見切りオープン感たっぷりで残念だったニッコー広州からリッツカールトン広州へと移動する。近くのフォーシーズンズと迷ったが、クラブフロアの値段差が決め手となり比較的お手頃だったリッツに決定。やたらと現代的な内装のホテルばかりの中国のホテルにあって、静かな立地で中世ヨーロッパ風の格式高い内装が特徴のリッツ広州は貴重な存在。心身共に疲れ切っているので、喧騒から離れた高層ホテルのラウンジでまったりとしたホテルステイを満喫したい。
最寄り駅はAPM線のオペラハウス駅、B出口から出て広州図書館を突っ切った先にあるようだ。周囲には広州タワー、オペラハウス、広州図書館、広東省博物館などの文化施設が盛り沢山。グランドハイアット、Wホテル、フォーシーズンズなどの高級ホテルも乱立する絶賛開発中のニュータウン・珠江新城にある。
まだまだ建設中の高層ビルも多い。香港を彷彿とさせるような高層建築物が並ぶ様は壮観ではあるが、なんか無機質で人工的過ぎて息苦しく感じる。
観光的には広州タワーが対岸に見えるくらいで、街歩き目的でアクティブに動き回るにも決して便利な立地条件とはいえないし、特に夜は高層ビルのネオンがギラギラ光るくらいで表に出ても何もない。こういった場所では静けさのある高層ホテルのクラブレベルに泊まってまったりするに限る。
歪な形をしたオペラハウス(左)に本を積み重ねたような奇抜な外観デザインが特徴の広州図書館(右)。なんかもう本当にSFの世界のような近未来的建築物が大集合。
正面から見ただけでは分からなかったがなかなかに大型な図書館のようで、地下2階、地上10階、塔屋1階という造りで、延床面積約10万m2、収蔵冊数400万冊を誇るそうだ。やけに近代的で図書館というよりは高級百貨店のような吹き抜けロビーの真ん中を突っ切って宿泊先へ。
図書館の反対側の出口を出たらすぐのところにあるリッツカールトン。これまたSFチックな建物だこと。20階から38階までがホテルになっていて、353のゲストルームに120のサービス付きレジデンスがあるらしい。レジデンスにはいったいどんな大富豪が住まわっているのか。興味本位でお幾ら万円か尋ねたところ、お見積もりしましょうかって返された。いやいや、本気で借りたいわけではないんです。
ロビーに入ると香水の匂が鼻を刺激する。柔らかい匂いではあるが、ロビーが狭いから余計に匂いが籠ってしまっているのか匂いがききすぎている。
シルクのようにスムーズにチェックイン手続が済み、クラブフロアの3317に通される。
電動開閉式のカーテンなんて久しぶりだ。一人では勿体ないくらいの広さに格式高いパレスのような豪華さ。こりゃ落ち着く。
ダブルシンクに独立したシャワーブースとトイレなど、水回りも広々。浴槽にゆっくり足を伸ばして備え付けのバスソルトを入れ、テレビを見ながらリラックス。嗚呼至福の時。この幸せがあるから日々頑張れる。
アメニティはリッツクラブラウンジでは定番のAspray。ミニバーのハードリカーも充実してる。枕もお好みで木綿枕、ジャスミンティー枕、そば粉枕、グリーンティー枕などが選べたりと細かい気配りが感じられる。
ホテル内を見て回った後はクラブラウンジでまったりと小休憩。ここのクラブラウンジのスタッフが女も男もなかなかいけていて、近すぎず遠すぎず、絶妙な立ち位置で接してくれる。若いのに百戦錬磨なのか妙に慣れている。男性スタッフの親もホテル業に従事していると言っていたので、英才教育を受けていたのだろう。
先ずはドリンクでも、とのことだったが、お茶だけでも龍井・鉄観音・プーアール・烏龍・ジャスミン・碧螺春・アールグレー・カモミール・ローズ、生絞りジュースもキャロット・グレープフルーツ・スイカと種類が豊富で選択に迷う。
結局、アイスカフェラテとフルアフタヌーンティセットを試してみることに。多分下のラウンジで食べたら4,000~5,000する内容なんだろうなー。カフェラテはちょっと薄かったけど、オードブルは一品一品全てが美味い。
ラウンジは広州タワービュー。足下の黒いレゴブロックで作ったような箱は広州博物館。博物館を1時間ほど見学し、ホテルに戻って昼寝をかまして気付いたら夜!外に出てみるとホテル周辺の雰囲気がガラリと様変わりしていて驚いた。
けばけばしいフォーシーズンズに広州タワー。どうです、文化地区なのにこのド派手な感じ。色使いが妖しいんだよなぁ。
フォーシーズンズってこんなド派手なコンセプトのホテルだったんか。Wホテルと場所をスイッチしたらいいと思うのだが。
ホテルのベッドルームと浴室からの眺め。昼は無機質な街並みだったが、夜は中国丸出しのこのイルミネーション。どのビルも自己主張が激しいことこの上ない。
でも広州タワーもやっぱり派手なんですね。暫し窓際席でカメレオンのようにめまぐるしく色を変える広州タワーの七変化ぶりを楽しんでいると、なんとまあ総支配人のRogers氏がラウンジに降臨なさられ、小生のもとにやってきてビールを注いでくれるではないか。このRogers氏がなんと誇り高いというか、総支配人としてのプライドが彼の一挙手一投足から伝わってきたし、誇らしげな笑顔が印象的な方であった。小生もああいう貫禄が欲しいが、一朝一夕に身に着くものではないわなぁ。貫禄つけるために髭でも生やしちゃろか。
夜のラウンジには質の高いオードブルが並ぶ。サラミとチーズをつまんでいたら、またも総支配人が青島ビールを持ってやってくる。「Good booze in a good house, could ur life get any better?(最高の場所で最高の酒、これ以上ない素晴らしい人生ですな=意訳)」と。これで超絶美女が隣に居れば言うこと無しなんですがね。と、そこに、アラブ人の爺と真っ赤なドレスの娼婦(失礼だが、絶対に高級娼婦)がやってきて隣に座る。聞きたくなくても耳に入る彼らの会話。どうみてもゆうに60歳にはなっているであろうシワシワのアラブ爺と20代の色白美女だが、なんか話を聞いてると夫婦のようだ…
この日は疲れもあって青島ビール3本で撃沈。風呂に浸かり、お茶を飲んで就寝。
続いて翌朝。夜も朝もラウンジで食事する乞食の鏡。徹底的に食べ倒しちゃる。
すっごい靄に包まれた広州タワーを見ながらの朝食となったが、美味いものは美味い!
チェックアウト後、フライトまで時間があったので3階のチャーチルバーで時間を潰したかったのだが、夕方まで開かないとのことで断念。
しょうがなく1階のカフェに行ってみる。
リッツ広州オリジナルカクテルPearl Dream。サービスチャージ込RMB137(≒2,700円)。カクテル一杯2,000円程度だろうと高を括っていたのだが…味は平凡だしコスパ悪し。チェックアウト後もラウンジ使わせてくれれば神だったんだがなー。それでも良ホテルに変わりはない。一通り広州のホテルを網羅したら再訪したいと思う、またクラブルームで。
【リッツカールトン広州(広州富力麗思卡爾頓酒店)】
住所:3 Xing An Road, Pearl River New City, Tianhe District, Guangzhou 510623 China
電話: +86 20 3813 6688
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