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トンブリー駅からカンチャナブリーへ


昨晩遅くに会社から直行でバンコク入りし、今日はナムトック行きトンブリー駅07:50発の列車に乗ってカンチャナブリーへと向かう。1泊2日、タイの北西部へ向けて旧日本軍の戦跡巡りのぶらり旅だ。


宿泊先からタイ国有鉄道南本線のトンブリー駅まではトゥクトゥクで移動。100Bと言われていたが、じゃあタクシー乗ると言うと勝手に料金が下がるお馴染みのパターンで60Bになる。


カオサンからピンクラオ大橋経由でチャオプラヤ川の西側へと渡る。トンブリー駅はフワランポーン駅に次ぐバンコク第2の駅とされているが、いつも泊まっているスクンビットあたりから来るにはちょっとアクセスが悪くて不便なので、昨晩はカオサン近辺のホテルに投宿した。旅の達人は渡し船などの交通機関を駆使してカオサンから安く仕上げるのだろうが、眠いし歩くのが面倒だったので、甘えてトゥクトゥクに乗ってしまった。

ひだり みぎ
やけにぶっ飛ばすトゥクトゥクのスリルを味わい、あっという間に始発駅のトンブリー駅に到着。ここから旧日本軍が残した戦跡・旧泰麺鉄道の旅が始まると思うとドキドキだ。ただ、泰麺鉄道というとノスタルジックな響きがするが、ビルマ(現ミャンマー)への物資輸送ルート確保を急ぐ旧日本軍の無茶無謀な計画を達成する為に、捕虜などの少なからぬ人命が犠牲になったという史実もある。何せ、事前調査で最低5年から8年かかると見積もられた壮大な鉄道敷設工事を人海戦術と突貫工事により1年半で完了させたのだ。過酷な環境の中、熱帯の密林を伐採し原生林を切り開き、岩を開削して山を切り崩し建設されていった泰麺鉄道の工事で、動員された約270,000人のアジア人労働者と、合計60,000人を超える連合国側の捕虜の内12,399人の捕虜と70,000-90,000人の労務者が飢えや病気、事故、虐待などにより15ヶ月に渡る鉄道建設中に犠牲となったとされる(白人イデオロギーどっぷりのヘルファイヤ博物館の情報に拠る)。そう考えるとウキウキの旅ではないが、それでも戦時の歴史を巡ることで抑えきれないドキドキ感は自ずと強まってくる。


当時はビルマ戦線への兵站補給ラインとしてタイのバンポンからビルマ(現ミャンマー)のタンビュザ間の415Kmを繋いでいた泰麺鉄道だが、軌道の一部は戦後部分的に撤去されていまい、現ナムトック支線はミャンマーとの国境近くの村・ナムトックで途切れてしまっている。その先には非公式な区間としてナムトックから1.4Km先のナムトック・サイヨーク・ノーイ停車場までの路線も鉄道が運行しているというが、いずれにせよタイ―ミャンマーを繋ぐ国際列車としては機能しておらず…ナムトクより奥には緑豊かなジャングルが広がり、タイ国内でも最大級の滝やら旧日本軍が掘り当てた川の中の露天風呂なんかもあったりと、少数民族も多く暮らすミャンマーとの国境の町・サンクラブリーまで足を伸ばせば桃源郷的な魅力にも触れられるのだが…かつてはビルマまで続いていた泰緬鉄道がナムトク駅で行き止まりとなっているのは、鉄道ファンならずとも非常に残念である。


トンブリー駅の時刻表。1日10便しか出ていなく、カンチャナブリーへはナムトック行き07:50発257便と13:55発259便の一日二本のみ。料金はカンチャナブリー以降は外国人一名一律100B。観光地であるカンチャナブリーから終点ナムトックまでは更に2時間半程度の列車の旅が続くが、その間に大きな見所を3つ通過する。一つ目は「戦場にかける橋」で脚光を浴びた「クウェー川鉄橋」、二つ目が鉄橋を渡りカオプーン駅に差し掛かる場所にある、高さ30m程の垂直にそそり立つ岩壁の間を抜ける「チョンカイの切り通し」、そして極めつけは3つ目、カンチャナブリーから約50Km、突貫工事による爆破により凸凹になった岩壁にへばりつくように建てられた長さ300m程の「タムクラセー桟道橋(通称アルヒル桟道橋)」だ。眼下には茶色く濁ったクウェー・ノーイ川がゆったりと流れ、向こう岸には手を伸ばせば届いてしまうような距離に原生林が広がるという渓谷美の中に建てれらた木造の高架橋を徐行運転でゆっくりと時間をかけて通過する。

トンブリー(バンコク)⇒ナムトック時刻表
駅名\列車番号 485番 257番 259番
トンブリー発 07:50 13:55
ナコーンバトム発 08:58 14:54
ノーンプラードゥック発 04:35 09:20 15:11
カンチャナブリー発 05:57 10:50 16:19
クウェー川鉄橋発 06:05 11:00 16:26
ター・キレン発 07:19 11:42 17:33
タム・クラセー発 07:36 11:46 17:51
ワン・ポー発 07:49 11:57 18:01
ナムトック着 08:20 12:10 18:30


