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ラオチャイ村、タヴァン村の美しき棚田群


バック滝の見学を終え、サパ市内を経由してラオチャイ村・タヴァン村へと向かう。バック滝での軽い登山で大量に汗をかいたので、水分補給の為に途中でバーストリートにてビールの補給を行うことに。

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高原避暑地とも言われるサパであるが、日中は想像以上にめちゃくちゃ暑い。『気温の年間平均が16~18度と非常に涼しく、冬は氷点下になることもあります。』なんて書いてたガイドブックもあるし、標高が標高だけに(1,600m)寒いかと思って秋用ジャケットも用意してきたが、日中は半袖一枚でも十分すぎて、バーストリートでは真っ昼間っから上半身裸で泥酔してる白人観光客の姿も見ることができる。

地理的には亜熱帯性気候に属すことから、12~2月=寒い、3~5月=過ごしやすい、6月~8月=暑い、9月~11月=過ごしやすい、といったざっくりとした四季はあるようだ。タフィン村の赤ザオ族のお姉さんは10月の米の収穫期が観光のベストシーズンと言っていたが、春に田植えをし、精魂を込めて育てた稲が収穫を迎える時期にこの地へ赴くと、黄金色に輝く稲穂の中で赤や黒の民族衣装に身を包んだ人々が農作業をする美しい光景に出会うことができるのだろう。でも春は春で色鮮やかな民族衣装を身に纏った女性男性が田植えをし、夏には稲が青々と実り、冬は冬で満面と湛えられた水が照り輝く様子が楽しめるので、結局は四季折々で、春夏秋冬いずれの季節に訪問してもそれぞれの良さを楽しめる万能な観光地なのだと思う。

さて、ビールで水分補給したところで、いざ出発。

遠くから眺めるサパ市街。ここから峡谷を下り、ラオチャイ村・タヴァン村を目指します。


サパを一歩出たところから美しい山々と棚田が織りなす牧歌的な風景が果てしなく続いていく。ここら一帯は中国西南部、ラオス、タイ、ミャンマーなどの山岳地帯に暮らすモン族が多く居住する地域だそうだ。彼らは元々は中国の雲南省の山々で焼畑農業による生活を営んでいたが、300年前より漢民族の支配を嫌って南下し、不便故に安全な山谷に分派して村々を築きあげてきたとされる。バックハーにいた花モン族もモン族の一派で、他にも衣装、方言、風俗習慣から大きく白モン族、黒モン族、青モン族に細分化されるようだ。定住の地を持たず、故郷を他民族に追われ、豊穣の地・安住の地を求めて山地を移り住んで来た流浪の民・モン族。昨今、激化する新疆でのウイグル人に対する激しい弾圧を見ていると、スパッと中国を見切ったモン族の決断は正しかったように思える。

ひだり みぎ
山や谷を切り開き、山裾から谷間にまでびっしりと開墾された様々な形状の棚田群は、モン族の先人たちの知恵と苦労の結晶と言えるだろう。午前中に訪問した赤ザオ族のマーチャ村・タフィン村による棚田よりも規模は大きく、圧巻の景色が周囲一帯に広がっている。


写真を撮っていると可愛い女の子に声をかけられた。ミサンガを買ってあげると嬉しそうにお姉さん(多分、子供営業員たちの元締め)の元に帰っていった。彼女たち、幸せになれるといいな。

ひだり みぎ

ひだり みぎ


まるで美しい織物のような、寄木細工のような、大地の彫刻品とも言うべき人工の芸術作品。この美しいサパの棚田は、バリのライステラスや中国の龍勝棚田、紅河ハニ棚田などと並んで世界で最も美しい棚田11選に選出されたそうだ。ここまでくると人工物とは信じ難く、地球外生命体により作られたミステリーサークルではないかとも疑ってしまう。


青い空と白い雲の下、扇状に開けた山間に川が流れ町があり、周囲の斜面には幾枚もの棚田が広がっている。自然災害などと戦いながら、何代ものモン族により築きあげられた圧巻の超大作。その圧倒的なスケールと絵画のような自然美を前に暫し茫然。何故だかふつふつと湧きあがる大自然への畏れ、敬い、感謝する心。時間を忘れて無言でただただ見入っていたのだが、背後から『早く出発するぞ』との運転手の声に現実に引き戻される。ここは絶対にまた再訪しなければならないし、その時はもっと時間を取って心行くまで滞在したい。


引き続き峡谷を下り、ようやく遠目に村落が見えてきた。


川ではワンパクな子供たちが水遊びをしています。

ひだり みぎ
開墾と維持に手のかかる棚田が織りなす牧歌的な自然美は山岳地帯の人々の知恵の産物。平地の限られる山間地部でも、山の斜面に階段状に田んぼをつくることで耕作面積を増やすことができるし、大雨の時に雨水を貯留したり、急な斜面の崩壊を防ぐことができる。『魚は水に泳ぎ、鳥は空を飛び、我らは山に生きる。』というモン族の諺があるそうだが、土地がやせる度に山を移動し、新たな安住の地を開拓する山岳民族の知恵と苦労の集合体が目の前に広がっていると思うと鳥肌が立つ。


こちらは村の学校だそうだ。日曜日で村人総出でサパへと出稼ぎに行っているのだろうか、水遊びをしていた子供たち以外は村人に遭遇しない。もぬけの殻だ。


皆、出払ってしまってるのかなー。鳥・虫の鳴き声に風の音、風のせせらぎしか聞こえません。峡谷の中の比較的平坦な場所にあるようで、ラオチャイ村とタヴァン村は体力に自信のない人にもお勧めのトレッキングコースとなっているらしい。


おっ、モン族と言えばこれこれ。路肩には藍染めを終えた衣裳が天干しされています。数あるベトナム少数民族の衣裳の中でも黒モン族の衣裳が断然にセンスが良い。田植え名人であると同時に染物職人でもあるんですね。物によっては藍染めの上からロウを塗り重ね、光沢も出すそうだ。今や既製の服飾も簡単に入手できるだろうが、それでも自分達の衣装を愛し、ひっそりと伝統を守り続けている彼らの姿を見ることができて大変感動(小並感)


ラオチャイ村からは細い一本道が続く。暫く走っていると、これでサパに切り上げるとジンさんが言いだすではないか。え!?もう一つのラオチャイ村は?と伺うと、何ともう通り過ぎたとのことだ。それぞれが非常に小さい規模の散居集落である為に、村の境界も分からぬ内にタヴァン村を通過してしまったらしい…いやいや、知ってたなら教えてくれよ…こうして、ラオチャイ村・タヴァン村巡りは気づかぬ内に幕引きとなってしまいました。

帰り際、まだ天空は明るいのにサパの町がすっかり暗闇に包まれている不思議な現象を目撃。これも山岳地方ならではの現象なのでしょうか。山々に囲まれたサパの町は本当に神秘的だ。
ひだり みぎ

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