そうだ、同僚にトラジャコーヒーなる土産物を頼まれてたんだ。珈琲愛好家でもない私的にはコーヒーなんてどれも大差ないじゃんと思ったりもするが、このトラジャコーヒーは他品種との比較も出来ない程の唯一無二の存在らしい。曰く、オランダ植民地時代にヨーロッパの王侯貴族向けに栽培させていた高級種で、第二次大戦中に廃れてしまったところを1970年代に日本のキーコーヒーが復活させたんだとか。今でもトラジャ族という少数民族が標高1000メートル超の山奥で細々と生産し、キーコーヒーが「幻のコーヒー」やら「アラビカ種の最高峰種」などと銘打って世に販売しているらしい。キーコーヒーが売ってるならキーコーヒーから買えばいいじゃんと突っ込みたくなるが、そんな蘊蓄まで聞かされたもんだから、買って帰らない訳にはいかん。というわけで、幻のコーヒーを探し求めてホテル近辺のモールに買出しに行くことに。前は皆さん数十円のカップ麺土産を喜んでくれてたのに要求レベルがどんどん高くなる。
宿泊先から一番近いモールはロッテショッピングアベニュー。だけど、ロッテって余り好きじゃないんで、スルーしてITCクニンガンに向かう。炎天下の中、歩いてね。
大通りの交通量が多すぎて道を横断するのに一苦労。ジャカルタって地図上では近距離にあるところでも一方通行だったり道路横断できなかったりするんで厄介だ。
で、このITCクニンガン、入ってみると、何ともインドネシアな空気ムンムンな庶民派モールで、気の利いた土産物なんか到底見つかりそうにない。来る場所間違えたか。
一階入り口付近は海賊版DVDのベンダーがズラリ。価格表示はないが、聞いてみると一枚100円程度と安価。あくまで地元民の為の娯楽用なので、日本語字幕は付いていないのが大半のようだ。
メガネ屋も多い。ラコステやリーバイスなんかの眼鏡がレンズ代込で300,000ルピア以下で買えるようで、これまた大人気。レイバンやポリスなどのブランドじゃないところが何ともB級モールっぽいところ。
次に目につくのはベビー用品。流石はベビーブーム真っただ中のインドネシア。ベビー服やベビーカー、遊具なんかも多く売られている。ここでも一々B級臭さを臭わせないと気が済まないようで、「モモ・キッヅランド」だと。ん~、惜しい!!
そんな中、ふと目を向けたパンツ屋さんに気になるショーツを発見。これ、プールで泳ぐ時の海パンに丁度良い、ということで25,000ルピアでお買い上げ。テレマカシ!
上層階はバンコクのMBK的な電器街になっている。なんともジャンクな商品が集まる中を冷かして回り、隣に建つアンバサダーモールへと繋がる空中回廊を目指す。
アンバサダーモールへの連絡通路の手前は屋台風料理屋が密集するフードコートになっていて、食欲そそられない系の妙な匂いが充満してる。
完全に大衆食堂系D級グルメ。揚げ物や、煮物・炒め物の惣菜を選んで丼に載せるぶっかけ飯的なものが主流。
屋台街を通り抜けた先のアンバサダーモール側は、もう少し清潔なフードコートになっている。
インドネシアの家庭料理オンリーなITCクニンガンとは違い、鉄板焼きや韓国・台湾のお店もあったりと、インターナショナルなラインナップ。
他のフロアは電器関連や廃れた系ファッション、靴、カバン、時計、などなど、6畳程度の小店舗が眩暈がするくらいギッシリ密集してる。だが、これだけの店舗数があるのにトラジャコーヒーはみつからない。流石は幻のコーヒーだ。
20分くらい周ってみたけど土産物屋は見当たらなかったので引き上げる。
ITCクニンガンに引き返し、地下のカルフールをあたってみることに。
南国フルーツが安い。100グラム4.490ルピア!?いや、4,490ルピアだそう。それでも安いんだけど。
酒税のせいでビールは高い。それでも一缶200円程度だけど、中国・ベトナムなんて50円とかだから。感覚が麻痺しているというか、どうしても一缶200円が高く思えてしまう。
レジはタイプ役と袋入れ役の二人体制なのでスムーズ…とはいかず、私の前の人の会計中、キャッシャーが職務放棄して無言でどっか行きよった。目が点になる私。2分…3分…4分と待ち、ようやくノッシノッシと気怠そうにレシートの紙を持って戻ってきた。レシート紙を切らしてしまったらしい。
で、だ。私の番。目の前のモニターに支払金額が表示され、現金を手渡す。すると、今度はお金を持ってどっかに歩き去っていくキャッシャー。本当に無言で立ち去っていきますからね、もう意味が分からない。また5分。今度は小銭の束を持って戻ってきた。私の後ろに並んでた人達は至って冷静だったので、こんなんは日常茶飯事なんだろう。
結局、トラジャコーヒーはあったけど、安そうなパックしかなかったので一袋のみ購入。もう少しマシなトラジャコーヒーを求めてロッテアベニューへ移動する。
荷物を部屋に置いてからロッテアベニューへ。先ずは腹ごしらえ。
鼎泰豊にしようか。
インドネシアの若者が一生懸命たどたどしい日本語で客引きしてた東京豚骨ばんからラーメンに決定。ばんからはバンコクでも美味かったし間違えないだろう。
入店すると、大声で「お客様一名様入りますーーー」的なシャウトが店内に響く。日本のラーメン店的なノリがインドネシア人による微妙な日本語で再現されていて、ちょっとビビる。
机には各種調味料や紅生姜、絞り器付きの生ニンニクが置かれていて使い放題。客は私の他、駐在員風の日本人個人客4人。それに対して従業人が5人と余裕の配員。外で「いらっしゃいませー」と声を張ってるやつ以外はみんな世間話していて楽しそう。客ほったらかしでね。
注文したのは角煮豚骨ラーメン、チャーシュー丼、烏龍茶。
丼は素材も味付けも安っぽくてイマイチだったけど、ラーメンは◎。角煮もトロトロで柔らかいし、スープは背脂たっぷりの特濃な味付けで、麺の茹で加減も良し。インドネシアというイスラムなお国柄、豚を避けるお店が多い中で、敢えてガッツリ豚骨ラーメンで勝負する気概が素晴らしい。また来ます。
腹を満たした後はコーヒーを求めてロッテアベニューを探索。
よかった、地下にある高級スーパーのランチマーケットでJJ ROYALの各種コーヒーを発見。トラジャだけでなく、マンデリンやバリのキンタマーニ、グヌン・ビルなど各種コーヒーが200グラムで65,000ルピア(700円)程度。半日費やしちゃったけど、これで今回の土産物調達任務も晴れて完了だ。
コメント
ひろあき様
コメント頂きありがとうございます!
いやー、あんな都会のド真ん中にもごちゃごちゃとしたローカルモールがあるのもジャカルタの良いところですよね。それでいてロッテアベニューやスナヤンのような綺麗めモールも近隣にあるんだから住めば都です。ラーメンは日本で食べるより高くてビックリしましたが(汗)