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マレーシア国立博物館


マレーシア観光のトリを飾るのはKLセントラル駅の西北、大都会クアラルンプールのオアシス・レイクガーデンに位置するマレーシア国立博物館。国立博物館だけあって、先史時代から現代までのマレーシアの歴史・文化・自然・各民族の生活様式、美術工芸などに関するものが幅広く展示されているらしい。ざっくりいうと、原始文化⇒ベトナムのドンソン文化の影響⇒ヒンドゥーや中国の影響が強くなり中国・インドの影響⇒イスラム化、土着文化との融合という流れの複雑な歴史を歩んできた国なので、きっとユニークな展示品を多く見ることができるに違いない。本当だったらマレーシア観光の始めに見るべき場所なんだろうな。

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地図で見たらKLセントラル駅から目と鼻の先にあるはずなんだが…自分が当地の地理に不案内だったこともあるが、博物館の敷地の四方が壁に囲われていたり道路を渡る横断歩道が無かったりと、中々近ずけない。要塞かよ!迷いに迷い、高速道路の車道脇や幹線道路の中央分機体なども彷徨い歩いたりして、結局KLセントラルから約1時間をかけて到着。徒歩でのアクセスはすこぶる悪いので要注意だ。

途中、マレーシア軍が軍事演習(?)を行っている所を目撃。
ひだり みぎ
ひだり みぎ

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モグラたたきのモグラのように戦車から軍人の顔がひょっこりと出たり入ったりしているが、何かの訓練なのだろうか。

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かなり苦労したが、ようやく汗と車の排気ガスまみれで国立博物館に到着。
ひだり みぎ

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建物のデザインは初代首相トウンクー・アブドル・ラーマン氏の嗜好をこらしたマレー宮殿の建築要素が取り入れられているそうだ。チケットは外国人の成人はRM 5.0。月火水木土の10時からは英語ツアーが、毎週火木と毎月第三土曜日の10時からは日本語ツアーが開催されているとのこと。

ひだり みぎ
チケットを購入して入館。窓やタイルなどの装飾にどことなくイスラム教的な雰囲気を感じることができる。

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1932年に西海岸近くで発見された旧石器時代の人骨、土器や貝殻などの装飾物、貨幣なども一緒に発掘された。考古学的証拠によればヒトは今から約300,000年前には現在のマレー半島で生活をしていたとされる。

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72,000年前の物とされる石器と獲物の骨。

石器時代中期は今から約12,000~5,000年前にあたる。剥片石器が出現。簡単な死者への儀式が行われていたことを示す物的証拠も発見されている。

新石器時代には打製石器に加えて磨製石器も使用される。
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先に見た石器はただの石じゃん!!と突っ込みたかったが、ここまで来ると十分に道具らしく見える。農耕や牧畜も開始されたことで社会構造が著しく変化し、文明の発達が始まった。俗に言う新石器革命のことだろう。

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マレーシアの青銅器時代は約3,000年前とされている。採掘された銅鑼や青銅製ベル、ボウルなどはベトナムのドンソン文明から齎された物と考えられている。

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ジャックフルーツの木でできた龍の顔面(左)と7~12世紀の間の物とされる聖観音(右)

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マラッカ王国のオフィシャルスタンプ(左)とアラビア語でIbnu Sardan213と彫られた石碑。マレー王国もイスラムの影響を受けていた。

1400年、マレー系イスラム国家・マラッカ王国が成立。西洋東洋の海洋貿易の中間点に位置するマラッカ王国は港市国家として繁栄。
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クリスは男性の名前Chrisではなく、Krisと表記される。独特の非対称の短剣である。波打った形状の刀身が主流だと思っていたが、こちらにあるのは比較的ストレートな物ばかりだ。実際に生で見るのは初めてだが、柄や鞘にも神々の姿が彫り込まれたり金銀細工が施されていたりと意匠が凝らされている。こいつらは日本のカタナと同様に神秘的な力を秘め、武器でもあり護符でもあるとされている。そういや確かロマサガでもクリスナイフという名前なのに防具アイテムだったな、弱かったけど。護身・破邪の呪物的家宝としてマラッカ王家の宝器にもなっていたようで、現代でも結婚式などで男子の正装の一部として腰にさして用いられるものだ。一本買って帰りたい。

トレードで栄えたマラッカ。当時のマラッカ海峡での交易活動はイスラム勢力の港湾都市を行き来するイスラム商人が中心となったこともあり、マラッカへのイスラム商船の来航を促すため、国王はイスラムに改宗。多くの宣教師や宗教学者の来航と共に、特に陶器に生地、カーペット、タイル、家具などのイスラムグッズが多くマラッカに流入しました。
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鉄樹の木箱。中央にはコーランのアーリ・イムラーン章31節が、周りにはヒマワリが彫られている(左)、屏風(右)。果たしてお値段の程はおいくらなのか、凄くハイセンスでオシャレなコレクションだ。

さて、やがてマラッカは更に繁栄。アラブ諸国から運ばれてきた絨毯や宝石、中国の綿織物や陶磁器、インドの絹織物や香辛料、タイの米や酒、スマトラやジャワからは金や鉱物など、アジア各地の産品がマラッカで取引され、遠くヨーロッパや南アメリカの商人などを含む世界中の民族が来航するコスモポリタンへと発展します。その繁栄ぶりは、“マラッカを制する者はベニスをも脅かす”とさえ称されたほどで、最盛期を迎えた15世紀には84もの言語が飛び交う国際都市として大いに繁栄を謳歌しました。
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ジャワ文化からもたらされたパペットの影絵(左)、ブルネイ文化からもたらされた銅製品(右)。世界中の物品が集まる世界の中心かのように繁栄を極めたマラッカ王国であったが、海のシルクロードの要衝として栄えたマラッカの海上交易権を世界の列強が見逃すはずはありません。1511年、圧倒的武力を誇ったポルトガルによりマラッカは陥落、その後もオランダ、イギリス、日本と、マラッカは度重なる列強支配に翻弄され続けてきました。

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“サムライソード”との紹介がされている旧日本陸軍の軍刀。

多民族国家マレーシアの国立博物館だけあって見所満載だったが、フライトの時間が迫ってきた為に近現代や歴史以外の展示コーナーははしょりはしょり。博物館にたどり着くまでの時間のロスが悔やまれる。

マレーシア国立博物館
住所: Jl. Damansara, 50566, KL
電話: 03-2282-6255
時間: 09:00-18:00
定休日: 無休
料金: RM5

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