プラットホームはいかにもローカル列車の始発駅といった感じのひなびた雰囲気。

ひだり みぎ


地元民8割に観光客2割が混じるといった構成。夫婦で旅をしている年配の白人観光客の姿が目立つ。

ひだり みぎ
民家すれすれを走るので、普通に飯食ってるおじちゃんや子供と目が合っちゃいます。


車内には車内販売用の小道具が無造作に置かれている。大きな駅に着く度、どうみてもタイ国鉄のオフィシャルとは思えない身なりの売り子たちがわんさかと乗り込んできて、売り物入りのバケツや大きなお盆を手に元気な掛け声とともに社内を歩いて回る。つくねなどの焼き鳥やソーセージなどの串物に卵焼きのホカベンなどご飯物、グァバやバナナなどの果実、各種ジュースや粽などのおつまみなど種類は豊富で食欲をそそるし、物売りのおばちゃんや子供の商売の様子や売り物を観察したりコミュニケーションをとったりできるのも、こういったローカル列車の旅の魅力の一つで面白い。ちなみに、途中下車していく売り子達は、今度は対向列車に乗り、折り返しバンコク行きの列車で同じように商売をしているようだ。

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サッカーのユニフォームを着た売り子少女からジュースを一つ購入。中学生ぐらいの女の子で、化粧っけのない健康的な笑顔がなかなかの人気。やはり女の子は可愛いとどんな時でもトクであると改めて実感させられる。さて、買ったジュースだが、一つというよりも、一袋と言った方が正確だ。甲子園球場にあるカチ割りのように、飲み物がビニール袋に入って出てくる。タイのドローカルな屋台なんかでご飯やパッタイなど汁気のないものを買うと発泡スチロールの容器に入れられるが、汁気のあるようなものはポリ袋に入れて輪ゴムで口を縛ってストローと一緒に渡されたりする。それも、ウィダーインゼリーみたいな袋じゃなくて、液体が漏れてきそうな金魚すくいで金魚を入れてもらうような透明の薄いビニール袋である。

イメージとしてはこんな感じ。ストローが有るので飲めない事はないが、衛生面はどうなんだろなーとか飲んでる途中で袋が破裂しないだろうなーとか色々と考えてしまうが、喉の渇きには抗えず一袋を一気飲み。

カンチャナブリーへと向かう車窓からの景色。バンコク首都圏を抜けて農村地帯に入った頃にはすっかり気温も上昇し、窓から入る風も生ぬるーくなってくる。
ひだり みぎ

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寺院や仏塔などタイらしい風景。列車の速度は余り出ないが、まぁでも各駅停車の列車に揺られ、現地の人々や他国からの観光客と談笑しながら、のんびりゆっくり時間ををかけて進む列車の旅も悪くない。さて、列車はタイ南部・マレーシアを経由してシンガポールまで繋がる南本線との分岐駅、ノーンプラドゥックにてナムトック線に分岐。それまで左手の窓枠に肘を乗せて車窓を楽しんでいたのだが、いよいよもってローカル線の牙を剥き出してきて、沿線の草木がバチバチ当たってくるではないか。線路上にに生える熱帯気候の育ち盛りの草木をこまめに手入れするほどタイ国鉄は“デキ”ていない。列車が毎日通ることによって、自動的に草木の先が叩き切られて車両の幅だけの空間が確保されるんだから良いよね的な考えなんだろう。そういやベトナムの鉄道も酷かった。よって、これより先は窓から顔を出して絶景を伺う行為は負傷の危険を伴うことになる。草木ならまだしも、民家の屋根や市場の日よけなどによって頭蓋骨をかち割られたり首ごともぎとられたりされないとも限らない。

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カラフルな田舎駅で途中停車。赤青白地のタイ国旗とともに国王陛下の紋章の入った黄色い国王陛下旗が並べて掲揚されている。寧ろその数はタイ国旗の数よりも多いくらいだ。

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メークローン川を左手に北西に走り続け、定刻より若干遅い11:00にカンチャナブリー駅に到着。ここから先の「クウェー川鉄橋」「チョンカイの切り通 し」「タムクラセー桟道橋(通称アルヒル桟道橋)」などの見所へと向かう大勢のファランが嬌声をあげ大きな体を揺さぶりながら車内に乗り込んできて、進行方向に対し左側(相対的に眺めが良いのだろう)の椅子取り合戦が繰り広げられる。

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旧泰麺鉄道第一の見所であるクウェー川鉄橋はカンチャナブリー駅から僅か5分程で到着。


壮大なクウェー川にかかる鉄橋を徐行運転で渡っていく。

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クウェー川鉄橋に関しては後にアップするページにて詳しく紹介させて頂くとしよう。列車はここからミャンマー国境に近い山地へと入り込んでいく。

続く。

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