーティー系という私の希望を聞いた達人が選定したのはニュージーランド産ペールエールのフル ネルソン(Full Nelson)。爽やかなグレープフルーツのようなアロマで、グレープのような優しく爽やかな甘味とほのかな苦味が特徴的。
次いで、おどろおどろしい名前のベルギービール・ギロチン(La Guillotine)が達人に寄り厳選される。これまたフルーティーなテイストだが、アルコール度数9%と高く、ビールというよりワインのような飲みごたえだ。

ひだり みぎ
満を持して登場したベルギーが誇る悪魔のビール・デュベル(Duuel)にロシアのバルティカNo.3。なんだか国際色豊かになってきたところで、私をビールの世界旅行にいざなってくれた常連客様ご退場。こういった一期一会の出会いも良いもんですな。

ひだり みぎ
終電を気にしなくて良い私は同年代の地元サラリーマンと談笑を続け、ラストスパートで青い空と海ビール。そしてポーター(Porter)というイギリスのスタウトで今宵のビール祭りを締めることに。もうはっきり言って最後の二杯を飲む頃にはグッダグダになっていて、今となっては最後の二杯の味は覚えておりません。


そんなこんなで世界各地の名産ビールを楽しみ、タクシーにて戻り。深夜2時過ぎでも目黒駅前のロータリーにはタクシーが待機しているし、シェラトン都まで1,000円ちょいで戻ることができる。


ホテルに着いたら午前2時45分…


翌朝、8時に起床し、駅前で饂飩だけかっ喰らって打合せへ。

今回はラウンジで一杯楽しんでからホテル内の庭園を散歩したりと、まったりとしたホテルステイを楽しみたかったんだが、思わぬ深酒をしてしまいホテルでの滞在を楽しめなかった…今回のスーペリアルームは水回りに失望したけど、公式サイトを見る限り、もう少し上のランクの部屋ならば問題ないのだろう。既にクラブラウンジも完成しているとのことなので、今くらいの価格であれば紅葉が楽しめる間に再訪したいと思う。

シェラトン都ホテル東京


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住所:〒108-8640 東京都港区白金台1-1-50
Tel: 03-3447-3111

【目黒リパブリック】
住所: 東京都品川区上大崎3-3-1(オバタビル)
電話番号: 03-3441-6181
営業時間: 月‐木・土 18:00 – 26:00 Food L.O/26:30 Drink L.O.
金曜日 18:00 – 28:00 27:00/27:30
日曜日 18:00 – 24:00 23:00/23:30



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コメント

  1. ポンズ ポンズ

    ジューンさん
    ご無沙汰であります。コメント頂きありがとうございます。飛んで、泊まって、飲んで、と、最近のジューン様のご活躍ぶりには大変目を見張るものがありますw

    日本のラウンジですが、豪華すぎる東南アジア・中国あたりのラウンジとは比べることすら憚られるくらい内容に差がありますので、日本のホテルではクラブアクセスに対して過度の期待を抱かぬようにしております(涙)。アーリーチェックインやアップグレードの点でも日本のSPGホテルは渋いので、やはりSPG上級会員のメリットは国外でこそフルに使い倒せるものなんだと、もはや日本のSPGホテルに対しては諦めにも似た感情が芽生えてきてしまっておりますし(涙涙)。

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