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これぞ自然美!タムクラセー橋(アルヒル桟橋)


カンチャナブリー駅を経て、クウェー川鉄橋とチョンカイの切り通しと言う名所2つを過ぎた後は、泰麺鉄道最大のハイライトとの誉れ高きアルヒル桟橋へと向かう。バンコクから乗った257号をタムクラセー駅で降り、プラサート・ムアン・シン歴史公園などを回った後に、258号として終点のナムトク駅から折り返してくる列車でカンチャナブリー方面へと戻る計画だ。最大見どころの一つチョンカイの切り通しはオランダからきたマダムとの談笑中にあっけなく通り過ぎてしまったので、復路でチェックすることにする。

この有名なアルヒル桟橋であるだが、カンチャナブリ市内から約55Kmミャンマー寄りに行った所に架かる木製の高架橋だ。第二次世界大戦中、日本軍の西の防衛線であるビルマ戦線への兵站線確保の為に艱難辛苦して敷設された泰緬鉄道において、クウェー・ノイ川に沿って岩壁スレスレに建造された。岩壁と川に挟まれた全長約300mのS字カーブの橋で、岩石を砕き山肌を切り崩しながら軟弱で不安定な地盤の上に高架橋を建て鉄道のレールを敷設すると言う最高難易度のスタント突貫工事は当然ながら難航を極め、戦争捕虜や東南アジア各国からの“労務者”などから成る作業隊員の多くが犠牲になったとされる。もっとも、現代のアルヒル桟道橋は至って長閑な自然美の景色に融合され、訪問客は橋建設当時の凄惨極まる歴史なぞ知ってか知らぬか笑顔のピースサインでワイワイと楽しむという普通の一観光地となっている。なので、旧日本軍の捕虜への虐待など指摘されてはいるが、少なくともヘルファイアパスのように日本人として肩身が狭くなるような所ではないと思う。

ひだり みぎ
カンチャナブリーを出た列車は南部の乾燥したサバンナのような風景から次第に山がちで緑の多い渓谷へと入っていく。


ミャンマー方面へと向かって走り続けること1時間、列車はタムクラセー駅へと到着した。


私を降ろした列車は時速5kmにも満たないのではという超鈍足徐行運転で木製のタムクラセー橋を渡っていく。重心が川側に偏りすぎて谷底へと脱線してしまわないか心配になるくらい、皆さん川側に身を乗り出して絶景を楽しみ記念写真を取り合っている。因みにカンチャナブリーへと戻った後に分かったことなのだが、桟橋の対岸にもタム・クラセー駅があるらしい。それを知らず橋の手前で下車してしまった私は絶壁を列車で走るというスリルを味わう機会をみすみす逃してしまった。


駅のある高台から橋脚部分まで下りてみたが、上を見上げると列車がまだノロリノロリと橋の上を走っている。この橋の時速制限は10キロとなっているが、これは乗客がクウェー・ノイ川の絶景をカメラにしっかりと納められるようにとタイ国鉄が便宜を図ってくれているわけではなく、それだけアルヒル桟橋を走行するのが危ないと言う事だ。


切り通しで屋根を越え、深い渓谷を危うげな橋を渡りながら進んでいく列車は更に奥へ奥へとミャンマー方面に向かっていく。


下から見上げるアルヒル桟橋。橋の基礎部分はコンクリート、橋桁は鋼鉄製のようで、その上に木製の橋脚が組まれている。脚に使われている木材には数字が残ったままで生々しい。

ひだり みぎ
列車が過ぎ去った後は橋の上の線路を歩いてみる。板が割れていたり、腐っていたり、釘がとれていたりしているので、高所恐怖症にとってはちと怖い。

ひだり みぎ
足元を確認しながら、ゆっくり、一歩一歩橋の上の線路を進んでいく。右手には崖が触れるくらい近く迫っており、列車と崖との距離は一番狭いところで10cmにもなるそうだ。今回はこの絶景を列車で通り過ぎることができなかったが、橋の上を歩いて渡れるなら電車で渡るよりもスリルがあって面白い。

ひだり みぎ
橋の上からの絶景。足元にはゆるやかな弧を描きながらクウェー・ノイ川がゆったりと流れ、川の奥には緑深い原生林が、更にその先には山々が並ぶという大自然を一望に堪能できる贅沢。70年弱前の路線建設時に多くの人間が犠牲になったという暗黒の歴史が嘘のような平和な空気が流れている。


橋が建設された戦時中がどのような状況にあったのか、暫し思いを巡らせていると、前方から数人の団体がやってきた。ここにいては邪魔になってしまうので、しぶしぶタムクラセー駅まで引き上げる。


高台を下った川沿いにはRiver Kwai Cabin Resortという雰囲気のあるホテルのバンガローが並んでいる。

ひだり みぎ

クウェー・ノイ川の流れを眺めながらシンハビール(通称ビア・シン)を一杯。このグラスをお土産に買って帰りたかったが残念ながら非売品との事。ビンの中央のラベルにはタイやインドの古代神話に登場する百獣の王・獅子が、上のラベルにはタイ王室の象徴でもある神鳥ガルーダが描かれていて、プレミアム感を感じるビールだ。味の方もアルコール度5%ながら口当たりが良く爽やかで飲みやすい。

因みにタイではビールに氷を入れるのが一般的なようで、デフォで氷がグラスに入ってきた。ビールの味が薄まって嫌だというより腹壊しそうだったので、氷無しのグラスに入れかえてもらい、ビールも冷えたものに取り換えてもらった。

ひだり みぎ
人っ子一人いないタククラセー駅。地図で見るとここからプラサート・ムアン・シン歴史公園までは移動できない距離でもないのでトゥクトゥクでも貸し切って行こうかと思っていたが、トゥクトゥクはおろか、駅前には人すらいないwww高台下のレストランのちょっと英語出来るマネージャー風の人に聞いてみても「12Km離れているので無理。タクシーもバスもない、ソーリー」というだけで、結局足が確保できずにプラサート・ムアン・シン歴史公園は断念した。

ひだり みぎ
折り返しの列車は13:27着予定。それまでは見晴らしの良い高台にある日陰で木漏れ日を浴びながら気持ち良く昼寝。月曜日からバンコク近辺の客先周りと接待の雨嵐が待っているので束の間の休息だが、激務から解放されて久しぶりにリラックスできた気がする。


タムクラーセー橋の対岸から渡ってきたタイ人少年4人組みと列車に乗り込む。

ひだり みぎ
ここからカンチャナブリーまで1時間。今度はチョンカイの切り通しを見逃さないように車窓の外に注意します。

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